イーケプラ

2013 #9
レベチラセタム学術講演会〜これからのてんかん診療を考える〜

Hotel Nikko Naha Grand Castle

【特別講演】

日常の診療でてんかんを診る〜てんかんの診断から治療まで〜
◎広島大 脳外科 講師 飯田幸治先生


てんかん患者:日本では100万人 毎日200人が発症


最初の抗てんかん薬で約50%が発作消失
2剤目を追加して+10%


第1選択薬
二次性全身けいれんを含む部分てんかんカルバマゼピン
特発性全身けいれんを含む全身てんかんバルプロ酸


第2選択薬
妊娠を希望しない患者
レベチラセタム>ラモトリギン


妊娠を希望する患者
レベチラセタム<ラモトリギン


フェニトイン:歯肉増殖
アメリカでは第3選択薬になっている。


レベチラセタムは効果発現が早い
副作用少ない
薬物相互作用を考えなくていい


2−3剤でダメなら専門医へ紹介する
キーワードは「発作がとまらない」


側頭葉てんかんには外科的治療が優る


AED : antiepileptic drug

警告:喫煙はあなたの雇用を害する恐れがあります

Warning: Smoking Is Hazardous to Your Employment .
警告:喫煙はあなたの雇用を害する恐れがあります
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323366004578409463685069482.html


 米国の成人喫煙率


企業が標的にしているのは太り過ぎの社員だけではない。
喫煙者もやり玉に上げられている。


数は多くはないものの
喫煙者の採用を拒否する企業はここ数年間で増加している。
企業側は無料の禁煙プログラムや報奨金を用意して
喫煙者に禁煙を促したが、効果がなかったと説明している。


一部の医療専門家は
喫煙者の削減には最終的にはそれだけの価値があるとして
この方針を支持している。しかし、連邦政府の統計から
貧困・低教育層の喫煙率が高いことがわかっており
喫煙者の採用を拒否する方針はこうした人たちを標的にするという意味で
倫理的な一線を越えるものだと指摘する専門家もいる。


米国企業の中で、喫煙との関連で
社員に報酬を与えたり罰則を科したりする企業は約4割に上る。
しかし、喫煙者の採用を拒否する動きは勢いを増しつつあり
健康に関する企業団体のナショナル・ビジネス・グループ・オン・ヘルス(NBGH)と
コンサルティング会社タワーズワトソンの最近の研究によると
企業の約4%がこの方針を導入済みで、2%が来年の導入を予定している。
喫煙者の採用を拒否することは21の州で合法とされている。
多くの企業は就職希望者に喫煙するかどうかを質問するだけだが薬物検査の一環として
ニコチン反応を調べるための尿検査を義務付ける企業も少ないながらある。


当然のことながら、医学界では論争が起きた。
例えば、ペンシルベニア大学ヘルス・システムが
今年7月から喫煙者を採用しないと発表すると2つの医療研究者グループが
この問題について主張が真っ向から対立する論文を執筆した。
この2本の論文は先ごろ
ニューンイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。


このうちの1本を共同で執筆したエゼキエル・エマニュエル氏は
喫煙者の採用拒否は
喫煙率の高い貧困・低教育層に対する差別だと主張している。
喫煙率は連邦政府の定める貧困ライン以下で暮らす人や
高校の教育を受けていない人のほうが高い。


これに対し支持派は、企業は他の方法も十分に試したが
さらに厳しい取り組みが必要になっている、と主張する。
喫煙者の採用拒否を支持する論文を共同で執筆したデービッド・アッシュ氏は
喫煙者は採用を拒否されることで、ニコチン離脱よりも
つらいものになりうる社会的な結果に直面すると述べた。


企業側は確かに、穏便な手段を試したものの残念な結果に終わったと説明している。
喫煙者を採用しない方針を2007年に導入したクリーブランド・クリニックの
デロス・コスグローブ最高経営責任者(CEO)によると
最初は敷地内での喫煙を禁じたり、無料の禁煙治療を提供したりしたという。
しかし、喫煙者の採用を続ける限り
「タバコを吸う医者が患者に喫煙をやめるように指示する」ようなものだった
とコスグローブ氏は話している。
採用しない方針について当初は懐疑的な見方もあったが
「実際にはお礼を言われることが多い」そうだ。

不妊治療助成「39歳まで」

不妊治療助成「39歳まで」有識者会議で検討へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130408-OYT1T01701.htm?from=top



不妊治療への公費助成について、厚生労働省
対象年齢に上限を定めることを含めた制度改正の検討を始める。


研究班(代表者=吉村泰典・慶大教授)が
40歳以上では医学的な有効性や安全性が低く
「公的助成に年齢制限を設ける場合、39歳以下とするのが望ましい」
とする報告書を先月まとめたため。


不妊治療は保険がきかず、体外受精などの高度治療には
採卵を含む場合1回30万〜40万円程度かかる。
国と都道府県などが2分の1ずつ負担し、1回最大15万円が補助される。


