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被爆医師:肥田舜太郎さん(94歳)被爆の現実を語る

福島第一原発事故を受けて、まだ伝えられていない本当の放射線の被害について、広島の被爆体験を94歳の医師の方が語っておられる。25分と長めのビデオだが、あまりにも衝撃的な内容だったので、聞き入ってしまった。これは、原爆の被爆体験から、原子力の真の危険性を示すものとして、とても貴重です。(当時の記憶を持っている人が徐々に亡くなっており、しかも医師という専門家の意見は、とても貴重です)

拡散希望被曝医師・肥田舜太郎さんが語る『真実の原子力』(25分53秒)

この秋ごろから、被爆の最初の症状として下痢の症状が現れると見ているのだそうです。既に福島の人の中にその症状になっている方がいるとの事です。しかも現代の医学では治せないそうです。本来であれば、こういう重要な事実は報道されてしかるべきですが、報道されていない事に背筋が寒くなる思いです。そこで、この医師の方の言葉を一言一句漏らさず、書き記す事にしました。(読みやすいように私が話の内容から勝手にインデックスを付けました)

0.自己紹介と、これから話す内容について

  • 皆さんこんにちは、私は今ご紹介いただいた肥田舜太郎という内科の医者です。94歳ですから、あんまり確かなように話す事は出来ないかもしれませんが、皆さんにまだ皆が教えられていない、広島長崎、原爆の本当の被害の中身を短い時間ですが、簡単に分かるようにお知らせをします。

1.放射線の性質とその影響について(0分43秒)

  • ご承知のように原子爆弾放射線のエネルギーを元にした爆弾です。今までの世界中の人が持っていたどんな兵器とも全く違う...放射線というものを燃料に使って、爆発させる。ですから、その被害を受けた人は火傷をしたり、強い爆風で吹っ飛ばされたりする被害の他に放射線が人間の体を色々と壊します。で、直接爆発した下にいた人は、いわゆるピカを浴びた人は、頭の毛が抜けたり、血を吐いたり、体に外の病気では出ない紫色の斑点が出たりという、特殊な5つの症状で直後に頭の上で爆発した放射線を浴びた人は、沢山死にました。ところが放射線は爆発したその町に残っていて、ひとつは、地面の上に降り積もっていた放射線の粒子...粒を人間が触ったり、歩いて飛び立ったホコリとして吸い込む、また、水源地が侵されて水の中にあるものを沢山飲む、それから、あのキノコ雲という舞い上がったあの雲は、爆発の時に酸化しなかった生のままのプルトニウムとかウラニウムという放射線の粒が...あの中にいっぱい詰まっていて、それがいっぺん成層圏まで舞い上がります。しかし、小さな粒でも重みがありますから降ってくる。だから、後から親父を探しに町へ入った四日後に妹や弟の様子を見にはいった。自分は爆発とは何の関係もない人が、後から町へ入った為に広島でも長崎でも、今の医学では診断も出来ない不思議な病気が起こって、大変苦しみました。で、大部分の被爆者は、ちょうど今から10年くらい前から、今もそうですが50年、60年たってから、ガンや白血病という悪性の病気で今、どんどん死んでいます。つまり、戦争の終わりに被爆した人が、60年も生きて、その生きている間も健康に過ごせたのではなくて、しょっちゅうお医者さんに行ったり入退院を繰り返す。だけれども、病気の本態は分からない、そういう事で苦しんだ人が、最後はガンや白血病で命を取られる。放射線はそういう性質を持っているんです。

2.アメリカの原爆投下後に対する対応について(4分40秒)

