登 大遊@筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻の SoftEther VPN 日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2011年11月27日 (日)

道路交通法には、免停基準に達しても永久に運転できるセキュリティホールがあるのではないか?  道路交通法には、免停基準に達しても永久に運転できるセキュリティホールがあるのではないか?を含むブックマーク  道路交通法には、免停基準に達しても永久に運転できるセキュリティホールがあるのではないか?のブックマークコメント

私は運転免許証を持っており、また、自動車を運転する機会もあるので、安全運転のためにも、道路交通法について詳しくなろうと志し、この法律について熟読していました。

すると、すごく変な手順を踏んで道路交通法を以下のように活用することにより、何度も交通違反を重ねて免許停止処分や免許取消処分に該当するようになった運転者であっても、日本国内で適法にかつ永久に運転することができるのではないか、ということに気付きました。

道路交通法において、以下のような変なことができるようになってしまっていることは、交通違反を繰り返した運転者が、本来は免停や取消になるべきところ、工夫をすることにより免停や取消を免れることができてしまうことを意味します。

これは一種のセキュリティホールなのではないかと思い、将来このような工夫をしようとする人が増えることで交通違反の量が増え、日本の道路における危険が増大してしまうことを避けるために、セキュリティホールの修正が必要なのではないかと考え、この記事にまとめて blog に掲載しようと思いました。


11/28 この記事の最下部に「よくある質問と回答」を追加しました。

11/28 警察による捜査のための出頭要請、公安委員会による免許処分のための出頭要請の 2 つは、全く性質が異なるものですが、混乱する方もいらっしゃると思いますので、説明図を追加しました。


セキュリティホールについて示した図は、以下のとおりですが、詳しくは下記文章で説明します。


f:id:softether:20111128004057j:image


警告と免責: ここで記載する内容は個人的に研究をした結果に基づいているもので、有効性については一切保証されていません。ここで記載している内容を参考にしたことによって損害が発生しても、著者は一切責任を負いません。著者がここで記述している内容はあくまでも思考実験の過程によるものであり、運転者に対して法令違反行為をするように唆しているものではありません。ここに掲載した記事の趣旨は、論理的にはここに記載されているようなことが可能なのではないかという推論に基づくものであり、そしてそのようなことが可能であれば一種の不具合であると言うことができるので早急に不具合を修正しなければならないという問題提起を目的としたものであります。道路交通法以外の法令についても検証不足の点がある可能性があります。以下の行為を実際に実行することを勧めるものではありません。もし、実施される場合は、それぞれの行為が刑事罰の対象にならないかどうか十分注意してから、刑事罰の対象とならない行為のみを行ってください。

前提知識 その 1: 免許停止や免許取消とは

f:id:softether:20111128001338j:image:right道路交通法によると、運転免許を持っている人が一定回数の違反行為 (または反則行為) を行い、点数が 6 点や 15 点などに達した場合、免許の発行者である公安委員会は、免許停止 (免停) や取消の行政処分を執行できます (第 103 条)。

ちなみに、「執行できます」という意味は、「絶対に行政処分をしなければならない」ということではなく、あくまでも公安委員会の裁量権の範囲内で、処分するべきだと考えた場合は処分することができる、という意味です。確かに違反行為であっても、悪質でなかったり、やむを得ない場合であったりすると公安委員会が考えた場合は、免停や取消の対象にならない場合もあります。


免許停止や免許取消は行政処分です。第 104 条の 3 に従い、公安委員会は、その行政処分の内容や理由を記載した書面 (通知書面) を運転者に対して交付しなければなりません。そして、通知書面の交付があった時から、運転者は運転をすることができなくなり、それ以降運転すると無免許運転罪になります。

したがって、仮に運転者が 6 点や 15 点などの違反点数に達した場合でも、公安委員会からの免許停止や免許取消の通知書面の交付が行われていない場合は、その人はその通知書面の交付が行われるまでの間は、自動車を運転することができます (無免許運転になりません)。

よく、交通違反をして 6 点や 15 点などの違反点数に達したら、取り締まりを受けたその瞬間から運転してはいけないと誤解している人がいますが、それは間違いです。前述のように、公安委員会は、運転者が基準点数に達した後、自由な裁量で、行政処分をするかしないかを決定することができます。また、決定には時間がかかります (数ヶ月程度)。その間は行政処分が行われるかどうかは運転者は知ることはできないので、行政処分が行われることを通知した書面の交付を受けない限りは、運転者は問題なく自動車を運転できます。


公安委員会からの免許停止や免許取消の通知書面の交付は、運転者が公安委員会に出頭した際に行います。具体的には、「違反点数が何点になったのであなたは免許停止対象者になったから、○月○日に公安委員会に出頭してください。」と書かれた案内状が郵送で届きます。その日に真面目に出頭すると、意見の聴取 (聴聞) の後に、処分の通知書が交付されます。処分の通知書が手渡された瞬間から、免許の効力が停止または取消されます。

ところが、公安委員会からの出頭要請に応じずに、出頭しないこともできます。出頭しないことによる罰則は一切無く、また、公安委員会への出頭は犯罪に関する捜査のためのものではないので、出頭しないからといって逮捕されるなどして強制的に出頭させられることもありません (公安委員会にそのような権限はありません)。出頭要請に応じない運転者の場合、警察官が出頭する日時を改めて指定した上で出頭を再度要請することができます (第 104 条の 3 第 2 項)。この場合も運転者はやはり出頭要請を無視することができます。運転者が出頭要請を無視し続けた場合は、公安委員会は、処分の通知書を交付することができないため、処分はいつまでたっても執行されないことになります。

(処分の通知は、運転者がその通知の内容を知ったときに、初めて効力が発生します。運転者が自分が免停または取消の処分をされたことを知らない間は、たとえ公安委員会として処分したつもりであっても、その処分の効力は発生しません (執務資料 道路交通法解説 14-2 改訂発行 P.651)。そのようにしなければ、運転者は自分に対してどのような処分が執行されているか知ることはできないため、車を運転して良いか否かがわからなくなってしまいます。そこで、処分の通知書は、運転者が出頭した際に、口頭で内容を説明し、さらに証拠の担保のため、立会人を 1 人設けて交付することになっています (執務資料 道路交通法解説)。処分の通知書本体を運転者の自宅に封書で郵送することはできません。郵送の場合は確かに処分の通知書の内容を運転者が知ったという証拠が取れないためです。内容証明郵便で送付しても、運転者が開封して内容を読んだという証拠が取れないため、実施されていません。なお、処分の通知書を交付いるから出頭しなさいという案内の手紙やハガキは自宅に郵送されます。)


そうすると、「それでは公安委員会への出頭要請に応じなければ、処分の通知書の交付を受けないのだから、ずっと自動車を運転できるのではないか ?」という疑問が自然に出てくることと思います。

これは一応はその通りで、朝日新聞 2006 年 11 月 27 日 の記事『免許取り消し、出頭拒めば「運転可能」 道交法に抜け穴』という記事でも指摘されています。

しかし、運転免許の有効期限は最長 5 年間であり、有効期限が切れるまでに更新をしなければなりません。更新のために公安委員会の窓口 (警察署) へ行くと、免許証を一旦預ける必要があります。その後、通常であれば更新済みの免許証が出てくるのですが、公安委員会への出頭要請に応じていなかった運転者の場合は、公安委員会はその際に行政処分をする機会があります。公安委員会は、免許証を更新する代わりに、処分通知書を交付することが可能です。そうすると、免許停止や取消処分がその時点から執行されてしまいます。もしこの場合に運転者が通知書の受領を拒んだ場合 (書類の内容を見ずに慌てて帰宅するなど) は、公安委員会は免許の更新をしないことができます (第 101 条第 5 項)。免許の更新ができなかった場合は、運転者は、現在の免許の有効期限が切れた時点で、運転をすることができなくなります (第 105 条)。

したがって、公安委員会から処分書を交付するための出頭通知があっても、それを無視し続けることで、免停や取消を一時的に免れることが可能ですが、それでも現在の免許の有効期限が切れるまでしか運転することができないため、運転者は嫌でも処分を受入れなければならない (受入れない場合は免許証が期限切れで失効する) ということになり、これはセキュリティホールではありません。


