クレヨンしんちゃん 「呪いのフランス人形だゾ」は本当に怖い!
毎年、夏の時期には、ホラーっぽいエピソードが放送される。最近でも、ふたば幼稚園の七不思議など、連作っぽい感じで作られている。それらも、幼い子供がみるには少し不安な気持ちにさせられると思うのだが、1997年放送の第241話「クレヨンホラー劇場・呪いのフランス人形だゾ」は、本当に恐ろしいエピソードとして名高い。
なによりも、このフランス人形の顔が…。影の付け方が恐ろし過ぎる。
メインスタッフは、脚本・もとひら了、絵コンテ・原恵一、演出・川崎逸朗、作画監督・樋口善法(当時の監督は、原恵一)。
夏のさなか、昼寝をしていて悪夢にうなされるみさえ。夢には、美しいが表情が異様に冷たいフランス人形が出て来た。その夜、帰宅したひろしが持ち帰ったのは、夢でみたのとそっくりの人形だった。ひまわりは、気に入るのだが、みさえにはどこか恐ろしく感じられる。そして…。
邪険に扱われ、壊れ、捨てられていった人形たちの復讐だった、というお話。子供たちの乱暴狼藉は、おもちゃの宿命でもあるが…。フランス人形が取る復讐という手段は「トイ・ストーリー」とは違う展開だが、根本的なところは、ウッディたちの気持ちと似たものもあるだろう。しかしその見せ方は、いい年した大人がみていても、ぎょっとさせるような不気味さをはらんでいる。
冒頭部分の、みさえが夢から覚める場面。ひっそりした夕暮れ時。逢魔時の不気味さ。明らかに、周囲に散らかる人形たちからの視線でみさえをとらえた、ローアングルのカット。その異様な非日常性。また、ひまわりが人形を抱きかかえると、人形の体がゆれて、後ろにいたみさえの方をみるカット。ぶっきらぼうな見せ方だが、そこにぞっとする冷ややかさがある。あるいは、ひろしが翌日の会社で、人形をくれた同僚から、「あれは早く捨てた方がいいぜ」と忠告を受ける場面。少し引いたところから、良くない噂を聞く感じがこれまた恐ろしい。しかもこの同僚が、多くを語らないのも不気味。結局、煙に巻かれるような要領を得ない終わり方も、嫌な気持ちにさせられる。
放送当時なんとなくみていて、これは怖いな…と、思ったものである。大人がみてもそうだったのだから、子供がみればさぞや…。それこそトラウマになっていてもおかしくない。昔から、人形というのは子供たちにとっては、恐怖の対象でもあったのだ。「悪魔くん」のマネキン人形とか、「怪奇大作戦」の青い血の人形とか…。個人的には「バーバレラ」のジェーン・フォンダを襲う人形のシーンだったりもするが…。
あとチャッキーも嫌だね。
↑えっ、こんなにデカかったっけ!?ますます嫌だ。
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