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斧節【onobusi】 このページをアンテナに追加 RSSフィード


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2012-04-30

教団の情報伝達に起きつつある変化

 中外日報自体が同じ立場であるがゆえに、踏み込むことをためらっているような記事だ。一般紙と変わらぬ論調となっており宗教的な視点を欠いている。


 聖教新聞の配達をすることで奪われる自由は多い。旅行にも行けない。体調が悪いからといって休むことも困難だ。雨や雪の中を自転車で配達することがどれほど危険なことか。死亡事故も決して少なくない。


 生命尊厳を標榜する教団の機関紙が、実は配達員の犠牲の上に成り立っているという矛盾を指摘する声は皆無だ。


 一般紙も含めてなぜデジタルコンテンツへ移行できないのか? それは広告収入が減るためだ。結局、あらゆる組織が経済を基準に動いているのだ。

神に近いとされる人物


 イマムの非情な口調と性急さに圧倒され、私は動揺した。神に近いとされる人物がこれほど人間から遠く離れ、人間の苦しみに鈍感であることが信じられなかった。


【『テロル』ヤスミナ・カドラ:藤本優子訳(早川書房、2007年)】

テロル (ハヤカワepiブック・プラネット)

2012-04-29

泥の虜


 朱に交われば赤くなるということわざもある。泥中の蓮華などと気取って、結局は泥の虜になってしまった人の何とおびただしいことであろうか。


【『日本奇僧伝』宮元啓一(東京書籍、1985年/ちくま学芸文庫、1998年)】

日本奇僧伝 (ちくま学芸文庫)

2012-04-28

書評:浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか(島田裕巳)


 本書には言及されていないが、戦後大衆にアピールした政治思想宗教は、その躍進という点からすれば、共産主義と創価学会であった。共産主義についてはハンガリー騒動を受け、60年代・70年代の新左翼分化と、カルト的に体制化していく社会主義によって薄れて、現在はもはや老人の巣窟(それと日共産下の病院)くらいしか残っていない。だが、創価学会のほうは時代的な要因からはずれてもむしろ、当時の二世・三世のある種のエリート化によって現在も所定の影響力を維持している。これも逆に言えば、形骸化としての維持なので戦後の創価学会の躍進のエネルギーはない。


極東ブログ

十字架を持つ牧師と悪魔のタトゥーを入れるチンピラの共通点


神も仏も悪魔もいない。


あるのは神を信じさせる洗脳組織、カリスマを信じさせる洗脳組織、儀式や祈りやお経で信者から金をむしり取る洗脳組織、悪魔を臭わせてモノを売る組織だけだ。


神や悪魔は妄想だが、こちらは現実なのである。


Darkness

消費税と自殺者数の相関関係


 消費税の滞納者が急増した1998年という年は同時に、この国の年間自殺者が初めて3万人を超えた年であったという事実を、とりあえず知っておいてもらいたいと思う。


【『消費税のカラクリ』斎藤貴男(講談社現代新書、2010年)】

消費税のカラクリ (講談社現代新書)

2012-04-27

JR東労組による集団いじめ


 ここに一本のビデオテープがある。

 JRグリーンユニオンは、佐藤氏のJR東労組脱退後、彼らによる集団でのいじめや嫌がらせから佐藤氏を守るため、「支援隊」を結成。それと同時に、いじめの実態を記録として残すため、その模様を録画していたのだ。

 ビデオは、佐藤氏が出勤する場面から始まる。三鷹電車区の門扉の前で、佐藤氏を待ち構える十数人のJR東労組組合員。佐藤氏の姿を見つけるや否や、一斉に罵声を浴びせる。

「この野郎」、「オメー、黙ってんじゃねーぞ」。(中略)

 その言動はまるで「チンピラ」のそれである。

 佐藤氏が、悔しさを滲(にじ)ませながら当時の様子を振り返る。

「着替えのときまで5〜6人がしゃがみこんで取り囲み、パンツの中まで覗き込む。『おまえ、裏切りモンなんだから、辞めちまえよ』と鼻の先まで顔を近づけて言ってくる。『自転車使うな! トイレも使うな!』と怒鳴られる。『それらは全部、東労組が会社から勝ち取ったもので、東労組もを辞めたんだから使う権利がない』というのです。若い組合員も、平気で『久雄よぉ』と呼び捨てでした……」


