たむらまさきさんとラッシュを見ました。

slowlearner_m2009-01-23


今日は、午後から鈴木卓爾監督、たむらまさきキャメラマン、照明の平井元さん、編集部とで直しを入れた『私は猫ストーカー』の全編のラッシュを見ました。

現在、1時間39分。
もうちょっと短くなるかな?
もしかしたら尺ではなくて、テンポ感なのかもしれません。

すごく“猫ストーカー”感が出て来て、とてもよいと思います。
ウフフという感じで笑いの起こる映画なのですが、中盤あたりで、今日はちょっといろんなことを思って、ホロリとしてしまいました。
何度も書いていると思うのですが、この映画にはいわゆる美形猫は登場しません。みんな、現地の猫ですからね。この猫、ライオンみたいにたてがみがついているけど、何と何が混じったんだろう? と思わせるような子や、目やにが、とか、ふてぶてしい、とか、そんな子達が、たくさん登場します。
まるで仕込んでいるように見える所もたくさんあって、偶然なのになぁ、とちょっと悔しい(?)気がする箇所もあります。
そして、こんなにもたくさん猫達が、人間と一緒に暮らしている街があったらいいな、とも思わせられます。

原作の浅生ハルミンさんや監督ともクランクイン前に話をしていたのですが、善くも悪くも、人間と猫達が一緒に暮らせる街。もうちょっと言えば、半端者や余計な者たちも、そこに住むことができる街を、とりあえず“よい街”と呼ぼうと…。

例えば、今の東京に住もうとすると契約書や身元の保証や、お金の保証や、当然のことではあるかもしれないのだけど、東京に住むためには、様々な条件をクリアしなければなりません。野良猫たちも住みづらくなってきました。クランクイン前に取材したら、やはり野良猫の数は減っているのだそうです。

いろいろな立場があり、いろいろな考えがあります。
それはどんなことがあっても否定されるべきではありません。
しかし、野良猫が住むことができる街は、私にとってはリスクはあっても、よい街なのかもしれません。


どんなふうにその街が描かれていくのだろう、とクランクイン前には思っていました。



そういえば、根津の路地裏で、ある一匹の白猫に対して腹を立てているおばさんに撮影中出会いました。
おばさんは、「あの猫、今度会ったら水ぶっかけてやるの!」と息巻いています。


「だって、水だったら猫傷つけないでしょ」


根津は、よい街なのかもしれません。




今日の写真は、発売されたばかりの浅生ハルミンさんの原作『私は猫ストーカー』の続編『帰って来た猫ストーカー』(どちらも洋泉社刊)です。
イラストをよく見て下さい。
今回は男の子です。