Hatena::ブログ(Diary)

斧節【onobusi】 このページをアンテナに追加 RSSフィード


WWW を検索 創価王道を検索

2008-05-31

松本サリン事件を『週刊新潮』はどう報じたか


 続きまして、メディアによる人権侵害とその救済についてお尋ねしたいといますが、21世紀は人権の世紀と言われております。私ども公明党は、21世紀こそ個人個人として最大限に尊重される社会にしたい。私は、このような観点から、メディアによる人権侵害とその救済方法についてお尋ね申し上げます。

 今日のマスメディアの著しい発展には、明と暗の両面があります。すなわち、メディアによる正確な、またスピーディーな情報の提供は、国民の知る権利、表現の自由に資するとともに、健全な民主主義社会の建設に大いに貢献するところであります。メディアの明るい側面でございます。しかし、マスメディアが報道の社会的使命を忘れ、売らんかなの商主義に堕するときは、善良な市民の人権を侵害する凶器と化することになります。これは、メディアの暗い部分でございます。最近の裁判例では、この後者のケースが多くなっているようにわれます。

 私は、ここで、マスメディアの事実無根の報道によって著しい人権侵害を受けた二つの事例を紹介したいといます。

 その第一の事例は、本サリン事件の被害者であった河野義行氏に対する報道被害でございます。

 この事件では、被害者でもあり通報者でもあった河野氏が、マスコミから一方的に犯人扱いをされて報道されました。中でも週刊新潮の報道はすさまじく、「おどろおどろし「河野家の謎」「毒ガス事件」発生源の「怪奇」家系図」、こんな見出しのもとで、河野さんが犯人であるとの一方的な予断に基づいて、その家系図までさかのぼって報道しているわけでございます。河野さんは、その後、この報道については、無数の報道の中でこの報道が一番許せない、こんなふうに語っておられました。

 その第二の事例は、我が党の女議員に対する、これは全く事実無根の中傷記事でございました。

 平成11年1216日発行の週刊宝石は、大見出しにこう書いてあります。「スクープ! 元交際男が全告白」、もう私は余り読みたくないんですが、「美人国会議員の40万円買春SEX一部始終を暴露する!」こういう大見出しでございました。中見出しに、「元女優の美人国会議員が年若い男と肉体関係を持った。それだけなら独身の彼女だけに、問題はない。だが、その関係の実態はオトコの肉体をカネで買うという買春行為だった」、こう記載した上で、この国会議員の顔写真を大きく載せた報道でございました。

 この件は裁判になりまして、先ほど申しましたように、光文社は、大見出しで「スクープ! 元交際男が全告白」という、この人を証人に出すことができなかったんですね。したがって、この世の中にこの人が存在したかどうかもわかりません。その後、裁判の結果、光文社側が、本件記事が全く根拠のない虚偽内容であったと認めて、全面的に非を認めて、謝罪文の掲載と慰謝料の支払いをして終わった、こういう事件でございます。

 このような二つの事例、虚偽の事実を掲載した週刊誌が、それこそ日本国じゅうに何十万部も販売されるわけですね。そしてまた、この卑劣きわまりない週刊誌の大見出しが、新聞だとか電車の中づり広告という方法で何百万人という人の目に触れる。そういう味では、本当に強大なマスメディアの洪水が、ある日突然、抵抗するすべを知らない市民に襲いかかってくる、津波のように、洪水のように襲いかかってくる、こんなじがします。私は、この二人の中を考えると、本当につらかったろうなと胸がつぶれるいでございます。

 河野さんは、この誉回復に一年間かかりました。この間、私は御本人にお会いしていろいろ聞いたんですが、この週刊誌の記事を一方的に信じた一般の市民から、石を投げられて窓ガラスを割られたり、あるいは電話をかけられて罵倒されたり、また、はがきが来るんですね。どんどん来るんです。こんな内容が書いてあります。数多くの殺人を起こし弁解無用である、死をもって償え、こんな内容とか、殺してやりたいぐらいだ、早く日本国じゅうに自分がやったと言え、こんなはがきがどんどん来るわけですね。

 また、我が党の女議員も、その身の潔白を裁判で証明するのに8カ要しております。その女議員は、その間のしみを次のように語っておられます。裁判中、私の潔白を信じて私を支持してくださっている方々に対して、まだあんな議員を応援しているのかなどというない悪口を言う人がいたことが何よりもつらかった、また、私自身も、ある盆踊り大会で酔った男デマ記事に基づく暴言を浴びせられた、報道被害の恐ろしさです、これは経験した者でなければわかりません、こう述懐されております。最後に、議員は、今回の経験を生かして理不尽なペンの暴力から人権を守るために全力で取り組んでいくという決を述べて、結んでおられました。


公明党 漆原良夫第154回国会 予算委員会

『知的好奇心』波多野誼余夫、稲垣佳世子


 読むのは二度目。初めて読んだのは27歳の時。この年にアルビン・トフラーの『パワーシフト 21世紀へと変容する知識と富と暴力』が刊行された(1990年10扶桑社刊)。そして、先生がハーバード大学で「ソフトパワーと哲学」と題した講演をされたのが1991年926日のこと。私は本書を読んでいたこともあって、「ソフトパワー」という概がスッと頭に入った。部長時代に「“遊び”考」というセミナーを開催したが、これまた本書からヒントを得て考え出したものだった。初版が1973年ということもあって若干、差別用語が残っている。


 われわれは、食べ物が与えられないと、食物への飢えが生ずる。そして食べられる物でありさえすれば、なんでもよいから食べたいとう。それとまったく同じことが、環境中の情報に対してもおこるのではないか。単調な環境は「情報への飢え」を生じさせる。覚遮断実験の被験者たちは、まさに「情報に飢えて」しまったのだ。だからこそ、通常は見むきもしない情報にも接しようとするのだろう。くだらない情報でもないよりはましだ。幻覚だって、一種の「内的」な情報のあらわれと解釈できよう。人間においては、「情報への飢え」は、まさに食物へのそれに匹敵するといえそうだ。人間は退屈を嫌い、知的好奇をみたすべく常に情報を求めている存在なのである。


 これらの子どもたちの発達の様相は劇的にちがっていた。あとのほうの施設、つまり、設備はまずしいが人手の豊富な施設の子どものほうは、その後すべて健全な発達を示した。死亡率も普通の家庭児と同様の低いものだった。ところが、前者の施設はこれとまったくちがっていた。医学的な保護はゆきとどいていたにもかかわらず、2年間に、91人中34人が死亡した。発達検査をしてみると、重症の白痴と同程度であった。ことばの遅れも著しく、2歳から4歳ぐらいまでの間で、50パーセントがやっと2語だけしゃべり、30パーセントはまったく話すこともできなかった。無関、無動、といった情緒障害もひどかった。歩行など身体的な発達に関しても、さきのテヘランの孤児院の場合と同様の著しい遅れがみられた。


 そのサルたちにとっては、パズル解きは電気ショックなどによって強制されたものではなかった。さらに、その熱中ぶりからみて、サルがパズル解きを楽しんでいることもあきらかだろう。これらの諸特徴――「自己目的」、「自発」、「楽しみ」――から考えて、これは「遊び」の一種といってよい。


 人間は、直立し、二本足で歩行するという基本的な特徴を持っている。これは、樹上生活にくらべ、ずいぶんと危険の多い生活様式である。とくに力が強いわけでもない人間の祖先がこうした生活様式を採用しえたのは、やはり社会的協同のたまものであろう。つまり、人間の赤ちゃんが無力なのは、母親ばかりでなく、複数のおとなの保護を前提にしているのだ、と考えてよいようにわれる。


 子どもに自由を与えること、これは子どもを放任することではない。子どもが真に「自由」を楽しめる状態に環境を「整備しておく」ことが指導する側の責任である。


 ブルーナーが、彼の有な著書である『教育の過程』のなかで「内発的動機づけ」という語をはじめて使ってから約15年になる。


 個々の学習者のイニシャティブと選択を、教材や教師との関係で尊重するとともに、もう一つ大切なことがある。それは、学習者同士で、互いにイニシャティブを持った活発な相互交渉をもっと行うよう奨励する、ということである。


 彼らにとっては、勉強は遊びと敵対するものである。もし勉強しなくてよいとなったら、教科書や参考書のたぐいをすっかり燃やしてしまいたい、とっている子どもだって多いだろう。勉強していくなかで自分を高めていくどころか、勉強の時間こそ、自分が自分でなくなるときなのである。


 もちろん、全体の死活にかかわる問題なら話は別だ。エスキモーは、のこりの食物が乏しくなってくると、それをいちばん元気のよい、力の強い若者に全部与えるという。そして、新しい獲物をとりにいかせるのである。ほかの人間は飢えをじっと我慢する。子どもや年寄りのなかには、死ぬ者さえあるかもしれない。それでも、平等にわけて共倒れになるよりは、エネルギーを集中して可能を追求したほうがよい。


知的好奇心 (中公新書 (318))

“日本人” 宗教「信じない」7割、「魂は生まれ変わる」3割、「先祖を敬う気持ち持つ」9割…読売調査


 読売新聞社が17、18日に実施した年間連続調査「日本人」で、何かの宗教を信じている人は26%にとどまり、信じていない人が72%に上ることがわかった。

 ただ、宗派などを特定しない幅広い識としての宗教について聞いたところ、「日本人は宗教が薄い」とう人が45%、薄いとはわない人が49%と見方が大きく割れた。

 また、先祖を敬う気持ちを持っている人は94%に達し、「自然の中に人間の力を超えた何かをじることがある」という人も56%と多数を占めた。

 多くの日本人は、特定の宗派からは距離を置くものの、人知を超えた何ものかに対する敬虔(けいけん)さを大切に考える傾向が強いようだ。

 調査は「宗教観」をテーマに面接方式で実施した。

 死んだ人の魂については、「生まれ変わる」が30%で最も多く、「別の世界に行く」24%、「消滅する」18%――がこれに続いた。


読売新聞 2008-05-29

 本調査の分析は、本日付け読売新聞・刊(2008年530日/東京12版/25面)に全面を使って載っています。


 読売は同種の世論調査を、1979年7以降計10回行っているようですね。


 本調査によると、宗教を「信じている」人の数は年齢が高くなるほど増え、最高は70歳以上の52%となるが、全体の傾向としては79年の調査開始以降一貫して減少傾向にあるということのようです。


 特に高齢層の「信じている」人の後退が目立ち、60歳代で54%(79年)→33%(08年)、70歳代で69%→41%と大きく落ち込んだとのこと。


 もっとも、先祖を敬う気持ちは全体で94%が「持っている」し、「自然の中に人間の力を超えた何かをじることがあるか」との質問に対しても56%が「ある」と答え(笑)、しかも全ての世代で5割を超えています。


 死んだ人の魂に至っては、「生まれ変わる(30%)」+「別の世界に行く(24%)」で、54%の人が死後“何か”が残ると答えているんですよね(笑)。


 要は、特定の宗教とは距離を置くものの、信仰そのものが失われたとまではいえない、ということでしょうか。支持政党で無党派層が増え続けているのと何か通底するものをじます。 


 おもしろいのは、「スピリチュアル」なものに「ひかれる」人が、女は27%と男(13%)の倍もいるということです。しかも年代別では30歳代が最も多く(32%)、70歳以上(14%)の倍以上に上っています。テレビ番組の影響もあるのでしょうが、新傾向ということも言えるかもしれません。


 ちなみに……、「今の宗教団体についてじること」は、「どういう活動をしているのかわからない」が最も多く47%(笑)。「強引な布教をする(43%)」、「高額のお布施や寄付を集めている(36%)」より多いようです。


プリン

2008-05-30

お年寄り殿御返事


 お年寄り全員にお伝え願いたい。これは徹底事項である。


 年をとると喉の渇きをじにくくなる。そこで、入浴前と就寝前に必ずコップ一杯の水を飲むよう掛けてもらいたい。発汗作用で血液がドロドロになってしまうためだ。これだけで脳卒中を防げる場合がある。(お茶は利尿作用があるため効果がない)


 厚生労働省が発表している人口動態統計の「家庭内における主な不慮の事故の種類別にみた年齢別死亡数・構成割合」には以下の数字があり、65歳以上の方が60%以上を占めている。

  • 浴槽内での溺死及び溺水 3316人
  • 浴槽への転落による溺死及び溺水 54人

 横浜市衛生研究所のページも参考になる。

独居老人の苦労


 テストパターンとして書いておこう。数日前に、独り暮らしのオバアサンから、かみさんに電話があった。「洗濯機のホースを取り付けて欲しいので、旦那に来てもらいたい」と。高齢者用の部屋が空き、隣の公団に引っ越したばかりだった。


 早速、行ったところ、どうやってもホースが蛇口に入らない。私は金具がないことに気づいた。で、今度は公団の事務所へ行き、前の部屋のカギを借りて見に行った。既に内装工事が始まっていて、きれいさっぱり片付いていた。蛇口まで外れてたよ(笑)。


 事務所に戻ると、たまたま引っ越しを請け負った者の人物がいた。「金具を外すのを忘れたんじゃねえの?」と訊ねると、「そんなはずはない」と答えた。私は少しを荒げて「ねえわけねーだろうよ。あん? ホースの先がネジ山になっているのに、どうやって蛇口に取り付けてあったんだよ?」と畳み込んだ。50代とおぼしき職人は「そう言われりゃ、そうですね」と身体を小さくした。


 で、昨日ホームセンターへ行って質問したところ、店員もわからないと言う。ネットで調べたところ蛇口側が「緊急止水弁付ニップル」という形状であることは判っていた。結局、ホースを交換するしかなさそうだったので、今日、オバアンサンの家へ行って寸法を測り、やっと購入。ホースの蛇口側の金具を取り外して、上手く納まった。アース線と排水ホースをセットし、記すべき第一回洗濯大会の挙行となった。


 ここで恐ろしい事実が判明した。洗濯機を置く場所は20cmほど高くなっているのだが、このためオバアサンの手が蛇口に届かない。88歳で猫背。更に洗濯機のスイッチには何とか届くものの、洗濯物を取り込むことができない。大いなる誤算だった。


 台を用しようとい、先輩に相談したところ、「親切なのはいいが、その台が原因で事故が起きたら大変だから、ヘルパーさんに相談した方がいい」と言われた。オバアサンの家に来るヘルパーさんの事所に電話で相談。ケアマネージャーが見てくれることになった。


 後日、UR都市機構の事務所に情を申し立てる予定である。

Britain's Got Talent(ブリテンズ・ゴット・タレント)


 直訳すると「イギリスにある才能」というテレビ番組。手っ取り早く言うと「素人のど自慢イギリス版」。SNSでConnie Talbot(コニー・タルボット)の動画が紹介されていた。実は以前見たことがあったが、如何せん歌を聴くまでに至っていなかった。コニーちゃんは当時6歳。「竜女もかくや」とわせるほど動した。優勝者はエリザベス女王の前で歌う権利が与えられるこの番組で、コニーちゃんは決勝にまで進出し、後にCDデビューも飾っている。この時、優勝したのはPaul Potts(ポール・ポッツ)という冴えない携帯セールスマンだった。いずれも「歌の力」を見事に引き出す映像だ。辛口審査員の表情が変わり、聴衆が狂気する瞬間を見事に切り取っている。どちらの歌も聴いているだけで、わけもなく涙が出てくる。尚、ポール・ポッツのCDは全英チャートで1位を獲得。世界40ヶ国で150万枚のセールスを記録した。


コニー・タルボット

Over the Rainbow


ポール・ポッツ

ワン・チャンス

 これが女王様の前でやったものか?

『自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の「罪と罰」』佐藤幹夫


 男は、任同行から3時間で「上申書」や員面調書を取られている。しかし弁護人が接見を始めたとき、ひと以上は「会話」にならなかったという。話す内容の不可解さ、言葉の拙さ、うつむいたままかたくなに黙り込むその態度。なぜ警察がたった3時間であの上申書を取ることができたのか、どう考えてもこれは信じられるものではない、と弁護人はくり返した。


 以前、知人の、北海道の某テレビの若い報道記者が取材で(被害者の)父親に会い、(犯人とされる)男の妹のそれまでの状況を話していたときに、そのあまりの惨状に父親が涙を流した、という話を聞いていた。「家族の困窮があったかもしれない。しかし私は一顧だにしない」。そう述べていたその人が加害者の家族に涙を流す、これもまたもうひとつのまぎれもない父親の姿だった


「自閉の障害」への理解なしには、この事件に迫ることはできないと考える。自閉の障害をもつから凶悪な犯行となった、と言いたいのではない。この事件の犯行の外形や動機といったものを考えるとき、障害の特徴への理解が欠かせないと言いたいのである(このことは何度でも強調しておきたいとう)。


(被害者の叔父の)連絡先を伺ってから数日して後、私は電話の前で立ち往生していた。

「なんの目的で、私らに会いたいのか。なにを聞きたいのか。私らになにか聞いて、それをあなたが書いて、世の中が少しはよくなるのか。よくなったためしはあるのか。人の行くところ行くところ付け回して、不幸をさぐって、それを面白おかしく書いて。それがマスコミの仕事かもしれないが、人をさんざん不快ないにさせ、しかも書くことは嘘。こっちがどれほど不愉快きわまりないいをしているか、少しは考えたことがあるのか。世の中をどんどん腐らせているのは、あなたらマスコミではないか」

 15分、いや20分以上もそうやって問われていただろうか。私は返す言葉もなく、黙って受話器をに当てていた。


「これまで、あちこちから取材の申し込みがあった。でも、一度も応じたことはない。すべて断ってきた。今回のあなたの取材がはじめてだ。記事を読んでも気分が悪くなるだけだし、どうせ野次馬。他人の不幸を騒いで面白がっているだけ。他人の不幸ほど面白いものはない。とくに週刊誌はひどい。姉夫婦の生活まで踏み込んで、あれこれと、あることないことを書いていた週刊誌もあった。近所の誰に聞いたかは知らないけど、噂程度の話を、さもほんとうであるかのように書く。我々から見れば、すぐに嘘かほんとうか分かる。そんな目に散々遭わされて、取材させてほしい、はい分かりました、なんでもどうぞ聞いてください。そんな人のよすぎる話はないだろ」

 まったくその通りだった。

自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」

2008-05-29

「魚は頭から腐る」


 今日付の「新・人間革命」にあった言葉。いつまで、先生にこんな言葉を書かせるつもりなのか?


 大切なのは、“あそこまで自分を犠牲にして尽くすのがリーダーなのか”と、皆が驚くような率先垂範の行動だ。


 そんな幹部は見たことないよ。私の地域だと、「あそこまで会員を犠牲にできるリーダー」は山ほどいるけどね(笑)。

紙上座談会「本部幹部会のインターネット中継」


 どう考えたって遅過ぎるだろう。ただし、光回線自体が離島・山間部に敷かれてなかった可能もある。それにしても、この地域格差は酷い。例えば、ビデオテープを送るなど、方法はいくらでもあるはずだ。結局、こうした事実が物語っているのは、「見が通らない」のか、「見すらない」かのどちらかだろう。個人的には、配達が大変な地域に関しても、ネット配信やファックス配信にすべきだとう。


田村●最近のインターネット技術の進歩は、まさに日進歩だからね。


 組織で「ネットはダメ」なんて情報を流しておきながら、聖教新聞には平然とこのような科白(せりふ)を掲載する。恥を知るべきだ。

『世界反米ジョーク集』早坂隆


 1998年にはローマで国際刑事裁判所(ICC)の設立が賛成120カ国、反対7カ国で採択されたが、これに反対票を投じたのがアルジェリア、リビア、カタール、イエメン、中国、イスラエル、そしてアメリカである。国際刑事裁判所とは集団虐殺等の非人道的な行為を犯した個人を裁くことを目的とする常設の国際機関だが、これに対しアメリカは「アメリカが支持できるのは国連の安全保障理事会が要請した案件のみを扱う裁判所だ」として反対した。安全保障理事会の決議ならアメリカは拒否権を有しているからである。「アメリカ政府が認めない限り、アメリカ人を裁くことは許さない」というこの態度は、世界中の人権擁護団体を激怒させた。さらに、ウィリアム・コーエン国防長官(当時)は、国際刑事裁判所の裁判権を制限したアメリカ案を支持するように、他国へ圧力をかけた。「アメリカ案に賛成しなければ、米軍はあなたの国の領土を守らない」と脅したのである。


 アメリカの単独行動主義的な外交路線を支えているのが、世界で突出した比類なき軍事力である。3991億ドル(2004年度)という軍事予算は全世界の4割以上を占め、第2位のロシアの6倍以上にものぼる。これはアメリカが指しで「ならず者国家」と呼んだイラクや北鮮といった7カ国の合計の実に26倍以上という数字だ。

 総兵力という面でも140万の正規軍、250万の予備役と州兵(アメリカでは各州が軍隊を持っている)という数字は他国を圧倒している。第二次世界大戦勃発時点のアメリカでも兵力は17万人に過ぎない。現在、アメリカは何らかの形で実に全世界の130カ国、750カ所に自国の軍隊を駐留させている。これらの軍事的展開は冷戦時代であれば「共産主義国家であるソ連全体主義から民主主義国家を守るため」という大義が通用したが、冷戦が終結して以来、その味は大きく揺らいでいる。


 2003年に勃発したイラク戦争キーワードの一つが大量破壊兵器WMD、Weapons of Mass Destruction)だったが、そもそもイラクに大規模な軍事援助を行ってきたのが誰あろうアメリカだ。1979年にイランではホメイニ師が親米的なシャー体制を打倒するイスラム革命が勃発したが、その後のイランに対峙する役目をイラクに担わせるため、アメリカはイラクを軍事的、経済的に支援した。輸出した品目の中には、炭疽菌やボツリヌス菌のような生物兵器や化学兵器の素材と成り得るものまで含まれていた。「非軍事品」という目で、商務省が輸出許可を出していたのである。また、アフガニスタンのタリバン政権が保有していた武器も同様で、これはかつて対ソ用にアメリカが援助したものだった。


 国際的な人道保護団体であるアムネスティ・インターナショナルはこんな報告書を発表している。「世界中で、毎日毎日、政府や武装政治集団の手により、男や女子どもが、家を追われ、拷問を受け、殺害され、失踪している。多くの場合、アメリカはその責任の一端を担っている」。この報告が発表されたおが1996年。アフガニスタン空爆イラク戦争を経た現在、その傾向がさらに強くなっているという印象を持つ人は少なくないだろう。


 アメリカはその人口は世界の5%未満だが、全世界の石油の約25%を使用するという「石油消費大国」だ。消費が生活を遥かに上回っている。アメリカにとってエネルギー政策とは、国の根幹を揺るがす大きな課題となっている。


 混乱の極みにあった占領統治が続く中で、内部告発から明るみとなった米兵によるイラク人捕虜への虐待事件は、戦後処理における局面を最悪の事態へと推移させた。アブグレイブ(Avu Ghraib)収容所を始めとするイラク各地の収容所で日常的に行われていたとされる捕虜虐待は全世界に衝撃を与え、特にイスラム世界では激しい対米憎悪を生む契機となった。(中略)

 これらの収容所で勾留されていたのは大半が民間人である。その多くが掃討作戦中に正当な理由もなく拘禁された人たちだった。その中には女や子どもも多数含まれていた。

 イスラム教徒にとって他人に裸を見せることは最大の恥辱であるが、こうした虐待が連日行なわれたという。軍用犬に皮膚や肉を食いちぎられ、溜めてあった他人の尿の中に顔を突っ込まれる、肛門に蛍光スティックやほうきを挿入される。男同士での行為を強要される、電極を付けられて台の上に立たされ「台から落ちたら電死する」と脅される。兵士たちは自らが演出した残虐行為の前でにこやかな笑顔を浮かべて写真を撮り、それを仲間や家族に送っていた。目を背けたくなるようなシーンと共に写る兵士たちの笑顔に、世界は唖然とした。

『ロサンゼルス・タイムス』によれば憲兵による「虐待コンテスト」が行われ、どれだけ多くの拘束者を泣かせることができたかが競われていたという。軍用犬を使っての拷問は、ラムズフェルド国防長官の認可の下で行われていたとされている。


 ジョークの世界では、20世紀後半の主役はソ連だった。スターリンやフルシチョフは絶好の笑いの標的となり、ヨーロッパを中として世界各国で楽しまれた。それが21世紀を迎えた今、主役はアメリカへと移行した。反米ジョークによってアメリカは世界中の人々に笑われている。


 先住民族虐殺と共にアメリカにとっての歴史的弱点となっているのが黒人問題である。1776年にアメリカは建国されたが、以降、奴隷制は「南部の経済発展のために不可欠」として維持され続けた。平等を謳った独立宣言の起草者であるトーマス・ジェファーソンが、実はヴァージニアの奴隷保有者だったという事実は象徴的である。


 今でも使われる「リンチ」という言葉は、アメリカ南部で生まれた。これは独立革命期に公衆の場での熾烈な懲行為を推し進めたチャールズ・リンチの前に由来する言葉であり、犠牲者の大半は黒人であった。1892年には1年間だけで162人の黒人がリンチによって命を奪われた。およそ二日に一人が殺されたということになる。


