変な法律−警察官は、誰からでも敬礼を受けたときは、必ず答礼しなければならない

変な法律を発見。
日本の警察官は、市民などから敬礼された場合は、必ず敬礼を返さなければならない義務があるようです。


日本にある「警察法」という法律は、警察組織や警察職員に関する事項を規定しています。
この警察法の第 70 条には、以下のような条文があります。

(礼式等)
第七十条  警察職員の礼式、服制及び表彰に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。


上記条文により、警察官の礼儀についての決まりは、国家公安委員会規則第一七号 「警察礼式」 の定めに委任していることになります。



そこで、国家公安委員会規則第一七号 「警察礼式」を読むと、第 8 条には、以下のような条文があることに気付きます。

(答礼)
第八条  敬礼を受けたときは、何人に対しても、必ず答礼を行わなければならない。


上記によると、市民が街中などにいる警察官に向かって敬礼をした場合は、警察官はそれに「必ず」答礼をしないといけないという法的義務があるということになるのでしょう。
街中で警察官などを見かけた際は、敬礼してみると良いのかも知れません。


それにしてもこれは変な条文だと思いました。
「警察職員以外から敬礼を受けたときは、答礼することができる。」などと規定していればまあ良いのではないかと思いますが、「敬礼を受けたときは、何人に対しても、必ず答礼を行わなければならない。」 と極めて強く強制している理由は何なのでしょうか。



ついでに色々と細やかに規定されています。

(敬礼の方法)
第十四条  室内の敬礼は、受礼者に向つて姿勢を正し、注目した後、体の上部を約十五度前に傾け、頭を正しく上体の方向に保つて行う。
2  前項の場合において、帽子を持つているときは、右手にその前ひさしをつまみ、内部を右ももに向けて垂直に下げる。
3  前項の規定にかかわらず、制帽を持つている婦人警察官にあつては、右手にその縁をつかみ、記章を前方に、内部を右腰に向け、右腕に抱える。
(敬礼の要領)
第二十一条  挙手注目の敬礼は、受礼者に向かつて姿勢を正し、右手を上げ、指を接して伸ばし、ひとさし指と中指とを帽子の前ひさしの右端(制帽を着用している婦人警察官にあつては、つばの前部の右端)に当て、たなごころを少し外方に向け、ひじを肩の方向にほぼその高さに上げ、受礼者に注目して行う。
2  警棒の敬礼は、受礼者に向かつて姿勢を正し、警棒を握つたこぶしを前方に向け、そのおや指があごの直前約十センチメートルの位置に来るよう活発に上げ、警棒を身体と約十五度になるように前に傾け、つばの一方の先端部をあごに向けて受礼者に注目して行う。
3  第十五条の規定は、前二項の敬礼に、これを準用する。