眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

ピープロ特撮秘宝 第2回 「電人サボーガー」

第1回「マグマ大使」の感想
第3回「スペクトルマン」の感想
第4回「怪傑ライオン丸」の感想

主人公・大門豊を演じるのは、ライダーマンで知られる山口暁。熱血としか言いようのない、怒りを込めた熱演が素晴らしい。

帰国していきなりΣ団の襲撃を受け、たったひとりで立ち向かうところが凄い。解説の関智一さんも見せ場として話していたが、それも当然。ブルース・リーの影響が如何にとんでもないものかを物語るアクション。山口氏も、かなり自分で動いているのも凄い。しかも敵の使う鉄パイプみたいな特殊警棒(?)を、大門は腕でへし折ってしまうし、コンクリートと思われる壁も拳でブチ抜くのだから、どれだけ強靭な肉体の持ち主なのか…。ミスボーグに対しても「飛竜三段蹴り」という必殺技を見舞う。特撮ヒーロードラマにおける、最強クラスの生身の人間だろう。

冒頭の美術品強奪シーン。ミスボーグ(顔が出ている方を演じているのは藤山律子。最近はどうされているのか)が展示してある石像から出てくる。一体、いつどうやってそこに入ったのか。というか、あれだけの力技で強奪するのなら、隠れている必要はそもそもなかったのでは…。と思うところだが、石像が壊れて中から出てくるという衝撃の方が、圧倒的に面白いからね。面白くするためには、理屈など壊してしまってもよい!という潔さ。過度な表現は時代を越えらないこともあり、そういうとき笑いに転じてしまうのだが、こういう無意味さも大切にしたいですね。「進撃の巨人 エンドオブザワールド」でも、エレンがビルを壊しながら、中から巨大化して出てくる場面があった。あれも理屈じゃない。単にかっこいいだろう、というだけのことだ。インパクト重視な描写も大切だと思うのだが、最近は、理屈が通らぬことには、皆手厳しい。こういう表現はなかなかやりにくいし、バカにされがちですな。残念だ。

第1話にして、ザボーガーの能力を存分にみせてくれる、出し惜しみなしのサービスがうれしい。見せ場の詰まった、文句なしの第1話。いきなり続いたりしないのも大切だな。第1話の最後に変身して次回へ!とか、ああいうのはずるいよな。

今回は、ブルーレイが発売されるわけでもないので、画質は良くなかった。使い古しの傷んだフィルムのテイストが懐かしい味わい。これはこれでよろしいですな。次回は「スペクトルマン」とテロップが出たが、「宇宙猿人ゴリ」ではないの?わざと判り易くしたのかな。