世界反米ジョーク集 (中公新書ラクレ)

2008-05-28

環境問題のウソと正解


 一般論だが、「単純な二分法」、言い換えれば、一見切れ味が良く見えるが知的検討が不十分な方法論で書かれた本が売れることが、このところ多いようだ。これは、実に憂うべき状況である。善悪二元論しか理解できない市民層が増えている証拠だからである。

「サンスクリット原典と漢訳」谷沢永一


 漢字は表文字であるから、その有効な使い方は、必要な味を表す記号を選び、それを一定の規則に従って組み合わせる措置である、と岡田英弘(『倭国の時代』)が注を促している。それゆえ私どもが知る法華経鳩摩羅什(くまらじゅう)による漢訳であり、原典を漢語の独特な組み立てに置き換えた所産である。

 日本語で「美しい花子の娘」と言ったとき、美しいのは花子か娘か限定されない。しかしサンスクリット語では詞・形容詞が八つの格変化をする。「美しい」という形容詞が俗格であれば美しいのは花子であり、主格であれば娘の方を指して美しいと定まる。そこで、このように厳密であり、・数・格の一致によって、修飾・被修飾の関係が明確なサンスクリット語の関係が明確なサンスクリット語の原典に即し、根本から新しく訳し直した成果が『梵漢和対照 現代語訳法華経』上下(岩波書店)として植木雅俊により示された。

 造物主ブラフマン梵天)によって造られた言葉(梵語)とされるサンスクリット語は一種の雅語であり、サンスクリット文学では、掛詞(かけことば)などの修辞法(レトリック)が多用されているので、もちろん法華経もその類いに属する。これまでの原語訳では、掛詞まで訳された例はなく、すべては出直しを必要とするものであるらしい。

 ただし、我が国における平安文藝の理解に必須である法華経の本文は、すべて鳩摩羅什による漢訳に基づく妙法蓮華経なのであるから、本書が構成の原則として用した如く、漢訳本文もまた絶対に必要とする。漢訳を対照として掲げた用周到さに謝せねばならない。

 植木雅俊の見るところ、原始典を通じて窺い知る教の目指した教義は、1.一貫して平等主義を貫いた、2.徹底して迷信・占い・呪術・ドグマを否定した、3.真の自己に目覚めることを最重要視した、以上を基本とする。後世に流伝し、我が国に入ってきた変転教との甚だしい差異を覚知させられる。


関西大学誉教授/『Voice』平成20年6号】

法華経 上―梵漢和対照・現代語訳 (1) 法華経 下―梵漢和対照・現代語訳 (3)

2008-05-27

『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』佐藤優


 この外務省の目論見が、吉とでるか凶とでるかについて云々するのは時期尚早だ。拉致問題で日本ナショナリズムという「パンドラの箱」が開いたのではないか。ナショナリズムの世界では、より過激な見解がより正しいことになる。日本ナショナリズムが刺激されれば、日露平和条約(北方領土)交渉も一層困になる。ナショナリズムは経済が停滞した状況では昂揚しやすい。日首脳会談の成果が日露関係にもつながることを、何人の外交専門家が気づいているであろうか。


 情報の世界で、ヒュミント(人間からとる情報)の原則は二つである。第一は、情報源がこちら側が関をもつ情報を知ることができる立場にいるということだ。そして第二に、情報源が自分の得た情報を私に正確に教えてくれるということだ。この場合、ゴルバチョフ氏は外部との連絡を遮断されている。従って、ゴルバチョフ氏の安否について正確な情報をもっているのはクーデターを行っている側だけだ。ゴルバチョフ派、急進民主改革派の情報は憶測か、自己の政治的利害を反映した明なので、情報としては価値がない。


 ここで強調しておきたいのは、外交の世界において、論理構成は、その結論と同じくらい重要をもつということだ。


 政治家官僚では、文化も行動の基礎となる「ゲームのルール」も大きく異なる。私が理解するところでは、鈴木宗男氏と外務省の軋轢のほとんどは、文化摩擦、もしくは「ゲームのルール」の相違から生ずるもので、その点をお互いが理解すれば、問題はいつも解決した。霞が関(官界)と永田町(政界)は、隣町だが、その距離は実はいちばん遠い。なぜなら地球を反対側に一周しなくては行き着けないからである。


 情報、調査・分析の世界に長期従事すると独特の歪みがでてくる。これが一種の文化になり、この分野のプロであるということは、表面上の職外交官であろうが、ジャーナリストであろうが、学者であろうが、プロの間では臭いでわかる。そして国際情報の世界では認知された者たちでフリーメーソンのような世界が形成されている。

 この世界には、利害が対立する者たちの間にも不議な助け合いの習慣が存在する。問題は情報屋が自分の歪みに気付いているかどうかである。私自身も自分の姿が完全には見えていない。しかし、自分の職的歪みには気付いているので、それが自分の眼を曇らせないようにする訓練をしてきた。具体的には常に複眼考をすることである。


 第二は、ポピュリズム現象によるナショナリズムの昂揚だ。

 田中(眞紀子)女史が国民の潜在識に働きかけ、国民の大多数が「何かに対して怒っている状態」が続くようになった。怒りの対象は100パーセント悪く、それを攻撃する世論は100パーセント正しいという二重図式が確立した。ある時は怒りの対象が鈴木宗男氏であり、ある時は「軟弱な」対露外交、対北鮮外交である。


 取り調べの段階で、西村氏の目が挑戦的に光った。

「あなたは頭のいい人だ。必要なことだけを述べている。嘘はつかないというやり方だ。今の段階はそれでもいいでしょう。しかし、こっちは組織なんだよ。あなたは組織相手に勝てるとっているんじゃないだろうか」

「勝てるとなんかってないよ。どうせ結論は決まっているんだ」

「そこまでわかってるんじゃないか、君は。だってこれは『国策捜査』なんだから」

 西村検事は「国策捜査」ということばを使った。これは外だった。この検事が本格的に私との試合を始めたということをじた。逮捕3日目、516日のことだ。


「そうじゃないよ。冤罪なんか作らない。だいたい国策捜査の対象になる人は、その道の第一人者なんだ。ちょっとした運命の歯車が違ったんで塀の中に落ちただけで、歯車がきちんと噛み合っていれば、社会的成功者として称賛されていたんだ。そういう人たちは、世間一般の基準からするとどこかで無理をしている。だから揺さぶれば必ず何か出てくる。そこに引っかけていくのが僕たちの仕事なんだ。だから捕まえれば、必ず事件を仕上げる自信はある」

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫 さ 62-1)

根拠ないのに「波動水で病治る」、福岡の健康器具業者に業務停止命令


 根拠のない治療効果をうたって電子機器を販売したとして、経済産省と九州経済産局は27日、福岡市博多区の健康器具販売会社「バイオシーパルス」(阪本正寿社長)に対し、特定商取引法(不実の告知の禁止)に基づき、28日から6か務停止とする命令を出した。

 同社は「波動エネルギーを水に伝達する」とうたった商品を1台約30万〜10万円で販売しているが、阪本社長は読売新聞の取材に対し、「波動が水に伝わる科学的な根拠はない」と認めている。

 九州経産局などによると、同社は「パワーウェーブ」と称する商品を顧客に販売する際、科学的根拠がないにもかかわらず「アトピー、糖尿病は時間はかかるけれども波動水を飲み続けると改善される」などと虚偽の説明を行っていた。

 阪本社長は「一部の販売員が誤った説明をしてしまったことがあるが、その都度厳重に注している」と読売新聞の取材に話したが、九州経産局は「虚偽の説明は複数回行われており、同社は販売員に対し積極的に是正を指導していなかった」とみている。

 九州経産局は、全国の消費者センターに同社の製品や販売方法に関する情が多く寄せられていたことから、同社に対し今年1、立ち入り調査を実施。虚偽説明のほか、商品の能や契約解除の条件を示した「概要書面」を購入者に交付していないといった特商法違反の事例を複数確認したという。

 同社は福岡市を拠点に全国で連鎖販売取引を展開し、年間に約40億〜30億円を売り上げている。購入者が「会員」として代理店契約を結び商品を販売。会員は約1万3000人という。


読売新聞 2008-05-27

「イスラエルは150発の核兵器保有」=カーター元米大統領


「イスラエルは150発ないしはそれ以上の核兵器を保有している」。カーター元米大統領が記者会見で発言したもので、公然の秘密とされるイスラエルの核について、ここまで踏み込んだ発言を行ったのは米大統領経験者で初めてだ。

 カーター氏は、イランが核兵器を獲得する事態を定した質問に対し、「米国は1万2000発以上の核兵器を、旧ソ連も同等の数を、英国やフランスは数百発、イスラエルは150発ないしはそれ以上を保有している」と発言した。さらに、「われわれは大量の兵器を保有しているだけではなく、これらを非常に正確に運搬するロケットも持っている」と述べた。

 イスラエルは、中東唯一の核兵器保有国とみられているが、同国は核兵器の保有を肯定も否定もしない「あいまいな政策」を堅持している。

 また、カーター氏は会見で、イスラエルによるガザ地区封鎖は、地球上に存在する最悪の人道的犯罪との認識を示した。


時事通信 2008-05-27】


 これで米国が起こしたイラク戦争に大義がないことが明らかとなった。イスラエルを攻撃すれば別だがね。米国内で暗躍するイスラエル・ロビーが元凶だ。6ヶ国協議もどうなることやら。

2008-05-26

医者が受け取る「姥捨て報酬」


 保険料の負担増、年金からの強制天引き、人間ドックの補助廃止……。フタを開ければ、老人イジメのフルコースだった「後期高齢医療制度」。

 だが、これまで報じられているのはほんの一部だ。姥捨山の恐怖はまだあった――。


「病院追い出し」1000円「在宅療養指導」2万3000円


 医者が75歳以上の患者と治療方針について話し合い、「延命治療はいりません」などの“書”を残せば、国から報酬2000円を受け取れる――。後期高齢者医療制度で導入され、「これぞ姥捨山の象徴だ」と悪評高い終末期相談支援。

 さすがにヤバイとったのか、舛添厚労相は22日、「一時凍結とかを含めて考えたい」と言い出した。しかし、こんな目くらましにだまされてはダメだ。

 福田政権は終末期相談のほかにも、アノ手コノ手の医者への報酬で、徹底的に病院から年寄りを“排除”しようとしている。

「今年度の診療報酬改定で、医者に“姥捨て”を奨励する報酬がいくつも盛り込まれました。退院がしい後期高齢者に退院支援計画を作り、退院させた医者には『後期高齢者退院調整加算』として報酬1000円。また、末期がん患者などが安して在宅療養できるよう、在宅医師らと共同で指導した場合は『退院時共同指導料』として最大2万3000円が入る。『支援』『指導』と聞こえのいい言葉を使っているが、要するに病院からの追い出し報酬です。終末期相談だけを凍結したところで、焼け石に水です」(医療関係者)

 政府の魂胆は、言うまでもなく、医療費の大幅削減だ。

 厚労省は療養病床を35万床から15万床に減らす計画を進めている。高齢者にやるベッドはない、というわけだ。

「仮に終末期相談が凍結されるとしても、医者が相談料2000円を国に請求できなくなるのは、早くて7から。それまでにどれだけの混乱があるか分かりません。なにしろ、厚労省は終末期相談について最終的なニーズの予測や、今まで何人の高齢者が終末期相談の“犠牲”になったかも、まったく調査していない。老人の命を軽んじています」(医療ジャーナリスト

 こんな政権は前代未聞だ。


【日刊ゲンダイ 2008-05-26】

11万人が路頭に迷う、介護療養施設の全廃


 後期高齢医療制度の陰で、別の“姥捨て策”も進行している。「介護療養型医療施設」の3年後の廃止だ。これが高齢者を“医療民”にさせる天下の暴政なのだ。

 問題の医療施設は、介護と医療の両方が必要な高齢者が入所する老人病院で、全国に12万床ある。これを11年度末に全廃し、老人保健施設などに衣替えさせる。

 狙いはやはり医療費の抑制だ。

「介護療養型医療施設の存続を求める会」の吉岡充医師(上川病院理事長)が言う。

「厚労省は、介護療養型医療施設の入所者には医療行為が不必要と決め付けています。が、多くの入所者は要医療で、重介護のお年寄り。せっかく高齢者の生活、終末期医療を重視した介護療養型医療施設ができたのに、なぜそれを廃止するのか。老人保健施設などでは医療機器、体制も不十分。施設廃止になれば、入所している11万人のお年寄りが行き場を失います。在宅になれば、誰が面倒を見るのか。介護をにした中などの社会問題が噴出するのは間違いありません」

 厚労省は、そんな最悪の事態になることなど百も承知だ。

 それでいて老人保健課の鈴木康裕課長は、昨年10のあるフォーラムで、自宅でも病院でもみとられるのがしい「死に場所がない人」について、「2030年時点で47万人になる」と平気な顔で言っていた。いったい、どういう神経をしているのか。

 高齢者になるとマトモな医療は受けられず、介護が必要になっても行き場がない。この国は一体誰のためにあるのか。


【日刊ゲンダイ 2008-05-26】

日高晤郎ショー


 北海道で人気のラジオ番組(土曜 8:00〜17:00)。ポッドキャストがあるたあ、知らなかったよ。偶然見つけたんだが、高橋でんについての語りで、斬首される際に不軽菩薩の略法華経を唱える件(くだり)があってビックリ(引用は間違っているが)。尚、宗門問題の際に学会を批判したことから、以前ほどの人気はなくなっている。それでも、これだけの語りができる人物はそういない。大阪出身でありながら、語り口は完璧な江戸弁。

2008-05-25

許すな! 優遇続ける役人の「共済組合」


“平成の姥捨山”と悪高い後期高齢者医療制度は、そもそも、財政破綻し始めている「国民健康保険」の救済策としてひねり出されたものだ。当初は国保の赤字を補うために公務員の「共済組合」やサラリーマンの「健康保険組合」などと一元化してやりくりするはずだったが、官僚たちが猛烈に反対して頓挫。結局、老人イジメ制度が導入されてしまった。

 官僚たちが一元化に強硬に反対したのは、案の定、共済がムチャクチャ優遇されているからだった。

「まず、保険料が割安なのです。例えば、05年度の国保は1世帯当たりの平均所得168万7000円に対し、平均保険料調定額は14万2803円。つまり負担率8.4%になる。一方の共済は省庁によって5%弱から8%と幅はありますが、平均は6%ほどと低いのです」(厚労省関係者)

 2.4%の差はバカにならない。年収800万円で考えると、19万2000円も違う。しかも、労使折半だから半分は税金で賄われている。

 その上、同じ病院で1カ間の窓口負担がかさんだ場合の払い戻しも充実している。ほかにも出産育児一時金(35万円)が上積みされるなど、とにかく手厚いのだ。

 前鳥取県知事の片山善博氏はこう言う。

「共済は運営が順調なので、ヨソの赤字補填なんて真っ平ということです。それに、役人たちは一元化によって天下り先が減るのを何としても避けようとしているのです。各保険には彼らのためのポストがたっぷりある。健康保険組合連合会は厚労省、国家公務員共済組合連合会が財務省、地方公務員共済組合連合会は総務省、教職員組合が文科省といった具合です」

 自分たちは手厚いサービスを維持し、高齢者を泣かせているのだからヒドイ話だ。


【日刊ゲンダイ 2008-05-25】

「お前のIDは何だ?」


 と、閻大王に訊ねられたら何と答えるだろう。まず、前だな。それから、生年日、出身地、住んでた場所、出身校、職、役職などがいつく。しかし、そんなものは私の一部であって、何の説明にもなっていない。「池田門下生だ!」と威張ってみたところで、門下生にも色々ある。では、私を私たらしめているものは、一体何なのか? それは多分、「行為」なのだろう。「この世界に対してどういう反応をしたか」という味での行為だ。登山家のラインホルト・メスナーが「私たちは人生を送り、やがてその人生は消え失せますが、何かが残ります。残るのはルートです」と語った真もそこにあるとう。家族、友人、社会に対して、どう自分から関わってゆくか――。そこにのみ私が存在するのだ。問われているのはメッセージである。強烈なメッセージによって相手を化してゆく。これを折伏というのだ。釈尊大聖人のメッセージは、永遠をはらんでいる。邪(よこしま)なには永続がない。が文化という花を咲かせる時、時代精神へと飛翔する。数百年にわたって歌われる歌や、読み継がれてゆく文学、鑑賞される芸術作品なくして広宣流布はない。絢爛たる第三文明で師匠を荘厳することが求められよう。

マリオ・ジャコメッリ


 先ほどNHK教育の「新日曜美術館」で紹介されていた。辺見庸の解説が秀逸。途中から見たので、いつの日か再放映してもらいたいもんだ。特に、マリオ・ジャコメッリが撮るホスピスの写真が凄かった。もうね、至るところに死の臭いがプンプンしていたよ。

『日本の税金』三木義一


 今後の政治テーマとして税金がピックアップされてくることもあり、読んでみた。著者は立命館大学の教授。文章がわかりやすく、質のよい市民講座を受けているような印象を受けた。税法の複雑と不公平がよく理解できる。ガソリン暫定税率にも触れており、「姑だ」とバッサリ斬り捨てている。「税制改正が法律改正であり、憲法問題である」との指摘に目から鱗が落ちるいがした。


 社会が二極化に進む中で、平均値の味がなくなりつつある。不公平を少なくするには、抜本的な税制改革しかない。所得の再分配という観点から、社会を再構築するほどの気構えが政治家になければ、二極化は加速度を増す。そもそも二極化とは、所得が一部の人に集中することを味している。これを再分配するに当たっては、雇用を創出できる事が望ましいとう。こうした背景があるわけだから、プライマリーバランスの黒字化よりも社会保障を充実させるのが先だろう。


 尚、赤字財政について勘違いしている人が多いが、単純に考えれば国が赤字ということは、民間が黒字という味になる。今、一世帯あたり1650万円ほどの財政赤字となっている。これは、一世帯あたりが国に貸している金額だ。つまり、日本という国家が潰れない限り、デフォルト(債務不履行)することはあり得ない。なぜなら、国家は紙幣を印刷することができるからだ。だから、一家の支出に例えることは適切ではない。アメリカを見れば一目瞭然である。アメリカが貿易赤字ということは世界が貿易黒字ということになる。また、ドルという基軸通貨によってアメリカは覇権を構築しているのだ。ブッシュ大統領から指しで「悪の枢軸」と言われた北鮮、イラク、イランの3ヶ国は、いずれも石油決済をドルからユーロに変えようと目論んでいた。現在、外貨準備高としてのドルを一番保有しているのは中国であり、その後に日本が続いている。この2ヶ国でドルを売りに出せばアメリカは崩壊する。その代わり、中国と日本も崩壊する。日本は立場上、絶対にドルを売ることができない。


 多くの人的控除が用されているが、この中でまず注目しなければならないのは「基礎控除」である。これは、憲法25条で保障されている生存権の反映である。生存権は一般に生活保護等の国の積極的な行為を求める権利として理解されているが、この権利は同時に、一生懸命働いて健康で文化的な最低限の生活が可能な所得を得た場合に、それに課税されない、という権利も保障しているのである。この権利を具体化したのが、所得税法の基礎控除である。すべての納税者に保障されているのである。これが本来の味での課税最低限である。

 しかし、この金額がわずかに38万円(2003年現在)というのはあまりにも低すぎないだろうか。1965年当時はこの基礎控除は13万円で生活扶助額より高額だったが、生活扶助が毎年改正されるのに対して、基礎控除の引き上げは数年に一度しか行われなかった。そのため、ついに1977年から社会給付と逆転しはじめ、今日では生活扶助基準額の50〜60%にすぎなくなっているのである。所得税の改革を考えるのであれば、何よりもまずこの点なのである。ドイツでは憲法裁判所が1992年に課税最低限と生活扶助基準の一致の必要を認め、生活扶助費を大幅に下回っていたドイツ所得税の課税最低限を違憲と判断し、そのためドイツは1996年改正で基礎控除を倍増したことにも留すべきである。


 雑損控除は災害・盗・横領に対象が限定されている。災害にあった場合は当然として、横領の場合は控除されるのに、詐欺にあった場合は控除の対象にならないことが、従来から疑問視されている。詐欺にあったのは本人の責任ということかもしれないが、両者の差は紙一重で、実際には詐欺被害者の方が悲惨である場合が多い。


 累進税率が高すぎると批判する評論家などが、このような誤解をしたままテレビ等で解説をする場面に出くわしたが、その計算方法はいわゆる「単純累進税率」で、世界の所得税が採用している「超過累進税率」ではない。超過累進税率というのは、課税総所得金額が1000万円の場合、最初の330万円の部分は10%なので33万円となり、次の900万円までの570万円の部分(900-330)は20%なので114万円となり、900万円を超え1000万円までの100万円部分に30%を適用し、税額はこれらの合計である177万円とする計算方法である。


 このような税負担をじることを「痛税」とか「税痛」というが、わが国の消費税は市民にもっとも強い「税痛」を自覚させ、子供にも消費税の前を知らしめた。なぜ、そうなったのだろう。消費のたびごとに負担しているからか、それとも消費税が高いからか。

 もし、ビールを買うとき、値段が180円と表示しているので180円渡したら、「180円に酒税140円と消費税16円の合計336円いただきます」といわれたら、あなたもビールの酒税がこんなにも高いのかを自覚し「税の痛み」をじるはずである。


 実に個人者の8割、法人を含めても6割の者が免税者なのである。にもかかわらず、消費者はあらゆる取引に際しておとなしく消費税分として負担してきているのである。


 数年前まで資産家が自分の子供をアメリカに数年住まわせることがしばしばみられた。留学のためではない。租税回避のためであった。(日本の贈与税は受贈者に課税する方式で、アメリカは贈与した者に納税義務があるため)


 1950年代の大蔵省(現・財務省)関係者の解説(例えば、三好寛『酒の税率』醸界タイムス社、1956年、70頁以下)によれば、ビールはその大半が家庭以外の料理店等で消費されており、そうした料理店に出入りできる層は社会的に裕福であることが高税率の根拠とされてきた。(高級酒という位置づけ)

 日本の税制には以上述べてきたような問題がある。今後の税制改正で、こうした問題がどう解決されていくのだろうか。毎年の税制改革に対するマスコミの取り上げ方は、税の財政面や経済面への効果ばかりに着目し、税制改正が法律改正であり、憲法問題であることを全く識していない。そのため、技術的な問題に目を奪われ、税制改革がもたらす私たちの生活への影響が憲法の理からみて望ましいことなのかどうか、ほとんど検討されてこなかった。その背景には、裁判所が租税立法に広範な立法裁量を認めてきたため、不公正な税制が放置されてきたことも影響しているかもしれない。


日本の税金 (岩波新書)

2008-05-24

垣添忠生名誉総長がズバリ「医療費削減は国を滅ぼす」


 後期高齢医療制度の主眼は、毎年増え続ける医療費の抑制だ。とにかく、厚労官僚の頭の中には「医療費亡国論」しかない。医療費増を放置すれば、財政を逼迫させ、やがて、日本経済を滅ぼすという考え方だ。厚労省は2025年には国民医療費は56兆円(現在は33兆円)に達し、老人医療費は25兆円(現在は10.8兆円)になると脅している。国立がんセンター誉総長の垣添忠生氏は「医療費削減こそ国を滅ぼす」と言う。

 日本では長らく、医療費にお金をかけすぎると、経済の足かせになるという考え方が刷り込まれてきました。しかし、「医療費削減が正義である」という発は間違っているばかりか、医療の大崩壊を招き、国を危うくするのです。医療費削減のために、お年寄りの保険を別建てにし、命の差別化のような制度を導入するのもおかしい。医療費削減のために医療の現場に市場主義を導入するのも危険です。病院を株式会社化すれば、資本の論理が優先し、手間はかかるけど儲からない数少ない病気はカバーされなくなる。医療でお金儲けをしようとしてはならないのです。

 すでに、医療現場はあちこちで崩れています。小児科医や産婦人科医だけでなく、外科医が不足している。「数年のうちにゼロになる」という指摘もあったほどです。外科医はきついし、責任を問われるリスクが高い。善に頼ってもなり手がいない。救急医療を支えてきたのは外科医です。その外科医が減れば、救急医療はパンクする。救急車のたらい回しは外科医がいないせいです。

 英国は医療費削減を強力に推し進めた結果、優秀な医者はみんな海外に出て行って、手術待ちが1年以上という異常事態になった。その後、医療費を50%増額させたが、一度崩壊した医療を立て直すのに長い時間がかかっています。

「医療は一方的に医療費を食う、生産のないマイナス産だ」という見方も違います。治療、介護には専門的なマンパワーが必要です。雇用促進につながるし、医療技術が進歩すれば、機器の開発など産勃興になる。もともと発が豊かな日本の医薬品メーカーは国内で治験し、海外で薬を売ればいい。医療は成長産になります。

 病気になっても安して医療サービスを受けられる社会であれば、人々の労働欲も高まります。

 医療費削減は厚労省というより財務省のコントロールなのでしょうが、改めるべきです。


【日刊ゲンダイ 2008-05-24

「6月に暗殺」と失言 クリントン氏すぐ謝罪


 米大統領選の民主党指争いで最後の抵抗を続けているヒラリー・クリントン上院議員は23日、選挙キャンペーンを続けている理由について「ボビー・ケネディ(ロバート・ケネディ元司法長官)が暗殺されたのも6だったわ」と発言した。

