シララの歌

「Rising」収録曲の1つに「シララの歌」というものがある.次の一節はその歌詞の一部なのではないかとおもう.
青い翅のある虫がシララのなかに入りこみシララを喰いころした.
シララというのは女の人の名前なのだが,歌詞の内容はそのシララが寄生虫に体を食べられて死んでしまいましたというもので,おぞましい内容だけれども綺麗な印象もうける.シララさんは中身を虫に食べられてがらんどうになってしまいました.白々としたその貌は薄っすらと透け,内に冷たい灯がともっているようでした.蝉の抜け殻のようなイメージ.

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「シララの歌」の冒頭では“ シロカニッペ・ランラン・ピシカン.コンカニッペ・ランラン・ピシカン(Shirokanipe ranran pishkan, konkanipe ranran pishkan)”と歌われているはずだ.それは「銀の滴降る降るまわりに,金の滴降る降るまわりに」という意味で,たとえば「梟の神の自ら歌った謡」の冒頭に謡われている(アイヌ神謡集 (岩波文庫)).ただし「梟の神の自ら歌った謡」の内容そのものは「シララの歌」のそれとさほど関わりないようだ.

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