ヨハン・テオリン『黄昏に眠る秋』(ハヤカワHM文庫)
霧に包まれたエーランド島で、幼い少年が行方不明になった。それから二十数年後の秋、少年が事件当時に履いていた靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに突然送られてくる。イェルロフは、自責の念を抱いて生きてきた次女で少年の母のユリアとともに、ふたたび孫を探しはじめる。長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた二人を待つ真実とは?(早川書房:http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/439001.html)
スウェーデンの深い霧に包まれるエーランド島が舞台のしみじみとした味わいの良質のミステリ。二つの過去と現在がどう交錯していくのか、語り口が巧く最初から吸引力が強い。また人物造詣が単純ではないのが余韻を残す。じいちゃん、ばあちゃんたちが良い味。さりげない自然描写も印象に残る。
- 作者: ヨハンテオリン,Johan Theorin,三角和代
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 文庫
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