小宮山博史×鳥海修「活字デザイン今昔」

青山ブックセンター本店で2月8日(日)に行なわれたトークショー「活字デザイン今昔」に行ってきた。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200902/_200928.html
小宮山博史さんの著書『日本語活字ものがたり』の刊行記念イベントだ。

書体史研究者であり書体デザイナーである小宮山さんと、字游工房の書体デザイナー・鳥海修さんの対談とくれば、かなりディープでマニアックな文字の話が聞けるに違いない!と期待が募る。イベント前、控え室の小宮山さんに「ごぶさたしています」とごあいさつに行くと「ほんとうにごぶさた」と言われてしまい頭を下げるも、「お願いがあるの。本を読んでくれたら、ぜひ、正直な感想をください。批判でもなんでも、正直に」とおっしゃる。「ここが足りない、もっとこうであれば、そういうことを言ってもらえたら、がんばれるじゃない。よーし、あいつにこう言われたから、やるぞー!って」と。

『日本語活字ものがたり』は、日本語タイポグラフィ草創期における人々の苦労や技術の展開、活字や組版の成り立ちをていねいに追いかけ、やわらかな語り口で「読みもの」としてまとめた、とても素晴らしい本だ。けれども、その素晴らしい研究成果をまとめてなお満足しない、さらなる上を目指したいという小宮山さんの真摯で熱い思いに、ただただ感服した。書く人としてこうありたい。

「今日はディープなお話を聞けるのを楽しみに来ました」と伝えると「プレッシャーだなあ」とおっしゃっていたけれど、期待に違わずディープで熱い文字話を聞かせていただき、2時間があっという間だった。内容については書き始めると止まらなくなる気がするので、時間を見つけつつ、またあらためて。書けるようであれば。