眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

バトル・ロワイアル 特別篇 ★★★★

監督 深作欣二/2001/ブルーレイ/

強く立派な大人を作るための一環として制定されたBR法。修学旅行で愉しく和気藹々な中、七原たちのクラスが今年の殺し合いに選ばれる。仲の良かったはずのクラスメートたちは、突然の理不尽な暴力の中で過酷な戦いに身を投じて行く。

無謀な設定と物語を、有無を言わさず引っ張っていく深作欣二の圧倒的な技量に、久しぶりにみても感嘆。若い俳優たちは演技がさして出来るわけでもなく、特に声を荒げてわめく場面など、ただただうるさいだけで何を言っているのかよく判らない状態、もうちょっと落ち着いた場面でも、型にはまったような演技になっているが、作り手もそれは百も承知でのことだろう。それよりも、がむしゃらなエネルギーとひたむきさを重視し、瞬間的な起爆力を命の限界を生きるギリギリの若者たちにダブらせて、短くも儚い青春の一瞬をそこに刻み付ける。アクションシーンが見どころになる映画だが、銃で撃たれた少女たちが、くるくると体をひねり、舞うように絶命していくさまは、さながら死のバレエ、血のダンス。殺陣をつけるというよりも、振り付けと言った方が良いような、華麗なまでの死の舞が素晴らしい。死の際にまで、はじけるような生への渇望が見えるようだった。