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2004-09-25 学会2日目 このエントリーを含むブックマーク

午前のセッション最後の講演で、どえらい口頭発表があった。それは「潮受堤防締切前後における諌早湾の底生生物と生育環境」というタイトルで、発表者は農林水産省という所属の人2人と、環境アセスを業務とするらしいとある財団の1人の計3人で、演者は農水省の人。で、講演要旨を読むと、その訴えるところは、

(3)まとめ

以上のように、平成元年度から現在までの諌早湾干拓事業に係る環境モニタリング結果を用いて、諌早湾の底生生物と生育環境について検討した結果、諌早湾湾奥部の一部で底質硫化物の増加が、湾奥部、湾口部の一部では底生生物の個体数・種数の増加がみられたが、諌早湾の底生生物の生育環境に大きな経時的変化は認められなかった。

(2004年日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会講演要旨集 p21より)

というものなのである。つまり、堤防で締め切ったら生き物の種類も増えたし、個体数も増えて、環境に影響はなかったのですよ、と言いたいらしい。

もちろん、諌早湾問題については、今まで良識ある複数の研究者から出されてきたデータはほとんど正反対。しかも、今回の発表では都合の悪そうなデータ(バイオマスの変化とか)を提示してなかったり、「湾奥部」といいつつも堤防にごく近いところのプロットであったりと、姑息と言わざるを得ない発表手法だったらしい(らしいというのは、実はわたしはこの時間帯にサボって道後温泉に行ってて聞けなかったためで、発表の様子は居合わせた人からの伝聞。これを聞いて、もう、激しく悔いた。)

で、発表の場はベントス(底生生物)学会であるからして、干潟の生物学を究め、その保全に全力を注がんとする精鋭が揃ってるわけだから、それはもう、質疑ではこてんぱんにやられたらしい。そりゃ、当たり前だわな。因縁つけてケンカ売りにきたようなもんだから。

それにつけても、こういうプロパガンダをすること自体は今さら驚くには値しないのだけど、フシギなのは、どうしてベントス学会という場を選んだのだろう。その程度で思想転換するような相手であるはずがないし、世間の耳目を集めるほど規模の大きい学会でもない。考えられるのは講演したという既成事実(あるいは講演要旨という印刷物)しかないのだけど・・というわけで、もしそうだったら腹が立つなあと思い、こういう情報をネットに置いてみました(もっとも、繰り返しますが、以上の情報は聞きづてです)。

大阪市立自然史博物館 イシダの玉手箱
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