今年のF1は

近年稀に見るほど興味を持たなかった。1チームの独走状態でもMSが連覇を続けていた2000年代初頭の頃は熱心に観ていたくせに我ながら現金なものだ(苦笑)
とはいえ昨年までは速さはあるもののメンタル的な弱さによってチャンピオンの器でないように見えたロズベルグが、今年は強さも加わり自信に満ちた走りをしていた。仮に接戦の末にハミルトンに敗れたとしても来年以降にタイトルを獲得できるだろう。
と思っていた最終戦に、ハミルトンのスローペース(といっても昨年のレースペースを上回っている)により後続との差を詰められあわや逆転されるかもとメルセデス首脳陣が狼狽するような状況に陥りながらも見事にポジションをキープして自力での初タイトルを決めた。
これは来年以降もメルセデスが強そうだな、と思っていた矢先にロズベルグが引退を表明したらしい。ジェームス・ハントみたいに1度でもワールドチャンピオンになったことで満足してしまったのだろうか?

思えば(ピークを過ぎていたとはいえ)7度のワールドチャンピオンであるMSを圧倒して深めた自信を、現役バリバリのチャンピオンであるハミルトンに打ち砕かれて、昨年までは精神的にかなり追い詰められていたのかもしれない。ワールドチャンピオンになったことでプレッシャーから解放されたのかな。
2010年代が始まってから圧倒的な速さを誇ったレットブルが2014年の規約改定により2番手以降に転落したように、大幅に規約が変わる2017年はメルセデスも安泰とは言えない。
ワールドチャンピオン獲得から10年経過したアロンソ、9年経過したライコネンのように変わらずモチベーションを保ち続けているドライバーもいるが、ブラウンでチャンピオンになってから7年間タイトルに無縁だったバトンは休養を撤回して引退を決めた。
生まれながらにしてセレブのロズベルグには、名だたるチャンピオン達と比べてガツガツした感じがしない。F1から離れれば元々の優雅な生活に戻るだけ。そしてワールドチャンピオンを獲得した年に引退出来るのだから、こんなに幸せなことはないのかもしれないね。