2011-09-05
Home and Sweet
いま実家の二階のベッドのうえ。
今夜の高松での弾き語りはホントに楽しかった。
急な告知なのに来てくださったみなさん、どうもありがとうございました。
いろんな人が来てくれた。
知ってる人も知らない人もいたけど、みんなどこかでつながってる気がした。
すごくいい気分だった。
夕べは高校生のときにいろいろ教えてくれたり遊んでくれてた、別の高校のふたつ上くらいの先輩がやっている居酒屋で飲んだ。
壁には最高のレコードが飾ってあって、その先輩は今でも音楽が死ぬほど好きなんだってわかる。
もうあれから20年も経つけど、なんにもかわらないなんて、なんてあっけらかんと素敵な!
ベッドに寝っころがって、窓の外を見上げると、目が悪いぼくにもキラキラと星がたくさん見える。
星以外は、真っ暗な夜。
たまに貨物列車が走る音。
そんな感じで、今日は眠ろうと思います。
2011-08-20
夏休みの日記
今日、帰省していた家族が東京に戻るので、ぼくの夏休みはいったんここで終了。
そんなわけで、夏休みの日記と言えば夏休み最後の日にまとめて書く、というのが定番なので、それにしたがいつつ。
毎年、夏休みはそうなのだが、家族がまとめて実家に帰ると、ひとりきりのがらんとした家は、90パーセントの開放感と10パーセントのさみしさで満たされる。
はじめは、外でご飯食べたりお酒飲んだりして何時に帰宅してもいいもんね、なんて開放感を謳歌しているのだけど、じょじょにさみしさのパーセンテージが増してくる。
子どものきゃーきゃー騒ぐ声にずいぶんエネルギーもらってたんだなあ、とか考えたりして。
普段はうるさくてかなわないんだけど。
だから夏休みの最後は開放感とさみしさがちょうど半々の、微妙な感じ。
でもこれは小学校の頃から変わらないのかもね。
* * *
とてもとても印象に残った映画を映画館で二本観た。
ロバート・アルトマン監督の『ナッシュビル』。
テレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』。
『ナッシュビル』は1976年の映画。
20人以上の人々がカントリーの聖地ナッシュビルで過ごす数日間を、だれを主人公にするわけでもなく描くドラマ。
一見お互い関係なさそうで、実は微かに絡みつつ、ラストではみんながひとつの体験を共有する、という、ぼくの大好きな『マグノリア』のひな形のような作品。
メタフィクション具合がくせになり、この夏二度も映画館へ足を運んだ。
『ツリー・オブ・ライフ』は心底震えて、観終わった時は言葉がなかった。
『2001年宇宙の旅』が表現した、人智や善悪を越えていく絶対的で無慈悲なる美(神)。
この映画は、でもその先にある、それすらも凌駕する人間の心や魂や命の持つ美しさを描いているようだった。
こんなふうに書くととても観念的で自分でもイヤになるが、とにかく心のふかいところに染みてくる、清流のような映画だった。
魂や愛といった形なきものをフィルムにおさめようとするする監督の執念に、やられた。
* * *
曽我部恵一BANDのレコーディングはとても難航。
その制作から離れている日は、ライブ以外だと無いと言っても過言ではないが、出口の光、さっぱり見えず。
が、これに関しては、ライブをやりながらそこに近づくしかないなあ、と思っている。
たぶん数歩は進んでるはず。そう信じながら続けよう。
* * *
夏フェスも楽しかった。
弾き語り、真夜中のライジングサン。
最高に暑かった日のロックインジャパンでのソカバン。
詳しくはライブブログをのぞいてください。
震災や原発事故のことで、いろんなネガティブな要素もあったが、それでもやっぱり夏は夏だった。
蝉がうるさいくらいに叫び、汗はぽたぽたと落ちた。
今年もぼくの汗は地面に黒いしみをつくった。
ひとつひとつがこの夏の想い出だ。
いやいやまだ、夏のイベントは続くのですが、ま、なか締めということで。
「オレの夏のサウンドトラック」。
今年は総合的に見るとキャプテン・ビーフハートと彼のマジックバンド『トラウト・マスク・レプリカ』だったかな。
キャプテン・ビーフハート率いる楽団も、この宇宙をひっくりかえしてちゃぶ台の上で丸めたような音楽を1969年の魔夏に作っていたのだ、なんて想像しながら。
2011-06-20
荒野へ。
曽我部恵一BAND(ソカバン)のレコーディングが始まった。
まだスタジオに入って数日だが、三歩進んで二歩戻るような日々である。
充実しているというべきだろう。
つっかかって転げそうになりながらも、足は動いているという意味で。
バンドは素敵だ。
困難さを糧にしているという点で。
終着点はまだ見えるはずもなく、道しるべもないまま、とにかく音が響く方角をたよりに、このまま歩いてみようと思う。
* * * *
ブラッドサースティブッチャーズのドキュメンタリー映画『kocorono』を観た。
今年の始めの公開時に映画館で観るつもりが、自分のツアーと重なって行けずじまいだった。
DVDになったのを見計らい、すぐさま手に取った。
淡々と飾ることなく我が道を行くブッチャーズの歩みを、淡々と飾ることなく映し出した、ドキュメンタリーだ。
よくある超人気ロックグループの映画みたいに、ハデなことが起こったりは特にしない。
うらやましいロックンロールライフも映らないし、女の子たちに囲まれたロックスターも登場しない。
