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歴史をテーマにした小説・新書を中心とした書評日記

2005-10-23

[]天下城

城と言えば石垣に白亜の天守、そんなイメージを持つ人がほとんどであろうが、石垣と天守の組み合わせを持つ城は日本全国にあった城の中でもごく一部でしかない。
日本にあった城と呼ばれる物のほとんどは石垣なんかない土と木でできたものである。

石垣を持つ城は戦国時代の終盤になって大規模な土木工事をできるだけの労働者を集められる権力と財力をもつ大規模な大名の出現と、そして石積みの技術の発展があって可能になった。

この小説はその時代の波に翻弄されながらも、石垣職人として数々の戦国大名の居城の石垣を積み、そして時の最高権力者織田信長の権威の象徴「安土城」の石垣を積む事になった戦国時代の一庶民を描いた小説です。

戦国時代を扱った小説の大部分が大名や武将をあつかっていて、ごくまれに大名の姫が主人公になる程度で一般庶民が主人公になった物が少ない中で、庶民の生活や感じ方等が逆に新鮮に感じられました。

城好きの方なら読んでみれば、各地の名城と言われる城を見た時の感じ方がまた違ってくるかも。

本文中ではいろいろな石垣の積み方が出てきますが、文章だけではイメージしにくい方はこちらのサイトを見てみるとイメージしやすいですよ。

「古城探訪」石垣の見方

天下城 (上)

天下城 (上)