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斧節【onobusi】 このページをアンテナに追加 RSSフィード


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2009-11-07

混沌が生むエネルギー


 組織の理軍隊であるといわれる。組織に求められるのは効率と経済だ。つまり軍隊という組織が、権力者の“志”そのものと機能することが「組織の理」と考えられているのである。ってことは「手足」なのか? 御。俺達の志はどうなるんだ? 無視。じゃあ、権力者がタコ野郎だったらどうなるんだ? 足は食べられてしまうわけだよ。こう考えると、整然とした秩序が一人ひとりの力を奪うことが明らかになる。エネルギーは混沌や矛盾の中から生まれるのだろう。それにしても何という文。


 いたたまれない気持ちを胸に、救いを求めるように、セーヌ河畔のオルセー美術館を訪れた。1900年のパリ万博時に、駅として改造されたものを、大空間を生かしたまま、1986年に美術館として再出発したものである。最上階にある、フランス印象派の巨匠達、マネ、モネ、ドガ、ゴッホなどに圧倒された。ありとあらゆる不道徳と喧騒の渦巻くパリに、どうしてかくの如き、を呑むような芸術が生まれるのか。この打ちのめすような力は何なのか。正邪美醜か、背景に抑えこまれている他国とは異なり、ここでは全てが解放され、露骨に激突している。この地で文学や芸術の傑作が数多く産まれるのは、このエネルギーのためかも知れない。私は唾棄したくなるような巷(ちまた)と、陶酔させるほどの芸術との落差に、目眩(めまい)と困憊(こんぱい)をじながら、展示場のソファに腰を下ろしたまま、半ば放状態でいた。


【『天才の栄光と挫折 数学者列伝』藤原正彦(新潮選書、2002年/文春文庫、2008年)】

天才の栄光と挫折―数学者列伝 (新潮選書) 天才の栄光と挫折―数学者列伝 (文春文庫)

(※左が単行本、右が文庫本)

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