やがて哀しき外国語

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

(2007-09-01読了)

村上春樹プリンストン滞在期.ひとつが十数ページ程度で,とても簡単に読める.思わずクスッと笑ってしまう話が盛りだくさんだった.


「私は今まで何冊も小説が書けるくらいの面白い体験をしてきた」という人々は得てして小説を書くことができないという.さぁ書こうという段になって自分が経験したことを他人に伝えることには限界がある,というストレスが悪い方向に作用してしまうからだという.

それとは逆に、これといってたいした経験はしていないのだけれど、ちょっとしたことに面白みや悲しみやらを、他人とは違った視点から感じ取れる人たちもいる。そしてそれらの体験を何か別のかたちに置き換えて、わかりやすく語ることのできる人たちもいる。どちらかというと、こういう人たちの方が小説家に近い場所にいるような気がする。
(pp.214-215)

なるほど,村上春樹は自分でこのタイプだといっているが(ぼくに言わせてみれば彼こそ他人よりも面白い経験をしているのだが),納得できる.
本書では村上春樹の「プリンストンの日常」で感じたこと,思ったことを忌憚無く書かれている.

ヤッピー

ヒッピーとは逆の、都市住民たるエリートサラリーマンのことを、ヒッピーをもじってヤッピー(yuppie, YUP は young urban professionals の略)という。おおむね 20代後半から 30代前半で、大学院卒、専門職に就き、収入はアッパーミドルというイメージである。しばしば自己中心的、表面的というニュアンスで軽蔑的に用いられる。
Wikipediaから引用)