 指が確実視されているオバマ上院議員の不測の事態を期待していると受け取られかねない失言で、すぐに「歴史的事実に言及しただけでケネディ家を傷つける図は一切なかった」と謝罪した。

 オバマ陣営は「不幸な発言」とだけコメントし無視する構えだが、米メディアは一斉に「不穏当な発言」と大きく報道しており、失言はクリントン氏のイメージを低下させそうだ。

 クリントン議員はサウスダコタ州の地元メディアとのインタビューの中で語った。


共同通信 2008-05-24


 いまだに世界では暗殺が横行している。米国が手を染めているものも多い。フィリピンのアロヨ政権下では既に900名もの人々が暗殺されている。殺される順番は、人権活動家宗教者、ジャーナリストとなっている。

見出しを2段にした


 その方がSEO対策上、有利なんだってさ。これにより、カテゴリは2行目右端に表示される。はてなユーザーは、管理→設定→記事の設定→見出し、で変更可能。こうすれば、見出しそのものがパーマリンクとなる。

はてなダイアリーユーザランキング


 livedoor ReaderのRSSリーダによる購読者数ランキング。これ、個人で作ってるというのだから凄い。

『獄窓記』山本譲司


 予していたとはいえ、やはり『累犯障害者 獄の中の不条理』の後に読んでしまうと、インパクトの弱さが否めない。それでも、文章の上手さでぐいぐい読ませる。先に読んでいれば、それなりの衝撃を受けたことだろう。


 自伝的色彩が強く、菅直人氏の秘書になる件(くだり)から、秘書給与流用事件で実刑判決を受け、出獄されるまでの経緯が描かれている。山本氏の実刑判決は弁護士ですら定していなかった。それでも、敢えて控訴をしなかったのは、政治家としての責任からだった。潔い生き方である。


 本書で注目すべきは、辻元清美議員の秘書給与疑惑である。覚えている人も多いだろうが、当初辻元氏は高に「山本譲司さんと一緒にしないで欲しい」と強気の態度で臨んだ。実はこの二人、早稲田の同期生という縁があった。辻元氏はなりふり構わず、山本氏を貶(おとし)める戦法で「自分は違う」と強弁した。挙げ句の果てには「あの人(山本氏)の場合は、秘書給与を私的に流用していたが、私は違う。個人的な費用に使ったことはない」と言い出した。この時、「カツラ代」という言葉が飛び出したのだ。しかし、山本氏が秘書給与を私的に使った事実は全くなかった。


 獄中にあった山本氏は弁護士を通して反論を公表する。後に辻元氏は予算委員会参考人招致の際に、山本氏への謝罪を述べたが、弁護士同士が約束したものとは異なっていた。人気のみを頼りに突っ走る辻元氏のあざとさが浮かび上がってくる。


 黒羽刑務所に移送された山本氏は、「刑務所の掃き溜め」と言われる寮内工場の配役となる。身に障害のある収容者が集まる場所だ。そこで、ヘルパーさながらに収容者の面倒をみる。垂れ流された糞尿や吐瀉物(としゃぶつ)の清掃が日常活動だ。


 少し気になったのだが、山本氏はカッとしやすい格でありながら、直ぐ反省するような傾向が窺える。文章に比べると話し方が軽薄に見えるのも、同じ理由だとう。


 それにしても、障害者が置かれている惨状は目に余る。


「山本さん、俺ね、いつも考えるんだけど、俺たち障害者は、生まれながらにしてを受けているようなもんだってね。だから、を受ける場所は、どこだっていいのさ。また刑務所の中で過ごしたっていいんだ」

「馬鹿なこと言うなよ。ここには、自由がないじゃないか」

「確かに、自由はない。でも、不自由もないよ。俺さ、これまでの人生の中で、刑務所が一番暮らしやすかったとってるんだ。誕生会やクリスマスもあるし、バレンタインデーにはチョコレートももらえる。それに、黙ってたって、山本さんみたいな人たちが面倒をみてくれるしね。着替えも手伝ってくれるし、入浴の時は、体を洗ってくれて、タオルも絞ってくれる。こんな恵まれた生活は、生まれて以来、初めてだよ。ここは、俺たち障害者、いや、障害者だけじゃなくて、恵まれない人生を送ってきた人間にとっちゃー天国そのものだよ」


 フランス・ドゥ・ヴァール著『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』によれば、類人猿社会ですら障害を持った者に対しては、優しさを示すという。人間は合理を追求する一方で、自分の中に不合理な葛藤を抱えている。強者だけが生き延びるのが適者生存いがちだが、群れというネットワークで考えると弱者を切り捨てるのは「社会の弱さ」を示している。


 どのような問題も他人事で済ませられれば、い悩むこともない。考は停止させた方が楽なのだ。私の胸の中で、ナチス支配下にあったマルチン・ニーメラー牧師の言葉が谺(こだま)する。


 ナチスが共産主義者を攻撃したとき、自分はすこし不安であったが、とにかく自分は共産主義者でなかった。だからなにも行動にでなかった。次にナチスは社会主義者を攻撃した。自分はさらに不安をじたが、社会主義者でなかったから何も行動にでなかった。

 それからナチスは学校、新聞、ユダヤ人等をどんどん攻撃し、自分はそのたびにいつも不安をましたが、それでもなお行動にでることはなかった。それからナチスは教会を攻撃した。自分は牧師であった。だからたって行動にでたが、そのときはすでにおそかった。


【『現代政治の思想と行動丸山眞男


獄窓記 (新潮文庫 や 60-1)

2008-05-22

『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』福田ますみ


 今時は教員になんかなるもんじゃないね。一読すると、本気でそううようになる。所謂、モンスターペアレントの実態を描いたルポ。ただし、その辺のバカ親と違うのは、この事件がマスコミを始めとするメディアで取り上げられ、原告弁護団に550人もの弁護士がを連ねたことだった。


 児童の両親は明らかに反社会人格障害である。何から何まで嘘ずくめだ。その一つ一つが明らかになってゆく。著者は、必要以上に被害教員にべったりと寄り添うわけでもなく、きちんと距離をとって事件を見つめている。


 発端は、校長と教頭が保身を図った妥協案を示したことだった。連日学校に押し掛ける両親に対し、「取り敢えず、いじめの事実を認めた上で速やかに謝罪する」ことを教員に強要した。


 そして、イエロージャーナリズムがこれを嗅ぎつける。「週刊文春」の西岡研介記者。彼もまた、被害者の一方的な話を鵜呑みにし、学校に押し掛けては校長を恫喝し、川上(訴えられた教師)の自宅前で張り込んだ。西岡が書いた記事には、特大の顔写真と実、更には自宅の写真と小学校の全景写真までもが掲載された。そして、ワイドショーが後追いする。


 教員は 日新聞の西部本社報道センターの市川雄輝という記者の取材を受ける。しかし、翌日の紙面には被害者側の言い分に沿った記事が掲載された。


 毎日新聞の栗田亨記者も、教諭によるひどい体いじめを信じて疑わなかった一人である。


 私は地元記者に話を聞くために、この事件を熱に追いかけているという西日本新聞の野中貴子に連絡を取った。

「周辺取材をしてみると、どうも、報道されていることとはギャップがあるんですけどね」

 私が疑問を口にすると、にわかに気色ばんで、

「そういう取材をするから、さらに浅川さんを傷つけるんです!」

 そして、

「浅川さんの言うことは絶対正しい。体いじめは100%真実です」

 と断言した。


 まさにメディアスクラムといっていい状況である。更に致命的なことに、被害を受けたとされる児童がPTSDと診断された。


 裕二(被害者とされた児童)の主治医で、被害者精神医学の専門医である久留米大学医学部精神神経科学教室の講師・前田正治は、現在の病状をこう診断し、さらに、自身がかつて診断した例と比較して次のように付け加えた。


《「強姦された女やアメリカの潜水艦と衝突して沈没した『えひめ丸』に乗っていた高校生たちよりも酷い状態にある。これだけ酷い状態にあるということは、原告裕二が被告川上から受けた暴力等について、まだ本当のことを話していないとわれる。学校に行かせることは、毎日犯行現場に行かせることになり、原告裕二の身の状況からすると極めて危険である。」》


 その上、原告弁護団は550人もの弁護士がを連ねた(弁護団長は大谷辰雄弁護士)。


 営マンに丸め込まれやすい人物や、電話勧誘を速やかに断れない人は、同じ落とし穴に陥る可能がある。上司に見できない人も同様だ。


 マスコミで報じられるようになった途端、教員は近隣住民からも白い眼で見られるようになる。また、当初はいつでも裁判で証言すると言っていた父兄が、いざ本番となると尻込みをして協力する者は誰一人いなかった。これが、日本の「ムラ社会」の実態だ。右を見て左を見てから、身の振り方を決める。出過ぎた真似は絶対にしない。横並びを好むクズどもだ。


 新潮ドキュメント賞は好著が多い。


でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相 (新潮文庫)

爆破予告で高校職員再逮捕


 大阪府警捜査一課などは22日、大阪府内の高校などの爆破予告をインターネットの掲示板「2ちゃんねる」に書き込んだとして、威力務妨害容疑で、東京都立上野高校図書館司書上川内幸容疑者(43)を再逮捕した。

「掲示板上で論争になった相手の前をかたり、嫌がらせをしようとした」と供述している。

 調べでは、上川内容疑者は今年318〜25日の間、足立区内のインターネットカフェで、論争相手の前を使って2ちゃんねるに「大阪府立市岡高校を爆破する。放火して生徒を殺す」などと書き込み、学校職員務を妨害した疑い。

 上川内容疑者は創価学会施設の爆破予告を2ちゃんねるに書き込んだとして逮捕、起訴されている。


【スポーツニッポン 2008-05-22】

NY原油、132ドル台に上昇・連日の最高値


 21日のニューヨーク原油先物相場は一時、初めて1バレル132ドル台に上昇し、連日で過去最高値を更新した。中国の四川大地震で水力発電所が停止し、火力発電所向けの発電用ディーゼルの消費が増えるとの見方が台頭。投資ファンドがディーゼルなど石油製品や原油先物の買い注文を増やしている。

 指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近の7物は通常取引で一時、前日比3.01ドル高い1バレル132.08ドルを付けた。

 原油先物価格は1年前の約2倍に上昇。12日に初めて1バレル100ドルの大台を突破した後、312日に110ドル台、55日に120ドル台に乗せた。その後、わずか2週間で水準が10ドル以上切り上がった。


【日本経済新聞 2008-05-22】


 ちなみに昨年の5は1バレル65ドルだった。1年で2倍に。

2008-05-21

『ビヨンド・リスク 世界のクライマー17人が語る冒険の思想』ニコラス・オコネル


 タイトルは「リスクの向こう側」という味か。既に引退した登山家も多いが、これっぽっちも老いをじさせない。メラメラと燃え続ける何かがある。語られているのは「過去の物語」ではなく、まさに「」だ。


 世界屈指のクライマーのインタビュー集。それぞれの人物の事跡も紹介されている。何気なく語られる言葉は、いずれも味わい深いものだ。


 クライミングの新の技術とは生き延びることだ。それが最もしくなるのは、従来行動の限度と考えられていたところまで到達してしまい、さらにもう一度踏み出そうとするときである。だれも行ったことのないところ、だれも行きたいとわないところ――あるいは自分がしようとすることをだれも理解してくれなようなところへ乗り出すときである。そういった未知の領域では、覚と経験は「踏みならされた」世界で得られるよりもはるかに強烈である。


【ラインホルト・メスナー『生還 八千メートル峰全十四座』】


 良い岩壁の良いルートは芸術作品です。人生のようなものです。私たちは人生を送り、やがてその人生は消え失せますが、何かが残ります。残るのはルートです。

【ラインホルト・メスナー】


 ――隊長自ら手本を示したのですか。


 ああ、率先して手本を見せるのがいいと信じている。結果を出したければ、口だけじゃなくて自らやらなければいけない。ガッシャブルム4峰では8日間、ポーターより重い荷物を背負って毎日何往復もした。私が率先してやったので、隊員たちも同じようにやらざるを得なかった。ポーターにも他の連中にも良いお手本を示したというわけだ。

【リカルド・カシン】


 ――楽しみましたか


 楽しみましたよ。でも、7600メートルを越えるともう楽しんでなんかいられませんね。体力も元気も、低いところのようには保てないのです。3000〜4000メートルのアルプス登山のほうがずっと楽しい。ヨーロッパ・アルプスなら頂上に着いたら岩の上に寝ころがって昼寝することができますが、ヒマラヤではそんな話は聞いたことがない。すぐに下りてきてしまいます。長居しすぎたら下りてこられなくなることがわかっていますからね。

【エドマンド・ヒラリー卿】


 それにヘリコプターで救助してもらうわけにもいきません。ヘリコプターは最高の条件下でも5800メートルまでしか飛べないからです。

【クルト・ディームベルガー】


 ――ゆっくりしたペースですか。


 ええ、私はゆっくり歩きます。山岳ガイドの古い金言に、「ゆっくり行く者はしっかりと遠くまで行ける」というのがあります。とても古い諺で、子供のころに初めて聞きました。高所ではゆっくり行ったほうがいいといます。私にはそれが向いている。

【クルト・ディームベルガー】


 ――ひとりで登るほうが好きでしたか。


 冒険家には孤独は本質的な条件だ。いつもひとりでやったわけではないけれど、山にしても世界をまわるにしても、なるべくひとりで行くのを好んだね。孤独の価値は大きい。を鋭くし、情を増幅させるからだ。

【ヴァルテル・ボナッティ】


ビヨンド・リスク―世界のクライマー17人が語る冒険の思想

創価学会側が新潮社など提訴


 評論活動をやめるように強要されたとして、元公明党委員長政治評論家の矢野絢也氏が創価学会損害賠償を求めている民事訴訟をめぐり、週刊誌「週刊新潮」の記事で誉を傷つけられたとして、創価学会の谷川佳樹副会長が20日、発行元の新潮社や矢野氏に1100万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 訴えによると、週刊新潮は平成20年522日号で、矢野氏の提訴を報じる記事を掲載。谷川副会長側は「矢野氏に脅迫や強要をしたことはなく、記事は虚偽」と主張している。矢野氏は今13日、学会側に慰謝料など5500万円を求める訴えを起こしている。

 週刊新潮編集部の話「創価学会の信じがたい脅迫などが法廷で明らかになるので大歓迎」


【産経新聞 2008-05-20

2008-05-20

米大統領、任期中にイラン攻撃意図? イスラエル報道


 イスラエル軍放送は20日、ブッシュ米大統領が来年1までの任期中にイランの核施設を武力攻撃する図を持っていると伝えた。ブッシュ氏がイスラエルを先週訪問した際に会談した同国の複数の政治家が攻撃の図があると受け止め、同行の米高官も確認したという。

 同行筋によると、ブッシュ政権ではチェイニー副大統領がイラン攻撃を支持しているが、ゲーツ国防長官、ライス国務長官が反対している。

 ブッシュ氏はイスラエル側との会談で、レバノンで親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラが勢力を拡大していることに強い懸を示し「症状(ヒズボラ)でなく病気(イラン)を治さなくてはならない」と述べたという。


共同通信 2008-05-20


 例の如く、「景気回復策としての戦争」か?

【後期高齢者医療】本当の巨悪はコイツらだ!! 


 国民の後期高齢者医療制度への批判は高まるばかり。多くのメディアが“戦犯捜し”をしているが、この制度の根は深い。厚生官僚は言うに及ばず、与野党の国会議員、経済団体、医師会など、戦犯は複数に上る。彼らの多くはクビをすくめているのだろうが、巨悪をあぶりださなければダメだ。

 老人イジメの後期高齢者医療制度の発端は1997年の橋本内閣にさかのぼる。当時の自社さ政権が掲げた医療制度改革が原点だ。老人医療費が膨れ上がり、被用者保険を圧迫。赤字に転落するところが相次ぎ、その対策が急務の課題となったのである。そのため、自社さ政権は97年2に与党医療保険制度改革協議会を立ち上げる。3党が基本合するのは同年8。ここに「高齢者医療は独立型保険を創設する」という文が出てくる。協議会の座長は自民党の丹羽雄哉元厚労相。当時の厚相は小泉元首相だ。

 与党合を受けて、厚生省は有識者による「医療保険福祉審議会」を設置し、細部の詰めに入る。ここの制度企画部会が与党案を具体化する。見書がまとまったのは98年11だ。「高齢者だけの独立した保険制度をつくり、消費税などを財源とする公費を重点的に投入する」という表現が出てくる。見書には別の案も併記されたが、厚生省は高齢者医療保険制度に向かって動き出す。審議会のメンバーは金平輝子東京都歴史文化財団理事長がトップで、評論家の大宅映子氏、連合の高木剛氏、本間正明大阪大教授などが入っていた。

「ところが、この改革は一度、頓挫する。改革案は医者にも厳しい中身だったため、医師会が反発。結局、利害調整ができずに先送りされてしまう。改めて小渕政権で有識者会議が設置され、議論されることになったのです」(厚労省事情通)

 さて、ここからが本番だ。一度は潰れかかった老人医療制度が復活したのは、金儲けに目がくらんだ医師会と経済団体が賛成に転じたからだ。

 日本医師会は2000年8、「都道府県単位で75歳以上を対象に保険制度を創設する」「財源の9割は公費で賄う」ことを正式提案する。老人保険を認め、税金を投入させれば、診療報酬が削られる配がないからだ。さらに経団連と日経連が01年5に老人を現役世代の保険制度から切り離す「シニア医療制度」を提案する。こうすれば、現役世代の負担が軽くなり、企の社会保障費も安く上がる。足りない分は税金で賄う「公費押し付け」を狙ったわけだ。ちなみに当時の経団連会長は今井敬氏、日経連会長は奥田碩氏だ。

 そうしたら、小泉政権で公費負担が5割になり、老人の自己負担が広がった。公費負担5割を画策したのは厚労省で、坂口力厚労相が動いた。

「もちろん、最大の戦犯は小泉元首相です。97年、与党改革協議会の丹羽さんは小泉厚相(当時)と激しくやりあった。丹羽さんは老人医療を別建てにするならもっと税金を入れるべきだと主張したが、小泉さんが蹴ったんです」(厚労省事情通)

 巨悪がだんだん見えてきた。


【日刊ゲンダイ 2008-05-20

収蔵品1300点 富士美術館が閉館


 東洋美術の作品を多く所蔵する富士宮市にある「富士美術館」が閉館することになりました。富士美術館は1973年に創価学会池田大作誉会長が富士宮市の大石寺内に開館させました。約1万6000平方メートルの敷地には、東洋美術を中に日本画や陶磁器など1300点が収蔵されていて、これまでに約600万人が来館しています。美術館によりますと、経営の効率化を図るため、東京にある「東京富士美術館」と統合する形で閉館を決めたとしていますが、関係者の話では、創価学会と大石寺の対立以降、来場者数が減少したことも閉館の理由とみられます。美術館は17日から予定していた作品展を中止して、すでに休館状態となっていて、収蔵品は「東京富士美術館」に譲るほか、美術館の敷地は所有者の大石寺に返還します。


静岡新聞 2008-05-19

明治維新と天皇


 玉とは天皇のことで、当時の彼らは天皇を将棋の駒か何かのごとく、どこへでものままに抱き動かせるものと考えていたのである。むろん、幕府の手に渡さないためであった。渡した瞬間に、こんどは彼らが賊軍になってしまう。


【『青い空海老沢泰久

薩摩と浄土真宗


 内山徳太郎がいった。

「きみたちは、薩摩には浄土真宗の寺が一宇もないことを知ってるかね」

 宇源太と竜造は、外な話におどろいて顔を見合わせ、首を横に振った。

 寺請制度と檀家制度の形成以来、それに乗じてもっとも檀家数を増やしたのは、浄土真宗であった。

 その理由として、明治大学教授の圭室文雄(たまむろ・ふみお)は、他宗が祈祷にこだわったのに対して、いちはやく葬式の重要を認めてそれに力を入れたことと、他宗の寺院の住職は数年で交替したのに対して、妻帯が許されていた彼らは子々孫々が一寺の住職をつとめたために、檀家や土地、奉加金などの財産をいわば私的財産として管理拡大できたことを挙げているが、ともかく全国に浄土真宗の寺院のないところはなかったといっていい。

 たとえば、薩摩の隣藩の熊本藩には、享保5年(1720)、全部で955の寺院があったが、そのうち浄土真宗寺院は東西両本願寺派を合わせると、440ヶ寺で全体の46パーセントを占め、檀家数にいたってはじつに92パーセントを占めている。

「ところが、薩摩には一宇もないんだ」

 内山徳太郎はいった。

 薩摩藩では、キリシタンとともに浄土真宗が禁じられていたのである。

 天正15年(1587)、秀吉が島津氏を攻めたときに、肥後熊本との国境の長島の浄土真宗門徒が秀吉軍の道案内をしたためだといわれているが、真偽のほどは分らない。島津氏はそれ以前から浄土真宗門徒を弾圧していたという説もあるからである。

 しかし、ともかく、そのために薩摩藩では浄土真宗門徒に対してキリシタン同様の弾圧がおこなわれ、発覚すると拷問によって転宗を迫られ、転宗しないと、死罪、遠島に処せられたほか、士分の者は百姓に、百姓はさらにその下の身分に落とされた。しかし、キリシタンと同様根絶することはできず、深夜洞穴や土蔵の2階に集まってひそかにを唱える彼らを、薩摩では隠れといった。


【『青い空海老沢泰久

キリシタンを監視する「諜者」


 話が前後するが、明治政府の弾正台が、キリシタン探索を専門とする諜者をおいていたことはあまり知られていない。

 つぎのような諜者規則を定めて、その存在が外に漏れるのをひた隠しにしていたからである。

「諜者賞ノ事 右他ノ府県ニ到リ自ラ諜者タルヲ漏ラス者ハ厳ヲ加フヘシ。若シ事慢易ニ渉リ他人ヨリ其諜者タルヲ察知セラルヽ者、事ノ軽重ニ依リヲ加フ。能ク其命スル所ヲ成シ得ル者、功ノ軽重ニ応シ復命ノ上、其賞ヲ行フヘキ事」

 明治4年7に弾正台が廃止されて司法省が置かれると、司法省に受け継がれた。

 その人数は12人で、等級によって20両から7両の給を与えられて東京、大坂、横浜、長崎、箱館の5ヶ所に潜入していたが、その活動はじつに徹底していて、東京諜者の正木護なる人物などは、明治5年3に変で横浜の天主堂で洗礼を受け、教会の内部から日本人信者の摘発をおこなっている。

 その中になっていたのは僧侶で、東京諜者の正木護は長崎の本願寺派光永寺の隆瑞という僧だったし、横浜諜者の安東劉太郎なる人物も、東本願寺の猶龍という僧だった。浄土真宗の両本山がなぜそのような卑劣な活動にかかわっていたのか、いまとなっては知るよしもないが、さらにおどろくべきことは、彼ら諜者の活動は幕末からはじまっていることである。


【『青い空海老沢泰久

布教禁止で江戸時代の宗教は死んだ


 当時、寺院や神社に金を納めるというのは、病払いや家内安全といった、もっぱら自分のための現世利益を約束してもらうためで、貧しい者のために無私の寄付をするという考え方はなかった。

 幕府の宗教政策が関係している。

 これより200年前の寛文5年(1665)、幕府は何度目かの諸宗寺院法度を出し、その一条でつぎのように定めた。

「町中にて諸出家とも法談説候儀、無用にてつかまつるべき事」

 事実上の布教の禁止である。これで、江戸時代の宗教は死んだ。

 しむ者を救うためには、宗教家は、まず何はともあれ、町中に出ておのれの信ずる救いの道を説かなければならない。空海、最澄の平安教も、日蓮、親鸞の鎌倉教も、遊行僧たちがそうして信者を獲得した。しかし、江戸の僧侶たちは、寺請制度と檀家制度による経済的安定と引きかえに、この法度に唯々諾々としたがって、寺院内に引きこもる道を選んだ。そのため、彼らに無私の寄付を託すという考え方も生まれなかったのである。


【『青い空海老沢泰久

江戸時代は儒学に染まった


 その結果、江戸時代の知識階級の圧倒的多数を占める武士が、みな儒学に染まった。儒学だけに染まった、といってもよい。

 教科書は、いうまでもなく、大学、論語、孟子、中庸の四書と、易経、書経、詩経、礼記、春秋の五経、ほかに、左伝、戦国策、史記などで、いずれも漢書だから、すべて漢文である。漢文で読み、漢文で書いた。

 つまり、江戸時代の知識階級が学問をするというのは、外国の外国語で読み、そのレンズを通して考えたことを外国語で書くことだったのであある。


【『青い空海老沢泰久

神道と本地垂迹説


 しかし、神社神主たちは、その屁理屈(本地垂迹説)に反論できなかった。反論したくても、その根拠とすべき教義を持っていなかったからである。現在の神道にも、教義はない。