なお、「道路交通法の違反行為・反則行為を行った後に警察からの呼び出しに応じなければ逮捕されるのではないか?」と疑問をお持ちの方も多いと思います。確かに、交通違反をした後の警察の捜査上の呼び出しに応じなければ逮捕される場合があります。しかし、交通反則行為について、交通反則告知書・通告書を受取ってから 7 日または 10 日以内に、違反を認めて反則金を支払った場合は、それで事件は終結し、それ以降逮捕される恐れはなくなります。また、重大な違反 (交通反則行為にならない違反。大幅なスピード違反など) を行った場合も、警察からの呼び出しがあれば素直に応じ、違反事実を認めて交通裁判所で略式裁判を受ければ逮捕される恐れはありません。このように、警察からの出頭要請には素直に従い、違反は素直に認め、反則金については素直に納付していれば、たとえ公安委員会からの出頭要請があってそれを無視していても逮捕されることはありません。(警察による捜査行為と、公安委員会による免許停止等の行政処分の行為は、全く別の処理です。前者は出頭要請を無視すると逮捕されることがあります。後者は出頭要請を無視しても逮捕されることは絶対にありません。)


f:id:softether:20111128173239j:image



上記のようなことを考えると、運転者は以下のような工夫をすることができます。

  1. 免許の残り期間が短い状態で、免停や取消の対象となる違反をしてしまったら、翌日などすぐに運転免許センターへ行き、別の種類の簡単な免許 (たとえば大型特殊自動車など) を受ける。そうすると、免許証はそこからさらに最大 5 年延長されるため、5 年間の間は、その後の公安委員会からの処分通知を無視し続ければ、適法に運転することができる (無免許運転にはならない)。ただし、最大で 5 年間しか保たないことに注意すること。しかし、たとえばあと 1 年で免許証の更新があるという場合は、出頭要請を無視し続けることができる期間は 1 年間しかないということなるから、多少コストがかかっても、5 年間の新しい免許を取得するのが良い。
  2. または、免許の残り期間が短い状態で、免停や取消の対象となる違反をしてしまったら、翌日などすぐに運転免許センターや警察署へ行き、長期間の海外旅行などの用事を説明し、期限前更新を受けることで、その日からすぐに免許を最大 5 年間延長できる。長期間の海外旅行などの用事は、免許を延長しようと思った時点では予定があっても、免許を延長した後にやっぱりキャンセルしようと思うことによってキャンセルできるが、その場合でも一度更新した免許の延長が取消されることはない。
  3. 免許停止処分には停止期間が、取消処分には欠格期間が設定されている。これらの期間は日本では運転をすることはできないが、たとえば長期間海外へ行く用事がある人は、その海外へ行く用事の少し前に公安委員会に出頭して免許停止・取消処分を受ければ、その日から期間が開始される。そして、その後に海外へ行けば、海外に行っている間はいずれにせよ国内では運転する機会はないから、免許が停止されているか、取消による欠格期間があることは不利益にはならない。そのため、できるだけ、停止期間や欠格期間が海外旅行などの絶対に日本で車を運転する機会がない期間と重なるように、行政処分の開始日を調整することができる。

しかし、上記のような工夫を最大限行うことで公安委員会による出頭要請を無視し続けても、結局は現在の免許の有効期限が満了する日までしか運転することはできません。


したがって、免許停止や取消の処分通知を無視し続けることによって車をしばらくの間運転し続けることができることは、特別に問題があるのセキュリティホールではないと思います。


前提知識 その 2: 外国免許による運転

上で述べた話とは全く別の話として、外国免許に関する話を書きたいと思います。

ジュネーブ条約に加盟している国 (警察庁の Web サイト)の政府が発行した免許証と、その免許証の国際免許証の 2 つを所持している人は、日本で運転することができます。

これは、たとえば日本人が日本の免許を取得していないが、外国で免許を取得し、それを日本に持ち帰って運転する場合にも適用されます。したがって、日本よりも簡単に免許が取得することができる国 (フィリピンなど) で免許を取得し、フィリピンで国際免許証も発行してもらい、それを日本に持参すれば、日本で適法に運転できます。

日本人でも日本の面倒な教習場へ行かなくとも、フィリピン等に旅行し、そこで容易に運転免許を発行してもらえば、日本で運転できることになっています。


ただし、運転できる期間は、その人が日本に上陸 (入国または帰国) した日から 1 年間とされています (第 107 条の 2)。これは日本人でも外国人でも同じです。(当然、外国免許の有効期限が有効な間に限られます。)


この制度は昔からありましたが、この制度を積極的に活用して、日本人であってもフィリピン等の免許を取得しておき、1 年に 1 回は必ず外国に定期的に旅行し、短時間 (1 日など) で帰国すれば、永久に日本においてフィリピン免許で運転ができるということになってしまいます。このような積極的な活用をする人が増えたため、日本では 2002 年から道路交通法が改正され、以下のような規定が追加されました。


日本に上陸した際に、住民基本台帳に記録されている者が出国し、出国の日から 3 ヶ月未満の期間内に帰国した場合における当該上陸は、上陸とは数えない。(第 107 条の 2 の括弧書き)


つまり、2002 年の法改正によって、日本の住民基本台帳に記録されている日本人がフィリピン免許などを用いて日本で運転をすることができる期間は、少なくとも 3 ヶ月以上外国に行っていた間に限られてしまうことになりました。

これを表したのが以下の図です。日本人がこの制度を活用する場合は、出国してから帰国するまで、3 ヶ月間は海外に滞在しなければなりません。海外というのは、どこか 1 カ国という意味ではなく、複数カ国でも構いません。


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この道路交通法の改正により、昔のように、日本の住民基本台帳に記録されている日本人が、フィリピン免許などを取得して、1 年間に 1 回定期的に短時間のみ外国に出国し、すぐに帰国してから 1 年間自動車を運転できる、ということはできなくなってしまいました。


しかし、上記の「外国滞在期間 3 ヶ月以上」という制約は、日本人であっても、出国の際に住民基本台帳の記録を削除した状態になっている人には適用されません。

住民基本台帳の記録 (住民票) の削除は、誰でも、市役所で海外転出届を出すことによって行うことができます。海外転出届を出す時点で、一時的に、生活の拠点を海外に移す (日本には一時的に住まなくなる) ことを予定していれば、海外転出届を出すことができます。どれくらいの間海外に滞在する場合に、海外転出届を出さなければならないか、ということは法律で決まっていません。(市町村によっては、1 年以上海外へ行く予定がない人からの転出届を受理しない場合もあるそうです。その場合は、まずは 1 年以上海外へ行くことを決心して、転出届を提出し、海外へ行ってからその決心を緩和してやっぱりすぐに帰国したいと思えば、帰国することができます。)

海外転出届を出した人が出国し、しばらくして帰国した場合は、転入届を出して住民票を復活させることができます。


こうすると、出国時にその日本人は「住民基本台帳に記録されている者」には該当しなくなり、その人が海外から 3 ヶ月以内のより短い期間で帰国したとしても、その日から 1 年間は自動車を運転することができるようになります。


図に表すと、以下のようになります。


f:id:softether:20111128004055j:image


このように、まず、海外に一時的にでも滞在することにより日本には住まなくなる予定であると思っている人は、出国前に市役所へ行き、海外転出届を出して住民基本台帳から住民票を削除してもらいます。次に海外へ行き、海外に滞在します。市町村によっては、1 年以上海外へ行く予定がない人からの転出届を受理しない場合もあるそうです。その場合は、まずは 1 年以上海外へ行くことを決心して、海外に行き、もともとは結構長い期間、海外に住もうと決意していたが、例えば海外のトイレが汚いのを見て驚いたなどの理由により、到着後すぐに考えが変わり、直ちに (1 日でも早く) 日本に帰国したいと思えば、いつでも帰国できます。そうして、日本に帰国したら、その日から 1 年間は、フィリピン免許などの外国免許で日本で運転することができるようになります。

(市役所に転入届を出すことによる住民票の復活は、帰国後に早急に行っておいたほうが良いと思います。なお、海外に一時的に住む意志がないのに海外転出届を提出したり、帰国してずっと国内に住んでいるのに転入届を提出しない場合は、住民基本台帳法第 53条によって、5 万円以下の過料に処せられます。過料とは罰金ではなく、刑罰でもありません。そのため、犯罪にはならず、前科にもなりません。)


