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2013-01-19

One Direction(ワン・ダイレクション)の販売戦略とアプローチ

21:57 | One Direction(ワン・ダイレクション)の販売戦略とアプローチを含むブックマーク One Direction(ワン・ダイレクション)の販売戦略とアプローチのブックマークコメント

One Direction(ワン・ダイレクション)という英国のボーイズグループが来日した。
一番最初にメディアで目にした時、「ジャスティン・ビーバーが5人いる」という印象を持ったが、本当にそういったコンセプトで作られたらしい。

 
 
ワン・ダイレクションは従来のボーイズグループの定型を踏襲していないところが人気の秘密だと言われている。
メンバーが揃いの服を着ずファッションがバラバラ、ダンスもしないし、全員がリードボーカルを担当し、自分たちのキャラクターをそのまま個性として売ることがアイデンティティであると。
全員がリードボーカル=コーラスではなくユニゾン、パフォーマンスよりキャラクターの魅力と関係性で売る…。
…それ「ジャニーズ」やん。
 
「X-Factor」というオーディション番組で落選した5人をプロデューサーが拾い上げ、寄せ集めてグループ結成。
…それ「モー娘。」やん。
てことはサイモン・コーウェルがつんく♂か。

実際、18,9歳の寄せ集めの少年グループが自分たちの販売戦略をセルフ・プロデュースするのは難しい。
海千山千のプロモーターと渡り合っていくことは到底不可能だろう。
とういわけで、バックで販売戦略・営業戦略を練っている存在は確実にいるはずなのだが、ワン・ダイレクションのプロモーションに関する全権を掌握してるのがサイモン・コーウェルなのかどうかはよくわからなかった。
 
ワン・ダイレクションの海外での販売戦略の主力はネット。
FacebookYouTubeTwitterGoogle+、SoundCloud。
アメリカではSNS戦略が功を奏したらしい。
SNSでのファンの情報拡散の速さと、熱気の共有、ファンベースの拡大によってモチベも拡大させるファンイベントの開催。
それとYoutubeを徹底的に使った映像プロモーション。昔MTV、今Youtubeか。
 
彼らの楽曲を手掛ける作家チームは3人だが、元々ウェストライフ(アイリッシュ・ボーイズグループ)の楽曲を手掛けて名を上げてきた作家チームだそうだ。楽曲コンセプトは「バニラでスイートで等身大」。
あー、作家グループがいて高度なアイドルソングを提供しイメージ戦略を徹底してるわけね。
 
日本のアイドル・コンセプトの影響かと思いきや、下地は典型的英国ボーイズグループだと思われる。
違うのは販売戦略か。時代に合わせてネット主戦にしてる点が勝因だろう。
意外なようだが、英国というのは元々ボーイズグループ(男アイドル)の老舗なのである。ベイ・シティ・ローラーズ、テイク・ザット、ウェストライフ、ボーイゾーン、ザ・ウォンテッド。これ全部、UKボーイズグループ。全員、オーディションで集められた企画モノでルックスがビミョー。即大人気になるがポシャるのも早い、という。
ええ、申し訳ないんですが。
ルックスがね、わりとビミョーだと思います、ワン・ダイレクション。
可愛いこた可愛いが、とんでもないイケメンがいない。
これならまだ80年代、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれた時代の英国ロックミュージシャンのほうが美形が多かったように思う。


 
これから本格的にワン・ダイレクションを日本で売ってくことになったらしいが、これを日本でどうやって売ってくのか、非常に興味がある。
日本はボーイズ・グループはジャニーズ帝国の独占市場なので。
韓流ボーイズグループは「ジャニタレにないワイルド・マッチョ志向、日本のタレントにないパフォーマンス完成度の高さ」を売りにしてニッチな需要を確保してたけど(ステマ込み)、TVとネットで情報漁った限りでは、ワン・ダイレクションって結構日本の既存のアイドルとターゲット層が被ってるように思うから、ジャニーズ帝国の市場に割って入るのは難しいんじゃないだろうか。
 
で、興味深かったのが来日時にやたらと用いられた「ビートルズの再来」というキャッチコピーだ。
たしかに「UK出身アーティストが、ビートルズ以来50年ぶりに世界中を熱狂させている」「ビートルズに熱狂した世代の孫娘が夢中になってる」という意味で「ビートルズ以来の衝撃」と海外でも言われている。
が、決して「ビートルズに似てる」わけじゃあないんだよねえ。
 
80年代中盤までは「外タレ」は大変ありがたい存在だった。
明治維新以来、日本人は舶来ものは何でもありがたがってきた。海外の人気グループが来日なんてことになったら問答無用で歓声をあげて群がった。
が、80年代後半に起こったバンドブームで邦楽・洋楽の勢力図が一変したため、90年以降は外タレアイドルグループを日本で売るのはかなり難しくなっている。特に90年代以降のボーイズグループは基本的に日本で売れない。
ボーイゾーンだのザ・ウォンテッドだのって言っても知らないひとのほうが多いでしょ。
ワン・ダイレクションってデジタル時代のアイドルっていわれてるけど、それこそ「言葉の壁」があるから日本ではSNSを主戦場にすんのも難しそうだし。
 
で、「ビートルズ」なわけです。
「どんだけワン・ダイレクションが凄いか」を日本人に一目瞭然で説明するために、空港到着時にハッピを着せたわけですね。ビートルズにあやかって。
未だに多くの日本人にとって「空港到着時にハッピ着てる外タレ=ビートルズ」。
 
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ワン・ダイレクションにもっとも多く金使う層は女子中高生。
外タレというだけで土下座してありがたがった層はその母親世代より上なんじゃないだろうか。ていうか女子中高生って「そういえば教科書に載っていた」くらいの認識しか持ってないと思う、ビートルズに対して。
となると、彼らにハッピを着せたのは誰に対するアプローチなのだろう。
それが非常に興味深かった。