 不議といえば、これほど不議な宗教もないであろう。教義のない宗教などというのは、本来ありえない。神道が、宗教か、ただの習俗か、という論争がいまもあるのはそれが原因である。

 折口信夫は、その不議の理由を、成立の過程でも、成立の後も、宗教上の自覚が出なかったからだといっている。

 しかし、この日本独特の信仰形式を考えると、自覚者が出る余地はたぶん最初からなかったのである。あるいは、出る必要がなかったのだといいかえてもよい。

 いまも日本各地に残る祭りは、この宗教のもっとも古い信仰形式を伝えるものだが、そこで特徴的なのは、神主の仕事がほとんどないことである。とくに、地方の伝統的な祭りでは、神主は形式的な祝詞を読むか、祭りの進行をつかさどるぐらいで、あとは何もしない。肝腎の神事は、準備から実行まで、世話役の村の老人と若者たちですべておこなうのである。

 これは、神社と神主は信仰成立のはるか後に出現したことを示すもので、それ以外のものではない。そして、この宗教における信者と神社、あるいは神主の関係というのは、これにつきるのである。

 つまり、神主が出現したときには、すでに信仰と信者が存在しており、神主は彼らが勝手に神に奉仕するのを見ていればよかったのである。しかも、その信仰と信者は衰えることがなかったから、信者獲得のための布教をする必要もなく、教が伝来するまでは敵対する宗教もなかった。

 そのために、自覚者はついに出現せず、信仰と信者ばかりがあって、信者がただひたすら神に奉仕するだけの、おそろしく奇妙な宗教が形成されたのである。

 一方、教は、釈迦という自覚者が興した宗教で、経典という万巻の教義を持っていた。それを奉じ、圧倒的な宗教的知識を持った僧侶たちが、教義、すなわち言葉を持たない宗教の神を支配下に置くのは、じつに簡単なことだったのである。神主は、それを黙って見ているしかなかった。

 そして、江戸時代にいたり、寺院が寺請制度によって権力と経済力を握ったことで、その支配関係が最終的に完成するのである。


【『青い空海老沢泰久

寺請制度によって寺院は幕府の広報機関と化した


 つまり、寺請証文を出すようになり、檀家制度が成立してからの寺院は、宗教機関としてほとんど活動せず、ありていにいえば、幕府が望む倫理道徳を説き広める広報機関となっていたのである。

 江戸時代、教は、表面的には、空海、最澄の平安時代よりも、日蓮、親鸞の鎌倉時代よりも、隆盛をきわめた。しかし、実状は前述のようなものであって、宗教的には出羽のキリシタン類族の百姓、宇源太こと藤右衛門一人すら救うことができなかった。


【『青い空海老沢泰久

幕末の寺院数


 幕末、江戸には、上野寛永寺、芝増上寺を筆頭に、大小千八百余の寺があった。

 こう書くと、江戸というところは寺だらけの街だったようにわれるかもしれないが、他の地方にくらべて特段に多かったわけではない。明治3年の富山藩の資料によれば、所領わずか10万石の富山藩にさえ、1635の寺があったし、天明6年(1786)に幕府が教各宗派に提出を命じた「寺院本末帳」から類推すると、全国には20万ないし25万の寺があったといわれているのである。

 しかし、江戸は人口が多かった。諸説あるが、幕末には、武士が60万人、町人百姓が60万人いたといわれている。寺請制度によって強制的に寺院の檀家にされたのは町人百姓だけだが、武士も菩提寺は持たなければならなかったから、その味で彼らもその寺院の檀家といえた。つまり、江戸の寺は、単純計算すると、1ヶ寺あたり666人、1家族が5人ないし6人と考えると、平均110軒から130軒の檀家をもっていたのである。

 それに対して、全国平均の檀家数は、幕末の人口はおよそ3000万人だったから、寺院数を20万として計算しても、1ヶ寺あたり150人、家数にするとわずか30軒程度だった。江戸の寺がいかに裕福だったかが分る。


【『青い空海老沢泰久

キリシタン弾圧策としての寺請制度は百姓町人を管理統制した


 当時、江戸で仕事をするには、誰かに請人(うけにん)になってもらわなければならなかった。多くは口入れ屋が代行したが、その際、請人は保証先に対して、奉公をする者の寺請の有無を保証書に記載する決まりだった。寺請証文は、キリシタン弾圧策として考え出されたものであったが、時を経るにしたがって変貌し、しだいに百姓町人の生活全般を管理統制する道具になったのである。幕府が、藤右衛門のような転びキリシタンの子孫をキリシタン類族として執拗に戸籍上で追跡したのは、その政策を守るため、百姓町人に対して見せしめにしたのだとわれる。


【『青い空海老沢泰久

キリシタン類族令


 ひどい悪文である。悪法は悪文になるという好例であろう。(一般移民の戸籍である宗門人別帳から除き、キリシタン類族帳という別戸籍に入れることを命ずるキリシタン類族令を布告)


【『青い空海老沢泰久

江戸時代のキリスト信者数


 彼らの神道教に対する理解は、神もも人間であり、人間を信仰しても救われないというものであった。それを当時の日本人がどのようにきいたのかは分らない。

 しかし彼らは、天文18年(1549)のフランシスコ・ザビエルの来日からわずか数十年で、戦国大をはじめ、すくなからぬ数の信者を獲得した。

 彼らがどのくらいの信者を獲得したのかは日本側に記録が残されていないので正確な数は明らかではないが、各会派の神父たちが彼らを保護していたポルトガルやスペインの国王に送った報告書から、家康が禁教令を出した慶長18年(1613)当時の信者数は、およそ30万人から40万人と推定されている。35万人としても、当時の日本の推定人口は1800万人ほどだったから、全人口の1.9パーセントであった。現在は1億2600万人の人口に対して、キリスト教信者の数は110万人(『キリスト教年鑑』)だから、その割合は0.8パーセントにすぎない。当時の日本には、現在よりはるかに高い比率でキリスト教の信者が存在していたのである。

 むろん彼らの多くは、禁教令以後、迫害されて教に改宗した。しかし改宗せずに隠れキリシタンとなって潜伏した信者は数知れなかったし、教に改宗したあと、再びキリスト教に改宗する者もあとを絶たなかった。


【『青い空海老沢泰久

2008-05-19

『青い空』海老沢泰久


 土曜日一日で600ページまで読んで、100ページだけ残しておいた。読み終えるのが惜しかったからだ。歴史小説をこれほど堪能したのは飯嶋和一以来か。傑作と言っておこう。


 日本の宗教史を縦糸に、幕末の日本を横糸にして編まれた見事な物語。ちょうど巻半ばで登場する勝海舟と主人公とのやり取りが圧巻。あまりにも鮮やかな輪郭に、活字の間から勝海舟が立ち上がってくるほどの臨場を覚える。勝の小気味いい江戸っ子言葉と併せて、私が住んでいた江東区界隈の地がたくさん出てきて、何とも言えない親しみをじた。


 やはり、リーダーは歴史を学ぶ必要がある。今頃になって学んでいる私のようじゃダメだ。歴史の底に流れ通う“人々のしみ”にいを馳せる時、必然的な“未来の果”が浮かんでくる。


 徳川幕府が行った寺請制度(=檀家制度)は、キリシタン日蓮不受不施派の弾圧が目的だった。続いて、四代将徳川家綱が諸宗寺院法度を発令し、布教を禁じた。こうして、葬式教が誕生する。江戸時代は全国各地に関所が設けられているため、寺請証文がなければ旅をすることもかなわなかった。


 以後、すべての百姓と町人はこの寺請証文を毎年奉行所に提出しなければならなくなり、提出しない者はキリシタンと疑われた。武士の場合は藩主が監督したが、自分が教徒であることをつねに知らしめておかなければならないことは百姓町人と同様で、信を証明する寺参りは彼らにも欠かせないものになる。そのため、これ以後は、すべての日本人が、信仰とはかかわりなく、必ずいずれかの寺院の檀家にならなければならなくなったのである。

 それにともない、葬儀の形も変化した。それ以前は、必ずしも僧侶が立ち会ったわけではなく、親類縁者が集まって村の墓地に埋葬し、旅の僧などが村を訪れたときに経を上げてもらうというのが一般的だった。しかしこれ以後は、すべて檀家となった寺院の僧侶が執りおこなうようになるのである。むろん、それには多大な出費をともなったが、檀家は寺請証文を出してもらう手前、ことわることができなかった。


 しかも常寺が百姓から銭をとるのはじつに簡単だった。布教はもちろん、法話をする必要も、経を上げる必要も、頭を下げる必要さえなかった。寺請証文を書かないとだけ匂わせれば、それでいくらでも必要なだけ銭が集まったのである。中根村の百姓たちはその常寺に対し、キリシタンであることを知られないために、他の二村の百姓たちよりいつも多額の寄進をしなければならなかった。


 その上、キリシタンは転向しても尚、子孫までもが監視対象となった。


 藤右衛門は136年前の享保12年(1727)に転びキリシタンとなった武右衛門の長男の惣右衛門から数えて5世代目、甚三郎も同じときに転んだ百姓の5世代目の子孫であった。彼らは176年も前の貞享4年(1687)に出されたキリシタン類族令によって、いまだにキリシタン類族として監視されており、藩外に出ることは許されず、結婚をするときでも、奉公に出るときでも、届け出て移動先をつねにあきらかにしておかなければならなかった。むろん近隣の村からは村八分同然に扱われており、桜川から田に引く水も、他村の百姓が十分に引き終わったあとからでなければ引くことができなかった。


 甚三郎はキリシタン類族であった。キリシタン類族の者は、幕府の許可がなければ、葬儀も埋葬もできなかったのである。


「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」「坊主丸儲け」「地獄の沙汰も金次第」などといった言葉は、多分この時期につくられたのだろう。


 秀吉・家康に始まるキリシタン弾圧が鎖国につながり、幕府の宗教統制が寺請制度を生み出し、寺院は権力の出先機関と化した。結局のところ、傲慢の限りを尽くした坊主どもに対する反が、幕末明治の廃毀釈運動に発展し、日本から宗教を奪い去ったのだ。


「ほう。おまえさん、連中に同情して帰ってきたか」

 勝海舟はいった。

「連中の受けた拷問の様子をきいたら、同情もしたくなります。竜造さんは、今後は神もも信じないことにしたそうです」

「おそろしくなったか」

「いえ、そうじゃござんせん」

 竜造はいった。

「神やを信じて、キリシタンだ何だと役人にこづきまわされるのはいやだとっただけのことです」

「どっちでも同じことだ」

 勝海舟はいった。

「キリシタンでも何でもいいが、公儀にかぎらず、お上というものが宗教を取り締まるのは、それを見せしめにして、人民をみなおまえさんのような考えにさせるのが目的なのさ」

「どうしてです」

「人民が、みな死ぬことはおそろしくないなどといいだしたら、お上のいうことをきかせられなくなるじゃないか。死ぬのがおそろしくない人間ほど面倒な人間はいない。だから、おまえさん、そんなことじゃ駄目だよ」


 宇源太は江戸に出て数年で大きく成長した。果たして幼馴染みが見たがっていた「青い空」を見ることはできただろうか。ラストシーンは簡単に予できたが、それでも胸がキュンとなるほどの希望が託されている。

青い空


青い空〈上〉―幕末キリシタン類族伝 (文春文庫) 青い空〈下〉―幕末キリシタン類族伝 (文春文庫)


(※上が単行本、下が文庫本)

裁判権放棄


主権国家が取る行為か


 またしても日米で取り交わされた密約が明らかになった。いったい政府は、国民に説明できない秘密事項をどれだけ抱えているのだろうか。

 米公文書で分かったのは、1953年に米政府と合した「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」という密約だ。

 言うまでもないが、裁判権は国家の主権に深くかかわってくる。それなのに、政府は米兵が起こす刑事事件に対し第一次裁判権を行使しないという約束を交わしたのだから、あきれてしまう。

 その密約ゆえか、53年から57年の約5年間に起こった約1万3000件の米兵関連事件で裁判権を放棄したのは97%、約1万2600件に上る。実際に裁判に付したのは約400件しかない。

 わずか5年でこの数字だ。その後はどうなのか。像しただけでも暗澹たる気分にさせられる。

 公文書からは復帰後の74年7に伊江島で発生した米兵の発砲事件についても明らかになっている。米側の要求で日本側が裁判権を放棄しており、そこには自国民さえ守れぬ政府の姿がある。

 復帰後もそうなのだから、復帰前は推し量るべきだ。

 日米安全保障条約に基づく地位協定の不平等関係をもたらした起点がそこにあるのである。

 政府は「裁判権の放棄はない」というがその説明に納得する国民はいない。真実はどうなのか。放棄した数はどれだけあるのか。政府はきちんと説明すべきだろう。

 腑に落ちない点はまだある。日本側が裁判権を行使しても、米側はその結果に対し「刑が軽くなっている」と見ていたことだ。

 絶対にあってはならないが、もし、米軍に配慮して司法が判決に手を加えたとしたら、それこそ主権国家のに恥じる行為で、司法当局も責任は免れまい。

 60年の安保条約改定前には米政府が密約を公にするよう求めているが、当時の岸信介首相は「外部に漏れたら恥ずべき事態になる」とし応じなかったという。

 恥ずかしいとの認識はあったようだ。それにしてもなぜことが明らかになっても政府は本当のことを言わないのだろうか。

 私たちは現状の地位協定では不平等が残るだけで、基地所在地住民の不安と怒りは増すだけだと指摘してきた。

 裁判権だけでなく身柄拘束を含めた協定上の問題はあまりにも多過ぎるからだ。解決するには「運用改善」では無理であり、抜本的な見直ししかない。

 地位協定における政府の対応について国際問題研究家の新原昭治氏は「日本に第一次裁判権がある『公務外』の犯罪でも、日本側が放棄し、なるべく米側に譲る密約がある」と指摘。その中で政府は「国民に隠している文書や合を表に出すべきだ」と述べている。

 沖縄返還交渉時の「沖縄密約」、有事の際の核持ち込みも公文書で分かっているのに、政府はいまだに「ない」としている。かたくなな姿勢を政府は改めるべきだ。

 嘘を積み重ねれば信頼は損なわれるだけである。そのことを政府は肝に銘じる必要がある。


社説沖縄タイムス 2008-05-19】

日本の地方自治体・企業・各種団体、被災地に支援


 日本の地方自治体、企、各種団体などが、四川省の地震被災地にお見舞い義捐金提供のを示している。

 オリンパスは16日、同社の中国法人を通じて義捐金100万元と救援設備を送ると発表した。

 富士通労働組合はこのほど義捐金500万円を送ることを決定した。

 創価学会では現在、会員から寄せられた義捐金が3000万円に達した。

 神奈川県は中国大使館を通じて100万円、東京も同じく525万円を送った。少林寺拳法連盟は100万円を送った。

 奈良県、兵庫県、神戸市はそれぞれ100万円を送った。兵庫県の井戸敏三知事と神戸市の矢田立郎市長は「1995年に日本でも阪神大震災が発生しており、今回の四川大地震は人ごととえない。今後は地震対策方面での中国との交流・協力を一層強化していきたい」と話す。

 このほか大阪府議会、京都府、京都府議会、広島県、岡山県、滋賀県、大阪市、京都市、関西経済連合会などから、さまざまなスタイルのお見舞いや支援が寄せられている。


人民網日本語版 2008-05-19】


 人民網とは人民日報のこと。

天気予報


 関東は今晩から明日のにかけて土砂降り。配達員さんに一かけておいてね。

2008-05-17

『武装解除 紛争屋が見た世界』伊勢崎賢治


 威勢がいい。喧嘩も強そうだ。国際NGOに身を置き、世界各地で紛争処理の指揮を執ってきた人物である。白々しい理もなければ、七面倒な平和理論もない。伊勢崎氏は素早く現実を受け入れ、具体的に武装解除を行う実務家である。平和は「説くもの」ではない。明治維新において数々の調停をこなしてきた勝海舟わせる。


組織は所属し自分のために利用するが絶対に帰属しない」というスタンスはその後、今の今までずっと続いている。


 やや日本人離れした印象を受けるのは、徹底して個人であろうとしているためだろう。


 人は、明日の糧をい、子供たちの明日をい、たとえ慢的な飢餓の状態であっても、ぎりぎりの状態まで、来季植えるはずの種に口をつけるのをためらう。この営みを「開発」という。「開発」とは、明日をう人々の営みである。だからこそ、どんなに貧しい人々であろうとも、それぞれの地にとどまり、なけなしの種を蒔(ま)き、雨を待つ。未来への投資。まことにちっぽけなものであるが、それこそが自らの「開発」に向けての欲である。僕たち国際協力界の人間は、その欲に寄り添い、それが倍倍速で進むよう追加投資をするのだ。しかし、「紛争」は、それを根こそぎ、人々の社会秩序、伝統文化、人間の倫理を含めて、すべて破壊し、人々を地から引き裂く。人々の「開発」の営みが、その積年の集積が、そして僕たち「部外者」が他人の生活のうえに描く理郷が、一瞬にして廃墟と化す。


 平和活動家にありがちな自己讃美は皆無だ。「開発」という言葉の重みを見事に表現している。


 9.11世界貿易センターでの犠牲者は3000人余。

 シエラレオネで、殺人より残酷と言われる手足の切断の犠牲者になった子供たちの数は、数千人。10年間の内戦の犠牲者は、5万とも、50万人とも言われる。この内戦の直接的な指導者は、フォディ・サンコゥ。

 過去の虐殺を犠牲者の数だけで比較するのは不謹慎かもしれない。しかし、3000人しか死んでないのに、なぜそんな大騒ぎを、というのが、1000人単位で市民が犠牲になる身近なニュースに馴れたアフリカ人の率直なだろう。そして、3000人しか殺していない(それも自爆テロという勇敢な方法で)オサマ・ビンラディンが“世界の敵”になり、量的にその何十倍の残虐行為(それを無知な子供を少年兵として洗脳し、親兄弟を殺させ、生きたまま子供の手足を切断し、妊婦から胎児を取り出し、目をえぐり、焼き殺す)を働いた首謀者フォディ・サンコゥが、どうしてシエラレオネの副大統領になるの? というのが、前述のBBCの番組に生のの出演をしたもないシエラレオネ人婦人の本音であったろう。


 この鬼畜の如き人物を副大統領にしたのは米国であった。BBCのラジオ国際放送に電話で参加したリスナーの女は、「オサマ・ビン・ラディン氏を米国の副大統領にすべきだ」と主張した。


 米連合軍の司令官クラスと日常的に接する著者は、日本の資金的貢献が評価されていることを実する。


 つまり、相手はちゃんと評価しているのに、評価していないと、その相手がいない日本国内で、日本の政治家たちは騒ぎ立ててきたのだ。

 本来、国際協力の世界では、金を出す者が一番偉いのだ。

 それも、「お前の戦争に金だけは恵んでやるから、これだけはするな、それが守れない限り金はやらない」という姿勢を貫く時、金を出す者が一番強いのだ。

 しかし、日本はこれをやらなかった。「血を流さない」ことの引け目を、ことさら国内だけで喧伝し、自衛隊を派兵する口実に使ってきた。

 ここに、純粋な国際貢献とは別の政治的図が見え隠れするのをじるのだ。


 議論巧者とは全く異質の説得力がある。さすが、「紛争屋」を乗るだけのことはある。尚、本書で公明新聞への寄稿が紹介されているが、詳細は赤松正雄氏のブログに書かれている。

武装解除  -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)

矢野絢也氏関連記事

 矢野氏は既に学会員ではない。公明議員OBが提訴した時は、「学会員が学会員を訴える」という異様な格好になっていた。既に録音テープが「脅迫ではなかった証拠」として採用されており、矢野氏の行動は全く理解しがたいものだ。

公明・太田氏、矢野元委員長を非難「人間として信じがたい」


 公明党太田昭宏代表は16日午前の記者会見で、同党の矢野絢也元委員長が支持母体の創価学会を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こしたことについて「『支援団体にお世話になった、謝している』と言いながら提訴するとは、人間として信じがたい」と非した。

 矢野氏は12日、評論活動をやめるよう強要されたとして創価学会と幹部7人を相手取り、慰謝料など5500万円を求める訴訟を東京地裁に起こした。


【産経新聞 2008-05-16】

2008-05-16

小沢代表の国替え論で波紋…太田・公明党代表の東京12区に


 民主党の小沢代表が次期衆院選で、長年の地盤である岩手4区から東京12区に自らの選挙区を変更する構が浮上し、波紋を広げている。

 石井一副代表が14日、党本部で小沢氏と会い、「国替え」を提案した。東京12区は公明党太田代表の選挙地盤で、民主党の候補者は未定だ。党内には「支持者の気持ちを考えれば、国替えは現実的には困」(幹部)との見方が強いが、“奇策”をちらつかせることで、公明党と同党の支持母体の創価学会をけん制する狙いもあるようだ。

 石井氏によると、小沢氏は会談の中で「東京12区から出馬したら、公明党が重視する来夏の東京都議選と重なることを避けるため、次期衆院選の時期が早まるかもしれない」と語り、選挙区を変える可能に含みを持たせたという。

 小沢氏は31日の盛岡市での記者会見でも、自らの選挙区変更の可能を聞かれ、「選挙になったら答える。今はそんな考えを持っていない」と味深長な発言をしている。


【読売新聞 2008-05-15】

『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ


 50あまりの事故を取り上げ、その原因を検証。いずれも、小さなミスと油断が取り返しのつかない大事故、大惨事の導火線になっている。専門用語が多いが、達の文章で読ませる。少しばかりを言えば、過去の歴史を引っ張り出した際に時系列がわかりにくくなっている。一つのヒューマンエラーで事故は起こらない。必ず、複合する要因がある。重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する(ハインリッヒの法則)。あらゆるところで、コンピューターや機械が使用されている現在、被害は桁違いになることを銘記する必要がある。


 安全係数は年ごとに小さくなり、いっぽう、われわれの利用するエネルギーの出力は増大している。


 奇怪な脅威はどこからともなくあらわれ、一撃をくらわすと、姿を消すかのようにわれるのだ。だが、最近の研究によれば、マシン事故による惨事は、ほとんどの場合、複数の失敗とミスが重なってようやく発生するということが明らかになった。たったひとつの災、たったひとつの原因だけでは、なかなか大惨事にはいたらない。大惨事は、貧弱なメンテナンス疎通の悪さ、手抜きといった要因が組みあわされることによって発生する。そうしたゆがみは徐々に形成されていく。


 大規模な工技術事故という世界は、深刻なものであり、戦場に匹敵するような混沌と破壊をもたらす可能がある。生き残った人びとが、周囲に生まれた新しい世界のことを理解しようとあがいているあいだにも、貴重な時間が刻々とすぎていく。それはクラッシュしたコンピューターを再起動するときにかかる時間と似ている。そうした出来事は、あまりにも珍奇だったり、あまりにも大きな精神的外傷を与えるものだったりするので、われわれの原始的本能である「闘争か逃走か」という行動をとらせるような衝撃をもたらさないことがある。人びとはパニックになってはいけないときにパニックになる。逃げ出さなければ助からないときに、じっとすわっている。不時着した英国航空機の乗客のひとりがあとから語ったところによると、同乗者たちは、衝撃の激しさにびっくりしたのと、自分たちがまだ生きているのに驚いたあまり、全員が静かに着席したまま、通路を流れてくる燃料の火炎をながめていたという。


 最近の研究によれば、タイタニックは、船殻(せんこく)に打ってあるリベットの金属が高品質であれば、氷山と接触したぐらいでは沈没しなかっただろうといわれている。


 この事故に関する著作の決定版ともいえるダイアン・ボーンの『チャンレジャー打ち上げの決断』によると、NASAとモートン・シオコール社の双方とも、お役所的な目標達成を第一とするあまり、大きくなりつつある問題があっても都合のいいように解釈し、あげくには黙認してしまう体質におちいっていて、そのため事態を深刻化させたのだという。NASAは、この問題を宇宙飛行士たちに直接伝えて見を聞こうとせず、また、危険を真剣に受けとめて、適切な措置をとるために計画を一時中断することもせずに、耐熱パテを詰めたり、Oリングの試験手順をいじるといった小手先の対策でOリング危機を封じ込めようとした。それどころか、シオコール社がこうした技術上の判断よりもずっと説得力のある提案を出してこないかぎり、打ち上げを延期して天気が暖かくなるのを待つはなかった。ボーンのことばによれば、それは「逸脱の常態化」だった。

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

映像で迫る宗門問題の淵源/秀作「天魔がゆく」シリーズを中心に


楽土建設の革命児たれ!」の記事で知った。宗門問題を知らない世代は必見。ダウンロードも可能。わたしゃ、ビデオを全部持ってるよ(笑)。

2008-05-15

中日新聞の特集記事が素晴らしい/「トヨタの足元」


 静かではあるが、断固たる態度でペンを握っている姿が目に浮かぶようだ。ジャーナリズムの魂は「勇気」にある。決して安易な批判ではなく、トヨタへの熱いいが「諫言」となっているのだ。

