性暴力ゲームは問題視すべきだが、法規制には絶対反対!!

児童ポルノの問題がらみで最近大きな話題が出てきましたが、

まとめるのに時間がかかってしまったので、遅くなりました。

日本製「性暴力ゲーム」欧米で販売中止、人権団体が抗議活動


 少女を含む女性3人をレイプして妊娠や中絶をさせるという内容の日本製のパソコンゲームソフトに海外で批判が高まっている。


 日本での販売中止を求める抗議活動を国際人権団体が始めた。このゲームは2月に英国の国会で問題になり、ビデオ・書籍のネット販売大手「アマゾン」が扱いを中止した。しかし、児童ポルノなどの規制が緩い日本では今でも流通している。

(中略)

 同団体は6日、このゲームを含むレイプ、監禁などの性暴力ゲームの制作会社や販売会社、麻生首相ら日本政府の要人らに抗議文を出すように、160か国の会員3万人に呼びかけ始めた。国内の人権団体の関係者なども、こうした活動を機に、販売会社などへ働きかけを行っている。

 このゲームのメーカーは、「この商品は業界で作る自主審査機関を通っており、国内向けに販売しているもの。海外の団体からの抗議は承知しておらず、コメントのしようがない」と話す。販売本数は明らかにしていない。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090507-OYT1T01111.htm


性暴力を扱ったゲームに対する抗議活動が

まあ、この手のゲームが無くなるぐらいだったら、私は困りません。

そういうゲームしか作れないような低俗なメーカーは潰れてしまえ!!と思います。

ただ、そういう活動があると、児童ポルノ法改定などの表現規制の動きに

拍車をかけるのではないかと警戒せずにはいられません。


その抗議している人権団体、「イコーリティ・ナウ」というのは、

どうやら日本の規制推進派団体のダミー団体だということらしいです。

それを指摘した人曰く、「極左フェミニスト団体」だそうです…

その「極左」団体が表現規制推進の立場から「右翼」と呉越同舟なのがこの手の問題の

厄介なところなのかもしれませんね…



この問題についてのまとめはいくつかありますが、その中でも、

『レイプレイ』事件について - 児童小銃

http://d.hatena.ne.jp/rna/20090509/p1

の中でid:rnaさんが書いたまとめが一番秀逸だと思います。それによれば、

規制団体が問題にしているのは児童ポルノに限らない

あらゆる性的暴力表現そのものだそうです。

それは規制推進側が意図的に混同させようとしている節がありますし、

反対側も誤解しがちなところなのではないかと私は思います。


また、

声明は何を求めているのか? 「推奨される行動」として、具体的に以下の三つが挙げられている。

  • イリュージョンに対し「女性を貶めるようなすべてのゲームの販売を即刻中止するよう要求」
  • Amazon Japan に対しても同様の要求
  • 日本政府機関に対して、「女性や少女に対する性暴力を正当化し、増長するようなコンピューター・ゲームの販売を禁止するよう要請」


報道に対しては、日本では18歳未満への販売は禁止されているし海外版は販売していないし何の問題があるのか、という反応があったが、*5 これは話がかみ合っていない。Equality Now の主張は要するに、


というものだ。海外流通がことさら問題になっているのではない。国内流通でも「女性や少女に対する性暴力を正当化し、増長する」ようなゲームの販売を許すのはそれ自体差別であって条約違反だというわけだ。

というのも、規制反対派の誤解を戒めているように感じられました。

規制反対派も、規制推進派と同様に「自分たちは絶対的正義だ!!」と思い上がっている

節がありますので、よく注意しておかなければなりません。

足元をすくわれかねませんからね…



暴力的なポルノは性暴力を正当化し増長するのかや、犯罪統計の比較に意味はあるのかの

考察には、それが必ずしも正しいとは思わないものの、非常に興味深い内容です。



さてこんな中、こんなニュースがありました。共同通信の記事です。

児童ポルノ法改正は困難 与野党に溝、協議進まず


 児童ポルノの拡散防止を強化する児童買春・ポルノ禁止法改正の今国会での実現が困難な情勢となっている。与野党双方の改正案は国会に出そろったが、互いの案を激しく批判し合って歩み寄る気配がみられず、協議は全く進んでいない。

http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009050901000487.html

与野党で対立して、協議が全く進んでいないとの事。

本来であれば、表現規制や単純所持を外した上で、本当に性的搾取から

児童を救う方法を議論することが必要なのですが、取りあえずは

今国会での成立が難しい情勢だと聞いて、一応はほっとしました。


ただ、心配なことと言えば強行採決です。


予算案などの重要法案と違い、優先順位が低いこともあり、実際問題として

与党による強行採決が行われることは考えにくいです。

しかし、ゼロではないところが気になるところです。

強行採決が行われれば、問題点がマスコミで盛んに報道されるということも

てんで期待できませんからね…


この件については、続きを次回以降に書きたいと思います。