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2018-12-29

[]「この漫画が始まった!2018」でもその前に…… 00:18

一年ぶりです。皆様いかがお過ごしでしょうか。

誰も読んでいない? 一理ある。

今年もなんとかかんとかマンガレビューをしていきたい所存なのですが、いかんせん今年発表されたマンガ雑誌が全然読みきれておりません。

今年はコミックDAYSという神アプリがリリースされたことによって購読雑誌が11誌(コミックDAYSで配信されていて読んでいない雑誌も含めると16誌)に増えたのはいいんですが、流石に全部読むのがしんど過ぎた。怖くて数えていませんが、ざっと見て30冊ぐらい溜まっています。明後日までに読めるところまで読みますが、多分無理です。オワワワワワ

そういうわけでレビューが年内厳しそうなので、代わりといってはなんですが僕をそんな闇に引きずりこんだコミックDAYSの神っぷりについて簡単に説明しておきましょう。

コミックDAYSは神

そもそもコミックDAYSとは、講談社が出しているオンラインコミック配信サービスの名称です。スマホアプリがメインターゲットですが、webサイト経由でパソコンでも読めます。

マンガアプリは各社各様のものが玉石混交で入り混じっており、特にアプリオンリー配信の多い昨今は、毎週安定して時間を確保することが苦手な私には辛い環境ですが……話が逸れました。

マンガアプリは数あれども、漫画雑誌を購読出来るサービスというのは比較的めずらしいのです。DAYSを除くと集英社の「ジャンプ+」「ヤンジャン!」、講談社の「マガポケ」「Dモーニング」などが代表的ですが、いずれも決まった1誌か2誌を読ませることに特化した仕様で、私のように複数の週刊誌月刊誌を乱読する人間は複数のサービスを同時に使うか、kindleで一つずつ手作業で買うかしかありませんでした。

音楽や映画・ドラマ、アニメなどではspotifydアニメストアなどの月額配信サービスが隆盛を極めており、一般雑誌でも「dマガジン」などでは最新号をジャンル横断的に読むことが出来ますが、なぜか漫画雑誌に関してだけはそうした仕組みがほぼないに等しい*1Kindle Unlimitedのマンガ取り下げ騒動などを見る限り、漫画の読み放題サービスの損益分岐点が高過ぎるのだと思いますが、それゆえに統一したサービスは登場せず、配信サービスは雑誌レーベルごとに蛸壷化していく……。

コミックDAYSはそんな状況に対して遂に一石を投じてくれる存在となりました。何しろ出版界の雄たる講談社の出版する13誌を1サービスに統合し、月額960円(6誌の場合は720円)で提供するというのですから、激震です。配信されている雑誌には既に電子版配信アプリを持っていたり、kindleでの売上が大きそうな雑誌もあるのに、よくぞ決断してくださったと、僕は感涙するばかりです。

どんだけ神なのか

ライバル他社である集英社の看板サービスであろう「ジャンプ+」と比べてみましょう。ついでにコミックDAYSの目下最大のライバルとなりうるサービスであるマガジン☆WALKERとも比較します。

ジャンプ+(WJ,SQ,ウルジャン購読)コミックDAYS(もっとプレミアム)マガジン☆WALKER
雑誌数最大3*2最大1339*3
金額\1,900*4\960*5\500
バックナンバー無制限1-2ヵ月*6前号のみ
紙との差額最大\300*7最大\9,270*8\11,966*9

※数値はいずれも2018/12/29現在

こうして見ると、同じ雑誌の定期購読サービスとはいっても、その中身は全然違うということが分かるかと思います。

ジャンプ+は買い切りの定期購読サービスです。いわば紙の雑誌を電子版にしただけ。流通コストや在庫コストが下がった分だけ安くなっていますが、基本的にはお値段変わらず、その代わりにいつまでも読めますよ、というサービスです。

コミックDAYSとマガジン☆WALKERは雑誌読み放題サービスの延長線上にあるサービスで(というかマガジン☆WALKERは雑誌読み放題サービスそのもの)、その本質はスケールコストと読み捨てによるサポートコストの削減。あくまでも瞬間的な「読む権利」のみを売ることで単体レベルでの値段を大幅に下げる代わりに、手元に置いて何度も読み直したかったら単行本や雑誌本体を買ってくださいね、というスタンスです。

マガジン☆WALKERの方がトクなのになんで買わないの?」という声が聞こえますが、いかんせんカドカワが元締なせいか、ラインナップがサブカルオタクに寄りまくっており、メジャーなレーベルが取り込めていません。普通の漫画雑誌が読めると思っていると大怪我します。少年エースコミックフラッパーなどコアな雑誌専用と割り切って使うなら優良サービスで、一般雑誌もそこそこ読めるので500円は実際破格です。私は時間的余裕がないので買っていません……。

買い切りで雑誌を配信する意味

ところで皆さんは読み終わった雑誌を捨てずに取っておくタイプですか?

