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娘希的 (にゃんしーの)

2017-10-20

zine展inBeppu参加宣言。

2017年11月3日(金)〜5日(日)に、大分県温泉街の別府市
zine展inBeppu4というイベントが開催されます。
https://zinebeppu.jimdo.com/

zine」とは、一般流通に乗らない個人の手によってつくられた本のこと。
同人誌とかリトルブックとも呼びますが。
zine展inBeppuは、そんな本を展示し販売するイベントです。

このイベントに、わたし、にゃんしーは参加してきます。

本をお預けしたら、イベント側で販売してくださるという
とても至れり尽くせりなイベントなのですが、
にゃんしーは「戦場の風使い」「田中建築士の家」の2冊を預けることにしました。
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「戦場の風使い」は、先日発表された文藝賞の一次選考を通過した作品です。
新刊でもあるので、いまいちばん自分のなかで熱い作品かな、と。
ずっと書きたかった、戦争をテーマにした作品です。
詳しくはこちらに掲載いただいています。
https://zinebeppu.jimdo.com/%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%AA%E3%82%B7%E3%81%AEzine-vol-2-1/

「田中建築士の家」は、その1個前の新刊です。
大衆小説かな?とても好き。
5人の建築士たちが、それぞれにとっての「家」を見つけるまでの話です。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://necotoco.com/nyanc/amabun/bookview.php?bookid=12

ちなみに、zine展inBeppuには、にゃんしーも会場に行ってお手伝いさせてもらう予定です。
先日、友人とも話していたのですが、zine展inBeppuってとってもいいイベントなのですよ。
どうしても本を売るイベントって交流メインになっちゃう。
それは悪いことでは決してないけど、ときどきそんなことで疲れたり、空しくなることがあります。
もっと、ただ本を書いたり読んだり、それだけを楽しみたいなって。
最初はみんなそれだけだったと思うので。
文芸系の即売会でそれができるイベントって、大規模でお客さんがたくさん入る文学フリマ東京を除けば、
zine展inBeppuだけだと思うんですよね。
だからこのイベントを開いてくださることをとても感謝しているし、応援しています。
あと個人的に主宰の豆塚エリさんの小説が大好きで、作家として尊敬しているので、
なにがしか手伝いできることがあればしたいな、という思いがあります。

ちなみに別府へは、大阪南港からなら簡単にいくことができます。
弾丸ツアーなら往復でたった一万円。
温泉街で開かれるイベントで、ふらっと温泉に入ったり、路地を散策したりもできるので、
たくさんの人が来てくれたら嬉しいな、と思っているイベントです。

このイベントで販売される書籍は、ウェブ上から購入することもできるのですが、
https://zinebeppu.jimdo.com/%E3%81%8A%E8%B2%B7%E3%81%84%E7%89%A9%E4%BB%A3%E8%A1%8C%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/
やっぱり、できたら来てほしいな!

別府に行くのが今から楽しみです。
素敵なことがたくさんありますように!

2017-10-14

「ハイコーフェス」行ってきたよ。

先週末は「ハイコーフェス」に行ってきました。
https://haikou-fes.jimdo.com/

「ハイコーフェス」とは秋田の山奥(仙北市)の
田沢湖畔にある廃校で開催される音楽フェスです。
大森靖子さんが出演されるというのを湯さんから訊いて、
湯さんは大森靖子さん大好きなので、一緒に行ってみたいなと思いました。

……しかし今よく考えると、大森靖子さんは京都ボロフェスタとかでも
全然観られるんですよね。
何を考えて秋田まで行ったんだ……しかも尼崎から車で……頭おかC

東京経由の道を通っていったんですけど、
北に上がればあがるほど田んぼと鉄塔だけのリリイシュシュばりの景色が
どんどん田舎じみて行って、「こいつはやべえな!」と思いましたですね。
ドライブ旅の楽しみの1つはSAで食べるごはんなんですけど、
喜多方ラーメン食べたり、宇都宮餃子食べたり、とてもおいしかったです(こなみ)

