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娘希的 (にゃんしーの)

2017-02-27

「しんせかい」(山下澄人)読了。

| 20:04

しんせかい

しんせかい


文藝春秋買って芥川賞受賞作「しんせかい」(山下澄人)読みました。

最初に選評を読んで「ほーん」と思いながら
続いて本文のほうを。

ああ……なんか……
誓ってディスじゃないんですが、言葉を選ばずに言うと、
「どうでもいいくそつまんねー作品」だな、と。
うわ、いうてもた。

ある人が
純文学なんてつまんないですよ。
でもそのつまんないものを読みたくなることがあるんです」
と言うてはったんですが、その意味が分かった気がします。

つまんない。けど。すごくよかった。

純文学って人間のどろどろした内面が書いてあるじゃないですか。
特に主人公が10代の男子だった場合、
「10代の男子なんか馬鹿だから、
寝ることと食べることとやることくらいで
そんなごちゃごちゃしたこと考えてねーぞ」
と思うことがあったんですが、
「しんせかい」ではそんな違和感がなかった。

ああ、なんもねーくそつまんねー10代の男子の視点が
しっかり書かれているなあ、と思った。
あっさり言ってるけど、めちゃめちゃ難しくないです?
「なんもないことを書く」のって。

小川洋子が選評で
「ここに文学があるはずだ、と皆が信じている場所を、
山下さんは素通りする。言葉にできないものを言葉にする、
などという幻想から遠く離れた地点に立っている。
そこから見える世界を描けるのは、山下さん一人である」
と書いていらして、この言葉はいまいち理解できないんですが、
山下澄人しかこの世界を書けないのはそうだと思うし、
この小説を読んでよかったなと思います。

ちなみにこの小説は、山下澄人私小説、だと思います。
19歳のときの山下澄人を素材にした作品。
吉田修一が選評で
<19歳の空振り感と、それが今の自分をどれだけ豊かにしたか気づく50歳>
みたいなことを書いておられるのですが、
それはとても希望のある言葉だなと思います。

あと、この作品、登場人物がとても多いんですよ。
それを「書けないから」という理由で削るのではなく
「実際にいたから」でしっかり書き切っちゃうのがよかった。
人物の見分けはつかないんですけど、
それは書けないからじゃなく、書く必要がないから、ではないかな。
現実、いるけど書く必要のない他人というのはいますから。

芥川賞受賞作であんまり好きな作品はないんですが、
個人的には今まで読んだなかでベストでした。
候補作も入れたら「ジニのパズル」のが好きですが)
純文学っていいね。書けないけど。
世界に耽溺できる至福の読書でした。

2017-01-20

「花むすめものがたり」(泉由良)のこと。

昨日に続きましてーー
今週末日曜日に京都で開催されます「文学フリマ京都」。
http://bunfree.net/?kyoto_bun01

おとなりの白昼社さんのオススメアイテム、2つ目を紹介するよ。

「花むすめものがたり」
https://c.bunfree.net/p/kyoto01/7210

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寺山修司レスペクトで書かれた少女詩集
泉由良の詩集って今これしか買えないんじゃなかったっけ。
貴重。
詩というのは僕が書くときもそうですけど、
小説で書かれるのとはまた違う、生々しいものが現れる
表現だと思う。
ましてやそれが少女。
ただ泉由良作品の特徴といえるのか、
生々しい一方で非実在を感じさせる。
非実在の少女。
心のなかのガールフレンド

美しい端正な文章で書かれた、
大切な女の子<花むすめ>についての詩。
この詩集を開いて、文章を追いかけて、書かれていないものを読んで、
その女の子に出会って欲しい。

2017-01-19

「ウソツキムスメ」(泉由良)のこと。

というわけで今週末日曜日に京都で開催されます「文学フリマ京都」。
http://bunfree.net/?kyoto_bun01

おとなりの白昼社さんのオススメアイテムを書いていこうかと。

ウソツキムスメ」
https://c.bunfree.net/p/kyoto01/7208
f:id:slymelogue:20170119224909j:image

幻想と少女を描いた純文学だと思う。
嘘をつく、ということは、夢を見る、ということを包含している。
逆はそうではないので、嘘をつく行為は夢を見て終わる。
そんな嘘から始まり、夢で終わる短編が8つ。

少女は嘘をつく、と言い切っちゃうとなんだか怖い気がする。
脆く繊細な飴細工を手で掴み粉々にしてしまう気がして。
少しだけそんな怖さを感じる小説たち。
基本的に、泉由良の小説は「怖い」。
それは暴力ではなく、気が付いたら足元を浸し首元まで迫る
水のようなもの。
透明な純水。窒息する寸前、に、物語は終わる。

一番好きなのは「ナナンタさんの鈴の音」。
ナナンタさんのような、無条件にかわいがってくれる大人がいて、
それに少女や、あるいは少年だった私たちは救われた。
それぞれにとってのナナンタさんは必ずしも実在ではなく、
やはり幻想や、嘘のなかにいるような、今思い出すと不確かにも思える
記憶のなかでだけの、実在。