1 年以内に最低でも 1 回、海外へ行く (その際は住民票を一旦削除することを忘れない) ことにより、外国免許 (フィリピン免許など) が有効な間は、その免許によって、日本国内では無免許でも、いつまででも自動車を運転することができます。図に示すと、以下のようになります。


f:id:softether:20111128004054j:image


なお、上図において「わずかな期間 (1 日など)」海外へ滞在するために、出国前に住民票を削除し、帰国後に住民票を復活させる様子が描かれていますが、このような短期間の海外滞在のために住民票を削除するべきだと考える市町村長と、このような短期間の滞在であれば住民票の削除は行わないことにするべきだと考える市町村長の 2 種類が存在すると思います。後者の場合は、短期間の海外滞在のために転出届を提出しても、住民票を削除することはできないかも知れません。また、すぐに帰国するつもりであるのに長時間帰国しないつもりだと嘘の申立てをして海外提出届を出して自分の住民票を削除させることは、公正証書原本不実記載罪に当たる可能性があるのではないか、という指摘がありました。そこで、次のような方法でさらに工夫することにより、公正証書原本不実記載罪とされずに自分の住民票を削除した状態にして継続することができるのではないかと思います。まず、第 1 回目の出国の際には、本当に長期間滞在するつもりで外国に出国し、ある程度の期間は確かに外国に居住します。この際、出国前に市町村において海外転出届を提出します。これは適切な届出ですので、公正証書原本不実記載罪にはならないと思います。次にしばらくして帰国し日本に住むことを再開した後に、市役所への転入届を怠ります。市役所への転入届を怠ることは、虚偽の届出を行うこととは異なり、公正証書原本不実記載罪には該当しないと思います。市役所への転入届の提出をすべきなのにあえてしないことは、住民基本台帳法で定められている刑罰付きの罰則にも該当しないと思います (届出を怠ることは 5 万円以下の過料のみ。市役所への転入届の提出を怠ったことによって本来課税されるべき住民税が課税されなくなり税法上の問題があるのではないかという指摘があるかも知れませんが、住民税については非課税の対象となってしまったことを知った後に自主的に申告納付することにより脱税になる心配もないと思います。)。この状態が継続している間は、その人は、それ以降の出国・帰国の際は海外滞在期間が 90 日以内でも、道路交通法第 107 条の 2 の除外規定に該当しないため、公正証書原本不実記載罪に該当する犯罪を行うことなく、適法に外国免許証で運転し続けることができるのではないかと思います。


ここまで書いた話は、運転免許制度について詳しい人や警察の職員などの専門家であれば知っている話であり、特にセキュリティホールのようなものであるという訳ではありません。

ここからが本題になります。

セキュリティホール 1: 外国免許を用いて運転する人は公安委員会による停止処分を無視できる

さて、ここまで説明した、免許停止・取消に関する行政処分の話と、外国免許を用いて日本で運転することができる話の 2 つを組み合わせて考えながら、さらに詳しく道路交通法を読むこと、興味深いことに気付きます。


外国免許を持っている人は、日本では条件を満たせば運転できます (前述の方法により事実上、無期限に運転できます)。外国免許は外国政府が発行する免許ですので、日本の行政機関は、外国の免許を停止したり、免許取消をしたりすることは絶対にできません。日本の行政機関が、その外国免許を発行した外国政府に対して、免許を停止するべきだと連絡としたとしても、その外国政府が日本の行政の言うことに従うはずはありません。


そうすると、外国免許を持っている人は日本ではたくさんの違反を重ねても免許停止にはならないのではないか、というアイデアが誰でも自然に出てくるのではないかと思います。それはその通りで、日本の公安委員会は、外国免許の停止や取消をすることはできませんが、代わりに、道路交通法第 107 条の 5 に従い、日本国内の免許停止や取消の基準に応じた基準と期間により、その運転者の運転を禁止することができます。


たとえば、日本人がフィリピン免許で日本で運転していて、合計 10 点の点数が付いた場合は、公安委員会は、60 日間の運転禁止処分を行うことができます。(日本の免許の場合は 10 点の累積で 60 日間の免許停止処分になるので、これに準じた期間が、外国免許によって運転しようとする人に対しても課されます。)


これにより、外国免許で運転する人に対しても、普通の免停や免許取消と同じように、違反が重なった場合は運転を禁止することができるので、大安心であるとひとまず考えることができそうですが、実は道路交通法をよく読むと、ここに大きなセキュリティホールがあるということがわかります。


外国免許で運転しようとする人に対して運転を禁止することは、国民の権利を制限する行政処分です。行政処分をする基準に達した人に対して、行政処分をするかしないかは、公安委員会が自由な裁量で決めることができます。つまり、点数は行政処分が可能な程度に十分な数値に達したが、行政処分がされない場合もあります。この点は、前述の国内における運転免許に対する行政処分の場合と同じです。


そのため、外国免許で運転しようとする運転者は、現場の警察官から違反点数を告知され、その合計が 6 点以上になったとしても、その時点で公安委員会による処分が行われた訳でも、処分されることに決まった訳でもないため、それ以降も問題なく自動車を運転することができます。この点も、前述の国内における運転免許に対する行政処分の場合と同じです。


さらに、ここでかなり核心に近づいてきたのですが、公安委員会は、外国免許で運転をしようとする人に対して、運転禁止の行政処分を行う場合には、必ず、第 107 条の 5 第 11 項および第 104 条の 3 の手続きに従って、運転禁止の内容及び理由を記載した書面を運転者に交付しなければなりません。そして、運転者がこの通知書を受取った瞬間から、記載されている期間の間、日本における運転が禁止されます。この点も、前述の国内における運転免許に対する行政処分の場合と同じです。

ここで最も重要なことは、たとえ、公安委員会が、外国免許による運転者に対して運転の禁止処分を執行したいと思った場合でも、その運転者に対して、確実に、禁止処分の通知書を交付しなければ、処分を執行することができないという点です。

国内免許のところで解説したように、公安委員会が運転者に対して行政処分の通知書を交付するまでは、行政処分 (運転できない期間) は開始されていないことになり、処分の執行および通知書の交付のための出頭要請を無視し続けている限りは、処分を執行することができません。(運転者が出頭に応じ、処分の告知と通知書の交付を受けない限り、その運転者は、自分が行政処分の対象となったことを確実に知ることが不可能なため、このようになっています。)


前述のように、日本の免許証の場合、免停や取消の処分通知書の交付のための出頭要請を無視し続けるという戦略の場合は、次回の免許更新の際に出頭した際に処分が執行されてしまうという問題があるため、この作戦で、永久に処分を受けずに日本で運転することはできないということになっています。


しかし、外国免許によって運転をしようとする人においては、運転禁止の処分通知書の交付のための出頭要請を無視し続けるという戦略を採ることにより、その人はいつまで経っても運転禁止の処分通知を受けることがなく、よって、運転禁止とはならないため、いつまででも運転することができます。

もちろん、そのような人であっても、前述のとおり、最低でも 1 年間に 1 回は海外に出国しなければなりません (外国免許の有効期限は日本に上陸してから 1 年間です)。しかし、海外から帰国したら、また 1 年間運転できます。


これを繰り返すことによって、日本人は誰でも、フィリピン免許などの外国免許 (と国際免許証) を 1 つ持っていれば、日本で何度も違反をしても、公安委員会からの運転禁止処分の執行のための出頭要請を無視し続ければ、運転禁止処分が課されることがなく、永久に運転し続けることができてしまいます。前述の日本における免許の話と同じように、運転者は、公安委員会からの出頭要請を無視することができ、これは警察による捜査に応じないこととは異なりますので、応じないからといって逮捕されることもありません。出頭要請に応じて出頭してしまうと、行政処分の通知書を交付されてしまい、行政処分があったことを知ってしまうことになり、知ってしまった瞬間から運転の禁止の効力が発生するので、出頭することで運転者の利益になることは何一つありません。出頭しない場合は、行政処分の通知書を交付されることがなく、行政処分の発生を知ることができないため、運転の禁止の効力は発生せず、運転者にとっては利益になります。そういう状況で、喜んで出頭する人がいるはずがありません。


このセキュリティホールを活用する人の様子を図示すると、以下のようになります。


f:id:softether:20111128004053j:image


上図における、海外滞在期間前後の住民票の削除と復活が可能かどうかという議論は、前述の「前提知識 その 2」で述べていますので、そこを参照してください。


ところで、警察官が、公安委員会による行政処分の通知書の交付のための出頭要請に応じない人を発見した場合 (たとえば検問や、新たな違反行為に関する検挙の際など)、第 104 条の 3 第 2 項により、警察官は、改めて日時を指定して公安委員会に出頭するよう命令することができることになっています。この命令に従わずに、指定された日時に出頭しなくても、罰則はありません。罰則がないということは、従わなくても不利益はないということになります。


なお、第 104 条の 3 第 3 項によれば、警察官は運転者に対して公安委員会への出頭命令を出す場合は、免許証を預かることができるとされています。警察官はその預かった免許証を公安委員会に送付しなければなりません。これは、外国免許によって運転する人の場合、外国免許と国際免許証にも適用されます。この場合、第 107 条の 5 第 11 項の規定により、その人が外国に出国しようとするときは、公安委員会は直ちにその人に対して外国免許と国際免許証を返還しなければなりません。これは便利ですが、この際に公安委員会へ出頭すると、処分書を交付されてしまう危険があります。そこで、あえて返還を請求しないほうが安全かも知れません。

その場合は、その外国免許証を発行した外国政府 (フィリピンなど) のところへ行き、「貴国が発行した私の免許証を、別の政府 (日本国) が不本意にも没収したので、再発行して欲しい。」と述べ、その外国政府から新たに免許証と国際免許証を発行してもらえば良いということになります。そして、その免許証などを日本に再度持ってこれば、問題なく運転を再開することができます。

