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TPP署名式とは

TPP署名式とは?

  • TPP署名式が2016年2月4日、ニュージーランドで開かれる。これはTPPが発効されるという事ではなくて、TPP協定書の合意署名式を開くという事。つまり、TPPが実行される場合は、この協定書に基づいて行う事を各国が合意し署名するというもの。なお、TPPの発効には各国の議会の承認が必要であり、一国でも承認されなければ、TPP協定は発効されない。まだ、TPP協定書が決まった段階で、議会での承認はこれからとなる。

ブログ記事が若干長いので読み上げ動画を作りました。記事中のグラフなどと一緒にお聞きください。(12分)

TPPについて

  • TPPは、史上最悪の条約といわれる所以は、大企業に利益が渡る構造にあり、それによって、人々の権利が損なわれる内容だからだ。というわけで、TPPが発効されたらどうなるか、協定書が公開されたので各分野の専門家の意見を交えて、それを書いていきたい。

1.TPPで飢える

"_blank">東京新聞:全農産品で関税撤廃の恐れ TPP協定案を弁護士ら分析

  • 【引用】
    • 弁護士らが協定案の英文を分析し、すべての農産品の関税が長期的に撤廃される恐れがあるとの結果をまとめた。他の経済協定にある関税撤廃の除外規定が、聖域と位置付けたコメなどの「重要五項目」も含め、ないことを指摘。聖域確保に関する条文上の担保がなく、将来的に「関税撤廃に進んでいく」と懸念している。
  • 【引用終了】
  • つまり、関税撤廃対象から外す規定がTPPには存在しない、その上、TPP協定発行7年後、米、豪などの求めがあれば、日本のすべての関税に関し再協議する規定がある。もし、TPPが2019年に発効し、その7年後の2026年に全ての関税に対し、関税撤廃の再協議を求められた時。最悪の場合、コメなどの関税が撤廃され、長期にわたって輸入関税がなくなる恐れがあるというのだ。これは、とても危険な事で自国の農業が衰退し、食料自給率が低い事は、海外情勢次第で国内が飢える事を意味する。


2.TPPで死ぬ

  • 2-1.TPPで世界一高い薬価にされる
  • TPPで人が死ぬというのは、脅かしではない。TPPの最大の利権は、医療分野にこそある。TPPによって米国が狙っているのは日本の医療市場である。なぜ、そんな事が言えるのかというと、TPPと同様の自由貿易協定である米韓FTAを見れば分かるのだ。米韓FTAでは、薬価を韓国は米国と共同で決める事になった。それの何が問題なのかというと、米国の薬価は世界一高いのである。この世界一高い医療費に合わせさせられるのである。
  • 国連の予測では、FTA締結後の薬価は39%も値上がりすると予測されています。これを日本の医療用医薬品に適用すると、12兆0400億円になります。TPP締結後、日本人は3兆3000億円も高い薬を買わされる事になると予測されるのです。そうなるとただでさえ、ひっ迫している医療保険財政がさらにひっ迫することは目に見えています。
  • 2-2.混合診療で形骸化する公的医療保険
  • 薬価が高騰すると公的医療保険財政がひっ迫します。そこで混合診療という制度が採用されます。
  • 売国奴 安倍内閣】混合診療の本当の目的を解説(7分25秒)
  • 現在の診療料金は、保険の適用されない自由診療枠と適用される保険診療枠に分かれています。この診療は明確に分かれており、混ぜる事は出来ませんでした。そこで登場するのが混合診療です。保険適用の分は保険が効いて、適用されない部分は、その分のコストを支払ってもらう。その支払いを混合しても良いという形にするのが混合診療です。一見、良い事のように思えますが、TPPによって薬価が高騰すると、健康保険財政が悪化し、政府は財政難を理由に混合診療になると、保険適用範囲の医療を保険が適用されない自由診療枠に付け替える事によって公費負担を軽減しようとする可能性があります。つまり、薬価が高騰すると、それに押し出される形で混合診療によって自由診療枠が拡大し、国民健康保険制度が形骸化するというわけです。そうやって国民健康保険を骨抜きにして、彼らが目指しているのは何かというとアフラックのような高額な保険料を徴収する民間の医療保険会社が入ってくるわけです。
  • 2-3.民間医療保険による搾取
  • 米国の破産事例の60%は医療破産です。つまり、高額な医療費を払えなくて破産し、貧困層に落ちていってしまうのです。どれくらい高額なのかというと、盲腸の手術費用が400万円(保険なし)、日本だと36万円(保険なし)です。10倍以上も高いのです。日本では、政府が医療費を規制し、公的医療保険で、手厚く国民を守っています。だからこそ、先進国で一番平均寿命が長いのです。
  • 一人当たりの医療費と平均寿命
  • それに対し、TPPで何が起こるのかというと、先進国中で最低の平均寿命しか生きられない米国の高すぎて払えない医療制度が日本にやってきます。どのようにやって来るかというと、まず薬価が高くなり、その次に混合診療による自由診療の拡大で公的医療保険が形骸化し、最終的に米国の高い民間医療保険に入らざる終えなくなり、その結果、医療費や高い民間保険料が払えなくて死ぬ人が出てくるのです。これがTPPで人が死ぬという理由です。実際、米国民は日本よりも2.8倍も一人当たり医療費を払っているのに、平均寿命は78歳と、先進国中最低です。これは高すぎて必要な医療が受けられずに死んでいるのです。TPPでは、そういうアメリカ式医療制度が日本に入ってくるのです。

