Thee Rang 跡地

https://solaponz.hatenadiary.jp/ 跡地

WEBカルト

 日の自分のエントリの一部より

インターネットというのは便利だが、反面こういった社会的に殺された通念、意思の発露と集積という意味も持ち合わせている。それはwebで仲間を募って練炭集団自殺するという事件が後を絶たない現実に容易に見て取れる不気味な現象だ。ひょっとするとこの先、webカルトというのも出てくるかもしれない。

 カルトは社会に潜んでいる。僕が小学校の頃の「オウム真理教」騒動はすごく強烈な印象だったし、今もニュースなどで信じられないようなカルトの報道がなされている。その「摂理」という名前のカルトの被害者の多くは大学生などで、しかも関西にある僕の出身大学にも拠点があったというから背筋が寒くなる。
 彼らがその勢力を伸ばし影響力を強める為の手段はマインドコントロールである。洗脳というよりはこちらのほうが適切だ。なぜかというのはwikipediaのマインドコントロール解説に詳しい。→ こちら。  マインドコントロールの恐ろしいところは、どんな正義感や強固な意志を持っている人にでも適用できる、という事にある。ここであるWEBページにあるひとつのコンテンツを紹介。実体験に基づいているだけにリアルで、現実味がある。「どんなに体を鍛えても癌からは逃げられないように、どんなに意思を強くもってもマインドコントロールからは逃げられない」という文章を読むまで、僕はマインドコントロールの本質について勘違いしていた部分がある。
マインドコントロールの実態 (刈人宗教解析倶楽部 より)
 このページによると、「強い心を持っていればかからないということは無い。 マインドコントロールは、誰もがはまり得る罠である。」とある。いかに一部を抜粋するが、『それと気づかぬよう特定の方向に重み付けをうながす』というところが怖い。

 人間の行動は、外部から与えられる事象と、自分の中に確立された価値の重み付けによって 決定されている。性格とか、信念とか、自己とかいうものはその重みづけのことだ。 重みづけのほとんどは、経験によって獲得されたものだ。行動とその結果によって、 人は重みづけを変化させ、新しい環境に適応してゆく。このメカニズムが無ければ、 成長は有り得ないし、未知の経験をした時に適応できずに心理的にダメージを受ける。
ここでもし、特定の方向に重みづけを促すよう、外部から与える事象を制御されたら。 しかも、それと気付かぬ程度に少しづつ。マインドコントロールの技法は、理屈よりも まず行動させ、その結果感じたことを内省的に分析させるものが多い。これは、この 重み付けのフィードバックループを加速させているのだ。そのこと自体は悪いことでは 無いが、そのフィードバックループが閉ざされた環境下で与える情報を制御しながら 行われた時、人の心は比較的容易に変化し得る。しかも、本人は自発的に変わったと いう意識しか持たない。

 さて、人間がこのようなマインドコントロールの過程(おおざっぱにいうと特定意思への認識→理解→疑問→確認→再確認→確信→・・・)を経て思想や性格を形成していくのは、なにもカルトだけではなく教育やマルチ商法などでも使われている手法だろう。その違いはメンターに悪意があるかないかくらいだ。悪意がない分、いやむしろ社会にとって有益なぶんにはいくらマインドコントロールされても構わない*1
 さて、冒頭の話に戻るがWEB上にはさまざまな意思や思考が転がっている。社会的なものから反社会的なものまで様々だ。その中に、冒頭の言葉のように社会的に殺された、もしくは風化した通念の発露と集積が見て取れることがある。昨日のエントリの全共闘集団自殺にしてもそうだし、ほかにも例としてはインターネットで仲間を募集して窃盗や殺人などの犯罪行為を犯すという事例によってもそれは明らかだ。この性質は、明らかにWEBによるカルトをはぐくむ下地となるだろう。
 WEBカルトは、はじめはその姿を偽っている。善人顔で獲物を待つ。獲物を獲たら、そこからさらに獲物を網にかけるために罠をはる。罠にはまった人々は少しずつ価値観をずらされていく。次第に価値観が固まりながら、WEBにより関係を強固にしていく。WEBは国境を取り払うので、世界中に信者ができる。意思の伝達やお布施も全てWEBを介して行われ、信者は画面の向こうの主催者を誇大に妄想しさらに信心を強める。そしてその集団はある日突然社会に姿を現し、大きなインパクトを与える。すでに彼らの仲間は企業、政党、芸能人、軍人、スポーツ選手などあらゆる分野に進出しており、教義によって排他と布教を繰り返す。このとき、WEB上で人々は「WEBは1.0から2.0へと進化をとげ、今WEB3.0*2が誕生した」などといってはやし立てる。そして来るべきXデー、彼らはあらゆる国のあらゆる機関にテロ攻撃を仕掛け混乱の中で独立国を形成し、核と軍事力を保持する。
 なーんてのは筒井ヤスタカあたりが書き散らしてそうな三流妄想だけれども、実際日本には一日数千万アクセスを集めるサイトもあるし、WEB上のみの契約で生命を奪ったりできるのは証明済みだし、まんざらでたらめでもないかもしれない、、、。 
 とまあ、そういうくだらない言葉遊びはこのへんにして、忍び寄るマインドコントロールの脅威から身を守るには、社会との接点を維持すること、とか周囲の人の協力が必要、らしいのでとんでもない思想を植えつけられて周りに迷惑撒き散らさないためにもマインドコントロールについてのある程度の知識は持っていたほうがいいかもしれない。

*1:たとえばたばこのポイ捨ては悪だ、というマインドコントロール、部屋にごみがたまったら掃除機を使うというマインドコントロール、競争に勝って富を得たらそれを社会に還元しなければならないというマインドコントロール など。

*2:WEB1.0およびWEB2.0の定義はすごく曖昧だが仮にWEB1.0はサービスの受容、2.0はサービスの相互提供とかってするとじゃあ3.0は思想価値の創造だーーとかそういうノリ。