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にゃんしーの。

2016-05-06

魚津旅行記。

というわけで、魚津に行って参りました。

魚津というのは富山県にある、日本海沿いの町。
富山県の中では富山市高岡市射水市南砺市氷見市砺波市に次いで
7番目に人口が多いことになるのかな。
「蜃気楼が見える町」として知られています。

ここ1年くらいか、ずっと魚津に行きたくて。
それは瀬戸内育ちの北陸に対する憧れであり、
祖父母から繰り返し聞かされた日本海の荒波への郷愁であり、
魚津を舞台に書かれた小説ブルー三部作の土地を見たい気持ちであり、
ブルー三部作著者キリチヒロさんの魅力であり、
あるいは、ただ何となくだったのかもしれません。

ブルー三部作「ミニチュアガーデン・イン・ブルー」「夏火」「はばたく魚と海の果て」
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何となく、ただ導かれるように。

尼崎から魚津までは高速道路で、滋賀県を通り、米原JCTで北陸道に入り、
福井を抜け、石川を抜け、400kmくらいあったけど
「どんな場所なんかなあ」と考えてるとすぐでした。
そういえば前にその道を1回だけ走ったことがあって、
付き合ってるのか付き合ってないのかよく分からん子と
軽トラックに乗って金沢に行ったのだった。
少しだけ寂しくなる。

昼過ぎくらいに魚津ICで降りて、そのまま海に向かいました。
まずは蜃気楼が見たかった。
町は海沿いにだけ開けていて、海までの距離がすごく近い。
ブルー三部作の最初と最後に2回だけ、「この町の人は、海に向かうことを「下りる」と言う」という
表現が出てくるのですが、分かる気がする。
それが分かっただけでも、来れてよかったと思う。

蜃気楼というものは、在りもしない町が海の上に見えるものかと思ったんですけど、違うんですね。
対岸の町の上にゆらゆら影が浮かび上がるのが上位蜃気楼で、これはすごく珍しくて魚津でも滅多と見れない。
対岸の町の下にさかさの影が浮かび上がるのが下位蜃気楼で、こっちは別に珍しくもなくいろんなところで見られる。
そんなことも来る前までは知らなかったので、やはり触れないと分からないことは多い。

蜃気楼は、見れませんでした。
時期としては5月でちょうどいいタイミング、天気もいい具合に晴れてくれたんですけど、
いかんせん風が強すぎた。
天気・季節・気温・風向き・風量、いろんな条件が奇蹟的に組み合わされないと(しかもその条件は未だよく分かっていない)
蜃気楼は見れることがない。
そのことが、魚津にいながらにして、また魚津を遠くさせる。

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別によく撮れているわけでもない写真。
魚津だと言わなければ分からないような光景。
でもこの海を見て、泣いてしまったのだった。
太陽が波間に反射してきらきらとして、カモメがはばたいて、
青色がどこまでも広がっていて、強い風が吹いて、
波しぶきが顔に散って。
瀬戸内の海は、凪ぐ
こんなふうに激しく波は叩きつけない。
しばらく海を見た後にくちびるを舐めると、塩の味がすることを知った。
そんなことが怖かった。海が怖かった。
感動って「怖い」のことだと思う、そんな風に考えていた。

海沿いのコンビニでわかめだかこんぶだかがぐるぐる巻いてあるおにぎりを買って、
テトラポッドの隙間にお気に入りの場所を見つけて、だいぶ佇んでいた気がします。
そのあと埋没林博物館に行って、ふらっと経田漁港まで。

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漁港は、金色の光が垂れこめていて、すごくきれいでした。
ブルー三部作の智尋も、物語の最後に、このなかに陸の姿を見たのかなー、と思ったり。

そのあと富山地方電車にちょっとだけ乗って、
雨に降られたのでサンプラザに入って、ばんごはんを食べました。
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がっつり食べて590円、しかもお魚めっちゃ美味しかった。

ホテルに入ってちょっとくつろいだ後、
真夜中にホタルイカを見に行きましたがものすごい釣れてる図は見られず。
また今度見よう。

2日目。

ガソリン入れて、ついでに塩だらけになったので洗車して(まあすぐ塩だらけになるんだけど)、
車で海沿いをぶらぶらドライブ。
滑川市との境目にある早月川を越えて、そこからの風景を眺めたり、
諏訪神社でおみくじを引いたりしてました。
おみくじは中吉。
でもいいことばかり書いてあったかな。
「吹く風に沖辺の波の高けれど心静けき我港かな」
と書いてあった言葉が、しっくりきて嬉しかった。

お昼に魚津駅でキリチヒロさんと合流。
ラーメンを食べに行きました。
まず、はじめ家というところに行ったのですが、これが超絶人気で。
とても入れる状態ではなかったので、8番ラーメンに向かいました。
こっちもめっちゃ人多かったなー。ラーメン人気なの?
(キリさんは「ババ混み」とか言うてはった)
まあこっちは十数分待てば入れたので、野菜ラーメン食べました。
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野菜たっぷりで美味しかった!

その後、魚津水族館へ。
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このレトロな外観……(そして横にいてはる怪しいキャラクター)
魚津水族館は大正二年に建てられ、今が三代目。
現存する水族館としては、日本最古だそう。

なんか……めちゃめちゃニッチな展示だった。
まず展示形態が古くて、扱ってる魚も食べられる地味なものが多い。
富山湾の魚が多かったですね)
エビとかの動きがいちいちきもい。
それがかなりツボで、ちょいちょいツッコミ入れながらクソ楽しみました。
魚見てると語彙力下がりますね……
「でかい」「やばい」「きもい」「カメや」「エビや」くらいしか言ってなかったような。

それから蜃気楼ソフトを求めて海の駅へ。
3時前くらい、いい感じに人も少なくなっていて、
僕は蜃気楼ソフトを、キリさんは加積リンゴソフトを食べてました。
蜃気楼ソフトは塩バニラ味。青色してて可愛く、おいしかったー!
魚津は加積リンゴの名産地だそう。

その後は海がきれいに見えるスポットをキリさんに教えてもらって、
缶コーヒー飲んで煙草ふかしながら、のんびり小説の話とかしてました。
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それからキリさんを車で送って(途中、ブルーの三人の高校を見た!)お別れしました。

なんとも。楽しかった。
魚津に行ってよかったなーと思います。
海を見て泣いたこととか、くちびるに張り付いた塩の味とか、
きらきらに輝く光とか、煙草の美味しさとか、キリさんと話したこととか。
ただ、楽しかった。

この日記は個人的な記録みたいな感じで特にオチもないし、
「楽しかった」以上に本当に何もないんだけど、
付け加えるなら、また魚津に行きたいな、と思います。
少なくとも二度は行きたいかな。
雪が積もる時期と、それから、また5月ぐらい蜃気楼が見える時期に。

キリチヒロさん、ありがとうございました。
ブルー三部作、ありがとう。
魚津、本当にありがとう。