(もっとも、警察官によって外国免許が預かられてしまい手元にない状態であっても、日本国内で運転することができる資格には影響がないため、外国免許の再発行を受けずに、手元に免許がない状態で運転をしたとしても、無免許運転にはならないのではないかと思いました。書籍『執務資料 道路交通法解説』によると、外国免許は日本に持ってきてさえいれば、その免許が手元になくても免許を所持しているものとされ、運転しても良いと書かれています。ただし、摘発されると、免許不携帯の反則金が課せられる可能性があります。しかし、免許不携帯には違反点数は付きません。この括弧書きの部分については、『外国免許・国際免許は単に発給を受けただけでなく所持していなければならず、「所持」の一般的解釈は「事実上支配している状態」なので、自宅や会社等に保管している場合は単なる不携帯で済みますが、国内に持ち込んだ後に遺失したような場合は「所持」とは言えず無免許となります。』という意見が寄せられましたので、警察官によって外国免許が預かられてしまい手元にない状態になった場合はそれ以降外国政府によって免許証を再発行してもらうまで運転できない可能性もあります。)


セキュリティホール 2: 日本の免許で免停や免許取消になりそうになってからでも外国免許を取得すれば運転できる

前に述べたように、日本の免許について、公安委員会によって免許停止または免許取消の対象とされた人についても、その人が処分執行のための通知書の交付のための出頭命令を無視した場合は、日本の免許が切れるまでの間、その人は自動車を運転し続けることができます。


このような人は、日本の免許が切れる前までに、日本の免許からその国の免許に簡単に切替えることができる免許制度がいいかげんな国 (フィリピンなど) へ行き、日本の免許証とその翻訳文を提示して、フィリピン免許と国際免許証を取得することができます。そして、その人はフィリピン免許と国際免許証を日本へ持ち込み、自動車を運転することができます。


日本の免許と外国免許の 2 種類を持っていても、日本の免許が停止中、または取消されていて欠格期間の間は、外国免許を持っているからといって、日本で車を運転することはできません (第 107 条の 2 の除外規定)。また、外国免許しか持っていない期間に運転して運転の禁止の処分を受けた人の場合、その禁止期間が満了するまでは、日本の免許を新たに取得することができません (第 88 条の 4)。これは日本の免許が免停になったから外国の免許で運転するとか、外国の免許で運転禁止になったから日本の免許を取得するというようなセキュリティホールを突く活用をできないようにするための規定です。


しかし、日本の免許について免停または取消の処分通知を受けるまでの間は、日本の免許で運転できますし、その日本の免許が有効期限切れで失効した場合は、結局その人は免許の処分を受けなかったということになるため、その期限切れの失効の後でも外国免許を持ち込めばそれで運転できます。

そして、外国免許を持ち込んで運転することができる期間は、その外国免許を更新し続け、かつ、1 年に 1 回、忘れずに海外に出る (その際は出国時点において海外転出届を出し、住民票を削除しておく) ことにより、事実上、無期限に延長することができます。海外の外国免許を更新する際のポリシーはその国の法令によりますが、日本における違反事実が外国免許の更新の際に問題になることはありません。


このセキュリティホールを活用する例

日本において、運転免許が一時的にでも停止処分されてしまうことによって、職を失ってしまうことになる方は多いと思います。そこで、上記に書いたことが正しいとすると、宅配会社の人やトラック運転手や、会社の社長などの車の運転手など、第一種運転免許で十分な人などは、もし、日本国内で免許停止の基準に該当するような点数になってしまった場合は、次のようにすれば良いと思われます。


  1. 点数が基準を超えた後、しばらくして郵送で届く、公安委員会からの「行政処分をするための処分通知書を交付するので出頭してください。」という要請は無視します (無視することに罰則はありません)。
  2. 現在の免許証は、処分通知書の交付を受けるまでは有効ですので、処分通知書の交付のための出頭要請を無視し続ければ、継続して自動車を運転することはできます。ただし、免許証の有効期限以降は免許は失効するため、運転できません。
  3. その日本の免許証が有効な間に、フィリピンなどの、免許制度がいいかげんな国の免許 (日本の免許証を提示すれば、すぐにその国の免許証がもらえる) を取得し、国際免許証も取得します。
  4. 日本の免許証の有効期限が切れてしまった後でも、外国免許を日本国内に所持していれば、問題なく運転できます。
  5. 最低 1 年間に 1 回、市役所に海外転出届を出して住民票を削除してから外国へ旅行し、帰国することを忘れないようにしなければなりません。(外国免許の有効期間は最後に帰国してから 1 年間です)。この際は、市役所に対して虚偽の申し出をしてはなりません。
  6. 外国免許および国際免許証はその国の法令に従って、定期的に更新しなければなりません。
  7. 外国免許を用いて運転中に行った交通違反が原因で、公安委員会から、「運転の禁止処分を執行するための処分通知書を交付するので出頭してください。」という要請が来ても無視します (無視することに罰則はありません)。
  8. 公安委員会が処分通知書を交付したいと考えているが、交付ができない人については、警察官が、出頭を命令し、同時に外国免許証を預かってしまう可能性があります。この場合は、その外国免許証を発行している外国政府に再発行してもらえば、また日本でそれを携帯して運転できます。
  9. 上記のことを続ければ、日本で、一般的な交通違反を何度繰り返したとしても、公安委員会は、外国免許に対して運転禁止の行政処分を行うことも、また、以前に保有していた国内免許に関する免停や免許取消の行政処分を行うこともできないため、永久に運転できてしまいます。

再掲になりますが、「道路交通法の違反行為・反則行為を行った後に警察からの呼び出しに応じなければ逮捕されるのではないか?」と疑問をお持ちの方も多いと思います。確かに、交通違反をした後の警察の捜査上の呼び出しに応じなければ逮捕される場合があります。しかし、交通反則行為について、交通反則告知書・通告書を受取ってから 7 日または 10 日以内に、違反を認めて反則金を支払った場合は、それで事件は終結し、それ以降逮捕される恐れはなくなります。また、重大な違反 (交通反則行為にならない違反。大幅なスピード違反など) を行った場合も、警察からの呼び出しがあれば素直に応じ、違反事実を認めて交通裁判所で略式裁判を受ければ逮捕される恐れはありません。このように、警察からの出頭要請には素直に従い、違反は素直に認め、反則金については素直に納付していれば、たとえ公安委員会からの出頭要請があってそれを無視していても逮捕されることはありません。(警察による捜査行為と、公安委員会による免許停止等の行政処分の行為は、全く別の処理です。前者は出頭要請を無視すると逮捕されることがあります。後者は出頭要請を無視しても逮捕されることは絶対にありません。)


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警告と免責: ここで記載する内容は個人的に研究をした結果に基づいているもので、有効性については一切保証されていません。ここで記載している内容を参考にしたことによって損害が発生しても、著者は一切責任を負いません。著者がここで記述している内容はあくまでも思考実験の過程によるものであり、運転者に対して法令違反行為をするように唆しているものではありません。ここに掲載した記事の趣旨は、論理的にはここに記載されているようなことが可能なのではないかという推論に基づくものであり、そしてそのようなことが可能であれば一種の不具合であると言うことができるので早急に不具合を修正しなければならないという問題提起を目的としたものであります。道路交通法以外の法令についても検証不足の点がある可能性があります。以下の行為を実際に実行することを勧めるものではありません。もし、実施される場合は、それぞれの行為が刑事罰の対象にならないかどうか十分注意してから、刑事罰の対象とならない行為のみを行ってください。



このセキュリティホールを塞ぐ方法

たとえば、

外国免許を用いて運転する人に対して公安委員会が運転禁止の行政処分の執行のための処分通知書を交付することができなかった場合において、それ以降に警察官がその人に対して日時を指定して公安委員会に出頭するよう命令をしたとき以降に、その人が日本に再度上陸した場合は、たとえ外国免許を所持していたとしても、あらかじめ公安委員会に対して出頭した後でなければ、その外国免許を行使して日本国内で自動車を運転してはならない。

という規定のパッチを道路交通法に当てれば、このセキュリティホールを塞ぐことができるのではないかと思います。


Q&A 集

よくある質問と回答集 11/28 追加

  • Q. なぜ「セキュリティホール」なのか?
    A. 一般的にセキュリティホールとは、コンピュータのプログラムに外部からの通信などにより想定しない入力データが入った場合に、プログラムが本来果たしている、安全を保つための機能が動作しなくなる可能性がある欠陥のことを意味します。法律や政令はプログラムのように明確に書かれなければならず、国民の権利を制限する強制力がある行政機関は、国民の権利を侵害しないようにするため、法令を基にロボットのように正確に動作しなければなりません。そうすると、行政機関はコンピュータ、法令はプログラムであるように見えてくることがあります。そこで、道路交通法というプログラムの安全維持機能 (交通ルールに頻繁に違反する危険な運転者を道路から排除する機能) がある一定条件で麻痺してしまうことを指して、「セキュリティホール」と呼ぶことにしました。

