リピトール

2011#44
コレステロール血症治療学術講演会

Okinawa Harborview Crowne Plaza

特別講演Ⅰ

思った以上に進行している腎障害〜最適なCKD治療戦略とは〜
◎笠原正登先生(京都大学大学院医学研究科EBM研究センタ−特定准教授)

透析患者の5年生存率は50−60%。5年で半分が死ぬ。
前立腺癌患者の5年生存率は50%、胃癌患者は84%
生死で考えると癌以上にこわい。


SCrが0.6→0.7に低下するということは大変なこと。
正常な腎臓なら13年分機能低下したということで
SCr2.0→5.0に低下するのに匹敵する。


NSAID投与により腎乳頭部は
最も血流の阻害を受けやすい部分となる。


食塩から見た高血圧の分類
1.食塩非感受性高血圧
  濾過圧低下による代償性高血圧
2.食塩感受性高血圧
  a.濾過能低下によるもの
  b.Na再吸収亢進によるもの


TNT試験 
リピトール10mgを2年使用後に
eGFRが2ml/min改善していた。これは驚くべき結果。


肥満者は食塩を排泄しにくくなる
スタチンで血圧が下がる。正常者は下がらない。
メタボではNa再吸収が亢進する。



http://www7a.biglobe.ne.jp/aijinkyo/gfr_hayami.html


eGFR : estimated Glomerular Filtration Rate
http://www.kyowa-kirin.co.jp/ckd/check/check.html



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t157/201109/521220.html

特別講演Ⅱ

動脈硬化の進展阻止とイベント低下を目指した脂質管理
宮内克己先生(順天堂大学医学部循環器内科学講座専任准教授)


プラークが進展から退縮になるLDL-C値のターニングポイントは78
コレステロールは下げれば下げるほど良い。全死亡率を下げる。
LDL-Cを40未満にしても死亡率が増えることはない。
癌の発生率にも変化なし。
LDL-C低下にJ-カーブはない。(Lancet 2010 CTT Meta Anal.)



タバコ増税巡る暗闘

タバコ増税巡る暗闘 背景は財務省天下り確保 高橋洋一

http://www.j-cast.com/2011/09/08106679.html より一部改変



タバコ問題の本質は何かというと、JTの株を売却するかどうかだ。
日本たばこ産業株式会社法」で
政府はJTの株式の過半数を持たなければいけないとされている。
もっとも、国民の健康被害を考慮すると
タバコ会社の株式を政府が持つというのは欧米の感覚ではかなり異常だ。


6月14日の英フィナンシャルタイムズでは
原発事故による放射能汚染が深刻化する中で
発がん性の点では放射能と同様に危険なタバコで
政府はJTから配当金300億円をもらうなどして儲けていると報道され、皮肉られている。


ここで障害になるのが
JT株式を財務省保有していることと
タバコ産業の所管が財務省であることだ。
財務省にとってJTは、有力な天下り先なので防戦に必死だ。
今でもJT役員に、涌井洋治会長、武田宗高副社長、立石久雄監査役と3名も天下りしている。


政府が保有するJT株の時価総額は1.7兆円。
復興財源との関係でも、売却代金を復興財源とする考え方もでている。


財務省はJT株を売却され、タバコ業の所管でなくなると天下りができなくなる
そうなると困る財務省が早速動き出した。
財務省出身の秘書官などを使って
官房長官蓮舫行革大臣から小宮山厚労相批判がでてきた。
財務省は、総理の他にも、官房長官、行革担当相へも秘書官を派遣しているので
財務省ネットワークが動き出したことがわかるのだ。


ただ、面白いのはJTがこの機会に
政府株の完全売却を目論み、財務省支配から脱しようとしていることだ。


小宮山厚労相のタバコ発言の裏で、JT株の売却という復興財源話と平行して
タバコ産業の所管を巡る財務省厚労省の争い
財務省から天下り支配を脱しようとするJTが動いている。