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2008-10-17

いまさらMYUTA事件について考えてみる

MYUTA事件についてはMYUTA???? - Google ????とかから拾える情報を参考に。


もう一年くらい前の事になるんですかね。

当時はこれについて「何で?」としか思えなかったものです。

一年経って多少は頭のキレがよくなって理解できるようになった(ちゃんと理解できてるか分からんけど)ので、ここらで未来の自分へのメッセージということで現状思いつく回避策とかをつらつら書いておこうと思います。


まず本件の対象となっているサービスのMYUTAですが、サービス内容は以下のような感じ。

細かい仕様までは分からないので途中想像が入ってます(本題とは関係無いですが)。

  1. au携帯で再生可能な形式に自動変換してくれるオンラインストレージサービスとして宣伝。
  2. 利用したいユーザーはMYUTA公式サイトから専用アップロードソフト[1]をダウンロード。[1]はMYUTAサービス専用ソフト。
  3. [1]を用いてPC内の音声ファイルを3g2に変換してアップロード。多分この時にURL[2]とダウンロードキー[3]が発行される。
  4. 携帯端末で[2]へアクセスし[3]を入力。アップロードした3g2ファイルをダウンロードする。
  5. 携帯で音楽が再生できてウマー。

なぜ違法になったのか

簡単に言うと、変換・アップロードダウンロードまでの行為全てがMYUTAが『行う』サービスと見られたからです。

変換・アップロードまでがMYUTA側の行為と見なされたのは、ここを担うソフトウェアが専用だったことが大きいようです。

そうすると購入者ではないMYUTA側が著作物の一時複製(変換)を行い、MYUTAで使用するサーバーへの複製(アップロード)を行ったと見られます。

さらにさらにアップロードされた著作物が公衆(この場合はユーザー)にダウンロード可能になっていることの責任はアップロード者にあります。

つまり著作物を勝手にコピーして勝手に配るという2つの違法行為として扱われた訳です。


違法行為からの回避策

ユーザーに所有権があるサーバーを中継すればいい。

サービス提供側のサーバーのディスクスペースを分割して売った場合は色々と問題が発生しますので『かなり現実的では無い』です。

妥当なのはユーザーのPCを一時的にウェブサーバー化することによって携帯へのダウンロードを可能にする方法でしょうか。

でもこれもユーザー自身がルーターの設定をいじる必要があったりするのであまり現実的では無いでしょう。

つまり事実上完全な回避策は存在しません。


訴えられない為に

訴えられるような『敵を作ってしまうサービス』で無ければ問題無いと思います。

MYUTA事件の場合、もし自分たちの法の解釈が間違っていればJASRACを敵に回す可能性があることは分かっていたはずです。

変換ソフトウェアをそれ一つで製品とし、アップローダーは携帯とPCを繋ぐ汎用データストレージサービスとかにしていればJASRACの目に止まらずに済んだのではないでしょうか。

というかこれで裁判沙汰になって有罪とかなったらネット上から大半のウェブサイトが消え去ります。

著作権親告罪である以上、著作者・著作権管理者の怒りの矛先がサービス提供側に向かないような配慮が必要です。

MYUTA開発責任者MYUTA開発責任者 2009/07/17 10:54 私はMYUTAの開発責任者として、法定で弁護側の証人として発言したものです。当時、裁判の焦点となったのは、事業者が音楽データを格納するストレージを提供するということが私的複製権の範囲を逸脱しているか否かという点でした。
個人所有のパソコン内で音楽データを変換することに対しては著作権関連の法律が整備されていなかったため、裁判の前に行なわれたJASRACとの協議の際に、裁判官の判断で争点から外され、事業者のストレージに音楽データを置けるか否かを争点とすることになったのです。

slayer845slayer845 2009/07/17 13:43 貴重なコメントありがとうございます。
ぜひ参考にさせていただきたいと思います。

MYUTA開発責任者MYUTA開発責任者 2009/07/18 01:27 MYUTAに関しては、ほとぼりが冷めたと思うので、暴露します。

あの裁判は、JASRACからサービスに対して私的複製権の侵害という警告があった後、一旦サービスを停止した後にJASRACに対して確認訴訟を行なったのです。

事業者としては、商機を失う上、サービスの開発費用も無駄になるし、JASRACの警告に対して弁護士の見解も、法的に勝てる確立は五分五分という状態でした。

まず、利用者のバソコン上での音楽データの変換は、既存の他の変換ソフトも多数あり、JASRACもまた、それをあいまいなままにしてきた負い目があったのか、裁判の争点から外されました。

公衆への配信に関しては、アクセスキーを発行し、且つ、ケイタイの移動機番号でアクセス制限したこともあり、これも、争点から外されました。

JASRACが唯一裁判の争点にできたのが事業者の運用するサーバストレージに音楽データを格納して良いか否かという点でした。

当時は事業者の運用するサーバストレージに著作権のある音楽データを格納してはいけないという判例もありませんでした。

判例が無いということは、裁判官の判断でどちらに転ぶか判らない五分五分と思っていたのですが、残念なことに結果は敗訴となってしまいました。

私は今でも、着うたが一曲2〜3百円も出して買わされるのは不当な価格だと思うし、自分が購入したCDをケイタイに持ってきて聴いてはいけないのかという点に納得できません。
まさに、この点がMYUTAサービスの出発点だったのです。

携帯電話会社がシリアルケーブルやSDなどから着うたを取り込む手段を提供してくれていればサーバストレージなど経由せずにソフトウエアを提供することもできました。

しかし、当時は着うたは携帯電話会社にとっても重要なサービスでした。

また、版権元のレコード会社にとっては、勝手に作成されて、儲けるメリットがない着メロと違い、版権を最大限活かして儲けるチャンスでもありました。

両者の思惑がからみ、ダウンロードサービスのみとなったことは間違いありません。

まだまだ色々なエピソードもありますが、これがMYUTAサービスの生まれた経緯であり、裁判でサービス終了まで追い込まれた真相です。

MYUTAの物語はこれでおしまい、といった所です。

jankyjanky 2009/11/12 17:51 この「MYUTA開発責任者」って、いったい何者??「法定で弁護側の証人として発言」って、あの裁判記録のどこを読んでも証人尋問なんかやった記録はないよ。やっぱりネットでは怪しい香具師がでてくるんだね。

MYUTA開発責任者MYUTA開発責任者 2009/11/22 01:55 jankyさん

「MYUTA開発責任者」であったものです。

MYUTAはJASRACに対しての確認のための訴訟を起こしたので、「弁護側の証人」と書いたのは少し御幣があったようです。

「提訴した側の開発責任者として、法廷で意見を述べた者」と言ったほうが正しいですね。
怪しい香具師ではなく、本当にMYUTAの開発責任者です。

承認尋問のような事はしなかったですが、法廷上で開発責任者からの証言を求められたので
証言を行ったわけです。

JASRACに対しての確認訴訟であったため、双方で弁護士を立てて裁判を行ったので、「弁護側の承認として発言」と書いてしまいました。(事件ではないので、検察とかは出てこないケースの訴訟でした)

表現に誤りがあり、申し訳ありませんでした。

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