(『よくわかる宗教学』櫻井義秀、平藤喜久子編著)より

(『よくわかる宗教学』櫻井義秀、平藤喜久子編著)より
カトリックの世界観の特徴は、神の恩寵への信頼に基づく圧倒的な楽観主義。この世界観は、諸民族の慣習をキリスト教信仰を具現化する手段としてしばしば積極的に受容したり、美術や音楽、建築も信仰の表現手段として重要視された。結果、豊かなシンボリズムに基づくキリスト教美術や宗教的儀礼が発展した。

東方正教会は西方カトリック教会と教義上はほとんど同じ。しかし西方カトリックは法律や制度、道徳や福祉を重視し、神に向かう道を実社会との関連でとらえる。
一方、東方正教会のほうは世俗的社会の改革や政治に強い関心をもたず、瞑想的で観相的。そのため演出の壮麗なな儀式がみられ、また身体的動作で信仰を深めることが多い。