ただ普通にブラッドサースティブッチャーズがバンドをやっているだけだ。
ずっと同じようにやり続けているだけだ。
バンドを続けて行く秘訣や、その先にある答えなども映りはしない。
そんなことだれも知らないのだから。
この映画が映し出すもの。
それは、ロックバンドの素敵さのすべてだ。
そのくらべるもののない美しさだ。
大ヒットのないロックバンドを続けて行くことは、たいへんそうだ。
観ればだれもがそう思うだろう。
お金の問題は、いつも背中にぴったりとくっついている死神のようだ。
そしてなにより、人間関係。
仲良しで、なんにも問題なく進んで行くバンドなど、いないはずだ。
それぞれに能力や人間性に差異がある。
複数で転がって行くなかで、そのことは強い足かせになるだろう。
この映画を観たら、だれもがそう思うだろう。
そして、バンドを続けている人は、みんなそのことを知っているだろう。
でもここにはそんな圧倒的な事実を越えて高らかに笑う生がある。
バンドは生き物だ。
そして生き物は生きているだけで、素晴らしいのだ。
どうしても生きなきゃならないのだ。
そしてその力は、お金や人間関係なんかが指一本さわれない場所で大音量で生きる音を奏でるのだ。
それがロックバンドの素敵さだ。
バンドをやりたい少年少女、いまもバンドを続けている少年少女は、絶対このフィルムを観るべきだ。
ブッチャーズが好きかどうかは、それほど関係ない。観れば好きになる。
そしてバンドは今日もどこかで、生々しいシンフォニーを奏でているだろう。
2011-06-12
神のみぞ知る。
昨日の原宿でのアナログフィッシュとのライブのあと、前野健太くんとてんやで天丼を食べ(てんやの天丼はうまい!)、タクシーで仕事場へ戻ったのだが(仕事をしようと思っていた)、部屋に入り数分と経たないうちに熟睡してしまった。
そして気付くと今日の午後。
計算すると14時間くらい眠っていたということになる。
トイレも行かずに。
疲れがたまっていた、というのもあるだろうが、夢を見たかったというのもある。
というのも三日前、前野くんとエンケンさんとのツーマンライブに行ったのだ。
そこでエンケンさんの純音楽に、ハリセンを食らわせられたチャンバラトリオのように目が覚めたのは言うまでもないのだが、あらためて名曲「満足できるかな」を聴いて、すごい曲だなと心底思ったのである。
この曲はエンケンさんが夢のなかで見たという愛猫の寝図美ちゃんがエンケンさんの首を切るシーンを歌ったもので、言うなればただそれだけの歌なのであるが、なんとロックなことか。
この曲が冒頭にあるからこそ、アルバム『満足できるかな』はとんでもない未知の大宇宙を描くのであって、
最近の風潮である「ロック(ポップス)はなにか大事なことを歌わなきゃいけない」というような暗黙の了解が馬鹿馬鹿しくなるような壮大な力を持つものである。
それでその日以来ぼくもなにかおもしろい夢を見て、それを歌にしてやろう、と決意したのだった。
そして、この14時間の睡眠で見た夢は、
(1)子どもに怒られる夢、(2)音楽インタビュアーに怒られる夢、
のふたつでした。
・・・よって、曲にはならなかったが、疲れはとれた。
目覚めると真っ昼間。
水を飲み、サングラスをかけて、外に出る。
晴れた空が、気持ちいい。
学生時代なら、ここから映画をハシゴしたりしたような、そんなからっぽの空模様。
携帯に電話。
娘から。
「なんかご飯買ってきて〜」
「お好み焼きとか?」とぼく。
もうこんな日に映画をハシゴする状況でもないようだ。
お好み焼き屋に入る。
豚玉を2枚と、広島焼きを1枚と・・・。
そのとき、店内の小さなスピーカーからビーチボーイズの「God Only Knows」。
きらきらとした陽光に脳が満たされる。
すーっと浄化され昇華するぼくの日曜日であった。
2011-06-08
ねえ、外は春だよ。
ニュースでもお伝えした通り、ツアー<SPRING FEVER>のなかの仙台公演がアルバムになります。
どの会場も充実していたこのツアーです、ライブ盤を作るにあたって、どのような方針にしようか、とても迷いました。
各会場のハイライトをつなぎ合わせて作るやり方、ひとつの会場にしぼる方法・・・。
どの夜にもそれぞれの物語りのようなものがあったので、1枚のCDにするのは難しいことでした。
しかし、ふりかえると仙台公演はなにか特別なものがありました。
なんども訪れたことのあるJUNK BOXは、やはり震災の後では違う場所のように思えました。
来てくれたお客さんたちは、なにかちいさなろうそくの炎のまわりにそっと集まるように大切に音楽に寄り添ってくれました。
それでぼくは、仙台の夜を選ぶことにしました。
2時間くらいやったライブから70数分に曲をしぼるのは大変でした。
だけど、できあがったものを今こうして聴いてみて、とても満足しています。
なにより、あの夜のこと、そして今回のツアーのことを、とても美しく想い出すことができます。
ライブ盤はやっぱりすごく好きです。
一晩の音楽のぬくもりが、宿っているから。
そのぬくもりがみなさんのもとに届いたら、とても嬉しいです。
曽我部恵一 with PINK BAND
『SPRING FEVER - live at SENDAI 2011.5.13』
ROSE 121/紙ジャケット/¥1,500(税込)
01. 春の嵐
02. ギター
03. 3つの部屋
04. どこかでだれかが
05. パリへ行ったことがあるかい?