  • ところが、落としたアメリカは、直接ピカを浴びて、火傷をしたり大けがをした人達が、そういう強い放射線で殺される。隠す事が出来ないので、そのまま認めたんですね。ところが後から町に入った人が今の医学では分からない、いろんな病気で苦しんだということを聞いても、それは、その患者や、その患者を診た医者が原爆の事を悪く言う為にデマを飛ばしているんであって体の中に入る僅かな放射線は全然、害がない言う事を広島に爆弾を落としてから丁度、1ヶ月と2日目の9月の8日の日にあの爆弾を造ったグループの一番トップの人から二番目の偉い軍人が来て、まだ、マッカーサーが日本へ上陸する前に、焼け残った帝国ホテルのロビーに外国から来ているジャーナリストを集めて、つまり、微量の放射線は、体に入っても何度も害がないんだと世界に向けて放送をし、日本の政府に向けても、それを承知しろと、で、広島長崎で被害を受けた被爆者は、アメリカの軍事機密である原子爆弾の秘密の一部を自分の体で知ったわけだから、これはアメリカの軍事機密だから、絶対に人に喋ってはいけない。それから、書いて残してもいけない、もちろん写真や絵で書いてもいけない。もし、違反したものは、厳罰に処すと、占領政策の最初にそれを日本で宣言したんですね。

3.戦後直後の被爆者の状況について(7分26秒)

  • だから、広島長崎で被爆をして、兄弟も親も皆死んじゃった財産もなくなった、行き場もない、そこら辺に倒れて、寝っ転がっていた沢山の被爆者が「私は広島や長崎で被爆をして、とても今困っています。助けてください」という事を言えなくなった。これをアメリカが日本に原爆の投下した事も大変な罪悪ですけれども、それにも増して、戦争が終わって自分の落とした爆弾で、医学では治しようがない大変な病気を負っている被爆者に生きる道を閉ざすような大変悪い事をアメリカはしました。それは、自分だけが持っている原爆という新しい爆弾の秘密がよその国に漏れる事を非常に恐れたからです。皆も知っているようにアメリカ軍は、戦争が終わってから7年間、アメリカの鉄砲を持った兵隊で実際に軍事占領をしました。私たちは、戦争に負けた上に食べ物もない、家も焼けてない、という中から日本の国を新しくつくる為に一生懸命働きました、私は医者ですから、自然に被爆者を沢山見る事になります。日本の医者の殆どはアメリカの言う事をそのまま信じて、後から町へ入った被爆者がかったるくて動く事が出来ない、他は何ともないんだけれども、元気で働いていたら、ある日突然、大変な怠さが起こって会社へ行けなくなった。三日も四日も続いて、やっと軽くなったから会社へ行ったら、また、その翌月、おんなし事が起こって、要するに会社や工場で働き続ける事が出来ない、という患者がいっぱい出たんですね。ところが日本の医者は大学の教授から町の先生から、特に広島長崎の医者はみんな、そうでしたが、アメリカから被爆者を特に一生懸命診るような医者は、何かアメリカに含むところがあると考えると、睨むお前達は、そういう意味でアメリカから目をつけるという風に言われて、被爆者を親切に診るという事も困難になった。

4.主権がない事の惨めさについて(10分24分)

  • つまり、他国の軍隊に占領されて、自分の国の政府も役人も何の役にも立たなくなった。そういう状態に私たち日本人は、一度、7年間、苦しみを味わいました。私は銀座で酔っぱらったアメリカの兵隊が数人で公然の場所で女性をレイプする現場を見た事があります。日本の警官がそばに立っていても、ちょっとでも手をつければ殴り殺される。そういう占領を我々は受けた。しかも、今の医学では全く診断も治療も出来ない原爆病という新しい病気、この病気の患者を研究する事も日本の学者は禁じられました。日本の政府は、困っている被爆者を法律を作って何とか援護をするという事も禁じられました。彼等は日本、アメリカの軍事機密を知っているアメリカから見れば、まだ敵性の国民なんだと、それを日本の政府が特別に面倒を見る事は許さない、こういう占領が続いたんです。でも、それはもう7年前に終わりました。しかし、その後、皆も知っている様に日米安保条約という、アメリカが起こす戦争には日本が全力を挙げて、これを助ける。そういう今の安保条約という条約が出来て、日本の政府は今でも日本を守ってくれるアメリカの核兵器が不利になるような運動は一切してはいけない。まだ今の政府は、そういう方針を持っています。

5.消せないウラニウムの火(12分38秒)

