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2009-11-21

永遠は存在しない


「安易な言葉づかいを戒めるシリーズ」の続きである。エ? そんな連載がどこにあったって? ま、私の気分が何となくそういうノリだってことでご理解してもらおう。


 永遠は存在しない。観測する人、あるいは変化する物がなくなった時点で時間は消失する。永遠とは概の中にしか存在せず、実在するのは「過程」のみである。

 で、時間とは過去であり、歴史と記憶の中にしか存在しない(「時間に関する考察」)。同記事で引用した「中の理」とは「脳内」を味しているのかもしれない。


 久遠とは過去を示している。もう一つ「尽未来際」(じんみらいさい)という言葉もあるが、この言葉自体「未来の際(きわ)が尽きるまで」という有限を暗示している。


 無限は存在する。だがそれは、万・億・兆……の彼方にではない。これだと、やはり「数える人がいなくなった」時点で限界となる。無限は1と0の間に存在する。0.000……1ということだ。小数点以下の0をいくらでも増やせば無限となる。つまり、無限に細分化できるってわけだな。


 永遠に込められているのは、死に対する超越願望なのだろう。だから大半の人々は、前という記号に味を与えようとして、地位や財産を残そうとするのだ。子孫ですらそうした側面がある。文字を書くことにも、同様のいが隠されているのかもしれない。墓なんてえのあ、そのものだわな(笑)。


 自分が死んだ後に何かの痕跡を残したい。そんな切実な願望が確かにある。我々が戦争や虐殺や乗り物による事故を忌み嫌うのは、自分という固有が大量死の中に埋没してしまうためだろう。


 気持ちとしては十分理解できる。私だってそうっている。だが待てよ。ちょっとおかしくないか?


 我々は「生きる痕跡」を残すために生きているのか? その証として「資本の奪い合い障害物競走」(=資本主義の競争原理ってことね)に参加しているのか? で、春期の娘の顔色を窺いながら、加齢臭対策に余がないってことなのか?(←最後のは全く関係ない)


 物ついた頃から、「アリとキリギリス」などの童話によって、未来のために現在を犠牲にすることを奨励されながら我々は育った。で、二十歳(はたち)前後になって、バイクをブンブン乗り回したり、チャラチャラした服装で盛り場をうろついたりすると、「お前は今さえよければいいのか? 将来を棒に振るつもりか!」と刹那主義をたしなめられた。


 しかし、だ。よくよく考えてみるとこの論理はおかしい。最大の理由は、権力者にとって都合のいい考法となっている。何となく刑務所にいる囚人が出所の日を待ちわびているような情になってくる。


 では、御書をひもといてみよう――


 天台云く「今我が疾は皆過去に由る今生の修福は報将来に在り」等云云、地観経に曰く「過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」等云云(231頁)


 これは数少ない未来志向だとう。基本的なスタンスは以下の通り――


 在世は今にあり今は在世なり、法華経の肝は諸法実相ととかれて本末究竟等とのべられて候は是なり(916頁)


 過去と未来と現在とは三なりと雖も一念中の理なれば無分別なり(562頁)


 所謂南無妙法蓮華経は三世一念なり(788頁)


 三世常恒なるを経と云うなり(708頁)


 そして肝なのは次の御文である――


 命已に一念にすぎざれば一念随喜の功徳と説き給へり(466頁)


 三世から見れば久遠末法であり、一生を通せば時々刻々の一念となる。つまり、「今この瞬間」の生命の実相を重んじるのだ。私が記憶するところでは、大聖人が未来のために現在を犠牲にせよと教えた箇所はないようにう。


 死んだ後に何かを残すことよりも、今この瞬間に生を燃焼させることが大切なのだ。明日ではない。今日である。もちろん、未来に向かう姿勢は堅持されるべきだ。しかし、そのために今日を犠牲にする生き方は愚かであると言わざるを得ない。今、自分自身を十全に発揮できない者が、未来になって発揮できるとは到底えない。


 結局、永遠といっても一念に収まり、我が一念から永遠を開いてゆくしかない。現在に永遠なる何かを打ち立ててゆくことが、「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身に起るなり所謂南無妙法蓮華経は精進行なり」(790頁)であり、「日日につより給へすこしもたゆむあらばたよりをうべし」(1190頁)と加速度をつけて生を充実させてゆかなければ、生命は濁り腐敗してゆくとの御指南である。


 知らず知らずのうちに、「働き蟻」のような存在となってはいけない。キリギリスの如く「自らの歌」を歌え。

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