06. 朝日のあたる街
07. 愛と苦しみでいっぱい
08. 魔法
09. テレフォン・ラブ
10. PINK
11. 一週間分の愛
12. ねぇ、外は春だよ。
13. 青春狂走曲
14. ミュージック!
15. outro
*発送は6月27日からの予定です。
*他の商品との同時購入&同時発送はできません。ご了承下さい。
ちなみに・・・・、
ぼくのオールタイムフェイバリットライブ盤はこれです。
2011-06-06
本になった恋
もしあなたに大切な人がいて、ひょっとしたら自分のことよりもその人のことの方が大事かも、なんてちょっとでも思うことがあったら、ぜひ読んでほしい本があります。
川崎フーフ・著『がんフーフー日記』。
簡潔に言うと、こんなふうな本です。
ある若い(といってもぼくと同年齢だ)夫婦が、結婚をし、すぐ妊娠をしたのだけど、同時に奥さんが癌であることが判明する。
夫婦は子供を早期出産し、癌を克服していく道を、奥さんとダンナさんそして小さな赤ちゃんといっしょに歩き始める。
ふたりはその過程を、ブログに残すことにする。
だから、この本にあるのはそのブログにアップされたドキュメンタリーのようにも見える日記だ。
結局、奥さんは亡くなってしまう。
現実はブログというメディアにおいても、ちっとも遠慮はしてくれないのだ。
しかし、そこに至る日々のなか記録された、ブログならではのユル〜い心の旅に、ぼくは恋することの軽やかさと、切なさを知る。
どんな恋愛小説も描くことのできない、本当の恋の香りがある。
まちがいなく、宇宙でもっとも明るく素敵なエネルギー。
死が常に視界にちらつきながらもここにいる新婚さんは、泣いたり笑ったりして、とっても素敵なカップルだ。
そして、恋することは、得ることと失うことが同時に化学変化を繰り返し続けることでもあるから、ぼくらにだってこんな瞬間はかならず訪れるのだ。
ああ、どうしよう。
このフーフのダンナこと、清水浩司くんはぼくのともだちだ。
東京に出てきて少したった頃に知り合った。
彼は当時バァフアウトという雑誌で働いていて、取材で会ったのだった。
同い年ということもあって、すぐに意気投合し、いくつかの大切な風景を共に過ごした。
サニーデイに関してのいくつかの忘れられないルポも、彼が作ってくれた。
お互いの仕事の環境の変化もあって、ここ数年はあまり接する機会がなくなっていたが、サニーデイが再結成する折には、オフィシャルサイトのインタビューを彼にお願いした。
メンバー一同、彼の顔しか思い浮かばなかった。
彼はそのとき、ちょっと考えて快諾してくれた。
思えばもうがんフーフー日記は始まっていたのだ。
何度かに分けて食事しながら行ったロングインタビューの際も、彼はそんなことは言わなかった。
ただ、子どもが生まれたと嬉しそうに言っていた。そして写真を見せてくれた。
ぼくは、おめでとう、だとか、良かったねえ、などとわかったようなことを言ったと思う。
ぼくはなにもわかっていなかったのに。
大事なことは、いつだってあとになってわかる。
そのときには、たいてい、遅すぎるのだ。
だから、今日を生きよう。
いつだって。
もしあなたに大切な人がいて、ひょっとしたら自分のことよりもその人のことの方が大事かも、なんてちょっとでも思うことがあったら、ぜひこの本を手に取ってみてください。
彼のこの本の出版記念のようなイベントを行います。
7月5日火曜日。表参道のCAYで、サニーデイ・サービスとして演奏します。
2011-05-26
ずっとゆられてた
昨日は仕事が遅かったから、車ではうとうとしてた。
ここ最近、人生の中で車にいる時間のなんと長いことよ。
車に乗っているあいだはいろんなことを考える。
音楽のこと、家族のこと、この世界のこと。
エトセトラ、エトセトラ・・・。
ゆっくりと変化していく窓の外の風景、空の色。
ぼくの想いもグラデーションのように変化していく。
カタチにならないものが、体のなかに充満する。
明日はPINKのツアー最終日。
曽我部恵一 with PINK BAND "SPRING FEVER TOUR"
2011年5月27日(金)@ 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
open 18:00 / start 19:00 前売¥3,500 / 当日¥3,800 (ドリンク代別) ※未就学児童 無料