3.TPPで失業する。

  • TPPで失業するというのは、移民と労働規制緩和です。最近話題になった残業代ゼロ法案は、TPPに入る為の規制緩和の一環なのです。つまり、TPPに入る為に労働規制緩和をする。これは、アメリカ的に言うと公平な競走というのですが、実際は、物価も社会状況も違う国を同じ土俵で競走するという、かなり乱暴な論理です。では、それでどうなるか、まず、残業代ゼロ法案で長時間労働をすると、TPPで外国との垣根が無くなるのですから、当然途上国と同じ土俵で戦う事になる。コストも途上国と同じ条件でという事になると、何が起こりますか?規制緩和によって安い賃金で長時間働かされるのです。それで病気になったら、TPPで公的医療保険制度が形骸化し、高額な医療費を請求され破産する事になります。
  • 北米自由貿易協定で家を失った家族の写真
  • 最終的に上記のような失業者(家族)を増やす事になるのです。これは北米自由貿易協定で実際に起きた事です。だからこそアメリカ国民は新たな自由貿易協定には70%の市民が反対しているのです。それは大統領選挙にも表れていて格差是正を叫ぶサンダーズ候補がヒラリーを追い上げていたりするわけです。そんなアメリカでTPPが推し進められるのは、議会で多数派を握る共和党が、そういう製薬企業、医療保険会社と癒着しているからです。そして、そういった癒着構造がアメリカの失業率を押し上げ、アメリカ国民を苦しめているのです。

4.TPPで植民地になる

  • TPPで問題なのは、ISD条項というもので、米国州議員128名が連名でTPPを進めるUSTR宛に、書簡を送っています。それには、以下のように書かれています。
  • 「ISD条項は極めて問題で、立法・行政・司法の判決をむしばむ。米国の憲法が定めた連邦制をも脅かす」と懸念を表明。また「公衆衛生や安全、福祉、健康、環境などを守る公平なルールの制定という州議会議員の権限を妨げる」
  • TPPの問題点 Ver3.0.pdf(2ページ)
  • http://t.co/t4SHPoY5
  • この三権(立法、行政、司法)を蝕むとまで米国の128人の州議員に言わしめた内容について書くと、TPPは司法制度によって国家を訴えます。元々は、国の民間企業に対する略奪行為などを裁く為のものでしたが、それが投資家の利益を代弁する制度に腐敗・変容してしまった事が問題なのです。これにより、国家が投資家よりも下になってしまうという非常におかしな状況が生まれました。しかも、この国際投資紛争解決センターなる裁判所の判例北米自由貿易協定におけるISD条項の判例を見ると
    • 「国家の何かの処置によって投資家の資産価値が減少し、これが協定違反ならば賠償の対象になると判断する」
  • つまり、投資家が損をし、それが協定違反ならば、賠償の対象になるといっているのです。これの何が問題かというと、国の公的な目的による規制や制度であったとしても、それが投資家に損害を与えたとなれば、賠償の対象となりえるのです。例えば環境規制などを見てみると、企業にとってそういうものを守るのは、コスト増になるわけであって損なのです。実際に北米自由貿易協定では、
    • カナダがガソリン燃料添加剤メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル(MMT)使用を禁止しようとしたが、カナダのMMT規制によりアメリカ法人Ethyl社が操業停止に追い込まれたとして提訴した。しかし、カナダ政府は有害性を科学的に立証できなかったため、協定違反という事で賠償を求められた。
  • ここで問題なのは、一国の規制が一企業によってねじ曲げられ、賠償金まで取られた事と、協定において科学的立証が必要というのが問題なのだ。というのは、環境汚染の問題というのは、科学的立証には時間がかかり、人的被害が生じた後になって分かる事が多い、実は放射能の害だって、未だに科学的な立証が出来ていない。つまり、予防原則が適用できない危険性があり、国家の国民に対する正当な安全保障を脅かす恐れがあるのだ。問題は、国の制度をTPPという国際条約の為にねじ曲げる事が出来てしまうと、その国の国民の主権が侵害されるという事です。それもグローバル企業の損得によってそれが決まるというのです。実際、北米自由貿易協定において、アメリカ、カナダ、メキシコの労働組合は連名で以下の声明をしています。
  • 北米三大労働団体の共同声明
    • 「アメリカ、カナダ、メキシコの労働者世帯 Working Family に良い影響をもたらすために、TPPはNAFTAから手を切らなければならない。NAFTA(北米自由貿易協定)は労働者世帯や地域社会、環境を犠牲にして、多国籍企業の権利と特権を拡大する破壊的な経済モデルを強いるからだ。NAFTAとはまさに、賃金、労働者権利、環境保護および公共利益のための規制について、「底辺への競争」を促進するグローバル化モデルを法制化したものである。このモデルは需要を圧迫し、現在の世界的不況をもたらす主要因になったのである」

まとめ

  • TPPによって、飢える、死ぬ、失業する、主権を失う、というのを見てきてどうだったでしょうか?これが史上最悪の条約である事がよく分かると思います。それだけ最悪ならば、どうして、報道されないんだと思うかもしれません。まさに、それが問題なのです。欧州では、TPPと同様の条約であるTTIPは、数十万人のデモで反対されています。でも、日本はどうでしょうか?全然、TPPについて報道されていませんね。私達は知らないんです。その危険性について。日本は報道の自由度が安倍政権になってから61位に転落しました。これは先進国中、最下位です。つまり、知らぬは日本人ばかりなりという事なのです。また、報道が機能している国であっても、アメリカのように民意を無視して企業と議員が癒着し、TPPが推し進められていたりもします。他のTPP加盟国でも同様の事が起きていると予想されます。だから、他国も批准しようとしているのだから安心だと思わず、周辺国の自由貿易協定の実態をよく見て、何が正しいのかよく考えて見てください。この条約に入って本当にいいものなのかという事を。
  • 私は、長時間働かせられたら病気になってしまうだろうし、高額な医療費が払えなくて死にたくないし、貧乏になるのも嫌なので、反対しますけどね。