コンピュータ監視法案についての考察

今日の衆議院法務委員会でのコンピュータ監視法案の可決。何人か民主党議員が採決前に退室したとの情報が入りました。事実上の棄権。なお、今日の午後の衆議院本会議に緊急上程されて可決されるとの情報もあります。

http://twitter.com/crusing21/status/75404085741891584

サイバー法案、衆院通過 政府、今国会成立を目指す 
 

 インターネットを使ったサイバー犯罪を取り締まるため、コンピューターウイルスの作成、配布罪の新設などを盛り込んだ刑法等改正案は31日午後の衆院本会議で民主、自民両党などの賛成多数で可決した。参院に送付され、政府は今国会での成立を目指す。

 改正案では、正当な理由がなくウイルスを作成や配布した場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すと規定。わいせつな画像を電子メールで不特定多数に送信する行為を処罰対象に加えた。

 ウイルスを作成したコンピューターと接続しているメールサーバーからデータを複写し差し押さえることが可能になり、インターネットの接続業者や企業に最長60日間の通信履歴の保存を要請できるとした。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110531/plc11053117520017-n1.htm


仕事も忙しく、ちょっと体調を崩してしまい、ろくな行動が取れないうちに、

ウイルス作成罪、いわゆる「コンピュータ監視法案」が衆議院を通過しました。

審議過程は大手メディアで一切報道されることがありませんでした。

通称『コンピューター監視法案』の恐怖 −修正が加わった現状でも残る問題点−

http://nihon-jyoho-bunseki.seesaa.net/article/205920399.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

ひのもと情報交差点 コンピューター監視法 5-25に審議入り (抗議先と意見例あり

http://johokosa.blog98.fc2.com/blog-entry-190.html

敢えてウヨ系ブログのリンクを紹介しました。

なぜ敢えてウヨ系ブログのリンクを紹介したかというと、

ふと国籍法改正問題の時と比較してしまったからです。

有名なウヨ系ブログ、「博士の独り言」でも言及していました。


1つは、保守・右派とリベラル・左派の法案をつぶす能力の格差。

与党の議員が、政府与党が提出した法案に反対する図式は国籍法改正の時と同じです。

国籍法の時は、閣議決定があってだいぶ経ってから反対運動が起きたはずですが、

今回のコンピュータ監視法案の時には閣議決定前から反対の動きはありました。

にも関わらず、この有様です…

これで、右の方が左より法案をつぶす能力が高いことが改めて証明されました。


保守・右派は大きく出遅れても追い込んで頭差ぐらいにまで責めよることができますが、

リベラル・左派は徹底的にマークしても届かないのです。


また、ネット右翼が騒いでも保守・右派の反応が鈍いことがあると改めて証明されました。

平沼赳夫氏に「左の蠢動を感じます」とコメントさせ、

佐藤正久氏に児童ポルノ法改正について慎重に扱うよう要請する請願に賛同させた*1のはネトウヨ的運動論の賜物です。

ほんの少しですが、ネトウヨ的反対運動の効果は出ているようです。

その割に、コンピュータ監視法案に対して反対寄りの意見をする自民党議員はいないようです…

全くもって無力というほかありません。

強いて言うなら、無所属の城内実氏が多少なりとも慎重寄りな意見をした程度ですかね…




内閣不信任決議が早ければ1日にも出されるそうですので、

そこで造反が多く出れば、可決されるので衆議院解散ということになるでしょう。

(解散するより総辞職した方がいいと思うが…)

すると、事実上総選挙後まで先送りされることになると思われます。

おそらく自民党政権になってしまうはずですが、皮肉にもそれでほんの時間稼ぎになりそうな気がします。

自民党はさんざん民主党政権の震災・原発事故対応を批判しているのですから、

政権を奪還したらそちらを真っ先にやりますよね!?

野党の時のように、暇を持て余している余裕なんて一切ないですよ!?




(そういえば、反対派の民主党議員の多くが小沢系のような…)