私の人生を変えたエロゲ10選

 要は自分史の捏造である(セルフ偽史紡ぎ)。記述で自己を再帰的に更新しよう的試みと思ってもらえれば。
 以下、あやふやな記憶に従う限り、基本的にプレイ順の筈。
 
1.月姫
 人生初エロゲ。こんなに面白い娯楽が存在したのかよ、と本気で感激したことを今でも生々しく覚えている。これは本当。
 決して広くない街を舞台に複数人物の視点から同じ事件を描くことで生じる、物語の陰影。決して少なくないエロゲがその構造上必然的に備える特長であり、月姫固有の要素ではないものの、当時の僕にとっては間違いなく革命的な物語の魅せ方のように思えた。父親の仕事用PC(Win95、メモリ32MB)でサルのようにプレイしてた思い出。
 
2.AIR
 抜けるような青空の下で、僕らは物語と断絶する。
 理解を超える物語、というものを、自ら求めて読んだ限りの媒体において見出すのは初めての体験だったように思う。押し付けられたわからなさではなく、追い求めた末に置いてけぼりにされるような感覚。青空を幻視する。僕らには、過酷な日々を。
 
3.CROSS†CHANNEL
 コミュニケーション関係であたまがおかしくなっていた時にプレイしたので。
 何を受け取ったのか、もうあの頃の記憶は(発狂してたのもあって)サルベージできないけれど、人生を変えられたという実感だけは今も残っている。
 
4.めじょく
 四番目にして早々に雲行きが怪しくなってきた。実際のところ抜きゲーのが語りやすいんだよ!
 予想もしてない寝取られってものの衝撃と、怒り勃起/鬱勃起の凄まじさを教えてくれた作品。正直なところゲーム本編でのメインの獲物たる女性たちにあまりShicorityを感じなかったので、寝取られシーン以外わりとどうでもよかった。後半の寝取られるのつらいけど寝取られてくれ、というアンヴィヴァレンツなプレイ体験も中々。
 
5.Quartett!
 メイ・アルジャーノを知るものは幸福である。ハンスを愛するものはその次に善い。
 強度の高さ、孤高であること、省みない優しさ、そういったものについて考える契機になった思い出のキャラ。Quartett!自体も非常に好きな作品だが(好きなエロゲ5選、でも入るかも)、彼女のようなものの存在を認識したことの方が人生への影響という意味では支配的だったように思う。ああいう人間になれたらなー。
 
6.魔法少女アイ2
 怪人が筋少ネタ連発してて爆笑したよね。
 兎にも角にも耳姦である。耳とか性器じゃないんだけど? 馬鹿なの? 死ぬの? と思っていた僕の蒙を啓いてくれた記念すべき作品。耳は間違いなく性器。
 
7.あやかしびと
 主人公の物語こそがエロゲなのだ、と確信した契機として。
 少なくともPC版あやかしびとには、好きなヒロインというものがいない。好きな√での如月双七、しかいないのだ。移植版で追加された逢難√は大好きだが、あれだって「如月双七を理解する装置」としての逢難にしか興味がないのではないか、と問われれば何も言い返せない。主人公の変化の触媒として要請されるヒロイン、という図式。
 
8.3Dカスタム少女
 半分以上は優れたMODのおかげなんだけど、優れたMODを作りたくさせる根幹部分の素晴らしさは紛れも無くスッタフの努力の賜物だろう。
 なにはなくとも、カメラ目線MODである。少し肌蹴た制服にカメラ目線MOD、バックで交尾するカスタム少女を横合いから眺めるだけで寝取られの絵が現前する。エロとは窃視であるべきだ、と常々思う僕にとって、あまりにも衝撃的なエロ生産ゲームだった。
 
9.最果てのイマ
 僕にとっての窮極。
 
10.この青空に約束を
 高濃度に圧縮された想像上の青春概念が君の人生を粉微塵に打ち砕くだろう。後には何も残らない。
 丸戸は鬼だ。決して心を許してはならないよ――――――