04年度約1万8000件だった受給件数は
11年度は約11万3000件と6倍以上に急増した。
1件15万円とすると11年度は約170億円かかった。


(2013年4月9日07時13分 読売新聞)

MTX使用の原則

「十分量を使う、問題があればまず休薬する」がMTX使用の原則
埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科教授 天野宏一氏に聞く
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/ptra/interview/201304/529700.html&di=1


メトトレキサート(MTX)は関節リウマチ治療の主役とされ
関節リウマチ患者の疾患コントロールに大きな役割を果たしている。
その半面、間質性肺炎や肝機能障害、骨髄障害などの副作用があり
腎機能障害者には慎重投与、妊婦には禁忌とされるなど、投与に注意を要する。
MTXの有効性と安全性、忍容性が得られない場合の他剤への切り替えなどについて
埼玉医科大学総合医療センター リウマチ・膠原病内科教授の天野宏一氏に聞いた。


MTX治療は6〜8mg/週で開始し、忍容性を確認しながら投与量を増やしていきます。
効果は用量依存性なので、十分量を投与するのが基本です。


16mg/週まで増やすことができますが
私は体重当たり0.25mg/週を上限用量の基準としています。
すなわち、体重50kgの人なら12.5mg/週、60kgの人では15mg/週になります。


欧米では25mg/週程度を上限としていますが
欧米の関節リウマチ患者は平均体重が70kg以上と
日本人患者の平均体重の1.5倍近くありますので
日本におけるMTXの上限値16mg/週という設定は妥当な水準だと思います。


MTXの副作用としては、間質性肺炎、骨髄抑制、感染症、肝障害などがあります。
投与前にこうした疾患があれば、投与禁忌となります。
また、受精卵の分化や成熟に悪影響を与えるので
妊娠中の投与は絶対禁忌になっています。


◆MTXの副作用への対処は診療連携と休薬がカギ
副作用を疑う症状があった場合、MTXはいったん休薬します。
関節リウマチの悪化を心配してMTXを服用し続けるのは危険です。
感染症間質性肺炎
悪化すれば比較的急性に生命に関わる事態に陥りかねないからです。


そのため、平素から患者さんの言うことに耳を傾け
「ちょっと咳が出る」「微熱が続く」といった訴えがあれば
X線画像で評価したり、間質性肺炎のマーカーであるKL-6や
ニューモシスチス肺炎のマーカーであるβ-D-グルカンを測定することが必要です。


MTXは葉酸拮抗薬であり、連用していると葉酸欠乏をきたし
骨髄抑制や肝障害、粘膜傷害を起こします。


こうした症状の予防には葉酸の併用が有効で、週1回、MTXの最終服用から
24〜48時間後に葉酸製剤を服用すれば、骨髄抑制はほぼ予防できます。
また、骨髄抑制が発生した場合には
MTXの解毒剤として知られるロイコボリンを投与
することで回復します。


◆MTX継続不能からの切り替えで最も有効なのは生物学的製剤のモノセラピー
MTXで治療効果が得られない場合
通常の抗リウマチ薬か生物学的製剤とMTXとの併用を行います。
メタ解析によれば、臨床的有効性に関しては両者に大きな差はありませんが
骨破壊の抑制については、生物学的製剤の方が優れています。
そのため、まずMTXと生物学的製剤との併用を検討し
経済的理由などで生物学的製剤を使用できない場合には
通常の抗リウマチ薬との併用を考慮します。


安全性については
生物学的製剤よりも通常の抗リウマチ薬との併用の方が
副作用で中止となるケースが多いことが指摘されています。
生物学的製剤では、感染症がより多いという問題点はありますが
臓器障害はほとんどないのがその理由だと思います。


副作用が出現した場合など、MTXを継続できない症例では
多くの場合、最も有用なのは生物学的製剤の単剤療法(モノセラピー)です。


原段階では、有効性において生物学的製剤を上回る抗リウマチ薬はないと思います。
MTXを使用できない場合、安全性に十分配慮した上で
まずは生物学的製剤の使用を考慮するのがよいと考えています。


生物学的製剤ではありませんが
今年3月に承認されたトファシチニブも単剤での効果が期待されます。
ただし、安全性の確認などはこれからの課題です。


MTXは投与が週単位で患者さんが把握しにくいこと
服用後の気分不快が比較的多いことなどにより
指示通り服用できていないことが多い(アドヒアランスが低い)と言われています。
実際、「薬剤が余っているので処方量を調整してほしい」
という患者さんが少なくありません。


◆当分はMTXが関節リウマチ治療の主役
ここまで述べてきたように
生物学的製剤は関節リウマチの治療体系を変える画期的変革をもたらしましたが
経済的な側面や内服であることなどの利便性を考慮すると
少なくともここ数年はMTXが関節リウマチ治療の主役だと思われます。


このため、間質性肺炎や肝障害などについてきちんとモニタリングをしながら
十分量を使うことが大切です。
患者さんには、発熱や風邪症状など、何らかの不安がある場合
まず休薬し、後で主治医に相談するといった対応を指導するべきと考えています。