  • Q. 公安委員会からの行政処分通知書交付のための呼び出しに応じなければ逮捕されるのではないか?
    A. 公安委員会は捜査機関ではないので、公安委員会からの呼び出しに応じないことで逮捕されることはありません。

  • Q. この仕組みを活用しようとしている運転者について、軽微な交通違反をした際に警察が運転者を逮捕することができ、運転者が逮捕されている間に、公安委員会の人が留置所にいる運転者のところへ行き、立会人を設けて行政処分通知書を交付することができるから、それで安全が維持されるのではないか?
    A. 飲酒運転などの交通違反の場合はそのようにすることができるので安全だと思います。ただし、警察によって逮捕されている者が留置所にいる場合に、部外者である公安委員会の人が留置所に入って逮捕者と会うことが合法的に可能なのかは怪しいところです。また、運転者が行ったのが軽微な交通違反であり、反則制度の対象となる場合は、警察官は速やかに告知を行う (第 126 条) 義務があります。告知を受けた人は、7 日以内に反則金を納付することができます。この反則制度で違反を認めて反則金を支払う運転者は、公訴を提起されない (第 130 条) ことになっています。警察は、違反を認めて反則金を支払う運転者を逮捕することができません (告知書の受領を拒否した場合を除く)。よく、警察が悪質な違反者を逮捕したという報道がありますが、これは、反則行為に対する告知や通告を無視して反則金を納付せず、さらに捜査のための出頭要請にも応じない人を逮捕したという話です。公安委員会からの呼び出しには応じなくても、反則行為に対する告知には応じて違反を認め、反則金を納付することは可能です。そのような状態の場合は、運転者が逮捕されることはありませんので、公安委員会の人が運転者に対して強制的に行政処分通知書を交付する機会がないという危険が残ります。

  • Q. 公安委員会の人が行政処分通知書の交付のための出頭要請を無視する運転者に対して、代わりに立会人 1 人と共にその運転者の自宅へ赴き、行政処分通知書を手渡すことができるのではないか?
    A. そのようなことが行われたという実例は聞いたことがありませんが、それは確かに可能なのではないかと思います。ただ、たとえばこれは自宅前に新聞の定期購読の契約を迫る新聞配達所の営業の人が訪問販売を行うのを無視するのと同じように、門前払いをして無視することが可能です。公安委員会の人は、宅内の人が行政処分通知書の受領に応じない場合に、勝手に宅内に入り行政処分通知書を押しつけることはできないため、やはり公安委員会の人が運転者に対して強制的に行政処分通知書を交付する機会がないという危険が残ります。

  • Q. ここで指摘されている方法を活用して免許停止などを免れたとしても、素直に取消処分を受けたほうのコストが、外国免許を取得・維持するために外国へ行くコストよりも安価だから、意味がないのではないか?
    A. 免許停止の場合はそのとおりですが、免許取消となってしまう人の場合は欠格期間が数年あり、その間は日本では絶対に運転することができなくなってしまいます。そうすると職業に差し支えがある人の場合は、免許取消を免れるために、ここで指摘されている方法を活用したほうが損失が少なくなる場合も多いと思いますので、ここでの指摘はやはり意味があるものと思います。

  • Q. それでも、このような面倒なことを行う運転者は普通はいないだろうから、指摘する意味がないのではないか?
    A. そもそも、これは、法令をコンピュータのプログラム、行政機関をコンピュータのハードウェアとして見立てた思考実験であり、実用性を求めたものではありません。しかし、一応実用にはなるのではないかと考えたので、活用例を挙げて指摘しています。

  • Q. 法律はプログラムではないし、行政機関はコンピュータではない。法律に書いていないことを行政機関が行うことができる。
    A. それは大変な危険思想だと思います。いやしくも行政機関がコンピュータのような厳格さの維持を怠って、法律通りではない動作をすることを許すことは、その行政機関が国民の意図していない動作を突然行う危険がある状態ということになってしまい、我々国民にとって大変な不利益になります。プログラムのほうにバグがあるのに、それを修正するのが面倒なので放置し、CPU の側で対処療法的に対応すると、いつのまにか、例外処理だらけの CPU の回路やマイクロコードを含むようになってしまい、その CPU は安心して使用することができなくなってしまいます。

  • Q. なぜこのような特異なケースで法令の執行がおかしくなることをわざわざ指摘するのか?
    A. 法令に不具合があり、特定の入力を行うと機能が麻痺してしまう問題は、それぞれの問題は一見大した影響はないように見えることがありますが、複数の法令にこのような欠陥が含まれている場合、それらを結合して活用すると、大変な影響があることを適法に行うことができてしまうという現象が発生する場合があります。そのような現象が発生しないように、プログラムや法令をメンテナンスする際には細かな欠陥を埋めていく作業を行う必要があります。法令に意図していない欠陥がある場合、それを修復しようとすることは、多くの国民の利益につながります。

  • Q. この記事の著者は免許の処分を受けたので憤慨してストレス解消のためこのような記事を指摘したのではないか?
    A. 著者は免許の停止処分も取消処分も受けたことがないので、これは純粋な思考実験です。

  • Q. そもそもなぜこのような不具合を発見しようとするのか?
    A. これはソフトウェア技術者の職業病です。特にこの職業病が深刻なソフトウェア技術者の場合、プログラムを一生懸命眺めなくても、ぼうっと全体的に俯瞰すれば、脆弱な部分を発見してしまうことが多いです。さらに、この職業病が深刻になったソフトウェア技術者の場合、コンピュータのプログラム以外、たとえば社会的なルールなどについても、積極的に発見しようとするのではなく、なんとなく眺めているだけで、自動的に脆弱な部分がある程度わかってしまうことになります。本当かどうかは、知人に重度なソフトウェア技術者の方がいれば、その方に聞いてみてばわかります。

masaruyokoimasaruyokoi 2011/11/28 01:54 海外居住者として認めらないケースがあるので、そこんところを注意。 例えば12月31日に海外居住者となった場合、地方税を納めなくて良いというルールがあるが、実際のところは12月31日だけ海外居住者ってことでは認められないとか。 このへんのケースは納税周りで多数事例あります。

DJ-DreamsDJ-Dreams 2011/11/28 02:07 因みにこのパッチを充てた場合、ジュネーブ条約側の整合性は取れているのでしょうか?という疑問。

softethersoftether 2011/11/28 02:22 >masaruyokoi さん: 税法上の居住者判定の問題と、住民基本台帳上の居住者か否かという概念は、別個のものであると思います。市役所としては、「これから長期間海外に住む "予定" だ」と市民が主張して海外転出届を出した場合、それを受理するしかないと思います。税法上の居住者判定にかかわらず、出国時に住民基本台帳から住民票が削除されていればよいのではないかと思います。

nekoponnekopon 2011/11/28 12:15 お金持ちや芸能人が正月(年末年始)にハワイなど海外へ行く理由も住民税を逃れる(節税対策)という税のセキュリティホールがあるのだろうか。ぜひ調べてほしい。

toyotertoyoter 2011/11/28 12:21 将来、人工知能を持った運転手なしの車が出現したとき、免許の扱いはどうなるのだろうか。
その車を製作した会社が法人免許として運用するべきなのか、海外のメーカーだったら・・・といった問題が出てきそうですね。法人免許が免停なんかになったら、市場に出ている車すべてが止まってしまうとか。
なんか映画かドラマになりそう。
いずれにしても、免許制度の大義が「事故を減らすこと」が目的であるのであれば、根本から免許制度を見直す必要がありそう。

hackhack 2011/11/28 16:18 免許の話と逸れますが、
所得税法上の居住者と非居住者の区分は下記の通りなので、
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2875.htm
国内での住居の異動はともかく、海外での節税は無理かと。

通りすがり通りすがり 2011/11/28 16:45 交通反則通告制度を誤解されていると思います。
同制度は、交通違反の激増が刑事司法制度を圧迫したことから、機関負担軽減のため政策的に制度化されたもので(1968年(昭和43年))、それ以前は通常の刑事手続きで処理されてきたんですよ。いわば、例外的なものだということです。
したがって、反則金が納付されず、出頭もしなければ、原則に戻って直ちに通常の刑事手続きに入り起訴(場合によっては逮捕も)されるはずです。
当然、逮捕・起訴の過程で「通告」もされるでしょう。
刑事処分回避のため海外渡航などを繰り返していた案件であることが判明すれば、裁判所の心証も著しく悪化させると思いますから、場合によっては実刑の可能性も否定できないと考えます。