後期高齢者医療 これから始まる第2、第3の“姥捨て”メニュー


 次々とデタラメが発覚している後期高齢者医療制度。しかし、これまでの騒動はまだ序章に過ぎない。今後、第2、第3の“姥捨て”メニューが待ち受けているからだ。

 後期高齢者医療制度の“正体”が再び明らかになるのは8だ。制度導入の経過措置が切れ、高齢者によっては医療費の窓口負担が従来の1割から3割にハネ上がる。

「対象となるのは、夫が75歳以上で年収383万円以上、妻が70〜74歳で世帯年収520万円未満の夫婦。夫は新制度のもとで3割負担になります。ただでさえ分かりにくいのに、厚労省は対象者に何の説明もしていないからパニック必至です」(霞が関事情通)

 同じく経過措置が切れる理由で、今は保険料が免除されている被扶養者の後期高齢者も10から保険料が徴収される。老人イジメのフルコースはそれだけじゃない。10以降、高齢者が続々と病院から放り出される事態が起きかねないのだ。

「08年度の診療報酬改定で、10からは脳卒中で重度障害を負った75歳以上の患者や、認知症患者の診療報酬が減額されます。採算が取れなくなる病院では患者の追い出しが始まる可能が高い。政府は、療養病床を35万床から15万床に減らす計画まで進めています」(医療関係者)

 保険料が2年ごとに見直される点も忘れてはいけない。2015年には1.39倍に膨れ上がるという試算結果もある。

 ダメ押しは、点数600点(6000円)の「包括払い」(定額制)の拡大だ。4から糖尿病や高血圧の患者が対象となり、手厚い治療をしても病院は収入増にはならなくなった。手抜き医療の急増が不安視されているが、これさえも「ほんの入り口」というのだ。

「現状では包括払いは患者の『選択制』となっているが、それでは医療費は一向に減らない。今後は『強制』に切り替えられる恐れがあります。また、包括払いの対象となる医療も増え、高齢者はあらゆる終末医療で制限されかねない。その証拠に、厚労省はこれらの可能を指摘されても、否定しようともしないのです」(民主党・山井和則衆院議員)

 この政権は本当に老人を“抹殺”する気か。


【日刊ゲンダイ 2008-05-15】

『累犯障害者 獄の中の不条理』山本譲司


 とにかく読んでもらいたい。そして、家族や友人にも読ませて欲しい。衝撃などという生やさしいレベルではない。登場人物全員によって袋叩きにされたような痛みを覚えた。障害者が置かれた現状を知れ! この国に政治家どもが口にするセーフティーネットなんか存在しないことが理解できる。


 著者の前に聞き覚えのある人も多いことだろう。民主党の衆議員をしていた時に、秘書給与流用の罪で実刑判決2001年2)をくらった人物である。山本氏は刑務所に知的障害者が多いことに気づく。出所後に取材を重ねて出版された第二弾が本書である。このような事実がいまだかつて指摘されなかったこと自体が大問題だ。


 タゴールは叫んだ。「人間の歴史は、侮辱された人間が勝利する日を、辛抱づよく待っている」(「迷える小鳥」/『タゴール著作集』第1巻所収/藤原定訳〈第三文明社〉)と。詩聖のに去来したのは、人間扱いされずに虐げられた人々への限りない共であり、人間が人間らしく生きてゆける世界への渇仰であり、正義が正義としてまかり通る真っ当な歴史への期待と確信であった。だが、侮辱されたまま牢獄で朽ち果ててゆく人々が日本には山ほどいた。


 ある日、満期出所を目前にした受刑者の一人が言った。

「山本さん、俺たち障害者はね、生まれたときからを受けているようなもんなんだよ。だからを受ける場所は、どこだっていいんだ。どうせ帰る場所もないし……。また刑務所の中で過ごしたっていいや」

 再犯をほのめかしているとも受け取られる発言だ。さらに、「俺ね、これまで生きてきたなかで、ここが一番暮らしやすかったとっているんだよ」と真顔で語る。

 自由も尊厳もない刑務所のほうが暮らしやすいとは、塀の外の暮らしは、障害者にとってそんなにも過酷なものなのか――。私は、彼の言葉に胸をえぐられるような衝撃を受け、同時に、「議員活動のなかで、福祉の問題に関しては自分なりに一生懸命に取り組んでいた」と考えていた自分自身が情けなくなってきた。


 法務省が毎年発行している『矯正統計年報』に、「新受刑者の知能指数」という項目がある。最新の統計結果、2004年の数字で例示すると、新受刑者3万2090のうち7172(全体の約22%)が知能指数69以下の受刑者ということになる。測定不能者も1687おり、これを加えると、実に3割弱の受刑者が知的障害者として認定されるレベルの人たちなのだ。


 2006年17日、JR下関駅が放火され全焼。隣接する飲食店など約4000平方メートルを焼き尽くした。福田九右衛門(74歳)による犯行だった。10回目の服役を終え、出所した直後のことだった。放火の理由を「刑務所に戻りたかったから、火をつけた」と語った。著者は福田被告に会うべく刑務所を訪れた。


「刑務所に戻りたかったんだったら、火をつけるんじゃなくて、喰い逃げとか泥棒とか、ほかにもあるでしょう」

 そう私が訊ねると、福田被告は、急に背筋を伸ばし、顔の前で右手を左右に振りながら答える。

「だめだめ、喰い逃げとか泥棒とか、そんな悪いことできん」

 本気でそう言っているようだ。やはり、常識の尺度が違うのか。さらに質問してみる。

「じゃー、放火は悪いことじゃないんですか」

「悪いこと」

 即座に、答えが返ってきた。当然、悪いという認識はあるようだ。

「でも、火をつけると、刑務所に戻れるけん」

 そう付け加える福田被告。頭の中に、「放火イコール刑務所」ということが刷り込まれているようだ。もし最初の懲役刑が別の犯罪だとしたら、その場合は、それと同じ犯罪を延々と繰り返していたかもしれない。


 福田被告は犯行直前に北九州市内の区役所を訪ね、生活保護の申請をしていた。「刑務所から出てきたけど、住むところがない」と何度も言ったが、「住所がないと駄目だ」の一点張り。全く相談にも乗ってくれなかったという。挙げ句の果てに一枚の切符を渡され、追い出される。その切符が、下関駅までの切符だった。福田被告は少年時代、父親から凄まじい虐待を受けていた。


 浅草・女子短大生刺殺事件。レッサーパンダの帽子をかぶった男による犯行。彼もまた知的障害があり、職場で散々ないじめに遭った。前歯が全部折れるほどの暴行を受けたという。父親からも、皮膚が膨れ上がるほど青竹で叩かれた。山口被告の妹は、13歳の時に母親が病死したため進学を断。家計を支えるために働き通しの毎日を過ごした。事件の直前に末期癌が見つかった。一家を支えてきた妹は、障害者手帳も所持してなければ、障害者基礎年金も受給してなければ、医療費免除の対象にすらなってなかった。当然、生活保護も受けていなかった。「共生舎」という札幌市内の障害者支援グループが支援に乗り出した。後に、58歳の父親にも知的障害があることが判明した。


「病院では死にたくない。最後に少しだけでもいいから、一人暮らしがしてみたい」――そう話す山口被告の妹を共生舎が全力で支援する。主宰者の岩渕進さんが号令をかけた。「自分たちの持つあらゆる力を駆使して、彼女の一人暮らしを支えていこう。体力、知力、根、金、すべてをとことん注ぎ込む。これは、硬直した現在の医療・福祉行政への挑戦でもある」。凄まじい気概である。本当のセーフティーネットとして窮地に陥った人々を救っているのは、社会福祉法人格もNPO法人格も持たない彼等であった。


「これまで生きてきて、何も楽しいことはなかった」

 岩渕さんは、妹のこの言葉に愕然としたという。彼女は、中学生の頃から家事労働に追われる毎日を過ごし、休日や放課後に友人と遊ぶこともなかったらしい。個人旅行の経験など、ただの一度もなかった。自我を消し去り、家族のために生き続けた25年間。これでは、あまりにも寂しすぎるし、悲しすぎる。

「これからは、目一杯、楽しいことをして暮らそう」

 岩渕さんは、そう妹に呼びかけた。そしてそれからは、彼女を未知の世界へと連れ出す日々が続く。映画館、花火大会、学園祭、居酒屋などなど。ボランティア学生たちとのパーティーも頻繁に開いた。「東京ディズニーシー」「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」「志摩スペイン村パルケエスパーニャ」「ジブリの森」といった日本各地のテーマパークにも出掛けた。いつも、酸素吸入用の大型コンプレッサーやストレッチャーを携えての大移動だった。

「はじめは誰にもを開かなかったあの娘がな、をあげて笑うようになったんだ」

 微に入り細を穿(うが)つ支援を尽くした岩渕さんは、磊落(らいらく)な笑顔を浮かべ、当時を振り返る。「人生、何も楽しいことはない」と漏らしていた彼女が、「もう少しだけ、生きてみたい」と望むようになったそうだ。


 そんな中でも妹は、兄が事件を起こしたのは自分にも責任があると我が身を責め続けた。妹は、医師の宣告よりも7ヶ長生きし、多くの人に見守られて亡くなった。


「おいお前、ちゃんとみんなの言うことをきかないと、そのうち、刑務所にぶち込まれるぞ」

 そう言われた障害者が、真剣な表情で答える。

「俺、刑務所なんて絶対に嫌だ。この施設に置いといてくれ」

 悲しいかな、これは刑務所内における受刑者同士の会話である。

 かくの如く、私が獄中で出会った受刑者のなかには、いま自分がどこにいて何をしているのかすら全く理解していない障害者がいた。さらには、言葉によるコミュニケーションがほとんどできない、重度の知的障害者もいる。


 物証は何もない。にも拘わらず、宇都宮地検は929日、自白調書のみを頼りに、男を起訴した。こうして重度の知的障害者である男が、連続強盗事件の被告人となったのである。

 重度知的障害者は医学的にいって、精神年齢は3歳から5歳程度である。そんな人間を、どう裁くというのだろう。


 この沿革からも分かるように、知的障害者と売春の関係は根深い。我が国では古くより、知的障害者の女を売春婦として働かせるために勾引(かどわ)かしてきた歴史があり、売春防止法以前の公娼にはかなりの割合で知的障害者がいたといわれる。


 売春するたび、その相手からの言葉に満足を覚えていたという彼女。そこからは、売春という行為に対する負い目や反省の気持ちはまったく伝わってこない。

 早苗さんが長男を儲けたのは、23歳の時だった。父親はキャバレーの客だった男だが、子供の顔を見ることもなく、彼女の前から消え去ってしまう。そして結局、早苗さんは母親のもとに戻ることになった。

 私はその母親についての話を聞き、さらに驚くことになる。

 実は、重度の知的障害者である母・夏江さん(仮)も、早苗さんと同じような生き方をしてきた人なのだ。つまり、この知的障害者親子は、二代にわたり売春婦をやっていたことになる。


 立件された事件のみを並べただけでも、男たちの没義道(もぎどう)ぶりがよく分かる。組織の資金を得るため、彼らがそのターゲットとしたのは、すべてろうあ者だった。おそらく、これだけの非人道的な事件は、ヤクザの世界でも前代未聞であろう。

 が、しかしである。この事件をマスコミ報道することは、ほとんどなかった。また、ろうあ者団体による抗議の明も出されていない。その理由は、明らかである。実は男もまた、生まれながらのろうあ者だったのである。それだけではない。男が率いる暴力団組織の構成員は、全員がろうあ者だったのだ。


 ところで、内閣府が発行している『障害者白書』の平成18年版によれば、「現在、日本全国の障害者数は、約655万9000人」となっている。その内訳は、身体障害者が約351万6000人(うち聴覚障害者・約34万6000人、視覚障害者・約30万1000人)、精神障害者が約258万4000人、知的障害者が約45万9000人だ。

 しかし、この知的障害者の総数は、非常に疑わしい。

 人類における知的障害者の出生率は、全体の2%から3%といわれている。だが、45万9000人だと、我が国総人口の0.36%にしかならない。欧米各国では、それぞれの国の知的障害者の数は、国民全体の2%から2.5%と報告されているのだ。「日本人には知的障害者が生まれにくい」という医学的データは、どこにもない。要するに、45万9000人というのは、障害者手帳所持者の数なのである。現在、なんとか福祉行政とつながっている人たちの数に過ぎない。本来なら知的障害者は、日本全国に240万人から360万人いてもおかしくないはずである。


 いずれも我々が住む国の話だ。政治家の無能と国民の無知が、刑務所と暴力団をセーフティーネットにしているのだ。尚、山本譲司氏は参議院法務委員会参考人として見陳述しているが、公明党議員で山本氏のを傾ける議員はいなかったのだろうか?

累犯障害者 (新潮文庫)

2008-05-14

300万ヒット達成


 200万ヒットが昨年10月28日のこと。アクセス数は一日5000ちょうど。私が生まれたのは、学会が300万世帯を達成した翌年である。

道路特定財源10年間維持:各紙社説


道路財源再可決 まさかこれで一段落とは


 だれもが矛盾があると認めている法案が結局、まかり通ってしまった。もちろん、13日の衆院本会議で与党などの3分の2以上の賛成多数で再可決され、成立した改正道路整備財源特例法である。

 改めて指摘しておく。改正法は道路特定財源を今年度から10年間維持する内容だ。一方、これに先だち、政府が閣議決定したのは道路特定財源を09年度から廃止し、一般財源化する方針だ。矛盾とはそれだ。

 これまでも閣議決定が後にほごにされたり、法案化の段階で骨抜きになった例はある。だからこそ、毎日新聞は一般財源化の道筋を確たるものにするためには改正法をきちんと国会で修正するのが筋だと再三主張してきたのだ。

 衆院での再可決は福田政権では3度目となる。憲法の規定に基づくとはいえ、再可決は乱用すべきではないとも私たちは指摘してきた。ましてや、今回は矛盾を抱えたままでの再可決だ。これで納得しろという方が無理である。


【毎日新聞 2008-05-14】


「道路」後 エンスト政治の清算を


 またまた、衆院で「3分の2」の多数決である。道路特定財源を10年間維持するという特例法改正案が、衆院での再可決を経て成立した。

 自衛隊がインド洋から引き揚げてまた行ったり、ガソリンの値段が下がってまた上がったりと、これまでの政治では考えられない事態が起きた。民主主義のコストとも見えるが、それにしても政治の知恵のなさにはあきれた、という有権者は多いだろう。

 自民党は2年8カ前の総選挙で大勝し、民主党は10カ前の参院選で第1党の座を占めた。ともに「勝ち」を主張して譲らない。それが、ことあるごとに政治をエンストさせる元凶だ。

 この停滞を打開するには、結局、勝敗をつけるしかないのだ。福田首相は一刻も早く衆院を解散し、総選挙で国民の信を問うべきだ。


日新聞 2008-05-14】


道路再可決 国民のを聞く時だ


 ねじれ国会で政府・与党が出した結論は民とねじれている。一般財源化と言いながら、道路財源を維持する改正特例法が衆院で再可決された。国民は納得しないだろう。信を問う時ではないか。(中略)

 一般財源化が実現しても、財布のひもを握るのが国交省から財務省に移るだけでは、無駄遣いが続く実態はさほど変わるまい。政府は週内に関係閣僚会議を開く。「生活者財源」を掲げる首相は道路族の圧力をはね返して、政策の優先順位を提示できるかどうか。

「約束をたがえることがあれば、自民党に明日はない」と語った首相である。発言の真偽が近々問われよう。

 与党内には今回の再可決で今国会は終わったとの雰囲気も漂う。低支持率の逆風に今は身をすくめるしかないとして、衆院解散は来年のサミット後というが強い。

 再可決について国民のをぜひ聞いてみたい。民を置き去りにしたままでは、与党はいずれ大きな代償を支払うことになる。


東京新聞 2008-05-14】


 読売産経日経は一般財源化を支持。民主党に対して話し合いを求める内容となっている。

後期高齢者医療「評価できない」75%


 今回の世論調査で後期高齢者医療制度について聞いたところ、「評価できない」と答えた人が75%に上りました。

 調査によりますと、後期高齢者医療制度を「評価できる」と答えた人は19%にとどまり、「評価できない」と答えた人は75%に上りました。

 これを支持政党別に見ると、自民党支持者のうち59%、公明党支持者でも60%の人が「評価できない」と答えていて、与党支持者の過半数がこの制度に反対していることが明らかになりました。

「私は基本的に、この制度は重要な制度であり、必要な制度だとっていますが、運用上、若干の手直しが必要なところがあるならば、率直に見を伺いましょうというスタンスです」(町村信孝 官房長官

 また、「評価できない」と答えた人に、「新しい制度を廃止して元の制度に戻すべき」か、あるいは「法改正すべき」かを聞いたところ、74%の人が「法改正すべき」と答えました。


【TBSニュース 2008-05-12】

2008-05-13

クローズアップ2008:横行「名ばかり管理職」 低賃金策、背景に


ばかり管理職」が依然として労働現場に横行している。ハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」が店長に時間外手当を支払わなかったのは違法と認定した東京地裁判決から4カ。判決を契機に改善に乗り出した企は一部にとどまり、今9日には新たにコンビニエンスストアSHOP99」の元店長が会社を相手に提訴した。低賃金を価格競争の原動力にする企実態が背景にある。


常態、手当なし/過重労働、命の危険も


 未払いの残代など約450万円の支払いを求め、「SHOP99」の経営母体「九九プラス」(本社・東京都小平市)を訴えた清水文美(ふみよし)さん(28)は、入社後わずか9カで店長にさせられた。清水さんが加盟する組合「首都圏青年ユニオン」が団体交渉したところ、会社側は店長職について、経営と一体的な立場にある「管理監督者」であると説明した。同社には800を超える店舗があり、正社員約1200人のうち800人以上が管理監督者になってしまう。


 清水さんはアルバイトの日程が調整できない時は代わりを務め、連続勤務は最大で29日間に及んだ。24時間勤務を終え50分間休み、また24時間働いて、10分空けて17時間働いたこともあった。しかし、管理監督者という理由で、一般従員の時に手取り29万円だった給与は店長就任後21万円に減らされた。


「違法な仕組みが、いかに会社に深く根付いているか」。労働問題を中に弁護活動を行っている日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は驚きを隠さない。


 日本マクドナルドを巡る1の東京地裁判決(同社は控訴)を受け、同弁護団が2に実施した電話相談には5時間で100本の電話があった。入社2年目の19歳で管理職にされ、60時間近い残代が支払われなくなったケースや、「管理職候補」の肩書だけで残代が支払われなかったケースもあった。


 過重労働による健康被害も問題の一つだ。


 マクドナルド裁判の原告で同社店長の高野広志さん(46)がを上げたのは、過労死と家庭崩壊の危機からだった。残100時間を超え、「僕らが死んでもお葬式にも参列できないね」と子に言われて言葉を失ったという。高野さんは「管理監督者だとって頑張ったが、企は残代を払わないことを決めておいて、そこに理屈を当てはめただけ」と憤る。うつ病を発症した清水さんも「人を人として扱うとはどういうことか、根本的に考え直してほしい」と訴える。


 厚生労働省によれば、06年度に過労自殺として労災認定された人は前年度比57%増の66人、過労によるうつ病も同61%増の205人に上った。過労による脳・臓疾患の労災も335人(うち死亡147人)で、いずれも過去最多だった。会社の中核となる30〜40代が目立つが、これは「ばかり管理職」が多い年代でもある。


 政府は仕事と生活の調和を目指すワーク・ライフ・バランス(WLB)の視点から、労働基準法改正案を国会に提出した。時間外労働の賃金割増率(現行25%)を見直し、長時間労働の抑制を目指す。具体的には時間外労働が、45時間までは25%▽45〜80時間は25%以上(労使協議で決める)▽80時間以上は50%とする案だ。


 ある大手産別労組幹部は「割増率の引き上げは長時間労働の抑制には効果的かもしれないが、企側はますますばかり管理職を増やし残代を免れようとするのではないか」と危惧(きぐ)する。


、見直し消極的 支払い増で減益を懸


 マクドナルドを巡る東京地裁判決を受け、一部の企は店長への残代支払いや勤務形態の変更を行った。しかし、消費が低迷する中、人件費増への抵抗は根強く、大勢にはなっていない。


 紳士服チェーン「青山商事」は、4から全国750店の店長と本社課長ら計936人に残代を支給し始めた。全従員の2割以上に当たり、社会保険料などを合わせた過去2年分の人件費約12億円も支払った。


 コンビニエンスストア最大手の「セブン−イレブン・ジャパン」も3から直営店の店長約500人に残代の支払いを始めた。「待遇見直しは以前から検討しており、判決を受けた対応ではない」と同社は説明する。ただ、店長手当を半額程度に減らしたため、店長収入は従来とほとんど変わらないという。


 一方、外食産のロッテリアは「長時間労働を発生させない仕組みを検討する」として残代は支払わない方針だ。勤務を法律に触れない形態に改め、人件費増を最小限に抑えるぎりぎりの線を模索している。


 ある証券アナリストは「残代の支払い増加で、利益が吹き飛ぶ企も出てくる。待遇を見直せば商品に価格転嫁せざるを得ないのでは」と指摘する。しかし、企側に「ばかり管理職」が違法という認識が薄かったのも事実。違法行為が企イメージを悪化させる恐れをどう考えるか、判断が問われる。


放置すれば健康守れず 金だけの問題ではない――濱口桂一郎・政策研究大学院大学教授(労働法・労働政策)の話


ばかり管理職」について議論する際、まず人事処遇上の「管理職」と労働時間規制を外してもよい「管理監督者」は全く異なる概だということを確認すべきだ。さらに、時間外手当さえ支給されれば問題が解決されると考えるのも正しくない。過重労働を放置すれば労働者の命と健康は守れないからだ。この認識のうえでなら、一定以上の年収がある社員の残代免除という議論はありうる。お金の話は命や健康とは切り離して考えるべきだ。


ことば


管理監督者と管理職

 厚労省は通達で、管理監督者の要件として(1)経営者と一体的な立場(2)出退勤の自由(3)地位にふさわしい待遇−−などを挙げている。一方、労働基準法は残などの時間外労働に対して割増賃金を支払うことを義務づけているが、管理監督者については適用を除外している。このため、単なる社内的職制である管理職を管理監督者と同一扱いし、店長などの肩書を与えて残代を支払わない企が続出した。厚労省が委託した06年の企実態調査によると、課長クラスで7割以上、課長代理で4割以上が管理監督者として扱われていた。半数以上は出退社の自由はなく、残代もゼロだった。


ばかり管理職」を巡る最近の動き

  • 122日 紳士服のコナカが元店長に残代600万円を支払うことで労組と協定締結。
  • 128日 日本マクドナルドの店長が残代の支払いを求めた訴訟で、東京地裁が755万円の支払いを命じる判決。
  • 28日 播州信用金庫(本店・兵庫県姫路市)の元支店長代理が残代支払いを求めた訴訟で神戸地裁姫路支部が同金庫に450万円の支払いを命じる判決。
  • 321日 日本マクドナルドの元店長4人が残代1720万円の支払いを求め東京地裁に提訴。
  • 414日 紳士服のコナカの店長2人が残代1284万円の支払いを求め労働審判申し立て。
  • 418日 大津労働基準監督署が滋賀県守山市の県立成人病センターの医師十数人に残代を支払うよう勧告。
  • 59日 SHOP99の元店長が残代など450万円の支払いを求め東京地裁に提訴。

【毎日新聞 2008-05-13】


 経団連と政府与党がタッグを組んで導入しようとしているホワイトカラーエグゼンプションの実態がこれだ。後期高齢医療制度でお年寄りが殺され、ホワイトカラーエグゼンプションサラリーマンが殺されようとしている。経済同友会代表幹事の一文に寄せられたコメントを見てもらいたい。コメントの方がずっとまともだ。

「フリー・ネルソン・マンデラ」スペシャルAKA


 スカ・ロックの旗頭だったスペシャルズが分裂。スペシャルAKAファン・ボーイ・スリーというバンドを生んだ。この曲が収録されたアルバムは二十歳の時に買ったもの。私は始めてネルソン・マンデラという前を知った。それから、わずか7年後にマンデラ氏が先生と出会うことなど夢にもわなかったよ(笑)。マンデラ氏は私が生まれる前から牢獄につながれていた。「ネルソン・マンデラを自由に!」――大衆音楽が政治色の強いメッセージを放つ時、民衆の支持が醸成される。

In the Studio

Web2.0が何を変えるのか?