  • 私が皆さんに言いたいのは、放射線の皆さんは今度東北で福島の原発が事故を起こして、沢山の人が家にも帰れない、せっかくいたら外へ出ていけと言われるような目に、今あっています。原発から漏れてくる放射線原子爆弾で皆が浴びる放射線放射線はおんなじものなんです。全然違わない、プルトニウムウランという二つの放射性分子を燃料にして熱を作って電気を起こしている。だから事故を起こして、これが止められない。皆さんはエネルギーを沢山知っています。一番目にするのは「火」ですね。マッチを擦る…あるいはライターなどの「火」です。これはエネルギーですね。ところがこれは、マッチの火はもみ消せば消える。ライターもスイッチをこすれば消えてしまいますね。あらゆるエネルギーは...他のエネルギーは...「消す事」が出来ます。ところが、放射線のエネルギーは絶対に消す事が出来ないんですね。あれだけの事故を起こしたあの原子力発電所も、あそこで燃やしたウラニウムと言う原料が、そのまま熱をもって燃え続けるのを消す事が出来ないんです。人間には...

6.どうしようもないウランエネルギー(管理できないエネルギー)(14分30秒)

  • そういう難しいエネルギーを、普通にはそこら辺にはないのを無理やり、特別な科学の方法で無理やり引っ張り出した。引っ張り出したのはいいけれども、最初に使ったのが人殺しの爆弾につかったと、そして、その機械が戦争が終われば、工場はそれをもう造り続ける必要がなくなっちゃう。何とか使えないかというので、電気を起こす機械にして、世界に売ったわけですね。それを買わされた日本が飛びついて、それで電気を起こし始めた。事故が起きなけりゃいいですよ。今度みたいにいっぺん事故が起こったらどうしようもないんだアレ。埋めちゃうわけにもいかん、海に放り込むわけにもいかん、どうしようもないんだ。出っ放しですアレ。放射線が...だから、あれはごく僅かだけれども、ず〜と毎日、朝から晩まであの工場(原発)の屋根から上へ空中へ出て行く、水の中にも出る。それはなくなりませんから、貯まるんですどんどんどん、だから東北のあの工場(原発)の真上にどんどん出る放射線は、そのまま風に乗って好きなところに行きます。そして地面に降る。降ったら地面にとどまって、そこはもうお米も作れない、商売には使えません、第一そのそばに行けば被爆をします。そういう風に今、東北は、日本の国が東北という部分だけ...破壊されてしまった。極端に言えば、そういう状態が今起こっている。

7.放射線の体の被害について何も知らない学者たち(16分36秒

  • ところがテレビに出てきて知ったような解説をする学者が沢山います。彼等は、放射線を作る側...あの放射線を作るのは簡単には出来ないんですよね。だからアメリカから今、ウラニウムを買ってきてやっているわけだけれども、あれを作る側の学問をやってきた人が出ているんですね。あそこへ。ところが、この放射線が人間に当たった時に、その人間がどんな変化を起こすかってのは、何も知らないんです彼らは。

8.放射線に被爆した場合の症状(17分14秒)

  • だから、ただちに心配な事は起こらない、そりゃそうですよ、今日、被爆したら明日病気になる。そんなことはないの。でも、もう東北では現に下痢が始まっています。さっきここへ出られて被爆者の方がお母さんも、妹も、弟も、自分も下痢が始まったとおっしゃいました。最初の症状の一つに下痢が始まります。これは今の普通のお薬では止まりません。だから私が一番心配しているのは、あの今、東北で本当に苦しみぬいている。長く住んでいた家から遠い不便なところへ行って隣の人とはボール紙一枚にしきられたところで1ヶ月以上生活をしているんですね。この人たちが舐めた苦しみは今のところは不便なところで寝ているという事で、年寄りや病人がいろいろ死なれたり、病気が悪くなったりしておられるけれども、元気なものも含めて放射線の病気が始まってくるのは、恐らく、この秋から、来年の春にかけて、沢山でてくるだろう...と私は想像しています。

9.病気の原因が放射線だと証明できない放射線がもたらす病(18分44秒)

