野田秀樹による「真夏の夜の夢」

桐朋学園芸術短期大学演劇専攻ストレートプレイクラス試演会を観る。宮崎真子演出による野田秀樹版「真夏の夜の夢」。野田さんの芝居を観るのは1998年のRolling Stone以来。1992年に日生劇場で上演された「真夏の夜の夢」、観たような記憶があるが定かではない。それにしても久々の野田ワールド。ミラクルだった。洒落、地口の奔流が演劇のディスクールのエネルギーとなってほとばしる。久しぶりにその快感に浸る。1部最後のスローモーションも懐かしい。最後の妖精たちを従えた「そぼろ」の長台詞、はからずも涙がとまらん。全篇をとおして妖精たちのコスチュームもダンスもすばらしい。「ときたまご」熱演でした。「メフィストフェレス」の演技力、群を抜いてた。充実の2時間半だった。「森」は今や分厚いコノテーションを示している。そこが今上演することのひとつの意味。