僕のように年末にまとめてマンガのレビューでも書こうとするバカだと、半年前に読んだ連載が思い出せなくて読み返したくなることも多々ありますが、基本的には皆さん一度読んだ雑誌はすぐ捨てるんじゃないかと思います。

かつて、漫画雑誌というのは新聞と並んでかさばるゴミの代表でした。「読み返す必要がないから」というより、「置いておく場所がないから」という消極的な理由によって、漫画雑誌は捨てられてきたのではないかと思われます。

しかし電子書籍の到来により「雑誌を捨てる」必要がなくなり、漫画雑誌環境は劇変しました。今や、電子書籍漫画雑誌を買えば、その電子書籍サービスが終了するまで(ローカルにDLしておけば、そのアプリや端末が壊れて動かなくなるまで)ずっと手元で読み返すことが出来るようになりました。凄いですねー。

で、皆さん、読み終わった雑誌を読み返したりしてます?

しないですよね。それよりも最新号読むのに忙しいし、そもそも気に入った漫画があったら単行本を買う、という人もいるかと思います。

ジャンプ+をコミックDAYS(とマガジン☆WALKER)と差別化している大きな要素は(ジャンプが読めるというブランド的な価値を別にすれば)買い切りのプランであることですが、実は漫画雑誌業界には買い切りの需要はほとんどないのではないかと僕は思っています。

そもそも漫画を読むために雑誌を買う、というのは、結構リッチな行為です。

漫画1本読むだけなら、雑誌を買うより単行本を買うほうが経済的です。安いし、かさばらず、紙質も綺麗で保存しやすいです。

週刊少年誌で言うと単行本1巻辺り9-10話ぐらい載っていて400円ぐらい、一方の雑誌は1号辺り250円ぐらいなので、大体雑誌1本に読みたい漫画が5本は載っていないと採算が合いません。中高生とジャンプなら話は別ですが、普通そんなに同じ雑誌の漫画を大量には買わないでしょう。

それでも雑誌を買うとしたら、それは雑誌に「速報」としての価値があるから、また「偶然の出会い」があるからです。

「最新話がいの一番に読める」あるいは「知らなかった面白い連載や読切が発表されたその瞬間に立ち会える」

というのが漫画雑誌の根本的な提供価値になっていくのだとしたら、漫画雑誌が目指す方向は買い切りではないとは思いませんか*10

だから、講談社というネームバリューのある会社が「期間限定で読み放題」(=実質的な読み捨て)というビジネスモデルを採用した意味はとても大きいと僕は思います。

言うなれば、この後漫画雑誌電子化によって行くべき方向性が、コミックDAYSの成功如何で決まってくるということです。

講談社の戦略

補足しておきますが、講談社は別に漫画雑誌の買い切り路線を捨てたわけではありません。

コミックDAYSで配信されている漫画雑誌は今でもkindleを始めとした電子書籍マーケットで購入出来ますし、なんなら電子書籍版限定の特典がついていたりします。

週刊少年マガジンが特に分かりやすいですが、マガジンは紙でしか読むことの出来ない「はじめの一歩」があります*11。また巻頭グラビア懸賞ページ、読者参加ページなども多くは紙媒体でしか見ることができません。

kindle版ではこれらの要素が大幅にカットされている分、過去作品の復刻連載が巻末に掲載されています。今となってはkindle版を買わなくなってしまったので分かりませんが、僕が買っていた頃はフェアリーテイルダイヤのAトモダチゲーム恋と嘘の4本が掲載されていました。本誌連載のみならず他誌の人気連載を引っ張る辺りがあざといですね。

一方コミックDAYSのもっとプレミアムでは復刻連載もありませんし、バックナンバーも制限があります。しかし、講談社の別の雑誌も購読している場合、コミックDAYSは圧倒的に安いです。また、購読にともなってついてくる200ptを使えば、コミックDAYSのアプリ連載を月に2-3話ほど購入できます。

週刊少年マガジンしか読まないけど復刻連載やグラビアなどを読まない場合は、「マガポケ」の定期購読サービスがあります。月額840円と少しく安くなります。

講談社はこれら4種類の媒体を通して、漫画雑誌の明日を見極めようとしているようです。

*1:例外はカドカワの「マガジン☆WALKER」、Komiflo社の「Komiflo」など。マガジン☆WALKERについては後述。Komifloは実質ワニマガジンの定期購読サービスであり、バックナンバーを1年間読める神サービスだが、成年雑誌のみのサービスなのでここでは割愛する

*2:雑誌ごとに個別契約可能

*3一般誌含めると91

*4週刊少年ジャンプのみ購読の場合900円(iOSで課金する場合960円)

*5:プレミアム(6誌のみ)の場合720円

*6月刊誌は前前号、週刊誌は3号前まで

*7週刊少年ジャンプのみの場合60円

*8:プレミアム(6誌のみ)の場合4,880円

*9:男性漫画誌20誌のみで計算した場合。実際には女性漫画誌一般雑誌なども入るため、この3倍ぐらいにはなるはず

*10:実際、マンガワンやマガポケではバックナンバーを一時的に無料公開することで、「何度でも読み返す(単行本)」と「最新話を読む(雑誌)」への導線にしようとしています

*11:これは講談社の戦略というよりも作者の森川ジョージのこだわりですが