sengoku38が明らかにした別の問題点?

元海保職員、TVで検察批判 尖閣映像「裁判決着避けた」
 
 
沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、国家公務員法守秘義務)違反で送検され、起訴猶予処分になった一色正春・元海上保安官(44)=依頼退職=が2011年1月22日、TBSの報道番組でインタビューに答えた。

番組内で「私自身は(映像は)秘密にあたらないという確信があった。議論がつかないときは裁判で決着を付けるというのが法治国家のあり方だが、検察はその道を避けた」と、起訴猶予処分とした検察を批判。自身の流出行為については「公務員はこんなことをしてはいけないという人もいるが、一日本人、一国民としてやった」と話した。

映像投稿時のハンドルネーム「sengoku38」の意味に関しては「色んな人からかなり聞かれますけど、そこは伏せておきます。家内にも、誰にも話してません」とはぐらかした。

22日に放送されたsengoku38こと、元海上保安官一色正春氏のインタビューです。

一部週刊誌では実名報道されていましたが、大手メディアで実名報道されるのは初めてです。

他の新聞などのメディアでも実名付きで取り上げられています。


このインタビューで注目すべきは、一色氏の検察批判です。

警察や検察などに対する批判というものは、得てして取り調べや家宅捜索などの

捜査手法に対して向けられるものなのですが、起訴しないことに対しての批判は物珍しいです。


一色氏は尖閣ビデオ守秘義務の対象となる機密にあたらないと主張しています。

そして、その主張の是非は法廷で争われるべきであり望むところだというわけでしょう。

しかし、検察は不起訴処分で法廷での争いを回避した。その点を一色氏は批判しているのです。


よく考えてみると、これは単純所持規制の問題点をまた一つ浮き彫りにしているようにも思います。

検察が敢えて起訴しないという選択肢を取れば、法廷の場で争うことはできなくなります。

最高裁まで争えば、否が応でも定義の問題や違憲性の問題などで何かしらの見解が判例で示されますが、

起訴されなければ、下級裁判所の裁判例でさえも出ることはないですからね…


捜査するにも、性犯罪者のレッテルを貼って社会的に抹殺するにも、

必ずしも逮捕、拘束は必要ないわけですから、極端な話、逮捕する必要さえもありません。


意外な人物が意外な問題点を浮き彫りにすることもあるもんだな…と思いました。