眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「妄想彼女」 感想

最終回のオチがどうも、意味が判らないという意見があるようだ。わたしもそう思ったのだが…。

圭佑が本当に結ばれるべき相手は、最初っから由紀だったのだ、と思う方が判りやすい。恋の接近を意識しながらも、そこへ踏み出せない圭佑が作りだしたものがはるであり、恋愛へ至るまでの恐怖や憧れが、妄想という形で目の前の現れた。あれは彼にとっては、妄想という名の恋愛シミュレーションだった、と解釈した。

だが、第3話のサプライズパーティーが現実のことなんて、誰に断言出来るだろう。あれ自体が妄想とは考えられないだろうか。というか、話しの頭と最後だけが現実で、あとは妄想ではなかろうか。

だとすれば…。実は、はるという女の子は実在したが、圭佑は彼女を失ってしまった。悲しい形で。それに囚われ続ける彼を、由紀や安西は温かく見守っていた。はるとの別れを受け入れることで、圭佑はやっと現実に立ち返って来ることが出来たのだ…という解釈もありか。はるの存在は、圭佑の妄想のはずなのに、由紀も安西も、そうではないようなリアクションを取っていることの説明も、これならつきそうだ。