御殿場のホテルを朝に出て、秋田田沢湖温泉にあるホテルに着いたときは
すっかり夜更けでした。
温泉とか入って、ビール飲んで、早々に就寝。

「ハイコーフェス」の朝は早いんです。
学校ですからね。
8:30には会場がオープンするので、それに合わせて行きました。
……正直、結構ふあんでした。
大森靖子さん以外のアーティストは全く知らないので。
大森靖子さんの出番は午後2番目なので、
それまでめっちゃ退屈するのではないかというふあんが結構あった。
基本的、興味のないアーティストのライブって、
対バンとかで組まれてるのを観ても、あんまり楽しめないことが多かったんですよ。

でも、ぜんぜんそんなことなかった。

主宰の進藤さんが裸になる謎パフォーマンスを経て、イベント開始。

ライブ1人目は、sunnysunnygirlさん。
かわいい女の子の弾き語りです。
そういう、女の子がおっきなギター持って弾き語りするスタイルってよくあると思うんですけど、
僕もたくさん観てきたんですけど、sunnysunnygirlさん、すごくよかった。
声がやわらかくて、ギターがあったかくて、なんか、温泉に入ってるみたいだった。
あんまりに幸せなので、あとで物販でCD買いましたけども。
音楽でひとを幸せにできるって、素晴らしいことですよね。
最後のバンド編成のコピー曲「セックスしよう」も最高でしたね。
のっけからいい時間でした。
D

2人目。THE TOMBOYSさん。
「なにわのハイテンションガール」とのこと。
(なお居住は神戸なもよう)
……最高だった。
女の子4人がぴょんぴょん跳ねながらギターを弾いて
ハイテンションの歌をうたうスタイルなんですけど、すごく楽しい。
元気でる。
湯さんが言ってたんですけど、ビートルズの影響受けてるんですかね。
「Tell Me Why」は好きなミュージシャンについて歌ったうたって言ってたけど、
それはビートルズのことなのかな。
一緒になって踊るの、すごく楽しかった。
D

3人目。鈴木実貴子ズさん。
「鈴木実貴子」と「ズ」の2人ユニット(?)
THE TOMBOYSさんのときにめっちゃ踊って汗かいたので、
またテンション高めのきたらどうしようかと思ったんだけど、
静かに聴かせる系だったので、イベントとしての配慮を感じました。
とにかく、歌がめっちゃうまい。
ただただしんみりと、音楽に身を任せていればいい感じ。
廃校に三角座りして、音楽を身体にしみこませるという尊い時間でした。

4人目。二人jaajaジャイアントステップA2C+石丸だいこさん。
最初はただ弾き語りするだけかな、と思ったんですけど、ぜんぜん違った。
なんかへんなのいっぱい出てくる。暗黒舞踏とか。
一言、なんかすごかった。
こんなの音楽じゃない。これはその向こう側、彼らに言わせるところのZEROだ。

ここで午前中終わり。
お昼ご飯は、給食としてカレーが出ました。
給食ってぜんぜん嫌いだったんですけど、カレーだけは好きだったんですよね。
そういう人多いと思うんですが。
給食然とした銀のトレーにカレーと汁ものを載せて運んで、
おいしくいただきました。

午後の1人目は、SESAMEさん。
東京ってかんじのパンクバンドだった。
やっぱり午後の1番目ってお客さんが重くてやりにくそうでしたけれど、
イベントとしてここにSESAMEさんがあったのはすごくよかったのでは。
会場があっためられた気がします。

午後の2人目。大森靖子さん。
このひと目当てに来たんですよね。
といってももう他のひとも楽しすぎて、この時点で満足度はすごく高かったんですけど。
湯さんは前にも大森靖子さんのライブを観たことがあるみたいですけど、
僕は初めてでした。
バンド編成ではない、弾き語りスタイル。
……なんというか、言葉にしずらい。
言葉にできるとすれば、それは「言葉にしずらい」という言葉だと思う。
「世界と戦ってる人」というわりと手あかにまみれた形容があるんですけど、
いまや陳腐な言葉だとしてもかまわない、この形容が似合う。
すごくかっこよかったです。

このへんで体力が尽きてしまって、
湯さんが大森靖子さんとのチェキを撮ったあと帰りました。

総じて、最高なイベントでした。
「ぼくのしあわせをひきかえにします」というコピーがすごくよい。
これ、都心でやったらめちゃめちゃ人が入っちゃうイベントだと思うんですよね。
秋田の山奥で行われたからこそ、めっちゃ人が多くはなくて、
すぐ近くで観られたのがすごくよかった。
はるばる13時間かけて車を走らせて行ってよかった。