【『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』西岡研介(講談社、2007年)】


 組織に所属するということは、組織の指示に従うことを意味する。このため、あらゆる集団が奴隷を求め、すべての組織がロボットを育てる。

マングローブ―テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実

2012-04-26

人は理性を眠らせて信仰を深める


 17世紀の優れた科学者で宗教思想家でもあったパスカルは、人間が信仰を必要とする理由を数え上げているが、信仰がほんとうに心の空白を満たすとは考えず、理性を麻痺させることで人は神の恩寵に浴すると説いた。信仰を支える習慣の力をパスカルは知っていた。「人は自身を見誤ってはならない。人はその心と同じ自動機械である」。教会の権威に服し、信徒に混じってミサに連なることによってのみ迷いは晴れる。

 同様に、現代人は科学の権威に服することで思考からの解放を期待できる。科学者を崇め、技術の恩恵に与って、現代人はパスカルが祈りと、香煙と、聖水に求めたと(ママ)同じものを得る。熱心な研究者の驥尾(きび)に付し、人工知能を備えた機械に囲まれて暮らせば、人は理性を眠らせて、人類に対する信仰を深める道理だろう。


【『わらの犬 地球に君臨する人間』ジョン・グレイ:池央耿〈いけ・ひろあき〉訳(みすず書房、2009年)】

わらの犬――地球に君臨する人間

2012-04-25

敵を排撃してくというのは保守の思想ではない


佐藤●そもそも保守の思想というのはイデオロギーではありません。保守というのは文化、生活に根ざしている。だから人間本位なんです。脇が甘くていいんです。徒党を組んで、敵を排撃してくというのは保守の思想ではありません。

 いまの自民党を見ていると、共産党とダブってしまう。おそらく、自民党に保守の思想がなくなってきていることからなのでしょうね。


【『北方領土 特命交渉』鈴木宗男佐藤優(講談社、2006年/講談社+α文庫、2007年)】

北方領土 特命交渉 (講談社+α文庫)

2012-04-24

言葉は技術だ


 コミュニケーション能力の低さゆえに誤解を招く人は少なくない。特に子どもの場合はそう。言葉は技術だ。態度のあらわし方もじつは技術。技術がいやなら経験でもいいが、場数を踏まないと技術は磨かれない。だから企業にはプロのクレーム処理班が配備されているわけですよ。


【『たまには、時事ネタ斎藤美奈子(中央公論新社、2007年)】


たまには、時事ネタ

2012-04-23

任務を遂行すること実に30年


「小野田さんはここに骨を埋めるつもりですか」

「任務解除の命令がない限り、ここを動くわけにはいかんのだ」


【『たった一人の30年戦争』小野田寛郎〈おのだ・ひろお〉(東京新聞出版局、1995年)】

たった一人の30年戦争

2012-04-22

国家が必要とするもの


 国は詩人を必要とはしていない。哲学者宗教家も必要としていない。国が必要としているのは、寸法と量が計れる生産性ストップウォッチで計測できる成功だ。


【『チャイルド44』トム・ロブ・スミス:田口俊樹訳(新潮文庫、2008年)】

チャイルド44 上巻 (新潮文庫) チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

2012-04-21

経済のグローバル化とは「帝国」を築くことに他ならない


 ゴルバチョフ財団によって設立された国際シンクタンク、ステート・オブ・ザ・ワールド・フォーラムの会長ジム・ギャリソンはこう分析する。


 さまざまな要素を積み重ねて考えてみれば、とくに経済のグローバル化と絵空事にすぎない「自由市場」資本主義という観点からすれば、世界をひとつに統合することは、まさに「帝国」を築くことにほかならない……地球上のどの国も、グローバル化の強烈な磁石に抗うことはできない。世界銀行やIMFの「構造的調整」や「条件つき融資」、あるいは世界貿易機関(WTO)の裁定から逃れられる国はほとんどなかった。こうした国際的金融機関こそが、いかに不適切だろうと、経済のグローバル化の意味やルールのなんたるかを決定し、従うことで報酬を得る者と背くことで罰せられる者とを判別しているのだ。ことほどさようにグローバル化の力は強大であり、世界のあらゆる国の経済が、たとえ完璧ではないにせよ、地球規模のひとつの自由市場システムに統合されるのを、私たちは生きているあいだに目の当たりにしそうなほどだ。


【『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス:古草秀子〈ふるくさ・ひでこ〉訳(東洋経済新報社、2007年)】

エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ

2012-04-20

心理的、内面的な依存


 わたしたちの教育、生き方、伝統などには、誰かがほかの誰かに何かを与えることができるという考えがしみついています。イエスはあなたに救済の手を差し伸べることができる。あるいは、グルはあなたを救うことができる。あるいは、妻はあなたを助けることができる。それは、私たちがすがりついている使い古した伝統であって、まったく誤ったアプローチかもしれないのです。みなさんは理解しており、私はしていないと思ってるかもしれませんが、失礼ながらみなさんは条件づけられているのかもしれないのです。みなさんは、自分はその理解を誰かに与えられるという観念へと条件づけられているのではないでしょうか? が、それは少しも事実ではないかもしれません。心理的、内面的に、皆さんは誰かに依存しているのではないでしょうか?


【『変化への挑戦 クリシュナムルティの生涯と教え』J・クリシュナムルティ:柳川晃緒〈やながわ・あきお〉訳、大野純一監訳(コスモス・ライブラリー、2008年)】

英和対訳 変化への挑戦―クリシュナムルティの生涯と教え

2012-04-19

娑婆即寂光土


「さっきのは……永遠の場所じゃない……

 そう呼べるものは……あそこで自分で見つけるしかないんだ」


【『同じ月を見ている』土田世紀〈つちだ・せいき〉(小学館、1998年)】


同じ月を見ている (1) (ヤングサンデーコミックス) 同じ月を見ている (2) (ヤングサンデーコミックス) 同じ月を見ている (3) (ヤングサンデーコミックス)


同じ月を見ている (4) (ヤングサンデーコミックス) 同じ月を見ている (5) (ヤングサンデーコミックス) 同じ月を見ている (6) (ヤングサンデーコミックス) 同じ月を見ている (7) (ヤングサンデーコミックス)

2012-04-18

集団でいると行動原理が変わる


 災害が降りかかるのは個人ではなく、集団である。災害の犠牲者は、望もうと望むまいと、集団の一員である。そして人は皆、集団でいると、一人でいるときとは違う行動をとる。


【『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー:岡真知子訳(光文社、2009年)】

生き残る判断 生き残れない行動

2012-04-17

学問と信仰は別問題




もう宗教は、これで救われると言って金を集められなくなった


 宗教に対して救いを求めて多額の献金をする人がいる。それで救われ、満足した人間はいいが、なかには救いを得ることが出来ず、献金したことを後悔する人たちも少なくない。


 今回の判決は、救われると断言したり、より多くの献金をするよう誘導していた場合には、宗教法人の側が献金の返金に応じなければならないということを意味する。しかも、慰謝料まで支払わなければならないということは、そうした行為自体が違法と見なされたことになる。


島田裕巳

書かれた文章が真実と誤解される可能性


 ソクラテスがもっと微妙な問題として懸念していたのは、書かれた文章が真実と誤解される可能性である。書かれた文章は“あたかも知的であるように”見えるため、物事の真実により近いように思えるので、言葉が人々を欺いて、理解し始めたに過ぎない物事を理解したかのごとき浅はかな錯覚に陥らせてしまうのではないかと、ソクラテスは恐れたのだ。それは空虚傲慢さにつながるだけで、何の進歩もなければ、何の役にも立たないというわけだ。


【『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』メアリアン・ウルフ:小松淳子訳(インターシフト、2008年)】

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

2012-04-16

「私は、自分の子供たち全員が見ているところで暴行されました」


 私は、自分の子供たち全員が見ているところで暴行されました。最初の5人までは覚えています。その後、私はわけがわからなくなりました。私が意識を失った後もなお、彼らは私を暴行し続けました。正直に言えば、あのとき、あの教会にいた女性は、全員暴行されました。(オリビア)


【『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』写真、インタビュー=ジョナサン・トーゴヴニク:竹内万里子訳(赤々舎、2010年)】


 増刷された。

ルワンダ ジェノサイドから生まれて


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2012-04-15

キリシタンの確かな信仰


 当然、キリシタンたちは自らの信仰を隠そうとするだろう。秀吉は、キリシタンが隠れて自分の信仰を守るぐらいは許してもよい、と考えていた。しかし、実際はまったく異なったものだった。(中略)

 最初、想像されたように、多くの民衆の中から隠れているキリシタンを捜し出す、というようなことにはならず、キリシタンを捜索する役人のもとに、キリシタンたちは自分の洗礼名を名乗り集まってきたのである。良心的なバプテスタらによって教化された上方の民衆は、確かな信仰を持っていたのである。