違反経験者違反経験者 2011/11/28 17:10 オービスで出頭した経験から言うと逮捕(はオービスだから無かったけど)、起訴、裁判>罰金か懲役の流れと行政罰の流れは全く別です。罰金納めれば逮捕はありません。(もちろん自分の場合はそのあと免停処分も受けましたが。)

softethersoftether 2011/11/28 17:44 > 通りすがり さん: 記事をよくお読みいただければと思います。私が「出頭要請を無視することができる」と書いてあるのは、免許に関する処分を執行しようとしている公安委員会による "行政処分のための出頭要請" です。通りすがり さんが仰るように、警察からの "捜査のための出頭要請" を無視すれば逮捕される可能性はあると思いますが、運転者は、警察官の告知に基づき、違反の事実を認めてすぐに反則金を支払うことができますので、そうすればそれ以降は警察から出頭要請されたり逮捕されたりすることはありません。そして、運転者は、自分の行った違反については認めて反則金を支払ったが、免許処分については処分書の交付のための出頭要請には応じない、ということを両立させることができます。後者の出頭要請については、無視しても逮捕されることはありません。

softethersoftether 2011/11/28 17:57 通りすがりさんの誤解は、刑事処分と行政処分の混同が原因なのではないかと思います。刑事処分を避けるために警察官からの出頭要請を無視することは、逮捕される原因になります。しかし、行政処分を避けるために公安委員会からの出頭要請を無視しても、逮捕されることはありません。

sano38jsano38j 2011/11/28 21:29 免停期間中に海外旅行に行くことは既にやってたしな
ここに書かれてあるセキュリティホールを有効に使える人は無職で尚且つ海外で優雅に暮らす収入や財産のある人に限られるんじゃないかな?

通りすがり2通りすがり2 2011/11/28 21:50 抜け道を塞ぐというのが第一の目的ならばという前提での話ですが、こういうのは公開されると悪用する者が増えるでしょう。ですからブログで先ず公開というのじゃなく、当局へその旨連絡して改善を求めるというのが一番良いと思います。

softethersoftether 2011/11/28 22:05 > 通りすがり2 さん: 緊急に防がなければ悪用をされる問題の場合は確かにその通りですが、今回の話の場合は、このような方法で活用することができることがわかっても、すぐにこれを防がないと著しい危険が生じるということはないと思います (もともと通常の免停や免許取消処分の執行自体が数ヶ月の時間がかかる処理のため)。できるだけ早めに防げばよいのではないかと思います。

通りすがり通りすがり 2011/11/28 22:30 ご返信ありがとうございました。
なるほど、確かに反則金を納付すれば刑事処分を受けることは回避できますが…。
ただ、免許については、例えば「前提知識 その1」で公安委員会の裁量は自由裁量だとする記述が見えますが、自動車運転免許の取消は覊束裁量とするのが通説だと思います。すなわち、行政庁に判断の余地は与えられず、違反点数が達すればほぼ自動的に処理されるということです。
また、ことさらに道路交通法104条の3を強調されますが、通常の交通違反の場合、同103条1項5号が当てはまり、同104条4項で正当理由なき不出頭等は意見の聴取なく免許の取消し・効力の停止が可能な旨の規定がありますから、通知の受領拒否による回避は難しいのでは?
ちなみに、国際免許証所持者の運転禁止規定(同107条の5)は、4項で同104条4項を準用していますから、やはりこれも難しいように思えます。
また、道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)は、24条5項で締約国の通報規定がありますから、国際免許更新等の際に「外国政府が日本の行政の言うことに従うはずはありません」と断定されるのはかなり疑問に感じます。
他にも、国内で別種の免許を取得すればよいとの記述も見えますが、免許の事後取消として拒否・保留制度がありますから、そう簡単には行かないように思いますが…。
以上、駄文を書いてみました。

ウンガロウンガロ 2011/11/28 23:03 実際の公安実務がどうなっているかは知らないが、聴聞に出頭しなければ、そのまま聴聞が終結するだけだと思われる(行政手続法23条)。
一部の行為については、行政手続法3章の規定の適用除外が定められているが(道路交通法113条の2)、この場合はそもそも聴聞も行われずに、行政処分が下されるのだろう。
なお、念のため、聴聞の通知をしようとする際に、その名あて人の所在がしれないときは、公示送達が可能(行政手続法15条3項)。

mark_tempermark_temper 2011/11/29 00:09 非常に興味深いです。
一つ素朴な疑問ですが、外国政府の発行する国際運転免許証や、外国運転免許証は自動的に日本国内において有効な免許証として機能するとされているのでしょうか。
公安委員会が免許の停止や取り消しの処分の通知を無視することで当該処分の執行を逃れることができるかもしれませんが、
違反履歴等を理由に「当該人の国際運転免許証を日本国内において有効と認めない」という決定がされたら無免許状態になるのではないですか?
法令や手続き等詳しいことは参照していなくて恐縮ですがお答えいただければ幸いです。

netisfreenetisfree 2011/11/29 00:14 海外免許証の有効期間についてひとこと。実際には短期の滞在である場合の転出届は、 虚偽、または間違いと判断される可能性があるが、その場合、住民基本台帳法8条に基づき、届出の内容にかかわらず、役所の判断で住民基本台帳に記載されてしまうことがある。その場合、道路交通法107条2の「住民基本台帳に記録されている者」に合致しちゃうので、役所の人が仕事熱心かどうかに注意。

ついでにいうと、上で言う「住民基本台帳に記録されている者が上陸」は、2つの考えがありえて、1つめは上陸の瞬間に住民基本データベース上の有効データとして存在いるかどうか、2つめは上陸した日付時点での本来あるべき正しい住所がどうなっているか。個人的には後者だと思う。

実務は知らないが住民票の記載事項は住基法7条にあるが、職権による記載/修正で転出の処理を修正した場合には、「住民となった年月日」が昔の日付で記載されて、それから現在まで住んでいる状態が継続しているような記載になるんじゃないかな。

たけしたけし 2011/11/29 01:06 楽しく読ませていただきました。
私はロースクール生で行政法が好きなので、とても興味深かったです。

正直なところ道交法については、勉強したことがないのでわかりませんが、この方法で違反逃れをすることは難しいと思いました。

たしかに、住民票を削除できればsoftetherさんの記述通りセキュリティホールとなりそうです。
しかし、海外への短期滞在で住民票を削除することは現実的に難しいと思います。

そもそも、住民基本台帳制度の趣旨は、選挙人名簿の整備、国民健康保険・国民年金の給付、市民税の課税など様々な行政サービスの便宜を図る点にあるそうです。
そのため、実際の行政実務において、住民票は厳格な運用がなされていると思われるからです。

例えば、住基法3条1項は、「市町村長は、常に、住民基本台帳を整備し、住民に関する正確な記録が行われるように努めるとともに、住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」と規定し、
同3条3項は、「住民は、常に、住民としての地位の変更に関する届出を正確に行なうように努めなければならず、虚偽の届出その他住民基本台帳の正確性を阻害するような行為をしてはならない」と規定し、
正確かつ厳格な運用がなされていることを匂わせています。

海外転出届の運用について書かれたHPを見つけたので引用します。
海外移住情報
>海外転出届の提出については法的に細かな規定がされていません。このため役所によって対応が異なりますが、1年以上海外に滞在する場合が目安となっています。
>また住民税の対象とならなくなることから、海外転出届提出をしないようにすすめる役所もあります。
http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/japan2.html