何度でも思い出したいです。
ありがとうございました。
誰よりも、このイベントを教えてくれて、着いてきてくれた湯さん、ありがとう。

2017-10-10

マエケンカープ最終年に帽子のひさし裏に書いていた言葉は「心」だそうです。
今年は胃がんからの復帰を目指す赤松真人背番号を書いていたとか。
そんなマエケンが、昨日、リリーフとしてですが、
ポストシーズンの初勝利を挙げました。

そして同日。
にゃんしーの純文学小説「戦場の風使い」が
文藝賞の一次を突破したことを知りました。

今回もたくさんの方に下読みしてもらって、いろんな意見をいただきましたし、
それ以外でも、にゃんしー作品を読んで頂いた方のおかげだと思います。
ほんとうにありがとうございました。

落ちても落ちなくてもがんばることに変わりはない(というか落ちたらもっとがんばらないといけない)のですが、
一次だけでも突破できたことを、ちいさな自信にしようと思います。
自信って、根拠が必要で、根拠ってつまり実績なんですよね。
少しずつ自信を積み重ねていって、もっといい作品を書けるよう精進しようと思います。
もちろん、一番の自信は、にゃんしー作品を読んでくれたり、感想を伝えてくださることなので、
これからも見守ってくださいますとうれしいです。

文藝賞一次通過作の「戦場の風使い」は同人誌として頒布する予定です。
直近だと、
zine展inBeppu4→https://zinebeppu.jimdo.com/
に出します。
11月頭の連休に別府で行われるリトルブックの展示即売会です。
別府近くに住んでる人もあんまりいないだろうけど、とても素敵な町なので、
よかったら観光含めて来てみてくださいね。
別府近郊の方、大歓迎です。

その次は、来年1月に京都で行われる同人誌の展示即売会
文学フリマ京都」→http://bunfree.net/?kyoto_bun02
に出すと思います。

「戦場の風使い」、どんな小説なのか、もし興味あれば手に取ってくださいますと幸いです。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

ちゃんひげちゃんひげ 2017/10/12 13:15 にゃんしーさん、一次突破おめでとうございます!!
すげ〜〜〜〜!!

slymelogueslymelogue 2017/10/14 10:13 ありがとうございます!
一次止まりとはいえ、よかった!

2017-10-08

「本当の戦争の話をしよう」雑感。

| 23:03

「本当の戦争の話をしよう」を読み終えました。
ティム・オブライエン著作村上春樹訳。

本当の戦争の話をしよう (文春文庫)

本当の戦争の話をしよう (文春文庫)


ちょうどタイミング的に村上春樹ノーベル文学賞を取るかな?とか思ってたんですけど、逃しましたね。
まあ遠くない将来に取ることでしょう。

最近、戦争に関する小説を書いていたこともあって、
戦争を取り扱った小説やらエッセイやら読んでたんですけど、
この本が一番しっくり来たかな。
というか、ここ1年で読んだ全ての本のなかで、この本がいちばん面白かった。

「本当の戦争の話」というのは、教訓的ではないんですよね。
教訓的な「本当の話」は、むしろ疑ったほうがいい。
「本当の話」は、
どちらかというと痛々しくて、目を背けたくなるようなもので、
ときどきオーバーで、一見すると嘘のようにも思える。
でもそれが、本人にとってのリアルなんだ。

本書の最後が、初恋のときの女の子が死んだ話で締められていたのもよかった。
それは、「なぜこの作品を書いたのか」という問いに対する答えにも繋がるし、
そもそも「なぜ小説を書くのか」根源的な問いに答えを与えるものにもなりえる。
小説を書くということは、死者を蘇らせることだ。
できなかったあの行為を実現することだ。
自分を描くことで、自分を自分から切り離し客観視することで
過去を終わらせる行為だ。
「戦争の話」から始まって「小説を書く意味」にもつながっていたのが面白かったし、
自問自答している自分の昨今についてタイムリーだった。

文章自体がかなり面白かったですね。
ティム・オブライエンの文章もそうなんだろうし(村上春樹があとがきでいうには「あまりうまくない」とのことですが)
村上春樹がそれを存分に生かしてる感じがします。
わりと説明文体で、それは一般に小説では「してはいけないこと」とされてるんだけど、
ルールなんかまるでものともしない。
いい小説ほど、してはいけないとされていることを迷いなくかましてくるというのは
他の名著でもよく確認できたことでした。
自信があるんでしょうね。
そして、その自信を支えるだけの技術もある。