 1999年からインターネットに接続してきた私の経験からいえば、あまり変わらないような気がする。特に学会員の場合は(笑)。


 Web2.0ネット環境を劇的に変えた。ユーザー志向の動的な要素を取り込んだこと自体、「Web上の民主化」を一気に促進したといってよい。例えば、トラックバックによって議論が可能になったり、コメント欄でを伝えたり、ブックマークや拍手機能などで無言のエールを送ることも可能になった。


 ところが、技術が進歩している割には人間の方がおっつかないというのが現状ではないだろうか。個人的なことで恐縮だが私の場合、インターネットを始めてから2〜3年の頃が最も人脈を広げることができた。趣味が嵩(こう)じてオンライン古書店を立ち上げたが、この関係だけで100人以上の人々と直接会っている。定期的に勉強会を開催し、色々と実験的な試みにチャレンジした。後に失敗してしまったのだが一時期は、二分されているオンライン古書界の第三勢力として古書店を糾合した。


 学会関係だと、「創価法研鑚掲示板」と「創価学会ML」を立ち上げた。メーリングリストは100人あまりが参加していた。ところが、投稿内容が2ちゃんねるに貼り付けられるなどした挙げ句、投稿も少なくなり、一旦役目を終えた。あの頃はアンチの連中を叩きまくったものだ(笑)。今でも行き来しているのは、この頃知り合ったメンバーだ。2001年にはメールのみで折伏を成し遂げ、昨年はメールで知り合った新入会メンバーが折伏を決めた。


 以降、「創価wiki」〜「創価王道」と現在に至っている。私は「はてな」の機能に驚かされた。「これでやりたいことの殆どができるぞ!」と勇み立った。そこでまず結集を呼びかけた。それに応じてくれたのは、わずか3だった。「創価DB」と「ネット教学部」も2〜3という有り様。その時書いたのが「私見:舎衛の三億」である。

 何でこんなことをつらつら書いているのかと言うとだね、先ほどWeb2.0の伝道者・梅田望夫氏の「グーグルに淘汰されない知的生産術」という一文を読んで考え込んでしまったのだ。


 ネットの関係は、「情報(データ、見、考え)のギブ・アンド・テイク」によって支えられている。だから、基本的に一方通行の関係は成立しない。ところが大半の学会員は「情報の受け手」に甘んじている。考えられる理由は三つある。1.多忙を極めてネットに接続できない、2.発信すべき何ものも持ち合わせてない、3.ネットの使い方がよくわからない、といったところだろう。2と3はかなり問題だ。組織に隷属するあまり、自由な発を失った観がある。


 以下のテキストも大変参考になった。

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501) ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)


 先日紹介した『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』の「弱い絆」というのは、ネットの関係だと私は考えている。今、組織という形態が行き詰まりを見せる時代になりつつある。これを打開するには、「新しいネットワーク」を自分でつくるしかない。仕事であっても同様だ。


“緩やかなつながり”が、あっと言う間に時代を動かす潮流となるだろう。新しい舞台が、新しいリーダーを求める。もしも、昭和54年にネット環境が整備されていれば、正しい情報を共有することも可能だったはずだ。


 また、新時代の医療などを考えても、地方や高齢者の方ほどパソコンを使えるようにしておくべきだ。

2008-05-12

元公明党委員長、創価学会を提訴=「言論活動を妨害」−東京地裁


 評論家としての活動をやめるよう強要されたなどとして、元公明党委員長の矢野絢也氏(76)が12日、創価学会と幹部7人を相手取り、慰謝料など5500万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 訴状などによると、矢野氏は2005年5創価学会の施設内で複数幹部に囲まれ、政界引退後に続けていた評論活動の中止を要求された。翌6には多額の寄付も迫られ、「言論活動を妨害され、強い不安を抱いての日常生活を余儀なくされた」としている。


時事通信 2008-05-12】


 尚、矢野氏は1日付で退会届けを提出している。

「米デューイ協会がSGI会長に終身名誉会員」


 昨日付の1面トップ記事。戦後の焦土に一人立ち上がった戸田先生は、「の次元において、国家神道プラグマティズムに敗れたのだ」(趣)と喝破された。そのプラグマティズムを代表する家こそ、ジョン・デューイである。大学の教育学部では必ず学ぶ人物。米国で理学やマーケティングが発展したのも、プラグマティズムという的背景があったればこそと個人的に考えている。そこから派生したのが「マニュアル」だろう。このように考えると「終身誉会員」の義は計り知れない。しかも、第一号である。先生ご自身が、世界にそびえ立つ「宝塔」のような存在となりつつある。

女子部の「10帰運動」はやめるべきだ


 女子高生が殺害される事件が続いている。真っ昼間であっても、ホームから突き落とされたり、刺殺されたりするご時世だ。


 犯罪というのは、弱い者がターゲットになる。つまり、女や子供だ。女子部は全国的に「10帰(てんき)運動」といって、午後10時までに帰宅することが奨励されてきた。午後10時というのも、都市部中の発だとうけどね。


 多くの地域にあって、午後10時では人目が少なくなっていることだろう。東京都内でも私の地域だと真っ暗闇だよ(笑)。人目どころか車も少ない。これが犯罪の温床となる。一歩間違うと「10帰運動」自体が、犠牲者を出しかねないことを懸する。万が一、被害に遭ったとしても学会本部は責任の取りようがない。


 そこで、「10帰運動」を中止することを提言しておく。女子部の皆さんは、遅くても21:00までに帰宅すべきだ。あるいは、夜の活動は一切休んでも構わない。女子部の幹部というのは学会の中で一番常識がないから、言うことを聞かなくてもいいよ。


 ある壮年・婦人のメンバーは、うるさく注してもらいたい。

2008-05-11

「地球温暖化」という欺瞞


 日本の国民がおとなしいのは、やはり革命によって政権を倒した経験がないためだろう。投票率の低さも民主主義の未成熟を示すものだ。昔は、デモといえば労働組合など、左寄りの連中が頑張っていたものだが、最近はメーデーすら盛り上がらない始末。


 例えば、2002年頃から殆どの自治体でゴミ袋が有料となった。しかしよく考えてもらいたい。家庭ゴミの大半は容器や包装材ではなかろうか。だとすれば、メーカーに規制をかけた方が手っ取り早いに決まっている。メーカーがつくったゴミを、消費者の負担で処理するってえのあ、盗人猛々しいとう。


「ガソリン暫定税率を温暖化対策に回す」というのも同様だ。エコという言葉に弱い(あるいは真摯な)国民は、それなりに努力している人が多い。「ロハス」とか「スローライフ」とかね。「生き方を見直す」という視点は大切だが、如何せん気候変動(=地球温暖化)に対してさほど影響がない。そもそも家庭から排出されているCO2は20%に満たないのだ。これまた企を野放しにしておきながら、負担だけ国民に押し付ける愚策であることに気づくべきだ。

ガソリン税引き上げも 町村氏が言及 温暖化対策で


 町村信孝官房長官は10日の札幌市内での講演で、道路特定財源の一般財源化をめぐる税制抜本改革の議論に関し、「温暖化対策上、今の税率よりもっと高くし、(ガソリン価格を)160円でなく、180円、200円といただくかもしれない」と述べ、地球温暖化対策に向けた環境税導入などを頭に揮発油税(ガソリン税)などの税率水準を引き上げる可能に言及した。

 町村氏は「日本のガソリン価格は160円くらいだが、米国を除くと最も安い」と述べ、温室効果ガスの排出量を削減するためフランス、ドイツなど欧州各国の水準が望ましいとの考えを示した。

 ただ、「(暫定税率分を)全部いただくのは税の理屈から言って無理かもしれない。これからの議論だ」とも述べ、政府税制調査会や自民党税調での議論を見守る姿勢を示した。


北海道新聞 2008-05-11】


 都合のいい時だけ、外国を引き合いに出すのが政治家の常。「議論」というキーワードにも要注。大体、国会に「議論」なんか存在しないよ(笑)。あるのは「多数の論理」と「主張」だけ。「議論」ってえのあね、お互いが胸襟を開いて、腹蔵なく話し合い、歩み寄ることを言うのだ。衆参がねじれている今こそ、本格的な議論のチャンスだったのにねえ。

2008-05-10

後期高齢者医療に議論相次ぐ 堀内氏が凍結論


 与党内で、75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直しをめぐり、様々な見があがっている。

 自民党では、堀内光雄・元総務会長が制度の凍結を求める論文を10日発売の文芸春秋6号に寄稿したことが9日、わかった。

 78歳の堀内氏は、自らが制度の対象者。論文では、新たな保険証が届いた時の境を「不快と寂しさを抱いた。私を含めた75歳以上の人たちはもはや用済みとばかりに、国が率先して“うば捨て山”を作ったかのような印象だ」と表現。その上で、「高齢者だけを別枠におく制度を導入する差し迫った理由はない」と指摘し、制度を凍結し、ゼロベースで国民的な議論を行うべきだとした。

 また、公明党太田代表は9日の記者会見で、「生活できないという低所得者層の悲鳴を受け止めないといけない」と述べ、同党で検討中の運用見直し案は低所得者の保険料負担軽減に重点を置く考えを示した。

 一方、自民党の伊吹幹事長は同日の党役員連絡会で、「制度の狙いを堂々と説明する姿勢を取らなければならない。逃げてはダメだ」と述べ、見直し論の拡大にクギを刺した。


【読売新聞 2008-05-10】

混乱する【後期高齢者医療制度】 障害者は65歳から“強制加入”


 今始まった後期高齢者(長寿)医療制度の主な対象者は、75歳以上の人たちだが、一定の障害のある65〜74歳の人も任加入できる。しかし、一部の県では、同制度に加入しないと、障害者対象の医療費助成を受けられない。事実上の強制加入によって新たな保険料負担が生じたり、負担額が増えたりする人たちも。「なぜ、同世代の健常者と同じ扱いではないの」という障害のある対象者の訴えは切実だ。

 愛知県で一人暮らしの平田敦子さん(66)=仮=は1996年、事故で右手の指をすべて失った。「一定の障害」と認められ、97年から医療費の自己負担分は、県と市が半々で肩代わりしている。これまでは、健康保険に加入する子の被扶養者だったので、保険料は必要なかった。

 3中旬、市からの通知で、後期高齢者医療制度に入らないと、医療費の自己負担が生じることを知った。市の窓口で確認すると、保険料は年額約1万2000円。ただし、被扶養者からの移行のため半年は保険料が免除、その後の半年は年額換算で4000円程度の負担で済みそうだ。

 それでも、平田さんにとっては痛い出費だ。収は、約10万円の年金のみ。5万円強が家賃に消え、残りの5万弱で生活費の一切と介護保険料などを払う。手が不自由で料理ができないため、総菜を買うことが多く、食費が外とかかる。「毎1000円でも、負担は大きい」という。

 しかし、子の被扶養にとどまり、後期高齢者医療制度に加入しなければ、医療費の自己負担額のため、生活はさらに厳しくなる。平田さんは、8年前に患った乳がんの定期的な検査のほか、緑内障と白内障の治療で眼科通いが欠かせない。自己負担すると、医療費は年間7万円以上になる。「後期高齢者の制度を選ぶよりほかにない。でも、どうして同じ年代の健常者が、被扶養者で保険料を払わなくていいのに、障害者だと払わなければいけないの

 中途全盲で、夫と二人暮らしの高橋久江さん(70)=仮=も同じいだ。共働きだったが、これまでは夫(70)が夫婦二人分の国民健康保険料をまとめて払っていた。高橋さんはもともと被扶養者でないため、年金からの天引きが今から始まり、夫婦合わせた保険料負担は昨年より年額5000円程度増える見込みという。「健常者は75歳から天引きなのに、障害者は65歳から。医療費の自己負担を免除されているから、早く自分で払えということ? それに、わたしのように目が不自由だと、制度の仕組みも分かりにくい」と得がいかない。

 愛知県は「65歳以上の障害者はこれまで老人保健医療制度に入ってもらい、自己負担を無料にしていた。助成の給付を受けるのはこの制度から移行した後期高齢者医療制度に入ってもらうことが必要」と説明する。

 新制度加入を障害者の医療費助成の条件にしているのは、愛知県のほか富山、茨、栃木、青森、山形、徳島、山口、福岡の各県と北海道

 こうした条件の撤廃を求めている愛知県保険医協会の沢田和男事務局次長は「条件を付けるのは、自治体の負担軽減が目的。制度のつけを障害者に回すものだ」と指摘する。

 対象者が後期高齢者医療制度に加入すれば、自治体が肩代わりする医療費の自己負担分は1割にとどまるが、国民健康保険などの場合、自治体の肩代わり分は65〜69歳では3割、70〜74歳では2割(08年度は1割)となるからだ

 障害者や支援者らでつくるNPO法人「あいち障害者センター」(古屋市)の上田孝常務理事は「後期高齢者医療制度を選択しないと医療費補助を継続できないのは問題だ。新しい制度は負担の問題のほかに、医療の質が本当に変わらないのかが分からない」と話す。


【中日新聞 2008-04-17】

混乱する後期高齢者医療制度 長期入院の報酬減額拡大


 後期高齢者(長寿)医療制度に伴い診療報酬が改定され、10から一部の重度障害者が特例対象から外され減額される。医療機関の報酬が減ることで、患者が受け入れを拒否されるなど“民化”の懸が出ている。患者などからは「治療が続けられるのか」と不安のがあがっている。

 千葉健生病院(千葉市)に入院する女患者(94)は、認知症と脳梗塞(こうそく)の後遺症で寝たきりだ。胃ろうがうまくいかず、染症も繰り返す。介護保険でヘルパーを頼み、子の妻(70)と在宅で面倒をみることを検討もしたが、胃ろうの手当てなどがしく断した。

 この妻は毎日、同患者を見舞う。「退院できるかとうと、発熱や体のむくみなど具合が悪くなる。こんな状態が続いては、家ではとてもみられない。私も年で疲れるし、入院が続けられなくなったら、どうしたらいいか困ってしまう」

 別の80代女患者は、脳梗塞を患った後、肺炎にかかり食事が不自由になった。同病院によると、自宅近くの療養病棟に、入院を断られた。老人保健施設も空きがなかった。同居の子夫婦は共働き。介護保険を使っても、夫(76)一人で在宅介護はしい。入院は既に約6カ。患者二人とも10には診療報酬減額の対象となる

 病院にとって診療報酬の引き下げは経営に響く。「病院の持ち出しになるのも覚悟だ。入院3カで患者を切る病院もでてくるだろう」と同病院のソーシャルワーカー石橋直子さんは配する。別の病院関係者も「一切受け入れない病院も出てくるのでは」と話す。

 厚生労働省は「特例除外対象者は、特別な医療が必要ではなく、本来はリハビリが必要。それにふさわしい療養病棟や在宅介護で対応するのが望ましい」と説明する。

 しかし「対象者の数は多くはないかもしれないが、該当した人にとっては大変な問題」と全国保険医団体連合会の滝本博史事務局次長は強調する。

「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事は「国は医療費削減を狙い制度を進めるが、社会的入院をせざるを得ない状況の人が依然いるのに、在宅や介護の対策も不十分なままで(入院を)減らそうとしてもうまくいくはずがない」。


【中日新聞 2008-05-09】

「ほとんどが負担減」は“サギ的大嘘”


 後期高齢医療制度で、政府の詐欺的行為が明らかになった。舛添厚労相は「一般的に言うと(保険料が)相当多数の方が安くなる」と言っていたが、大嘘だった。許しがたいのは、この嘘が「見解の相違」などではなく、厚労省の狡猾な役人によって周到に準備された“計画的詐欺”だった疑いが濃いことだ。この問題で福田政権は吹っ飛ぶのではないか。


どう考えても半分以上が負担増


 厚労省といえば、年金記録のゴマカシが記憶に新しいが、後期高齢者医療制度でも、とんでもない大嘘をついていた。後期高齢者医療制度は「夫婦世帯で年金収入520万円程度まで負担増にならない」と言ってきたのが、数字のマジックだったのだ。

 この問題を追及している民主党の山井和則衆院議員がこう言う。

「国民健康保険の保険料と後期高齢者医療制度の保険料を比較する際、国保保険料を高めに見積もり、多くの人の保険料が安くなるかのような図的な広報をしたのです」

 国保の保険料には、所得や資産等、さまざまな要因を組み合わせる3通りの算出方法がある。どれを採用するかは自治体に任されているが、政府は「4方式」(資産等4つの要因から保険料を算出する方法)と呼ばれる方法を採用している自治体での国保保険料を使って、後期高齢者制度移行後の保険料と比較した。この「4方式」こそがもっとも国保の保険料が高くなるからだ。例えば、厚生年金201万円の夫プラス基礎年金79万円の妻の場合、国保の保険料は全国平均だと8400円だが「4方式」では9200円になる。後期高齢者医療制度の保険料は平均8600円。「4方式」の自治体に住む高齢者ならば、確かに制度移行で保険料は安くなる。


算出に恣的な数字


「厚労省は4方式を採用している自治体が全体の7、8割あることを理由に、ほとんどの高齢者の負担が減るかのように説明してきましたが、ここにカラクリがあります。こうした自治体の96%が人口5万人以下の市町村なのです。つまり、自治体の数は多いが、人口は少ない。4方式自治体の被保険者の推計は 2473万人で、全体の51.7%に過ぎません」(山井和則議員)

「4方式」でない自治体では課税所得がゼロの夫婦も負担増になる。さらに、75歳以上の夫は後期高齢者制度に移行したものの、74歳以下の妻は国民健康保険のままの場合、夫の負担は減っても妻の国保保険料が新たに発生する。夫婦トータルでは負担増になる。

 こうなると、高齢者医療制度になって負担減になるのは全体の半分以下だろう。

 厚労省は今になって、「他の方式でも算出してみる」とか言っているが、恣的な数字で国民を欺こうとした確信犯がよく言う。政府は保険料増減の実態調査を迫られていて6中旬には結果を発表することになっているが、多くの国民の負担増が明らかになれば、福田内閣はその時点でオシマイだ。


【日刊ゲンダイ 2008-05-10】

2008-05-09

『なぜ美人ばかりが得をするのか』ナンシー・エトコフ


「まともなコラムニストが読めば、死ぬまでネタには困らないだろう」――とうほど、てんこ盛りの内容だ。タイトルはやや軽薄だが、内容は“濃厚なチョコレートケーキ”にも似ていて、喉の渇きを覚えるほどだ。著者は理学者だが、守備範囲の広さ、興味の多様さ、データの豊富さに圧倒される。アメリカ人の著作は、プラグマティズムマーケティングが根付いていることを窺わせるものが多い。


 人びとは美ののもとに極端なことにも走る。美しさのためなら投資を惜しまず、危険をものともしない。まるで命がかかっているかのようだ。ブラジルでは、兵士の数よりエイヴォン・レディ(エイヴォン化粧品の女訪問販売員)のほうが多い。アメリカでは教育や福祉以上に、美容にお金がつぎこまれる。莫大な量の化粧品――1分あたり口紅が1484本、スキンケア製品2055個――が、売られている。アフリカのカラハリ砂漠のブッシュマンは、旱魃(かんばつ)のときでも動物の脂肪を塗って肌をうるおわせる。フランスでは1715年に、貴族が神にふりかけるために小麦粉を使ったおかげで食糧になり、暴動が起きた。美しく飾るための小麦粉の備蓄は、フランス革命でようやく終わりを告げたのだった。


 もうね、最初っから最後までこんな調子だよ(笑)。学術的な本なんだが、「美の博物館」といった趣きがある。雑学本として読むことも十分可能だ。それでいて文章が洗練されているんだから凄い。


 手っ取り早く結論を言ってしまうが、「美人が得をする」のは遺伝子の恵みであり、進化上の勝利のなせる(わざ)だった。


 美は普遍的な人間の経験の一部であり、喜びを誘い、注を引きつけ、種の保存を確実にするための行動を促すもの、ということだ。美にたいする人間の敏さは本であり、言い換えれば、自然の選択がつくりあげた脳回路の作用なのだ。私たちがなめらかな肌、ゆたかで艶(つや)のある髪、くびれた腰、左右対称の体を好ましくじるのは、進化の過程の中で、これらの特徴に目をとめ、そうした体の持ち主を配偶者に選ぶほうが子孫を残す確率が高かったからだ。私たちはその子孫である。


 科学的なアプローチをしているため、結構えげつないことも書いている。例えば、元気で容姿が可愛い赤ちゃんほど親に可愛がられる傾向が顕著だという。つまり、見てくれのよくない子に対しては本能的に「劣った遺伝情報」と判断していることになる。更に、家庭内で一人の子供が虐待される場合、それは父親と似てない子供である確率が高い。


 ビックリしたのだが、生後間もない赤ん坊でも美人は判るらしいよ。実験をすると見つめる時間が長くなるそうだ。しかも人種に関わりなく。するってえと、やはり美は文化ではなく本能ということになる。


 また背の高さが、就職や出世に影響するというデータも紹介されている。


 読んでいると、つくづく「世間は差別の義」ということを痛する(笑)。そう、「美は生まれながらの差別」なのだ。ただし、それは飽くまでも「外見」の話だ。しかも、その価値は異に対して力を発揮するものだ。当然、「美人ではあるが馬鹿」といったタイプや、「顔はキレイだが本は女(めぎつね)」みたいな者もいる。男であれば、結婚詐欺師など。


 人びとは暗黙のうちに、美は善でもあるはずだと仮定している。そのほうが美しさに惹かれるときに気持ちがよく、正しい世界にじられる。だが、それでは人間の本にある矛盾やは否定されてしまう。理学者ロジャー・ブラウンは書いている。「なぜ、たとえばリヒャルト・ワーグナーの謎に関する本が2万2000種類も書けるのか。その謎とは、崇高な音楽(『パルジファル』)や高貴でロマンチックな音楽(『ローエングリン』)、おだやかな上質のユーモアにあふれる音楽(『マイスタージンガー』)を書けた男が、なぜ熱な反ユダヤ主義者で、誠実な友人の妻(コジマ・フォン・ビューロー)を誘惑し、嘘つき、ペテン師、策士、極端な自己中主義者、遊蕩(ゆうとう)者でもあったかということだ。だが、それがいったい外なことだろうか。本当の謎は、経験を積み、人格や才能にはさまざまな矛盾がまじりあうことを承知しているはずの人びとが、人格は道徳的に一貫しているべきだと信じている、あるいは信じるふりをしていることだ」


 信仰の目的は、「美しい」「美しい振る舞い」「美しい生きざま」にある。


なぜ美人ばかりが得をするのか

財務省、雇用保険の国庫負担廃止を検討・社会保障費抑制狙う


 財務省は8日、雇用保険制度の財源の一定割合をまかなっている国庫負担を2009年度から廃止する検討に入った。社会保障費の伸びを毎年2200億円圧縮する政府計画に組み入れる狙いだ。雇用保険の積立金残高が5兆円近くに達し、国の負担なしでも給付に影響はないと判断した。同省は介護保険についても、利用者の自己負担率上げに向けて厚生労働省と調整する構えで、社会保障費抑制を巡る攻防が強まる。

 国庫負担の廃止は、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が6の建議に盛り込む。


【日本経済新聞 2008-05-09】

公明、後期高齢者医療制度の運用見直し検討


 公明党は8日の医療制度委員会で、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)について運用面の改善策の検討に着手した。6にも党の独自案をまとめ、政府に提言する。制度の根幹は変えず、低所得者の保険料引き下げなど負担軽減策が柱になる見通しだ。

 会合では、出席者から「低所得者の保険料を引き下げる場合、自治体の一般会計から追加負担できるのか」「年金からの保険料天引きの改善は可能か」などの見が出た。委員長を務める福島豊政調会長代理は会合後、記者団に「何らかの負担軽減ができるよう努力する」と述べた。


【日本経済新聞 2008-05-09】

【胡錦濤氏訪日】「光栄です。うれしいです」創価学会の池田大作名誉会長が熱烈歓迎


 来日中の胡錦濤国家主席は8日、東京都千代田区のホテルニューオータニで創価学会池田大作誉会長と会談した。


 池田氏は「光栄です。うれしいです。ありがとうございます」と言いながら胡主席らと握手した。胡主席は日本語で「ようこそいらっしゃいました」と応じた。また、会談に入る前、池田氏は「世界の平和のために誠にありがとう。(胡)閣下の栄光をたたえて真をこめて詩を作らせていただいた」と述べながら、自作の漢詩を贈呈した。


 これに対し、胡主席は「このような情熱にあふれた、懐深い漢詩をつくっていただき、より謝申し上げる」と述べた。また胡主席は池田氏の訪中を招請した。池田氏は昭和49年6から平成9年の上海大学訪問まで10回訪中しているが、平成12年を最後に、海外渡航はしていない。


 主なやりとりは以下の通り。


 池田氏「早稲田大学での歴史的な講演、本当にご労さまでした。テレビでも日本全国に放映され、銘と動が大きく広がっていることをお伝えする。閣下は人間を一番大事に、調和を促進するという施策を明確に述べられた。ご自身の足跡を通し、青年時代にまいた友好の種は永遠であると語っておられた。若い世代の人々は深く動していた。この次は創価大でお願いしますというもたくさんあった。天も晴れ、も晴れ渡る暖かな春の旅となった」


「ともかく、えば、両国の青年交流の扉を真っ先に大きく勢いよく開いてくださったのは主席閣下だ。23年前、来日された若き主席、当時42歳。あの姿は私たちの頭にも、胸からも永遠に離れることない。閣下の有な言葉、歴史的教え、青春の力で世代をこえた友好、本当に永遠不滅の言葉・義・哲学、私たちは一段と、閣下との、貴国との友好を深めていかねばならないと決している。貴国は、日本の文化師匠。漢詩も貴国から学んだ文化だ」