【『殉教 日本人は何を信仰したか』山本博文〈やまもと・ひろふみ〉(光文社新書、2009年)】

殉教 日本人は何を信仰したか (光文社新書)

2012-04-14

理想主義が打ち砕かれた時代


 こうした懐疑にも揺り動かされないためには、生きる意味があるという信念がびくともしないものでなければならないでしょう。このような懐疑と悲観主義をも引き受けて担うには、私たちは、人間として生きている意味と価値を、絶対的に信じていなければならないでしょう。しかし、そのためには、やはり理想主義や熱情に訴えるしかないのに、現代は、あらゆる熱情が乱用されたあげく、ありとあらゆる理想主義が打ち砕かれた時代なのです。じっさい、ほんとうなら、若い世代にもっとも理想主義と熱情をなければならないのに、こんにちの世代、こんにちの青年には、もはやどのような理想像もないのです。


【『それでも人生にイエスと言う』V・E・フランクル:山田邦男、松田美佳訳(春秋社、1993年)】

それでも人生にイエスと言う

2012-04-13

政治レベルや戦略レベルの間違い


 戦術や作戦レベルでの間違いは、方法論のレベルで発生したものなので後とで修正が効く可能性があるが、政治レベルや戦略レベルの間違いは、目的そのもののレベルで発生したものなので、結果としては取り返しのつかないことにつながる。戦略の成功というのは絶対に保証できるものではなく、つねに「政策のセンス」や「軍隊の能力」、そしてその二つの間の「対話」によって左右されるものだ。したがって、良い戦略というのは常にこの「対話」の中から生まれなければならない。


【『戦略の格言 戦略家のための40の議論』コリン・グレイ:奥山真司〈おくやま・まさし〉訳(芙蓉書房出版、2009年)】

戦略の格言―戦略家のための40の議論

2012-04-12

金本位制の不況レジーム


 なぜこういうことが起こったのか? 簡単な例で説明するとこうだ。いまここに1ミリグラムの金があり、それを日本政府が100円と評価して法律に定めたとしよう。また、初めの状態では、ボールペン1本が金1ミリグラムと同じ価値を持つと考えることにする。したがってボールペン1本の価格は100円である。さて、世界で金に対する需要が増加したため、金の価値が増加し、1ミリグラムの金はもはやボールペン1本ではなく、その倍の2本分の価値を持つようになったとする。しかし、金1ミリグラムを100円とする法律自体は動かしようがないから。このとき変化するのは金の価格ではない。ではなにが変化するのか? 金(通貨単位)で測られたボールペンの価格が下落するのである。ボールペンの価格は1本=100円という水準から、2本=100円、つまり1本あたり50円に半減する。金価値が上昇した場合、「金本位制」を採用している国で「デフレ」が起こるのはこういうわけだ。


【『世界デフレは三度来る』竹森俊平(講談社BIZ、2006年)】


 だからといって裏づけのないドルが認められるものではない。非常に評価の高い本だが、私は全く評価しない。


世界デフレは三度来る 上 (講談社BIZ) 世界デフレは三度来る 下 (講談社BIZ)

2012-04-11

陸軍中野学校に規律めいたものはなかった


 私たちの日常生活は、起床から消灯まで、いちおう軍隊形式をとっていたが、規律めいたものは何もなかった。教官たちは口々に言った。

「軍人としての精神をしっかり持ち、国にご奉公する心さえ失わなければ、どんな行為をしてもかまわない。規則からいくらはずれても、とがめない。ただし、ここで教えることは敵に対して用いるものであって、断じて、私利私欲に用いてはならない。またもし、ここの教育に意見があれば、どしどし意見具申してくれ」


【『小野田寛郎 わがルバン島の30年戦争』小野田寛郎〈おのだ・ひろお〉(講談社、1974年/日本図書センター、1999年)】

小野田寛郎―わがルバン島の30年戦争 (人間の記録 (109))

2012-04-10

猫の善業とは?