  • でも、仮に病気になった人を私が病院に入れて、この人の今の下痢は放射線の影響ですということを証明する学問がまだないんです。これが泣き所です。だから人をああいう目にあわせて殺した側は完全犯罪です。30年後にガンで死んで、私はあの時に、あの被爆をしたからこの病気になったんだ。なんぼ言っても証拠を挙げられない。今の医学はそれを見つけるところまで行っていない、理由は簡単なんです。放射線の粒の大きさはね、皆さんが持っている定規の一番小さな目盛りは1ミリメートルです、その1ミリメートルの60億分の1というのがウラニウムの粒の直径なんです。これが体の中に入って悪さをする。今の医学は人間の体を分解して細胞という一番小さな単位のところで病気を見つける。これを60億分の1のところで、今病気を起こしているということは、それを見つける方法を持っていない。

10.治す方法もなければ、消す事も出来ないという特別なエネルギー(20分07分)

  • だから治す方法もなければ、消す事も出来ないという特別なエネルギーを何で選んで日本人の国の中で電気を起こさなければならないのかという事なんです。皆知らないから、あの方がたくさん電気が起こるんだとか、他の奴より地球の空を汚さない、そんなことで、うまい事いわれて、なんとなく、それで出来る電気で恩恵を受けてノウノウとしているけれども、敦賀原発の一つが今もし、事故を起こせば、広島はひとたまりもなくその影響の中に入ります。だから、私たちはもちろん、核兵器はもう二度と...もう作ってもいけないし、使ってもいけない、と言おうとします。だけども、こうなってみれば、原発だってもう許す事は出来ない...私たちの仲間の日本人が一度事故を起こせば、何百万人という人が今、東北で苦しむ、あの姿が、皆さんの明日ではないという事は誰も言い切れない、だから、放射能放射線というものは、まだ人間が自由にコントロールできないエネルギーなんですから、これはもう掘り出す事もやめる、もちろんこれを使う事もやめるという事が人類が全体で長生きする為には、世界中がこれをやらなければいけない。

11.何にも知らない日本政府、知っているアメリカ、ドイツ、フランス(22分02秒)

  • 政府はあの原発の事故を起こしたところから、20キロ、30キロの人は悪いけれども立ち退いてください、やっと言いましたね。アメリカはこのニュースを聞いた時に日本にいるアメリカ人に80キロ離れたところに逃げろと、アメリカは言っているんですね。もう翌日、そういう発表をしている。それからフランスもドイツも日本に派遣している特派員、12日の朝には本国から大阪まで逃げろと東京の特派員は全部そういわれています。それだけ逃げていなければお前の将来は危ないよという事をフランスもドイツもアメリカもよく知っているから、ちゃんとそういう放送をするんですね。日本政府は一月たってやっと、20キロ、30キロのところを恐る恐る向こうに行ってください。とぼけた事をやっている。つまり、何にも知らないんですよ。日本の政府は...金儲けだけは考えている。だから私は今日わざわざ広島、ここへ来て、この中には山口県の新しくできる原発反対に協力をしている若い方がいっぱいいると聞きました。私も広島陸運病院にいた時にカミノサキの夫人たちの健康診断を頼まれて一度あの...当時は、村でしけれども、あそこへ行った事があります。おだやかな非常に景色のいいお魚のおいしいところですね。その漁場を追われて、カミノサキの人達は今本当に真剣になって、中電来るなと、電気会社に反抗して戦っています。とうとう力負けして、なにかだんだん向こうの方が今、有利になっている様ですが、今度の事件があったので会社が強引に進めるのをチョット今、やすんでいるようですね。

12.日本の国民の戦い方ひとつで日本の国から原発を追い出す事が出来る(24分31秒)

  • だから日本の国民の戦い方ひとつで日本の国から原発は追い出す事が私は出来ると思っています。そして、そういう力を集めて、核兵器を絶対に世界からなくす。皆さんは呑気な顔をしているけど、今の政府、民主党の議員の中にも日本が原爆を持てという議員が、もう60パーセントを超えているんです。日本が核兵器を持って、もう一度、よその国とケンカをする…と言う事を考えている議員が全体の議員の中で50パーセントをもう超えているんです。だから皆さんが、これから…これからの自分達の生涯、これから皆さんが持つ子ども、孫、その上に放射線の恐ろしさや不安を絶対に感じさせないような国にこの国を作り替える。これが私が一番大切な事だと思っています。どうも長い事ご苦労様でした。