2017-01-05

文学フリマ京都参加宣言。

我々おとそ大学パブリッシングは、
1/22(日)に京都で行われる
文学フリマ京都」に参加することを
ここに宣言する。

文学フリマ京都
http://bunfree.net/?kyoto_bun01

ウヒョー京都ですよ。
なんだかんだ京都には7年間住んでいたので、
ぐうホームです。

ブース番号は「か-59」。
過酷」って覚えてね!
はいってわりとすぐのとこです。
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扱う本たちはこちら。
https://c.bunfree.net/c/kyoto01/!/%E3%81%8B/59

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にゃんしー最新刊「First Strike」
詩集ですな。

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にゃんしー大長編「キャンディーと王様」は変わらず頒布しています。
40万字越え。尼崎の女の子の草野球小説です。

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にゃんしー純文学シリーズ「ポエムの墓」「ともだちの国」「赤ちゃんのいないお腹からは夏の匂いがする」
完売していたんですが追加でわずかながら刷ったので、ふたたび頒布します。

最強の委託本たち。

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「ミニチュアガーデン・イン・ブルー」「夏火」「はばたく魚と海の果て」(キリチヒロ)
大好き!blue三部作!海の町の男子高校生たちの美しいおはなし。

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「地獄に落ちる為の26のメソッド!」(弍杏)
牛乳を飲みながら読んではいけない系現代詩。

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「Love Robotics」(生方凛)
アンドロイドBL!

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アドレナリンリライト」(遠藤ヒツジ)
吉増剛造トリビュート短編集!

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「菌くさびら」(山本清風)
ゼロ年代垂涎の純文学

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世界革命シンタックス」(木野誠太郎)
最近商業デビューされたきのせいさんがおとそに託してくれた至極のエンタメ。

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「ツーピース」(霜月ミツカ)
「男女/少女と少女/少年と少年」の関係を描いた、とてもいとおしい話。

というとてもつよい本たちで京都に攻め入ります。
たぶん着物でいくよ!京都だからね!

お会いできるのを楽しみにしていますー!

2017-01-03

新年の抱負

1年の計は元旦にあり!
……ということで。
新年の抱負でも立てようと思います。
(1/3って元旦だっけ??)

今年はですねー。
カーショウのようになりたいですね。

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クレイトン・カーショウ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6
ロサンゼルス・ドジャースのエース。
人呼んで全米最強左腕。
全米最強左腕ということは、そっくりそのまま世界最強ということで、
右腕を含めてもいま世界一の投手なんじゃないかなと思います。
野球星人が攻めてきたら、先発のマウンドに立ってほしいくらい。
最も優れた投手に与えられるサイヤング賞を3度取るなど華々しい球歴の一方、
高校時代からのガールフレンドと7年の交際を経て結婚するとか、
盛んに寄付活動を行うとか、
7年2億ドルの年俸を貰ってるのに普段は安くて飾らない服を着てるとか、
いやどんだけ完璧超人やねん!?ていう。

昨年はずっと応援してるマエケンドジャースに行ったこともあって
ドジャースの試合をちょいちょい追ってたんですが、カーショウはすごかった……。
「エースになりたい」と常々言ってたマエケンおして「俺は脇役でいい」と
言わしめるという……。

まあなんだ、完璧、というか、いろんなことを丁寧にやりたいなあ、と思います。
心をこめて。
台湾から帰ってきて1年、
帰ってきた当初は溜まってた疲れとかストレスとかいろいろあったけど
ようやく落ち着いてきたかな。
初心に帰って、丁寧に、焦らずに休まずに。

具体的な目標としてはこのへん。

1.文芸新人賞の2次を通過する
昨年は1次止まりだったので。
今年は2次を通過できたらいいな。
出す予定の賞はこのへんです。
小説現代長編新人賞(1月末)
日本ファンタジーノベル大賞(6月末)
群像新人文学賞(11月末)
昨年は「純文学より大衆小説のが合ってるんじゃね?」という気づきがあって
基本的には大衆小説に照準を絞ろうと思います。
でも、純文学でも群像だけは出したいかなー。好きな文芸誌だし。

2.あまぶんで集客200人
いろいろ目指すものはありますが、ひとまず数値目標ということで。
前回100人くらいだったので、倍くらい集まればいいなあ。
そのためにいいイベントにしていこうと思いますーー。

3.TOEICで900点
来年、カーショウとマエケンの試合を見にLAに行きたいと思うんですよ。
そのための準備として、英語を勉強しておこうかなーと。
TOEICで900点取れたらLAに行くし、取れるまでは行かない、という
目標ということで。

あとは、たくさん本を読んだり、映画を見たりしたいな。
小説もたくさん書きたい。

ひとつずつ、丁寧に積み重ねていこうと思う元旦なのでありました。
(1/3って元旦だっけ?)