 だから極端な話、あなたが来世(らいせ)、畜生界(ちくしょうかい)で猫に生まれたとしよう。猫としてよいことをすれば、その次に人間に生まれることもあるというのだが、猫の倫理とはなんぞや。サンマを盗んでこないことか? いや、それは人間の都合で考えた倫理であって、子猫に食べ物を与えるため盗んでくるのが倫理に適(かな)っているのかもしれない。いずれにしても、そういうときにどっちが正しいか、人間が勝手に決めてもしようがないということなのだ。


【『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹(徳間書店、2000年)】


 知性を眠らせているから、こんな簡単な道理にも気づかない。心の底から反省した次第である。来世と神様はよく似ている。誰も確認していないにもかかわらず誰もが信じている。


日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか

2012-04-09

東夷・南蛮・西戎・北狄


 中国は中華文明の外にある東西南北のすべての地域を野蛮であるとみなしていた。それが「東夷・南蛮・西戎(さいじゅう)・北狄(ほくてき)」である。特に東夷の「夷」は、弓を持って構えている人、という象形文字である。武器を持っているものはすべて野蛮であるという中華「文明」思想が、ここにはある。


【『砂の文明・石の文明・泥の文明』松本健一(PHP新書、2003年)】

砂の文明・石の文明・泥の文明 (PHP新書)

2012-04-08

あらゆる記憶は個人とともに死ぬ


 あらゆる記憶は個人的なもので複製不可能であり、個人とともに死ぬ。集団的記憶と呼ばれるものは、記憶することではなく規定することである。【これが】大事なのだ、それはこういうふうにして起こったのだ、というふうに。


【『他者の苦痛へのまなざし』スーザン・ソンタグ:北條文緒〈ほうじょう・ふみを〉訳(みすず書房、2003年)】


 自我の正体は「記憶」である。

他者の苦痛へのまなざし

2012-04-07

太田昭宏は「日頃から勉強する数少ない政治家」








不愉快な現実  中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書)

2012-04-06

魂を落ちつかせる錨(いかり)


 どんな人間の心にも、人生の将来というものに対する、しっかりとして揺らがない確信と言おうか、肯定的で満足のいく信念をもつことへの、熱烈な渇望が宿っている。このような信念があると、人格は安定する。ところが、我々のなかの多くの若者たちの心には、魂を落ちつかせるこのような錨(いかり)がなくなっている。

  ――トーマス・ワイルドキャット・アルフォード(ショーニー族)1930年


【『それでもあなたの道を行け インディアンが語るナチュラル・ウィズダム』ジョセフ・ブルチャック:中沢新一、石川雄午訳〈いしかわ・ゆうご〉(めるくまーる、1998年)】


それでもあなたの道を行け―インディアンが語るナチュラル・ウィズダム

2012-04-05

平和は戦争以上に積極的な力でなければならぬ


 私の意図は、目前にした事実を伝え、平和を願う意志を理屈から力に転化することであった。観念の戦いは不毛である。平和は戦争以上に積極的な力でなければならぬ。空疎な主義主張の衝突や、憶測の正否、時流に流されやすい世論から距離を置き、何かをしたいが……と思う日本人の健全な感性を食糧配給に結びつけたかった。


【『医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む』中村哲〈なかむら・てつ〉(石風社、2007年)】

医者、用水路を拓く―アフガンの大地から世界の虚構に挑む

2012-04-04

創価学会次期会長に谷川事務総長が確定


 創価学会の池田大作名誉会長のXデーが噂される中、かねてより学会のホープと目されてきた谷川佳樹副会長(事務総長、54)の次期会長昇格が確定した。谷川氏の会長昇格の障害になっていた矢野絢也・元公明党委員長との訴訟で、2月10日に和解が成立したためだ。


 矢野氏は谷川氏ら学会幹部から「政治評論活動の妨害」などの人権侵害を受けたとして、学会と谷川氏ら学会幹部7人を提訴。これに対して、谷川氏も週刊新潮の学会関連記事を巡り、矢野氏らに名誉を毀損されたとして訴えていた。


 週刊新潮裁判では、一審で矢野氏らに33万円の賠償金支払いを命じる判決が出たものの、谷川氏が「息子がどうなってもいいのか」と、矢野氏を脅したことが事実と認定された。このため双方が判決を不服として東京高裁に控訴していた。学会側は矢野氏を相手に、ほかにも2件の訴訟を起こし、係争中だった。


 和解を勧告したのは週刊新潮との訴訟を担当していた東京高裁の加藤新太郎裁判長。和解の条件は、双方の提訴取り下げに加え、過去に矢野氏が講談社から出版した学会批判の単行本について、今後は増刷や文庫化をしないなどの内容が含まれる。これまで矢野氏の学会告発本は、ほぼ全て講談社が刊行している。