また、すぐに帰国するつもりで海外移転の届出をし、公務員をして住民票を消除させることは、刑法の公正証書原本不実記載罪として処罰される可能性があります。

softethersoftether 2011/11/29 01:35 > netisfree さん: 出国の数日前に市役所で転出届を出し、その後に不在籍証明書を取得して保管しておくこと、帰国後直ちににもう一度不在籍証明書を取得して保管しておくことで、次回の帰国の瞬間に「住民基本台帳に記録されている者」に該当しなかったことを証明することができるのではないだろうかと思います。海外転出の期間が短かったことを理由に、住民票の削除を日付を遡って取消す権限が市町村長にあるのかどうかは知りませんが、もしあったとしても、私としてはやはり法律通り上陸時において「住民基本台帳に記録されている者」か否かが上陸とカウントするかどうかの閾値となると思いますので、住民基本台帳に記録されていなかった事実を証明できる手段を確保していれば足りるのではないかなと思います。なぜ、法律通り上陸時において「住民基本台帳に記録されている者」か否かで判定することにこだわるかと言いますと、道路交通法第 107 条の 2 には、除外規定として、「住民基本台帳に記録されている者」と同様に「外国人登録を受けている者」も 3 ヶ月以上海外に滞在していないといけないと書かれています。外国人登録は 90 日以上日本に連続して滞在する外国人以外は登録しなくても良いと思います。たとえば、1 年のうち年に 4 回、日米を定期的に往復し、約 320 日間 (約 87%) は日本、約 45 日間 (約 13%) は米国に住む、外資系企業の経営者である米国人で、それぞれの日本での滞在日数が 90 日未満である場合 (商用の場合は査証免除可能) は、外国人登録をしなくても良いと思います。この米国人の場合は、事実上の住所は日本にあると考えられますが、外国人登録をする義務は無く、外国人登録をしない間は日本に上陸してから 1 年間は米国の免許証と国際免許証で運転できると思います。もし、この米国人に対して、事実上の住所が日本であるから外国人登録をしていないにもかかわらず外国人登録をしていた人とみなすとして道路交通法第 107 条の 2 の 90 日間の除外規定を適用することが後からでもできてしまうと、その米国人は日本で米国免許証で運転すると無免許運転として刑罰が科されてしまいます。このような不安定な状態を防ぐために、道路交通法第 107 条の 2 では「日本に住所を有する者」という曖昧な書き方ではなく、「住民基本台帳に記録または外国人登録されている者」という明確で曖昧に判断することができない書き方をしているのではないかと思います。

softethersoftether 2011/11/29 01:35 > たけし さん: 住民票を削除できたかどうかの確認と削除できたことの証拠の取得は、1 つ上の書き込みの方法 (不在籍証明書を取得する方法) で実現できるため、もし不在籍証明書を取得することに失敗した場合は、住民票が職権で削除を取消されたことが判明します。その運転者はその確認の後に車を運転するかしないかを選択することができ、その後の作戦を冷静に考えることができます。また、すぐに帰国するつもりであるのに長時間帰国しないつもりだと嘘の申立てをして海外提出届を出して自分の住民票を削除させることは、ご指摘のように、公正証書原本不実記載罪に当たるかも知れません。しかし、次のような方法でさらに工夫することにより、公正証書原本不実記載罪とされずに自分の住民票を削除した状態にして継続することができるのではないかと思います。まず、第 1 回目の出国の際には、本当に長期間滞在するつもりで外国に出国し、ある程度の期間は確かに外国に居住します。この際、出国前に市町村において海外転出届を提出します。これは適切な届出ですので、公正証書原本不実記載罪にはならないと思います。次にしばらくして帰国し日本に住むことを再開した後に、市役所への転入届を怠ります。市役所への転入届を怠ることは、虚偽の届出を行うこととは異なり、公正証書原本不実記載罪には該当しないと思います。市役所への転入届の提出をすべきなのにあえてしないことは、住民基本台帳法で定められている刑罰付きの罰則にも該当しないと思います (届出を怠ることは 5 万円以下の過料のみ。市役所への転入届の提出を怠ったことによって本来課税されるべき住民税が課税されなくなり税法上の問題があるのではないかという指摘があるかも知れませんが、住民税については非課税の対象となってしまったことを知った後に自主的に申告納付することにより脱税になる心配もないと思います。)。この状態が継続している間は、その人は、それ以降の出国・帰国の際は海外滞在期間が 90 日以内でも、道路交通法第 107 条の 2 の除外規定に該当しないため、公正証書原本不実記載罪に該当する犯罪を行うことなく、適法に外国免許証で運転し続けることができるのではないかと思います。

softethersoftether 2011/11/29 01:35 > mark_temper さん: 外国政府の発行する国際運転免許証・外国運転免許証は、"The Geneva Convention on Road Traffic (1949)" を締結している国のものを所持していれば、道路交通法第 107 条の 2 により日本国内で運転することができます。それらの免許証が真正である限り、公安委員会や警察には、「当該人の国際運転免許証を日本国内において有効と認めない」という決定をする権限はありません。ただし、公安委員会は、第 107 条の 5 で運転禁止処分を出すことはできます。その処分が執行されてしまうことを、運転者は事実上、無期限に免れることができるのではないか (処分書の交付のための出頭を無視し続けることができるのではないか) というのが、本文の主張です。もし処分が執行されてしまったら、いわゆる「無免許状態」になると思うので、いかにして処分を執行されないようにすれば良いかという工夫を運転者が図ることができるというのが、この記事の主張です。

softethersoftether 2011/11/29 01:35 > ウンガロ さん: 「聴聞に出頭しなければ、そのまま聴聞が終結する」のは正しいと思います。しかし、これは聴聞に運転者が出頭しなかったので、運転者に異議・不服はないということが確定するだけの効果しかなく、聴聞に出席しなかったからといって、出席した際に示される予定だった行政処分が自動的に開始されるということはありません。聴聞の不実施の場合でも、第 104 条の 3 に記載されている書面の交付手続きを省略することはできないと思います。詳しくは次の投稿で説明したいと思います。

softethersoftether 2011/11/29 01:36 > 通りすがり さん: まず、公安委員会による免許停止・取消の処分について自由裁量の余地があるかどうかという点ですが、過去に免許停止処分となる予定の人が、処分の時までに、公安委員会に対する意見等を提出したことで処分日数が短縮されたり、また、警察によって点数付与された違反について裁判で争う旨を主張することで停止処分を裁判が終結するまで保留したりする裁量が行われていることが報告されていますので、これらから考えると、運転者としては自分がいつ公安委員会によってどのような処分の対象となるのかは、処分書を交付されるまでの間は、やはり不明だということになると思います。
次に、通常の交通違反の場合で、処分書の交付のための出頭要請を無視した場合に、公安委員会は処分書を交付しないで処分を執行することができるかどうかという点についてです。第 104 条の 3 第 1 項に明記されているように、第 104 条の 3 は通常の免許停止や取消処分のすべてに適用されます。そして、第 104 条第 4 項の例外規定が適用された場合でも、書面を交付することとなっている規定は必ず適用されます。確かに第 104 条第 4 項には公安委員会は出頭がなかった場合は「"第 1 項の規定にかかわらず"、意見の聴取を行わないで取消・停止をすることができる。」と書かれています。しかし、これは第 1 項の「公安委員会は、取消・停止をしようとするときは、公開による意見の聴取を行わなければならない。」という記載について、本来であれば「公開による意見の聴取」を必ず行わないといけないのだが、例外として第 4 項に該当する場合だけは、特別に「公開による意見の聴取」を省略することができ、「公開による意見の聴取」をしなかったからといって行政処分の効力が失われることはない、という規定です。もし第 4 項に "第 1 項の規定にかかわらず" という文がない場合は第 4 項に該当すれば直ちに書面の交付を省略できるということになるかも知れませんが、実際にはこの文があるため、この例外規定は第 1 項の制限のみを解除するための効果しかありません。この規定があったからといって、公安委員会は、第 104 条の 3 に記載されている書面の交付手続きを省略することはできません。このことは、第 104 条第 4 項の例外規定を示す文章が「同項 (第 1 項) の規定にかかわらず、」と制限解除を示す文が明記されていること、第 104 条の 3 第 2 項に書面の交付をすることができなかった場合に関する特例が記載されていること、仮に第 104 条第 4 項の規定によって運転者が未出頭の場合は第 104 条第 4 項の書面を交付しなくても免許処分が開始できるとした場合はそもそも第 104 条第 1 項は免許停止 90 日未満の場合は適用されないため免許停止 90 日未満の処分の場合は書面の交付を必ずしなければ処分開始できないところ免許停止 90 日以上の処分の場合は書面の交付を省略できることになって不均衡が生じることから明らかです。
第 107 条の 5 (自動車等の運転禁止等) の規定においても、書面の交付手続きを規定した第 104 条の 3 第 1 項の規定を準用する旨が第 107 条の 5 第 11 項に明記されています。そのため、外国免許を用いた運転者に対して運転禁止処分を行う際にも第 104 条の 3 第 1 項の書面は必ず交付しなければなりません。
「日本の行政機関が、その外国免許を発行した外国政府に対して、免許を停止するべきだと連絡としたとしても、その外国政府が日本の行政の言うことに従うはずはありません。」と断定することに異議がおありのようですが、私はここに記載したとおりで断定して間違いないと思います。仮に ARTICLE 24 5 の規定に基づき免許停止の事実および運転者の氏名と住所が日本国から発行国の行政機関に通知された場合でも、その通知には、「その外国免許を発行した外国政府に対して、免許を停止するべきだ」という意味の内容は含まれておらず、単に違反の事実を客観的に列挙したに過ぎないと思います。そのため、前記断定文に対する反論として ARTICLE 24 5 を挙げられるのは不適切かと思います。免許の発行国の行政機関がその通知に含まれる違反の事実の内容を見て自国の基準に従って免許を停止または取消する可能性もないとは言えませんが、たとえその場合でもあくまでその国の行政行為として停止または取消すべき旨だと判断して処分を執行するのであり、決して「日本政府が免許を停止するべきだと連絡してきたから、日本政府の言うことに従った」ということにはあたらないと思います。
最後に、『国内で別種の免許を取得すればよいとの記述も見えますが、免許の事後取消として拒否・保留制度がありますから、そう簡単には行かない』というご意見ですが、本文には『免停や取消の対象となる違反をしてしまったら、翌日などすぐに運転免許センターへ行き、別の種類の簡単な免許 (たとえば大型特殊自動車など) を受ける』と書いております。『翌日などすぐに運転免許センターへ行き』という意味は、交通違反等の現場で警察官が記入した交通切符が各都道府県の交通反則通告センターなどのコンピュータ入力の係の所に郵送されコンピュータで点数が警察庁の運転者管理システムに登録される時よりも前に運転免許センターへ行くという意味です。実運用上は点数は翌日ではなく約 2 週間程度以内にまとめて登録しているとのことですが、この点数が登録されるまでの間に免許センターで別種類の免許を取得すれば、たとえその点数によって免停や免許取消になる可能性があった場合でも、公安委員会はそれを知ることができないため、免許の有効期限は取得の日からさらに最大 5 年間延長できることは間違いがないと思います。ただし、公安委員会は免許取得前にその人が別の違反を重ねて免停・取消基準に達していたことを免許公布後に知った場合は、その免許を停止または取消すことができます (第 90 条第 5 項の規定)。しかし、この場合の取消手続きは、第 90 条の第 4 項の規定 (第 7 項により準用) に基づき、あらかじめ、弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をしようとする理由を通知してからでなければ行えません。その後公安委員会からの免許停止・取消処分の執行があったことを知った日から運転できなくなるとは思いますが、この免許停止・取消処分の執行の際に処分書 (第 104 条の 3 第 1 項) を交付しなければならないとは書いていませんので、この場合の免許停止・取消処分の執行については処分書の交付が不要かも知れません。しかし、処分の理由は行政手続法第 14 条によって必ず運転者に示されている必要がありますので、運転者が公安委員会からの連絡を無視し続けた場合にどのように運転者に示せば良いのかという問題が残ります。急いで別種の免許を取得すればよいという点については確かにここに書いたような疑問が残ります (道路交通法で第 90 条第 5 項の規定による処分を行う際の手続きが明記されていないのは道路交通法の欠陥なのではないかという気もします)。

