ということで帰ります。

 再テストは45点でした。よく頑張った、と最後に言いました。いいできでした。異なる二つの動作が融合する表現がやっとスムーズに理解できるようになった。たぶん、もう基本は大丈夫でしょう。
 彼との高校受験はあと一年続きます。授業のロックアウトはきょうが最後になるでしょう。再テストは何回もあるでしょうけれど、それは仕方ない。まだ今年の入試も終わっていないのに、来年の心配をしても、ね。
 まず、明日の、いや、日付が変わったから、きょうの心配からするべきか。能力以上の心配はしても始まらない。解決できる問題だけ、真剣に悩もう。

 本日、ここまで、広大附属福山高校の発表をお待ちくださいまし。

塾屋の日常点描

模擬試験の成績表作成。
 答案用紙にざっと目を通したあと、出題分野ごとの得点を一覧表に全科目記入していく。
本来、こうした瑣末な事務作業は、誰か他の人にやってもらったほうがよい場合もある。地味な仕事の割に精神的消耗度が高い。しかし、生徒の答案一枚一枚に目を通していると、無意識のうちに詳細な学力情報が蓄積されて、次の一手を考える局面で誤りのすくない判断を生み出す原動力になる。 
 好き勝手に生徒を教えて自己満足するだけなら誰でもできる。客観的な結果を受けいれ、さらに工夫した取り組みを練ることは容易ではない。みずからの無能を棚上げし、生徒の努力不足をなじる気持ちもしょっちゅう湧いてくるけれど、努力するきっかけや方法を教えずに、一方的に断罪しても益は少ない、事態を悪化させることはあっても、改善することにはならない。
 一過性の励ましで、免罪されるわけでもない。達成するべき目標が、達成できなかったときには、やり方に何か欠落したものがあったわけで、真摯な考察がなければ、同じ過ちをくりかえすだけであろう。沈着冷静に、できたこととできなかったことを認識し、できるはずなのにできなかったことを正しく見抜き、その処方箋を考えなければならない。
 と、言いつつ、実際には「コノヤロー」とかなんとか独り言をブツブツいいながら、点数を嘆いているだけのこともある。いずれにせよ、途方もなく心的エネルギーを消耗するのは確か。体温や血圧の測定値を記入するように、生徒のテストの得点を記入できるようになれば、僕はもっと凄い塾屋になれる。あと10年ぐらいかかりそうだ。

小6あらため、中1準備クラス始動!

 と言っても、数学や英語の話ではない。本の話。
 「先生、本貸してください」コールが起きた。
 彼女らが読みつくした在庫が何故か残り、彼女らが本を読む暇もない頃購入した新しいものは、他の学年にすべて出払っていて、ちょっと本の選定に苦労した。そこで、さっそく新たに注文した。中学受験バリバリ期には、中学入試に出た出典リストもとに本を漁るという、まことに邪な行動に陥ってしまう。さすがに受験も終わると、「オモロシロソー」という基準で選ぶ。女子生徒のリクエストが集中すると、どうしても「恋愛・青春小説+思春期の少女の自立」系にカテゴライズされる書籍に目が向く。このジャンルは、嫌になるくらい(笑)たくさんあるから、選ぶ手間はかからない。しかし、いずれ、もっと内容の濃い、自己省察を深く要求する、あるいは社会性を豊かに養う書籍を購入する日もくるだろう。高校入試の終わる頃になるのだろうか。彼女らの読書の旅は、たぶんまだはじまったばかりで、その先に何があるのか、誰もしらない。

明日、広大附属福山高校の発表を

 3:30に見に行きます。4:00までには戻ってこれると思います。小4の皆さんはおとなしく教室で待機していてください。発表については、もう天命がくだるのを受け入れるだけ、問題は意味のない渋滞にまきこまれて身動きがとれなくなること。いっそ自転車で行くってことも考えてよいのだけれど、あとあとのことを考えると、どうも、それはやめておいた方がいいような気がする。

実はきょう中2の生徒をひとり授業から追放した。

 宿題のプリントがまるっきり白紙。しかも基本問題から無茶苦茶。いっしょに学ぶ中1にしめしがつかない。「出て行け、もし、ヤル気があるなら、全部やって戻って来い」と言い放って教室から追い出した。
 授業終了後10:30、二年になったら部活もやめよう、という話をしていた高校生が帰って、そろそろ店じまい♪ と思っていた矢先、追放された少年が、騒々しくもどってきた。「やってきました」。
 チェックすると八分のでき。彼としては健闘した、というところ。そこで、小テストをやったら哀しいかな、10点。そんなにハイスコアにならない事は予測できていたけれど、それはないだろう。あえなく再テストに突入、とあいなった。
 一年前には、単語を覚えるのに苦労していた。どの単語も頭の三文字だけ覚えさせるのが精一杯だった。それが、今は不定詞のプリントをみなといっしょに勉強しているだけでも立派なことかもしれない。しかしね、それで満足してちゃいかんのだよ。そんなこと、入学試験じゃあ評価してもらえない。だから、11:18をまわっても、再テストはする。できなかったら、間違い直しをする。やるべきことをやる。みんなちゃんとやっている。再テストだって四人受けた。君だけ特別扱いはできない。だから、がんばる。