さわやかな一日だった

 依然として、ゴミステーションの係である。朝6時の太陽がずいぶん北寄りの位置にあった。さわやかに吹き抜けていく風を受けて、心の中で手を合わせた。意味はない。おだやかな一日であれ、と、正しい道を歩むことができるように、と祈った。
 
小4
 算数は、かなりの量の問題が宿題であったが、懸念していたとおり消化不良の生徒がいた。間違った問題はすべてチェックさせ、間違い直しを命じた。小テストでダメ押しをした。合格点に届かない子が二名。居残りになった。もう一、二週あれば、完成するだろう。

小5
 社会科の復習。6名ほど再テストになった。まだ都道府県をひらがなで書こうとする輩がいる。「絶対ダメ」といってから、もう何週間もたつ。いや、全員が問題なく漢字で書けるようになるまでに、まだ、数週間かかるであろう。そうしたもんだ。焦らずぼちぼち矯正していくしかあるまいね。達成ラインを明確にし、絶対ぶれないようにしておけば、早い遅いの差はあっても一年以内に全員ちゃんと書けるようになる。下手に妥協なんかしない方が彼らのためであろう。

小6
 きょうはヤギさんチームの日。でも、スクランブラーが三名参加。いろいろあって、いろいろあった。ここでも石頭の頑固爺ィを演じた。

中2
 昨日の中1に同じ。試験対策プリントを必要なだけ、慈悲もなく容赦もなく刷った。膨大な量だった。試験期間中ではない生徒には、英検対策を施行した。ひとり4級をしくじっている子には、3級と4級のダブル受験を指示した。常に120%を要求し、能力をストレッチする。しんどいことだが、たぶん、それが塾屋の務め。

高校初級
 あくまでたんたんと。今夜も僕は、モーツァルト「フィガロの結婚」(ハイライト)を聴きながら、数学や物理の問題を解説しながら、試験対策全般の監督。


楽しくてたまらない海洋冒険小説を読んでいる。
新鋭艦長、戦乱の海へ―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (上) (ハヤカワ文庫 NV―英国海軍の雄ジャック・オーブリー (1025))
ジャック・オーブリー シリーズ。ナポレオン戦争時代の英国海軍を舞台にした帆船小説と言えば、C.S.フォレスターのホーンブロワー・シリーズ
勇者の帰還 (ハヤカワ文庫 NV 101 海の男ホーンブロワー・シリーズ)
が僕にとってはバイブル。いつも心にホーンブロワー」という時代があった。その後アレクサンダーケントのボライソー・シリーズにもはまったけれど、途中から冒険活劇味が薄れて人情色恋沙汰が強くなったのは僕の欲するところではなかった。
 さて、ジャック・オーブリー シリーズには、主人公のジャック・オーブリーの無二の親友スティーブン・マチュリンがいる。海軍軍医にして博覧強記の博物学者。父方はアイルランド、母方はカタロニアという出自も複雑でありながら、実は英国海軍所属の有能な諜報員という設定。合衆国のボストンで捕虜になったシーンでは、ジョン・ル・カレ描くところのスマイリー並のしぶい活躍、まさに圧巻。オーブリーよりもマチュリンファンを名乗る人がいるのもうなづける。そうした登場人物の重層構造に、博物学的叙述が延々と続き、帆船と海の男たちが、これでもこれでもかと微細に描かれる。南緯40度線を越えた暴風域で闘われる海戦も、バルト海沿岸の要塞島奪還も、その奔放な冒険譚は読むものを決して飽きさせない。合間に語られる19世紀初頭の音楽・文学・オペラの芸術談義も物語を品よくまとめ、ワシントンポストに「20世紀最高の歴史小説」というレビューを書かせたのもうなづける。
 ということで、たださえ早起きで、ただでさえ懇談期間中なのに、毎夜、家族はみんな寝静まったリビングで、ひとり読書に耽溺している。