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東北大学、第3のスピン軌道トルク磁化反転方式を開発、MRAMが10倍高速に

東北大学が3月22日、第3のスピン軌道トルク磁化反転方式の動作を実現し、新構造磁気メモリ素子の開発に成功したと発表した。

 東北大学ら、MRAMにおける“第3のスピン軌道トルク磁化反転方式”を開発
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20160323_749624.html
 
 [c]:第3のスピン軌道トルク磁化反転方式

第3のスピン軌道トルク磁化反転方式 10倍高速

  • 従来のスピン軌道トルク磁化反転方式は、書き込み電流と磁化する向きが直交していたため、磁化反転に要する電流が大きかったり、低速領域では小さな電流で良いが高速領域で磁化反転に要する電流が著しく増大し、セル面積の低減が難しいなどの課題があった。今回、研究グループは、電流と磁化する向きが並行する第3の方式を利用し、シリコン基板上にnmスケールの素子を制作し、磁化反転特性を評価したところ、磁化反転の要した電流は10A/平方m台前半で実用上十分なレベルで従来のMRAM素子より10倍高速な1nsecレベルの磁化反転を低電流で達成した。

このメモリ素子の可能性

  • 新開発の素子の性能は1nsで制御できるという事なので、1GHz動作クラスの駆動gが可能。一般的なDRAMの制御時間は10〜15nsであり、駆動周波数は、100MHzが限界だったので、今回のメモリ素子は、その10倍の性能であり、これだけ速いとメモリとプロセッサの速度差がかなり縮まるので、キャッシュがいらなくなる。最近のプロセッサは、キャッシュがダイの半分位を占めている事も珍しくなく、これがいらなくなれば、ダイサイズを変えずにコア数を倍増する事も可能となる。それに、今までのプロセッサの肥大化は、メモリとプロセッサの速度差を埋める為の様々な複雑な回路のせいだったが、そういう回路がいらなくなれば、プロセッサコアのサイズが今の1/10位になってもおかしくない。そう考えると、キャッシュ(2倍)とコアがシンプル(10倍)になる事で20倍くらいコアを沢山入れる事が出来るかもしれない。今のメインストリームのプロセッサが4コアだとすると、80コアくらいのものが出来てもおかしくない。そうなれば、大幅な速度アップとなり、それはAIの高性能化を促すだろう。そう考えると、新しいメモリ技術がAIの性能を大幅に引き上げるかもしれない。