 矢野氏と新潮社、谷川氏と学会側はこれを受け入れたが、講談社側は増刷や文庫化を認めないのは「言論弾圧に当たる」として反発しているという。


 学会側で和解を主導したのは谷川氏とされ、今回、矢野氏との和解を成立させたことで学会内での谷川氏の立場は「揺るぎないものになった」(本部の副会長)。なぜなら、谷川氏は「身体を張って矢野氏を提訴し、追い詰めた」(学会関係者)ことで男を上げたうえ、矢野氏を脅したという「自らの汚点を消すことにも成功した」(同)からだ。


 おまけに、学会マネー(莫大な広告費や印刷費)が浸透した新聞、テレビが学会批判から退く中で、学会に批判的な講談社の「矢野本」の出版活動を封じ込めたことは「大きな戦果」(先の副会長)。「谷川会長」が確定するのも当然だ。


 今回の和解劇の発端は、昨年10月に矢野氏が『乱脈経理 創価学会vs国税庁の暗闘ドキュメント』(講談社)を出版したこと。同書で矢野氏は、池田氏ら首脳部の強い要請を受け、学会と池田氏に対する国税庁の税務調査を妨害した経緯を、当時の国税幹部の実名を挙げ、洗いざらいぶちまけている。これだけでもひどいダメージなのに、矢野氏は「私は学会・公明党の裏面史ともいえる手帖を順次公開し、学会・公明党の実態を世に問うことにした。その第一弾が本書である」と、池田氏ら首脳部に宣戦布告していた。


 これには学会首脳部も頭を抱えた。矢野氏が暗部を暴き続ける限り、学会は過去の醜聞と決別できない。また、池田氏の莫大な相続財産について、国税当局と事前交渉ができず、勢い世代交代も進まない。そこで谷川氏は、首脳部が和解案を受け入れ、「矢野リスク」を解消する方向へと動いた。

 

 一方、矢野氏も強気一辺倒ではなかった。加藤裁判長が担当する週刊新潮裁判で、一審と同じく矢野氏側の敗訴判決が出そうな雲行きだった。双方が弱みを抱える中、阿吽の呼吸で和解が成立したのが真相らしい。


FACTA 2012年4月号

2012-04-03

心の底から笑うことを知らなかった人


 その次の日、忘れもしない11月13日の夜があけないうちです。母が入院している村の診療所から六角(地名)の叔父さんに、叔父さんのうちから僕のうちに「あぶない」というしらせが来て、みんな枕もとに集ったとき、そのことを報告したら、もうなんにもいえなくなっているお母さんが、ただ、「にこにこっ」と笑っただけでした。そのときの笑い顔は僕が一生忘れられないだろうと思っています。

 今考えてみると、お母さんは心の底から笑ったときというのは一回もなかったのではないかと思います。お母さんは、ほかの人と話をしていても、なかなか笑わなかったのですが、笑ったとしても、それは「泣くかわりに笑ったのだ。」というような気が今になってします。それが、この死ぬまぎわの笑い顔は、今までの笑い顔とちがうような気がして頭にこびりついているのです。

 ほんとうに心の底から笑ったことのない人、心の底から笑うことを知らなかった人、それは僕のお母さんです。


【『山びこ学校』無着成恭〈むちゃく・せいきょう〉編(青銅社、1951年/角川文庫、1992年/岩波文庫、1995年)】

山びこ学校 (岩波文庫)

2012-04-02

無意識に張り巡らす障壁


 キネシクスを駆使する尋問者が心に留めておくべきことがある。敵とみなすべきは被尋問者ではなく、被尋問者が、場合によっては無意識のうちに、真実の周囲に張り巡らす障壁なのだ。


【『ウォッチメイカー』ジェフリー・ディーヴァー:池田真紀子訳(文藝春秋、2007年/文春文庫、2010年)】

ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫) ウォッチメイカー〈下〉 (文春文庫)

2012-04-01

人間だけが奴隷になり得る


 動物に労働を強制することはできない。人間だけが奴隷になり得る。人間を奴隷にし、労働を強制すると言っても、物理的手段によるのではない。人間はみずから進んで強制に屈服し、奴隷になる。そうでなければ、ひとにぎりの支配者が大多数の人民を奴隷化していた奴隷制度社会は成り立ち得なかったはずである。


【『続 ものぐさ精神分析』岸田秀〈きしだ・しゅう〉(中公文庫、1982年/『二番煎じ ものぐさ精神分析』青土社、1978年と『出がらし ものぐさ精神分析』青土社、1980年で構成)】

ものぐさ精神分析 (中公文庫) 続 ものぐさ精神分析 (中公文庫)