nisemono_sannisemono_san 2011/11/29 01:54  コンピューターサイエンスに詳しいということなので、質問したいことがあります。

 まず、上記の事象に関してなのですが、下のような状態を想定します。

1. 私がTwitterやFaceBookで暴れ回り、利用規約に反するような行為を行う。
2. そのあとにアカウントを剥奪され、発言する権利を失う。そのさい、同一のプロバイダーから一定期間は修得できなくなる。
3. 次に、私がプロバイダーとの契約を破棄し、再契約を行い、アカウントを再習得する。
4. 私はTwitterやFacebookでまた利用規約に反する行為を行うことが出来る。

 この場合において、これは「セキュリティーホール」なのでしょうか?このような例えを持ち出したのは、上記の文章が以下のような構成になっていると判断したからです。つまり

1. 私が自動車免許を取得し、違反を行う。
2. そのあとに公安委員会から免許を剥奪され、運転する権利を失う。
3. 次に、自分の住民票を抹消する(上記の場合なら、バンされているIPを消す)。
4. そのあとに国際免許書を取得する
5. すると、再び国際免許書で違反し放題となる。

 というように、です。また、この場合が「セキュリティーホール」と考えられるならば(つまり、管理人によるコミュニティーの安全維持機能が麻痺する)、どのような対策がありうると考えられますか?正直、自分にはわからないので、話をお聞きしたいです。

やむやむやむやむ 2011/11/29 02:20 以下のURLにあるウェブサイトで、道交法改正により、フィリピン免許は3ヶ月フィリピン滞在の証拠(パスポートなど)が必要とあります。(真偽のほどは不明です、スンマソン)


つ http://www13.plala.or.jp/okusama-salamat/driver.htm

<以下抜粋>道交法が改正された事により,フィリピンで取得した国際免許で日本の道路を運転する為には,申請者(奥様の事です)が免許交付後,3ヶ月間フィリピンに滞在していた事を,パスポートの出入国記録等で証明する必要が有ります。

softethersoftether 2011/11/29 02:51 > やむやむ さん: フィリピン免許にかかわらず、どの国の国外免許であっても、それを日本で使用するためには、事前に日本から出国した後少なくとも 3 ヶ月間以上海外 (特定の 1 カ国でなくてもよい。また、免許発行国でなくてもよい) に滞在しなければなりません。しかし、住民基本台帳に記録されていない人はこの規定は除外されます。詳しくは道路交通法第 107 条の 2 をご覧ください。

softethersoftether 2011/11/29 02:51 > nisemono_san さん: 例示された『Twitter や FaceBook で暴れ回り、利用規約に反するような行為を行う。』のような行為と、今回の私が指摘しているパターンの行為とは、性質が全く異なると思います。特に『2. そのあとに公安委員会から免許を剥奪され、運転する権利を失う。』の点です。私が指摘している方法の要旨は、"公安委員会から免許を剥奪され、運転する権利を失う" 状態を如何にして回避することができるか、というものです。公安委員会が免許を剥奪し、それによって運転者が運転する権利を失う状態になるためには、公安委員会は運転者に対して行政処分通知書を交付しなければなりませんが、その行政処分通知書の交付のための出頭要請を無視することで、『2. そのあとに公安委員会から免許を剥奪され、運転する権利を失う。』を回避することができるという主張です。

閲覧者閲覧者 2011/11/30 00:10 海外転出&短期再転入の場合には、仮に転出届が通っても、「転出取り消し」という処理を行うことができます。この場合、遡って住民票削除期間が存在しなくなります。意図的に住民税回避を行う人に適用されることがあると聞いております。適用されるかどうかは自治体しだいと思われますが。
あと住民税には申告はありますが、申告納付制度はありません。あれは申告を参考資料とした賦課徴収制度です。言葉だけの問題ですが、「申告を行い賦課を待つ」が正しいかと思われます。

softethersoftether 2011/12/01 01:54 閲覧者さん: 情報ありがとうございました。しかし、遡って勝手に住民票を一旦削除した事実を削除するデータベース上の修正ができる市町村長がいたとしても、運転者としては、やはり転出届が通った後、出国前と上陸後にそれぞれ不在籍証明書を 1 枚ずつ取得しておけば運転はできるのではないかという気がします。

tanakatanaka 2011/12/29 01:01 免停になる時には、刑事処分と行政処分が重ねて課せられます。
免停や取り消しは行政処分です。
これを起訴猶予された場合でも行政処分を無視して運転してると指名手配されます。
ま、不服申し立てをして起訴猶予になった場合には日曜日に更新すれば、公安委員会に紹介が出来ないので「呼び出しには応じている」と言えば新しい免許は貰えますけどね。(東京都の場合)
青切符で免停になった時だけ有効ですが。

softethersoftether 2011/12/29 01:18 >tanaka さん: 行政処分の執行をするための都道府県公安委員会からの呼び出しに応じずに無視して運転しても、刑事犯罪ではありませんので、指名手配されることはありません。刑事処分については、軽微な違反であれば反則金を支払えば刑事手続きには移行しませんし、軽微でない違反の場合でも警察官または検察官からの出頭要請および裁判所への期日での呼び出しに素直に応じていれば指名手配されることはありません。したがって、刑事手続きについては素直に応じ、行政処分については完全に無視することができると思います。

くえすちょんくえすちょん 2012/02/18 16:09 質問です!交通裁判所へいかず(最終の期日内には行くのですが)、免許書も返していません、どういうわけか警察署からの行政処分の通知が郵送できました。内容は行政処分をするので、運転免許と印鑑を持参することとの事です。10月に無免許でつかまってからの今です。警察からの出頭を拒めば逮捕ですか?また交通裁判所で免許を強制的に返さないといけないことはあるのでしょうか?

softethersoftether 2012/02/21 03:57 >くえすちょんさん: 交通裁判所へは行ったほうが良いと思います。それ (刑事手続き) と行政処分の手続きとは別です。刑事手続きのための出頭を拒否すると逮捕されることがあると思います。行政処分の執行のための出頭要請を拒否しても逮捕されることはありません。また、出頭しない限り行政処分はできません。

ちゃおちゃお 2012/04/29 22:08 そもそも、運転免許に関して行政処分に強制力ってないですよね?
なのに家に赴き、強制的に処分を執行ってよいのですかね?

ちゃおちゃお 2012/10/17 13:54

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