読書として、読んでいて本当にわくわくして楽しい小説だったし、
「こんなふうに書いてもいいんだ」と勇気を与えてくれる一冊でした。
執筆に迷いある今、この小説を読めたことを幸運に思います。

2017-09-29

「BUTTER」(柚木麻子)雑感。

| 00:38

柚木麻子の「BUTTER」を読み終えました。

BUTTER

BUTTER


2017年上半期の直木賞候補作ですね。
ちなみに、選評では結構ボロボロに書かれています……。
http://prizesworld.com/naoki/senpyo/senpyo157.htm
といっても選考委員
浅田次郎伊集院静北方謙三林真理子桐野夏生宮部みゆき東野圭吾宮城谷昌光高村薫という
錚々たるメンツですからね……。
このひとたちに「設定の甘さ」を指摘されたらもうしょうがない。
少なくともわたしには設定が甘いとは全く思えなかったし、バターのようにどっぷりはまっちゃった。

ていうかなんで柚木麻子読もうと思ったんだっけ?と思い返してたら、
メール整理してたときに思い出した、キリチヒロさんに「固有名詞の使い方が巧みだから読んでみて」と
推薦いただいたのでした。
そのときに推薦してもらったのは「終点のあの子」だったのですが、
ホカホカの直木賞候補という縁もあり、先にこちらを読むことに。
良作を紹介してもらえるのはほんとありがたいことです。

で、「BUTTER」。
冒頭、というか走り50ページくらいが、かなりもっさりとしてるんですよね。
読むのを止めようかと思っちゃうくらい。
でも、筆が乗り出してからがやばい。
次から次へと現れるドラマチックな展開にどんどんのめり込んじゃう。
ちょっと前にツイッターで「良作は書きはじめから優れてる」という説を見ましたが、
そうでもないかな、と思います。
最近読んだ「沈黙」もそうだけど、ハイギアードに設定されてる作品はいくらでもある。
逆に、冒頭だけ面白い作品は、同人誌に多い気がしますね……閑話休題ですが。

「BUTTER」は展開の面白さも目を見張るんですが、
他に注目したいのは、料理の描写力。
「BUTTER」というタイトルだけあって、バター醤油がけ御飯を皮切りに
バターを使った料理がたくさん出てきます。
それを作ったり食べたりする場面に費やされる描写力が神がかってる。
もう、料理に対する描写じゃないですもん。
一番これやべーなと思ったのは
「セックスしたあと、深夜に独りで食べるバターラーメン
ですね。
セックスの場面からラーメンを食べる場面まで、本当にほんとうに美味しそうに描かれてるんですよ。
そんなん食べたくなるに決まってるやん。

人間の描写も優れてて、特に主人公とその友人の間の百合的な展開が面白かったかな。
女性同士の同性愛を描いてるから、百合といえばそうなんだけど、
もっとジャンルを越えた何かな気がする。
ある意味でBLといえる「きらきらひかる」を読んだときも思いましたが、
良作はBLとか百合とか、そういう、ジャンルを越えたところに存在する気がします。
むしろジャンルは言い訳とすら云えるのかもしれない。
これはそういうジャンルだから……というエクズキューズ。
すこし前、LGBTの人口比率を調べたことがあるんですが、全然資料が無かったんですよね。
いわく、LGBTという区分けはすごい曖昧なんだって。
あるひとはLであり、Bであり、時にヘテロである、そういう現象が往々にしてあると。
LGBTというのは個人に定義される概念ではなく、そのときどきの関係に基づいて定義されるものなのかもしれませんね。
だとすれば、小説に描かれたときに個人というレベルではそれが曖昧に描かれるというのは、
よりリアリティをもって迫る気がします。

あとはミソジニーを始めとした社会派なネタや、ミステリー要素を多分に含んだ展開も、
ページをめくる指を加速させるものでした。

一言、おもしろかった!
バター醤油がけ御飯食べてみたいです。
小説を読むことによって現実が影響を受けるというのは、
ほんとうの良作だけが与えてくれる小説の醍醐味だと思います。