「閣下は3年前、国連で演説された。そのなかで人類がともに繁栄していく調和世界の理を高らかに提唱された。それは、歴史的な講演だった。かつて私がトインビー博士と対談したおりにも、(博士は)中国に脈打つ調和の知恵を全世界に浸透させていくことが大事だと指摘された。21世紀の地球に調和というビジョンを閣下が打ち出された義はあまりにも大きい。私の友人であるキッシンジャーさんもこの点を高く高くたたえ、評価していることを慎んでお伝えする。もう一つ、よろしいですか? お疲れではない? 対話にならない、一方的で…すみません」


 胡主席「このたび日本を訪問することに対し、再会できるチャンスを大変うれしくう。1985年に私は初めて先生とお会いした。それ以来23年間。前回の98年の再会以来。10年。先生はもう80歳、傘寿と聞いている。壮健で何よりだ」


「(池田)先生は長期にわたり、中日友好にご尽力された。1968年には真っ先に日中国交正常化を提唱された。数年前は日中が困な状況であるなかで、友好関係の政治的な局を打開するために、重要な役割を果たして頂いた。その遠見(えんけん)、博識、勇気に対し、から謝申し上げる」


「中日の戦略的互恵関係の発展。それは世界の繁栄、平和のためになる。福田(康夫)首相との共同会見でもそのことを申しあげた。中日の平和互恵、共同発展はアジア、世界にとって貢献することになると確信している。早稲田(大学)での講演でも述べたが、中国は改革開放以来、さまざまな大きな困にぶつかってきた。まだ依然として世界最大の人口を抱えた途上国だ。近代化実現にはまだまだ長い道のりがある。それを私ははっきりと認識している。平和的発展の道を、また人類互恵の道を模索しなければならない。それを世界各国とともに恒久的平和、調和のとれた発展をやっていきたい」


 池田氏「かつて周来総理が半世紀前に、中国でのオリンピックの開催を展望されていた。周総理の当時の言葉に『友情は力を生む。平和友好の正義の事は断じて破壊されない』とあった。平和の祭典・北京五輪の大成功、周総理のとして私たちは真剣に祈っておきます」


 胡主席「3カ後に迫った五輪の準備を着々と進めている。日本から多くの皆さんが観戦に訪れることを期待する。また日本選手の大活躍を期待している。都合のよろしいときに、誉会長の訪中をからお待ちしている」


 池田氏「今回、奈良を訪問されるという。鑑真和尚がきて唐招提寺をつくった。そのとき鑑真和尚は66歳だった。今回、主席も66歳だ。また同じ江蘇省の出身だ。大変に義深い、今回の訪問だ」


産経新聞 2008-05-08

【胡錦濤氏訪日】池田氏が贈った漢詩とは…


 8日に行われた中国の胡錦濤国家主席との会談で、創価学会池田大作誉会長が贈った漢詩は以下の通り。(原文は縦書き)


敬贈 国家主席


   胡錦濤 閣下


 國富邦和日日新

 家家充裕

 主施仁政行王道

 席不暇暖為人民


 古來文化漢土求

 月氏睿智福共籌

 錦繍中華迎舊友

 濤聲友好萬代流


   二〇〇八年五八日


書き下し

 国は富み、邦と和し、日々、新たなり。

 家々は充裕にして、深し。

 仁政を主施して、王道を行う。

 席の暖まる暇なきは、人民の為なり。

 古来、文化は漢土に求め、

 月氏の叡智に、福を共に籌りたり。

 錦繍なる中華の旧友を迎えて

 濤の友好は、万代へ流る。



 中国は富裕と調和に向かって、日々前進し、

 人民の生活も豊かになり、深くずる。

 指導者は、仁政を施し、王道を実践している。

 席の暖まる暇もないのは、人民の為に奔走するからである。

 いにしえより、日本は中国から文化を求め学び、

 月氏の英知(法)をもって、共に幸福をはかってきた。

 いま、素晴らしき中国の旧友を迎え、

 友好は、波濤の轟音と共に、万代へ流れゆくであろう。


【産経新聞 2008-05-08】

2008-05-08

【胡錦濤氏訪日】公明・太田代表と会談 チベット問題で


 中国の胡錦濤国家主席は7日午後、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで、公明党太田昭宏代表ら同党執行部と会談した。主なやりとりは以下の通り。

 太田代表「日中関係の新たな指針である戦略互恵関係が両国民、国際社会に強く印象づけられる義深い訪日になることを望んでいる。首脳会談で、戦略的互恵関係の具体化に向けた数多くの協力が打ち出され、両首脳間の共同明が発出されたのは大きな義がある」

 胡主席公明党の古き友人のみなさんに会えて大変うれしい。公明党は一貫して日中友好発展にご尽力いただいていることを高く評価している。特に、日中国交正常化のために特別な貢献をなされた。善隣友好関係の建設に積極的な役割を果たされたと認識している。公明党は、日中間の環境保護に取り組んでこられた。世界の最先端の日本の省エネ技術を学んでいきたい」

 太田代表「今回の(首脳)会談を通して東シナ海のガス田の解決にめどが立ったと報道されている。チベットの件もさまざまな報道がされているが、当事者間の対話を通じて平和的に解決するのが望ましい」

 胡主席「(ガス田開発問題は)これまでも有益な対話がなされてきた。問題解決の全景が見えてきた。(チベット問題では)中国もダライ・ラマ側の個人代表との接触は継続する。中国側は対話の扉を開けている。ダライ・ラマは中国国内の分裂と暴力と、五輪を破壊を停止すべきだ。私の立場を理解し、支持してほしい」

 太田氏「(8の北京五輪について)大成功してほしい。またぜひ訪中したい」

 胡主席「日本選手団の活躍に期待している。都合のいいときにいつでもきてほしい」


【産経新聞 2008-05-07】

ギニアの刑務所の受刑者ら、スプーンで壁に穴を開け脱獄


 ギニア南東部N'Zerekore市にある刑務所で今週、36人の受刑者らが大雨によって地盤の軟らかくなった壁をスプーンで掘り脱獄していたことがわかった。刑務所関係者が国営テレビで明らかにした。

 看守の一人は同テレビに対し、「われわれは、受刑者らが雨で水分を含んだ壁にスプーンで穴を開けたのを発見した。彼らはシーツやシャツをロープ状にしたものを使って壁を降りた」と語った。

 ギニア国内にある多くの古い刑務所の建物は、昨年初めに起きたインフレへの抗議とランサナ・コンテ大統領の退陣を求めた労働組合のストライキが激化し、国内全土で流血の事態となった暴動で損傷を受けていた。

 同暴動では治安部隊による銃撃で130人以上が死亡。犠牲者の大半が一般市民だった。


ロイター 2008-05-04】


 まるで、映画みたいな話。

2008-05-06

メディア・リテラシーについて


 メディア・リテラシーを身につけるには、本を読むことに尽きる。私はジャパネットたかたの番組を見ながら、1分間に三つ以上の誤りを指摘できる(笑)。みのもんたの番組も同様だ。尚且つ、撮影されている人物の挙措やのトーンからも、様々な情報が読み取れる。


 かみさんから婦人部同士のやり取りを聞くと、私は「それには、このような味がある」と断言する。あまりにも発展させた内容に「エーーーッ、どうしてそんなことまでわかるの?」とかみさんは驚く。これまた、情報リテラシーといってよい。「どうして」と言われても困る。私に言わせれば「わからない方がおかしい」ということになってしまうのだ。


 一をもつて万を察せよ庭戸を出でずして天下をしるとはこれなり(295頁)

『議論のウソ』小笠原喜康


 文章がやや生硬なのは大学教授のせいか。メディア・リテラシーの手引きといった内容。私としては少々物足りなかった。「権威のウソ」と題して、『ゲーム脳の恐怖』というベストセラーを俎上(そじょう)に乗せて、バッサバッサと斬りまくっている。ゲームをする人と痴呆の人との脳波が似ているからといって、テレビゲームをすることが「よくない脳波特」を作り上げると推断するのは、「典型的な『軽率な概括』である」と。また、「時間が作るウソ」では、本当に携帯電話臓のペースメーカーを誤作動させるのかどうかを検証している。結論は、満員電車の中で抱き合っていない限りは、殆ど影響はないとのこと。昨今の環境問題もこれと似てますな。


 実際のところ、メディアに流される言説の嘘とマコトを見分けるのは、いうほど簡単ではない。その理由は、そうした言説が巧妙だからというばかりではない。マスメディアに流される言説は、私たち自身が望むような形で流される傾向があるからである。


 わかるということは、単に字面を追い、それを記憶に留めることではない。それを自分自身の問題として受け止め、かかわってみることである。「わかる」というのは、「かかわる」ことである。


議論のウソ (講談社現代新書)

『仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 マネーの時代を生きる君たちへ 原田武夫の東大講義録』原田武夫


 最近の日米関係を通して綴る金融経済入門。右ページが全て用語解説となっていて初者でもわかりやすい構成。著者は元外務官僚で、政治の舞台裏からアメリカの図を読み解いている。尚、この講義は正規単位として認められている。アメリカの巧妙な手口は、最終的に狙った国を「焼畑農」状態にする。日本の近現代史にも触れており、目が行き届いている。原田氏は1971年生まれというのだから、大したものだ。


 実は、日本人以上に日本における教育に関を持っている国が米国である。教育史の本を読むと、明治期の近代教育システムの立ち上げから始まって、大正期、そして敗戦後の「アメリカ教育使節団」の派遣、更には中曽根政権の下での「臨教審」の答申に至るまで、日本の教育史では重要な局面になると必ず米国が顔をのぞかせてきたのだ。日本人からすれば、「何も他国の教育にまで首を突っ込まなくても」とえるだろうが、米国からすれば事情は全く異なる。日本が米国以外の国をモデルにしないように仕向け、同様に優秀な日本人は皆、米国の教育システムへと吸収するシステムを作り上げること。――これが米国の対日統治政策の根幹にあるのである。


 小泉政権によっても成し遂げられなかった憲法改正ではあるが、各政党はそれぞれ、改憲草案を作り上げ、既に発表してきている。大手メディアはこれらの草案の中でも平和主義をうたった「第9条」だけを取り上げてきた。しかし、実際にはもっと大きな問題が、とりわけ自民党の「新憲法草案」にあるのだ。

 国の予算は、毎年の会計年度が始まる41日より前に国会の承認を得なければならない。ところが「新憲法草案」第86条第2項によれば、「仮に前年度中に承認が得られなければ、内閣が当分の間、必要な支出をして良い」ということいなっているのだ。これに国会は事後的に承認をすれば良いという。

 大手メディアや憲法学者たちは、表立ってこのことについて全く問題視していない。しかし、この規程によって内閣は予算による縛りを国会からは事実上受けなくなる。なぜなら、国会が予算を認めなくても、内閣は必要経費を振り出すことができるからだ。これで、内閣、そしてこれを仕切る内閣総理大臣の力は絶大なものとなる。


仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 ~マネーの時代を生きる君たちへ~  -原田武夫の東大講義録-

論語と仏典、あるいは聖書など


 これら三つに共通していることがある。それは、本人が記録を残していないことだ。孔子と釈尊は、ほぼ同時代。イエスは300〜400年後か。教の場合、文字として記録されるまでに数百年を要していて、これが厄介の種になっている側面が強い。果てしない教義論争を繰り返しながら、膨大な数の宗派を生んで現在に至ってる。「そんなつもりじゃなかったんだけどなあ」という釈尊のぼやきが聞こえてきそうだ。


 釈尊往時にあって、読み書きができるのは上流階級に限られていた。元々、教はカースト制度へのプロテスト(抵抗)運動としてスタートしているから、文字にする時間があれば、釈尊はどんどん民衆の中に分け入ったことだろう。ただ、それが大きな理由だとは考えにくい。滅後の衆生のことをえば、文字にする味は小さくないからだ。しかも、現代から見れば、ほぼ同時代を生きたといえる孔子とイエスも同じ手法を選んでいる。


 結局のところ、「の固定」を嫌ったのだと像する。「絶対」と言い換えてもよい。3人の聖人は、時代を超えた的系譜によって、自分の教えが飛躍・発展してゆくことを望んだのではないだろうか。


 もう一つ、前々から気になっていることだが、論語には「子曰く」とあり、典には「如是我聞」とある。どちらも冒頭の決まり文句である。「子曰く」は「孔子先生はこのように仰せになりました」という味。一方、「如是我聞」は「是(かく)の如きを、我聞きき」となる。主体が異なるのだ。法の観点から見れば、論語は本果妙で、典は本因妙となる。もう少し強気で言えば、論語随他意で、法が随自意となろう。


 日蓮大聖人鎌倉時代にあって、抜きん出た量の文献を残された。同時代の宗教者でこれほど残した人物は存在しない。釈尊の時代と比較すれば、文明も発展しているので、の永続という見地はあったことだろう。


 い切ったことを書いておくが、私は大聖人からもあまり「絶対」をじ取れない。もちろん、大聖人が説いた絶対はあるのだが、それは、「万人の中にが具わっている」ということだったり、「正邪を弁える」ということだったり、「題目を唱えよ」ということだ。決して、「一から十まで私の言う通りにしなければ地獄に堕ちるぞ」という代物ではない。それが証拠に、大聖人は「法」「妙法」とは書かれているが、「我が法」とは書かれていない。(※厳密には「我が法」という文字はあるけどね)


「絶対に幸せになれる」ということ以外の絶対は危険だ。人間が従になる傾向が出てくるからだ。挙げ句の果てには「プロクルステスのベッド」のようになりかねない。釈尊もイエスも孔子も、「絶対的に人間を信じていた」ことだろう。そんな気がする。

2008-05-05

「正義」の揮毫:昭和54年5月5日


f:id:kon890:20070718153721j:image


 薬王さんの画像にリンクさせてもらった。脇書きには「昭和五十四年五五日 神奈川文化にて われ一人正義の 旗持つ也」と。

イラン ヒラリー発言で国連に抗議の書簡


 米大統領選の民主党候補指を争うヒラリー・クリントン上院議員が「イランがイスラエルを攻撃したら、(米大統領として)イランに報復攻撃をし、全滅させる」と述べたことに対し、イランの国連代表部は1日までに、「挑発的で不当であり、無責任な発言だ」とクリントン氏の発言を批判する書簡を国連の潘基文事務総長と安保理議長に送付した。

 書簡は430日付で、イランは核兵器を含む大量破壊兵器を一切拒否すると強調。「わが国は他のどの国に対しても攻撃する図はない」と述べたうえで、「とはいえ、攻撃を受ければためらわずに自衛行動を取り、しかるべき防衛措置をとる」と警告した。

 クリントン氏は422日のABCテレビのインタビューでイランへの攻撃の可能について発言した。クリントン氏は「口にするのも恐ろしいことだが、(こうした警告が)無謀で愚かで悲劇的な行為をいとどまらせるだろう」と述べた。


【産経新聞 2008-05-02】


 アメリカは世界を取り締まるシェリフ(保安官)だ。勇ましさを好む「マッチョ信仰」は北鮮と大差がない。ヒラリー氏のコメントは、世論を慣らし誘導することを図したものだろう。そんなアメリカの背後で静かに流れるのはこの曲だ――

ONE LOVE-ザ・ベリー・ベスト・オブ・ボブ・マーリィ

ブッシュ米大統領の不支持率71%、歴代大統領で最悪


 ワシントン(CNN) ブッシュ米大統領の「不支持率」が、過去最悪の71%に達したことが、CNNとオピニオン・リサーチ社が実施して1日に発表した世論調査で判明した。CNNの世論調査担当によると、歴代米大統領の中で、最も支持されない「不誉」な大統領となった。

 低迷するイラク情勢や米景気後退などが要因となっている。調査は428日から30日にかけて、成人1008人を対象に電話で実施。

 その結果、支持率は28%で、過去のトルーマン大統領(22%)とニクソン大統領(24%)の数字は上回ったものの、不支持率が歴代大統領として初めて70%を超えた。

 これまでの最悪の不支持率記録は、1952年1にギャラップが実施した調査での、トルーマン大統領の67%だった。

 また、ウォーターゲート事件にかかわったニクソン大統領の不支持率は、辞任直前でも66%で、ブッシュ大統領はこの数字も超えた。

 一方、同時に質問したイラク戦争の是非では、30%が賛成し、68%が反対と回答。支持率30%は、CNN実施の世論調査の中では最低の数字で、ブッシュ大統領の不人気ぶりの一因ともなっている。


【CNN 2008-05-02】


 我が国でいまだに根強い小泉人気は、「衆愚」以外の何ものでもないとう。

未来部の思い出


 今日は「後継者の日」。アルコールで記憶が破壊される前に、私の未来部時代のい出を綴っておこう。


 私は小学校1年生から勤行を開始。座談会・部員会も殆ど欠席することなく参加してきた。初めて学会歌の指揮を執ったのは小学2年の少年部員会でのこと。近藤さんというオバサンが、母の前で随分と私を褒めてくれたことを覚えている。座談会では「お父さんとお母さんが、いつも喧嘩をしている」などと言って盛り上げていた。両親が派遣幹部であったため、いつも弟二人を伴って会合へ行った。


 札幌へ引っ越し、小学3年から5年まで、少年部員会は支部単位で行われ、男女の担当幹部が中になっていた。6年生の頃になると、地区単位で婦人部が担当した。秋山さんのオバサンだ。5年生の時に少年部で「走れメロス」の劇をやった。私はメロスの親友であるセリヌンティウスの役。セリヌンティウスが言いにくいと判断したのか、なぜか配役の前は「ハンス」になっていた(笑)。確か、クラスメートを7人ほど連れ出した記憶がある。もちろん信してない友達だよ。前にも書いたが5年生の時、私は友達二人に勤行を教えていた。二人は1週間ほど自宅でも行っていたよ(笑)。小学生は純粋だね。6年生の時、一度だけ連絡をさせられたことがある。私と違う学校に通っていた今井という奴と二人で、支部内を自転車で走った。


 少年部は結構面白かったが、中等部・高等部はダメだったね。担当者の偽善的な態度が許せなかった。「あんたは、そこまでして“いい人”を演じたいのか?」と本気でったよ。私はそこそこ教学も勉強していたので、質問されれば何でも答えることができた。その度に「凄いねえ」を連発されるのが、腹立たしくて仕方がなかった。担当者の前は一人も覚えていない。当時から、大人に対してヘラヘラと愛笑いをするつもりは、これっぽっちもなかった。


 この実につまらない中等部・高等部時代があったおかげで、私は未来部担当者として飛躍することができた。私にとっては受け持った中等部・高等部を盛り上げることが復讐となっていたのだ(笑)。「絶対に、自分と同じいをさせてなるものか!」と鼻を荒げた。最初の頃は酷いもんだった。「出ろって言われたら、出ればいいんだよ!」と凄んでみせたりした。


 中学・高校とよき担当者に巡り会わなかったことは、福運がなかったとしか言いようがない。何でも話せるお兄さんが一人でもいれば、私の人生も変わっていたことだろう。

『海馬 脳は疲れない』池谷裕二、糸井重里


 ちょっと前のベストセラーぐらいにっていたら、既に5年も経っていて驚いた。「脳味噌モノ」といえば、今は池谷裕二氏が旬。私は今回始めて読んだ次第。


 対談なんでスイスイ読める。錯覚の図などが盛り込まれていてバランスもいい。個人的に糸井重里は嫌いなんだが堪能できた。内容が軽めにじられるが急所は押さえている。

  • 子どもはまわりの世界に白紙のまま接するから、世界が輝いて見えている。何に対しても慣れていないので、まわりの世界に対して興味を示すし、世界を知りたがる。だけど、大人になるとマンネリ化したような気になって、これは前に見たものだなと整理してしまう。
  • 「ものや人とのコミュニケーションがきちんと取れている状態」が「脳のはたらきがいい状態」。
  • 30歳を過ぎると、つながりを発見する能力が非常に伸びる。
  • 一個一個の神経細胞だけを比較すると、人間も昆虫も変わらない。
  • 脳は疲れることがない。疲れるのは目。
  • 夢は記憶の再生。フランス語を話せない人がフランス語の夢を見ることはない。
  • (錯覚の理由の一つ)人は光を「上から当るもの」とい込んでいるため。
  • 海馬の脳細胞と脳細胞をつなぐシナプスに可塑性があることが最近の研究でわかった。
  • 扁桃体を活躍させると海馬も活躍する。扁桃体を活躍させるには「生命の危機状況」をつくればよい。部屋を寒くしたり、空腹状態にすると、脳の活動はアップする。

「脳の適応化」ということで驚いたのだが、上下が逆さに見える眼鏡をかけると、最初はまともに歩くこともできないが、1週間も経てば「その世界」を当たり前のようにじて普通に歩けるようになるそうだ。


「脳を識する」ことは「自我識する」ことに似ている。普段は完全に脳の支配下にあるわけだが、客体化することで自分をコントロールできる志向が生まれる。

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

2008-05-04

後期高齢者の医療費、8月から一部で窓口負担3割に


 75歳以上の後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で、制度導入の経過措置がなくなる8以降、一部の高齢者の医療費の窓口負担がこれまでの1割から3割に上がるケースが出てくる

 厚生労働省は、対象となる高齢者に3割負担になることを説明しておらず、さらに同制度に対する反発を招く可能もある。

 夫が75歳以上で年収が383万円以上あり、妻が70〜74歳で、世帯年収が520万円未満の夫婦では、これまでの1割の窓口負担から、夫だけ3割負担に上がる

 後期高齢者医療制度の窓口負担は原則1割だが、課税所得が145万円以上あるなどの現役並み所得者は3割負担となる。仮に夫が76歳で年収390万円、妻は73歳で年収120万円の夫婦がいたとすれば、従来の国民健康保険では世帯年収510万円と計算し、1割負担だった。

 しかし、後期高齢者医療制度の導入により、75歳以上の夫は同制度に移行し、75歳未満の妻は国保に残ったことで、夫婦は異なる制度に加入した単身世帯とみなされ、夫は383万円以上の年収があるので3割負担となる

 7までは経過措置で世帯年収で判定した1割負担が継続されるが、8からは、夫と妻でそれぞれ所得の判定が実施され、新たな負担割合が適用される。厚生労働省は、このようなケースに該当する高齢者の数を把握していないという。


【読売新聞 2008-05-04】

 すると今の政治状況は、国が滅んでゆく兆しなのかもしれない。健康保険を失って死亡する人が出るのは時間の問題か。

戸田城聖全集


 労作に頭が下がる。ブログを持っている人はリンクしてあげてね。トップページにリンクを追加。

『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』(旧題『ティッピング・ポイント』)マルコム・グラッドウェル


 何という安直なタイトルか。せっかくの著復刊が台無しだ。ま、テレビCMを大量に流す「マーケット覇権主義」企の出版部門だから仕方がないか(ソフトバンク文庫)。


「読書は昂奮だ!」というエキサイティングな日々を過ごすようになったのも、元はと言えばネットワーク理論によるところが大きい。『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』→『新ネットワーク思考 世界のしくみを読み解く』→本書という順番で読んできたが、多分私は天才になっていることだろう(笑)。「諸法実相」を聴いて悟りを開いた舎利弗に近づいた気がする(ニヤリ)。と、錯覚するほど面白い。やはり、本を読めば世界が広がる。固定概の一角が破壊されて、青空が見えるような覚がある。


 何かを広めたい人、広がるさまに興味がある人は必読。マーケティング理学+メディア+社会事象で、流行の原因を鋭く分析している。ユニークな発、多様な事例、洗練された考に圧倒される。本書そのものが、ネットワーク理論のティッピング・ポイントとなっていることは疑問の余地がない。


ティッピング・ポイントの特徴

  • 染的だということ。
  • 小さな原因が大きな結果をもたらすこと。
  • 変化が徐々にではなく劇的に生じる。

ティッピング・ポイントの原則


少数者の法則――いかに社交的か、いかに活動的か、いかに知識があるか、いかに仲間うちで影響力があるか。
  • 媒介者(コネクター)、通人(メイヴン)、セールスマン。
    • 一見すると些細なことが大きな違いにつながる。
      • 何かを語るときにそれを取り巻いている状況のほうが語られた内容よりも重要になる場合がある。
      • 説得というものが自分たちの与(あずか)り知らないところで作用する。
      • 情や気分を上手に表現できる人は、他の人よりもはるかに情の染力が強い。
粘りの要素――発信するメッセージが「記憶に粘りつく」強い印象があるか。
  • 余白に小さな工夫を加える。
    • 「セサミ・ストリート」と「ブルーズ・クルーズ」。
背景の力――環境の条件や特殊
  • 染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏に反応する。
    • 「割れた窓」理論。
    • 犯罪を解決するには大問題を解決する必要はない→ニューヨークの地下鉄。
    • スタンフォード大学で行われた模擬監獄の実験。(※映画「es[エス]」)

 ざっとまとめてみたが、この本の魅力を示すことは困極まりない。その辺の本の10冊分の面白さと言っておこう。


 付箋だらけになっている中から出血大サービスで一ヶ所だけ紹介しよう。


 残る唯一の結論は、ジェニングズ(ABCニュースキャスター)はレーガンに対する「図的かつ顕著なえいこひいきを顔の表に」出したということになる。

 さて、この研究はここから佳境に入る。ミューレンの理学チームは、3大ネットワークの寄るのニュースをいつも見ている全米各地の有権者に電話をかけ、どちらの候補者に投票したかをアンケート調査した。すると、ヘニングズによるABCのニュースを見ている人でレーガンに投票した人の数は、CBSやNBCを見ている人よりもはるかに多いことが判明した。

 たとえばクリーヴランドではABCの視聴者の75%が共和党を支持したのに対し、CBSやNBCの視聴者は61.9%にとどまった。マサチューセッツ州のウィリアムズタウンでは、ABC視聴者の71.4%がレーガン支持で、他の二つの全国ネット視聴者は50%だった。ペンシルヴァニア州のエリーでは、この格差は73.7%対50%とさらに開いた。ジェニングズの顔に出た巧妙なレーガンびいきの表情は、ABC視聴者の投票行動に影響を与えたようである。(中略)

 信じがたい話だ。多くの人は直的に因果関係を逆にすることができるのではないかとうかもしれない。つまり、もともとレーガンを支持している人がジェニングズのえこひいきに惹かれてABCを見ているのであって、その逆ではないだろうと。だがミューレンは、それは妥当を欠くと明言する。

 というのも、他のもっと明白なレベル――たとえばニュース原稿選択のレベル――では、ABCは他局よりも反レーガン色の濃いテレビ局であることが明らかであり、筋金入りの共和党支持者ならABCなど見向きもしないことが十分像されるからだ。

 さらには、この調査結果が偶然にすぎないものかどうかに答えるために、4年後のジョージ・ブッシュ対マイケル・デュカキスの選挙戦でもミューレンは同じ実験を繰り返し、まったく同じ結果が出ているのだ。

「ジェニングズは共和党候補に言及するとき、民主党候補に対するよりも多く笑顔をつくった」とミューレンは言う。「そしてふたたび電話調査をしたところ、ABCの視聴者はブッシュにより多く投票したという結果が出た」

 さてここで、説得の機微に関するもう一つの例をお目にかけよう。

 ハイテク・ヘッドフォンの製造会社による市場調査だという目で、大人数の学生が招集された。学生たちはヘッドフォンを渡されると、使用者が動いているとき――たとえばダンスしたり、頭を振ったりしているとき――どんな影響が出るかを調べるのが目的だと言われた。

 まずべすての学生にリンダ・ロンシュタットとイーグルスの歌を聴いてもらい、それから自分たちが所属する大学の授料を現在の587ドルから750ドルに上げるべきだと主張するラジオの論説を聞かせた。

 ただし、論説を聞くにあたっては、3分の1の学生にはたえず頭を上下に振るように、次の3分の1の学生は頭を左右に振るように、残る3分の1は頭を定位置に保つように指示が出された。

 これが終わると、歌の音質と頭を振ったときにどんなふうに聞こえたかを問う短い質問票がすべての学生に配られ、その最後にこの実験の本当の目的である質問が添えられた。「学部の妥当な授料の額についてどういますか?」

 この質問に対する返答は、ニュース番組世論調査に対する返答と同じくらい信じがたい。

 頭を動かさないように指示された学生は番組の主張にも動かされなかった。彼らが適正だとじた授料の額は582ドル、ほぼ現行の額に一致した。

 頭を左右に振るように指示された学生は――たんにヘッドフォンの質を試す実験だと言われているにもかかわらず――授料の増額に反発し、平均すると年間の授料を467ドルに下げるのが妥当だと答えた。

 ところが、頭を上下に振るように言われた学生は、この論説に説得力をじたのである。彼らは授料の増額に賛成し、平均して646ドルに上げるべきだと答えた。建前としては他の理由があるにせよ、たんに頭を上下に振るという行為が、自分たちの身銭を切らされる政策に賛同する結果をもたらしたのである。

 ただうなずくことが、1984年の大統領選挙でピーター・ジェニングズが演じた笑顔と同様、大いに影響を与えたわけだ。


 この後、人が会話をする際、話を聞いてる側がダンスをしている様子が検証されている。つまり、ボディランゲージ。「言葉の始まりは歌だった」という私の持論が補強されたような気がして、ニンマリ。

急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1)

2008-05-03

五月三日


 師と共にこの日を迎えることができた事実に謝。当たり前とうことなかれ。日々、千載一遇の歓喜に打ち震えながら共戦の旗を振りかざしたい。かくあらざれば、忘の徒となろう。

黒い縁どりの後期高齢者保険料通知


 千葉県木更津市は、後期高齢者を亡き者にしたくて仕方がないようだ。氣志團が歌にしてくれることを強く望む。

『迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか』シャロン・モアレム、ジョナサン・プリンス


 祖父がアルツハイマーになった。著者が15歳の時だ。祖父が元気な頃、「体調がよくなる」と言って好んで献血をしていた。その理由を学校の先生や、かかりつけの医師に尋ねてみたがわからなかった。15歳の少年は医学図書館へ足繁く通い、遂にヘモクロマトーシスという珍しい遺伝の病気を発見する。体内に鉄が蓄積される病気だった。少年は直的に、ヘモクロマトーシスがアルツハイマーと関連していると推測した。だが、子供の話にを傾ける大人はいなかった。後年、シャロン・モアレムはこれを証明し、博士号をとった――こんな美しいエピソードからこの本は始まる。専門書にも関わらずこれほど読みやすいのは、スピーチライター(ジョナサン・プリンス )の力もさることながら、最初の志を失わない研究態度に由来しているのだろう。


 遺伝子は「生命の設計図」といわれる。遺伝情報によって、罹(かか)りやすい病気がある。はたまた、「生きとし生けるものが必ず死ぬ」のも遺伝情報があるためだ。では、なぜわざわざ病気になるような遺伝子が子孫に伝えられてゆくのか?


 40年後にかならず死ぬと決まっている薬をあなたが飲むとしたら、その理由はなんだろう? その薬は、あなたが明日死ぬのを止めてくれるからだ。中年になるころ鉄の過剰蓄積であなたの命を奪うかもしれない遺伝子が選ばれたのはなぜだろう? その遺伝子は、あなたが中年に達するよりずっと前に死ぬかもしれない病気から守ってくれるからだ。


 つまり、致死の高い病気の流行から生き延びるために、ヒトは少々のリスクを選び取ったということらしい。当然、国や地域によって固有の遺伝情報が存在する。


 そう、進化はすごいが、完璧ではない。適応というのは言ってみればある種の妥協で、ある状況にたいする改良は別の面で不利益を生む。クジャクの美しい羽根はメスを引きつけるのにはいいが、捕食動物の目も引いてしまう。人類の二足歩行への進化は大きな脳を作ることを可能にしたが、胎児の頭が産道を通り抜けるときに母子ともにひどい痛をもたらしている。自然淘汰がはたらけば、いつも「よくなる」とはかぎらない。生存と種の保存の機会が少し高まるだけなのだ。


 その典型が「アレルギー」である。


 次に、身体全体がどれほど絶妙なシステムで健康を維持しているかという例を――


 僕たちの皮膚は太陽光にさらされるとコレステロールをビタミンDに変える。(中略)人間の体はよくできていて、体内に十分なコレステロールがある状態で夏場に日光を浴びておけば、冬場を切り抜けられるだけのビタミンDを備蓄できる。(中略)

 日焼けのもととなる紫外線を遮断する、いわゆる日焼け止めは、皮肉なことにビタミンDを作るのに必要なUVBも遮断してしまう。オーストラリアではこのところ国をあげて、皮膚癌予防のために「長袖シャツを着よう、日焼け止めを塗ろう、帽子をかぶろう」というキャンペーンを展開しているが、そのために予期せぬ結果が生じている。浴びる日光の量が減るとともに、オーストラリア人にビタミンD欠損症が増えているのだ。


 だれでも経験のあることだとうが、皮膚の色は太陽の光を浴びることで一時的に濃くなる。いわゆる日焼けだ。人が自然な状態で太陽光にさらされると、ほぼ同時に下垂体が反応してメラノサイトの稼働率をアップさせるようなホルモンを出す。ところが、この増産命令は外なものでじゃまをされる。下垂体は情報を視神経から得る。視神経が日光を知するとその信号を下垂体に伝え、メラノサイトに増産命令を下す。そんなとき、サングラスをかけていたら? 視神経に届く日光の量が少ないので下垂体に送られる信号も少なくなり、下垂体が出すホルモンの量が減り、メラニンの生産量も減る。結果、日焼けによる皮膚の炎症を起こしやすくなる。もしあなたがいま、ビーチで紫外線カットのサングラスをかけてこの本を読んでくれているのなら、悪いことは言わない、そのサングラスをはずしたほうがいい。


 便利さや快適さが、本来受けるべきシグナルを遮断する。


「特定の人類集団は特定の遺伝的遺産を共有しており、その遺伝的遺産はそれぞれが暮らした環境に適応するようそれぞれの淘汰圧を受けた結果だ」


 科学や医学など、文明の発達によって淘汰圧は少なくなっている。ということは、遺伝子が進化(変化)するチャンスは少なくなりつつあるのだろう。それでも、環境汚染や食品添加物などは淘汰圧といえる。


 有機農がときに諸刃(もろは)の剣(つるぎ)となることを説明するには、セロリがいい例になる。セロリはソラレンという物質を作って防衛している。ソラレンはDNAや組織を傷つける毒で、人間にたいしては皮膚の紫外線へのを高める質をもつ。(中略)

 セロリの特徴は、自分が攻撃されているとじると急ピッチでソラレンの大量生産をはじめることだ。茎に傷がついたセロリは無傷のセロリとくらべて100倍ものソラレンが含まれている。合成殺虫剤を使っている農家というのは、基本的には植物を敵の攻撃から守るためにそれを使っている(もっとも、殺虫剤を使うことでさまざまな別の問題も生み出しているわけだが、それについてはここでは割愛する)。有機栽培農家は殺虫剤を使わない。つまり、虫やカビの攻撃でセロリの茎が傷つくのをそのままにして、ソラレンの大量生産を野放しにしていることになる。殺虫剤の毒を減らそうとあらゆる努力をしている有機農家は、結果的に植物の天然の毒を増やしているというわけだ。

 いやはや、生き物の世界は複雑だ。


 この前後に、ウイルスが宿主としての人間をどのようにコントロールしているかが書かれていて実に面白い。普段のくしゃみは異物の混入を防ぐ行為だが、風邪をひいた時のくしゃみは、ウイルスを撒き散らすために行われている、というような発がユニーク。


 でもって、著者が出した結論は何か――


 イーワルドは、病原体の進化のしくみを理解すれば毒力を弱めることは可能だと考えている。この考え方の基本はこうだ。「人間を動き回らせる以外には病原体を広める手段がない」という状況にしてしまえば、病原体は人間をとことん弱らせる方向には進化しないのではないか。


 このことから、僕たちはひじょうに重要なことを学べる。すなわち、抗生物質による「軍拡競争」で細菌をより強く、より危険にしてしまうのでなく、細菌を僕たちに合わせるよう変える方法を探ったほうがいいということだ。


 イーワルドはこう述べている。


 病原体の進化をコントロールすることで、その毒力を弱め、人類と共存しやすい病原体に変えていくことが可能になる。病原体が弱毒のものになれば、私たちの大半はそれに染したことさえ気づかなくなるかもしれない。つまりは、ほとんどの人が体内に無料の生きたワクチンを入れているような状態になるのだ。


 さて、ジャンクDNAの話をおぼえているだろうか? これは、タンパク質を作る指示である暗号(コード)を出さない「非コードDNA」だ。人間はなぜ、こんな役立たずの膨大なDNAを背負って進化の旅を続けているのだろう? そもそも科学者たちがこれらのDNAを「ジャンク」と呼ぶようになったのは、それが役立たずだとったからだ。しかし、その科学者たちもいまや、非コードDNAの役割に注目しはじめている。最初の鍵となったのはジャンピング遺伝子だった。

 科学者がジャンピング遺伝子の存在と重要を認めるや、研究者たちは人間を含むあらゆる生き物のゲノムのそれを探しはじめた。そしてまず驚いたのは、非コードDNAの半分近くがジャンピング遺伝子で占められていることだった。さらに、もっと驚いたのは、ジャンピング遺伝子が特殊なタイプのウイルスにひじょうによく似ていることだ。どうやら、人間のDNAのかなりの割合はウイルス由来のようなのだ。


 ね、凄いでしょ。ドキドキワクワクが止まらんよ(笑)。本を読む醍醐味ってのは、こういうところにあるのだ。題して「ウイルスとの共生」。しかも、遺伝子自体がそのようにできてるってんだから凄い。


 昂奮のあまりまとまらないので、あとは抜き書きしておくよ(笑)。


 遺伝子があることと、その遺伝子が機能することは別なのだ。


 人間のエピジェネティクス(後成遺伝学)研究で、現在もっとも注目されているのは胎児の発生についてだ。受精直後の数日間、母親自身まだ妊娠したとは気づいていない時期が、かつて考えられていた以上に重要であることはいまや明白になっている。この時期に重要な遺伝子のスイッチが入ったり切れたりしている。また、エピジェネティックな信号が送られるのは早ければ早いほど、胎児にその指示が伝わりやすい。言ってみれば、母親の子宮は小さな進化実験室だ。新しい形質はここで、胎児の生存と発育に役に立つものかどうかが試される。役に立たないとわかったら、それ以上育てずに流す。実際に、流産した胎児には遺伝的な異常が多く認められている。

 エピジェネティックが小児肥満の大流行に関与している理由をここで説明しておこう。アメリカ人の奥さんが食べているいわゆるジャンクフードは、高カロリー高脂肪でありながら、栄養分、とくに胚の発生時に重要な栄養分がほとんど入っていない。妊娠1週目の妊婦が典型的なジャンクフード中の食事をしていれば、胚は、これから生まれ出る外の世界は食糧事情が悪いという信号を受け取る。こうしたエピジェネティックな影響を複合的に受けて、さまざまな遺伝子がスイッチをオンにしたりオフにしたりしながら、少ない食料で生き延びられる体の小さな赤ん坊を作る。(中略)

 母親が妊娠初期に栄養不良だと、節約型の代謝をする体の小さな赤ん坊が生まれる。だがその節約型の代謝のせいで、その後はどんどん脂肪をためこんで太るというわけだ。


 エピジェネティック効果や母効果の不議について、ニューヨークの世界貿易センターとワシントン近郊で起きた9.11テロ後の数かのことを眺めてみよう。このころ、後期流産の件数は跳ね上がった――カリフォルニア州で調べた数字だが。この現象を、強いストレスがかかった一部の妊婦は自己管理がおろそかになったからだ、と説明するのは簡単だ。しかし、流産が増えたのは男の胎児ばかりだったという事実はどう説明すればいいのだろう。

 カリフォルニア州では2001年の10と11に、男児の流産率が25パーセントも増加した。母親のエピジェネティックな構造の、あるいは遺伝子的な構造の何かが、胎内にいるのは男の子だとじとり、流産を誘発したのではないだろうか。

 そう推測することはできても、真実については皆目わからない。たしかに、生まれる前も生まれたあとも、女児より男児のほうが死亡しやすい。飢餓が発生したときも、男の子から先に死ぬ。これは人類が進化させてきた、危機のときに始動する自動資源保護システムのようなものなのかもしれない。多数の女と少数の強い男という人口構成集団のほうが、その逆よりも生存と種の保存が確実だろうから。(1995年の阪神大震災後も同様の傾向が出ている)


 すでにご存じのこととうが、癌というのは特定の病気の前ではない。細胞の増殖が軌道を外れて暴走してしまう病気の総称だ。


 おそらく、老化がプログラムされていることは個人にとって有益なのではなく、種にとって進化上有益なのだろう。老化は「計画された旧式化」の生物版ではないだろうか。計画された旧式化とは、冷蔵庫から自家用車まで、あらゆる工製品に「賞味期限」をあたえるという概だ。


迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか

2008-05-02

中国の胡国家主席、8日に池田大作氏と会談へ


 6日に来日する中国の胡錦濤国家主席と創価学会池田大作誉会長が8日、都内のホテルで会談することが1日、固まった。

 胡氏は主席就任前の昭和60年と平成10年にも都内で池田氏と会っており、両氏の会談は今回で3回目となる。

 池田氏はこのほかにも、昨年4に来日した温家宝首相や、今年2に来日した唐家せん(=王へんに旋)国務委員(当時)とも会談している。

 中国は池田氏を、昭和47年の国交正常化に尽力したとして当時の周来首相らが「井戸を掘った功労者」と評価するなど、「特別の存在」(日中外交筋)として扱ってきた。

 胡主席も今回の来日にあたり、池田氏との会談を希望していた。


【産経新聞 2008-05-01】


 恋さんからの情報。

ガソリン税の一般財源化は、「道路利権」という思考停止が支えている


 現在、道路特定財源として徴収している税率分を一般財源化すると福田首相は明言した。新聞各紙はこぞって賛成している。

 政治家メディアは「道路族から利権を取り上げる」ことに重きを置いて、国民生活を無視している格好だ。


 既に、ガソリン税の一部は一般財源化されている。「道路整備をするために、カーユーザーが負担している税金」が他のことに使われているのだ。これは、「参考書を買うからお金をちょうだい」と言った子供が、そのお金でゲームソフトを買っているようなものだろう。しかしながら、誰も問題にしていない。


 それにも増しておかしいのは、マスコミから自民党議員までが当たり前のように言うところの「道路族利権」という言葉である。利権構造がどうなっているのか、はたまたどこからどこへいくらの金が動いているのかなど、全く調べるつもりがないようだ。


 その道路族のボスが自民党の古賀誠氏(自民党選対委員長)。現政権は郵政解散によってできたものだが、古賀氏は「土壇場の衆議院本会議採決では採決直前に退席し、棄権」した。今頃でかい顔をしているのが不議でならない。小沢一郎氏同様、爬虫類タイプの顔つきは信用できない。


 道路族の頭目、古賀誠はおそらく財界のドンでさえ震え上がらせる力を持っているのだろう。今井敬は古賀の凄まじい圧力に耐えかね、「自民党の人たちの勢いを見たら、とても止められない。彼らはどんなことがあっても道路をつくりたいのです」と委員会のメンバーにこぼしたという。

クレイジーパパ


「誠大橋」に続き「誠ロード」が29日開通


 古賀誠の地元・福岡で、29日、国交省所管の地域高規格道路「有明海沿岸道路」(総延長55キロ)が部分開通した。福岡県大川市と大牟田市を結び、古賀の選挙区のど真ん中を貫く自動車専用道路だ。総事費は2380億円。案の定、古賀の利権にまみれていて、地元では“誠ロード”と呼ばれている。

 01年以降の3000万円以上の入札結果を情報公開請求したところ、この道路工事の受注額は計425億円。そのうち、着工前年の99年以降に古賀に献金した者の受注額は185億円、全体の44%も占めていた。しかも、献金者の落札率が平均96%と異常に高いのである。

 古賀の利権道路はまだある。通称“誠橋”こと「朧大橋」。民主党の菅代表代行に「ムダの象徴」とされた橋だが、最も金額が大きい27億円の工事の落札率は99.86%だ。

 古賀の威光といわれる福岡県所管の道路建設は14カ所、トータルの事費は3312億円に上る。道路特定財源は50〜55%つぎ込まれているが、やはり、これらの道路を受注した者のうち、古賀に献金している者は49社、9000万円に達していた。

 百歩譲って、地元の役に立っているならともかく、この“誠ロード”は悪評フンプンだ。ある地元住民がこう嘆く。

「地元の人は自動車専用道路なんて使いませんよ。下道を走っても、それほど時間は変わらんけんね。むしろ町に下りてくる人が減って、商店街がさびれるかもしれないと、みんな配しているくらいですよ」

 それでも、誠ロードは2023年まで工事が続く。自民党の道路族が福田提案を歯牙にもかけないのも当然だ。

【日刊ゲンダイ 2008-04-01】

後期高齢者医療制度の基本的な問題


 これは三つある。公明党議員に質問して、明確な答えがあった場合は、小野宛てにご連絡願いたい。


 1.現行の保険制度においては100%の賦課(ふか)方式とはなっておらず、積立分との割合が全くわかっていない。多くの高齢者が不信を増しているのは「若い頃にちゃんと支払ってきたにも関わらず、なぜ今、再び税金のように搾取(さくしゅ)されるのか?」という疑問に誰一人答えていないためだ。


 2.保険というのは、病気(事故)になった人を、まだ病気になってない人々(無事故)が支える仕組みである。後期高齢者をひと括りにして保険制度が成り立つわけがない。


 3.リハビリ民、介護民を出してきた挙げ句に、高齢者に負担を強いるのは、弱い者いじめではないのか?

内閣支持率20% 政党支持は民主が逆転 朝日世論調査


 ガソリン税の上乗せ法案の衆院再議決を受けて、日新聞社が430日夜から51日夜にかけて実施した全国緊急世論調査(電話)によると、上乗せの復活に「賛成」は22%、「反対」は66%だった。福田内閣の支持率は20%で、発足以来最低だった前回419、20日調査の25%からさらに下落した。不支持は59%(前回60%)だった。

 政党支持率でも自民24%(同26%)、民主が28%(同22%)と逆転した。民主が自民を上回るのは、安倍内閣時代だった参院選後の昨年8以来だ。「いま投票するとしたら」として聞いた衆院選比例区の投票先でも、民主が39%で自民の22%に大差をつけた。今年2の時点では、投票先は民主32%、自民30%で接近していた。民主は弱いとされてきた女の支持が増えている。

 政府・与党は今回の再議決に続き、ガソリン税を道路整備に使うための法案も再議決で成立させる方針だが、これについても「妥当だ」が28%、「妥当ではない」が59%と否定的な見方が強い。一方、道路特定財源を一般財源化することは、「賛成」が67%と「反対」の22%を大きく上回り、支持されている。

 一般財源化に賛成する人にガソリン税上乗せについて聞くと、「一般財源にするなら上乗せはあってよい」と「廃止した方がよい」がともに44%で、見が分かれた。今後、一般財源化の議論に加えて、税率をどうするかも焦点になってきそうだ。

 福田首相の問責決議案の参院提出を検討している民主党の姿勢を「評価する」は42%、「評価しない」は40%。問責決議案が可決された場合に福田首相はどうするべきかについては、「衆院を解散して総選挙をする」が60%で多数を占めた。「辞職も解散もする必要はない」は25%、「辞職するべきだ」は9%だった。


日新聞 2008-05-01】

内閣支持率20% 自民落胆「しばらく選挙できない」


 日新聞社が430日と51日に実施した全国緊急世論調査で、福田内閣の支持率が発足以来最低を更新し、20%にまで落ち込んだ。政党支持率でも民主党が自民党を上回った。政党支持率の逆転は昨年夏の参院選直後以来。自民党執行部の一人は「しばらくは選挙ができない」と落胆を隠さない。

 ガソリン値上げにつながる税制改正関連法を再可決で成立させたため、政府・与党内では、内閣支持率の低下は織り込み済み。首相周辺は「何とか踏みとどまった。これが福田内閣の固い支持層だ」と胸をなで下ろす。しかし、自民党内には「10%台になったら完全にアウトだ」(中堅議員)とのもある。

 自民党の二階俊博総務会長は「今が自民党にとって最悪の事態。悪い条件が重なったが、これから反転攻勢する。国民も平静さを取り戻す」と強調。公明党幹部も「後期高齢者医療問題やガソリンの問題で情的になっている」と指摘し、こう漏らした。「歯を食いしばって耐え、もっと落ち着いて考えてもらえるようにしないといけない」

 参院で首相問責決議案が可決した場合の対応について、6割が福田首相に解散を求めていることについても、自民党三役経験者は「ますます解散はなくなった」と否定的。同党の中堅議員は「福田首相で選挙なんて、周りが許さない」と厳しい見方を示した。

 一方、民主党は勢いづく。山岡賢次国会対策委員長は「とにかく一度、民主党にやらせてみようという機運が高まっている。そういう民を受けていることを識して連休明けも行動したい」。鳩山由紀夫幹事長も「後期高齢者医療制度の廃止を巻き込んで首相問責決議案を出し、総辞職もしくは解散・総選挙をするのが筋と訴えていく」と気が上がる。

 こうした状況に、政府関係者は、こんな見方を示した。「首相はどんなことがあっても解散できない。民主党は解散に追い込むつもりでやっている。お互い根比べだ」


日新聞 2008-05-02】

2008-05-01

公明新聞社殿御返事


 言いわけめいた記事があったよ。支持者に詫びる気持ちは、さらさらないようだ。


 地球温暖化防止へ向けCO2(二酸化炭素)抑制のために、走行段階での燃料税を高く設定するのが世界的な趨勢になっています。

【公明新聞 2008-04-30】


 じゃあ、以下の記事はどう読めばいいんだ? 同じ日のニュースだよ(笑)。


 ブッシュ米大統領は29日、ホワイトハウスで記者会見し、食料品やエネルギー価格の上昇や住宅市場の低迷に加え、責められるべき議会の無策などにより、米経済は厳しい状況に直面しているとの認識を示した。

 その上で、記録的な高騰を見せているエネルギー価格を引き下げる「法の杖」はないが、今年夏の連邦ガソリン税の一時徴収凍結を検討する考えを示した。

ロイター 2008-04-30】