「空から女の子が降ってくる」降臨賞に応募
http://q.hatena.ne.jp/1231366704
告知を見てから即時にプロットを組んでさくっと書いてみたのですが、
一番バッター。挙句、文字数制限オーバーという醜態を折角の企画に晒してしまいました・・・orz
しかも、焦って、コメントでの謝罪を行う所を解答欄に書いてしまうという二重失態・・・仏にしか許してもらえん。
以下が作品です。お目汚しまで。
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それは通学途中、突然だった。
夜更かしが祟った寝坊で遅刻しない様、全力疾走で走り、角を曲がった僕は彼女を眼にした。
マンガのベタベタな演出にあるように食パンをくわえて走っていたりはしなかったよ。
でも、かといって、その手のモノでよくある風景で無くはなかった。
所謂「落ちモノ」って奴さ。
いきなり、その娘が空から降って来たんだ。
最初は何が起きたのか解らなかったよ。
彼女は僕が走って行こうとしていた誰も見当たらない通学路を10数メーター上から、軽やかにゆっくりと降りて来た。
不思議と違和感より別の感情が優先した。
綺麗だった。
というか、やや幼さを残した感じで可愛かった。
その後に僕は「え?でも、何で・・・」という感じで立ち尽した。
僕が見守る中、彼女は地上に向かい更に緩やかに下降していった。
ワイヤーを使った手品?
だってあんな高さへ人間はジャンプは出来ない事はおろか、ゆっくり下りてくる真似は自然にできよう筈は・・・あ、「どっきり」って奴だ!
心の中で合理的結論を自分なりに出した僕は、逆にその状況を楽しもうと、彼女の方に近づいていった。
だが、違った。
僕が見る限りでは、彼女は少なくとも肉眼で見える方法ではぶら下げられたり、下から支えられたりはしていなかった。
しかも、むしろ地面から1メーター程度の個所で浮き沈みを繰り返している。
思わず近づいてしげしげと確認を僕はした。
彼女は目を閉じていた。
寝てる?死んでる?
耳をすますと柔らかな息づかいが聞こえた。
女の子をこんなに近くでシミジミ観察したり、息づかいを聞いたりなんて経験は僕には初めてだった。
なんだろう。急に照れくさくなった。多分、顔は真っ赤になっていたに違いない。
「ふあ〜」
「!」
彼女が開口一番発したあくび。
声は穏やかなトーンで、これも可愛かった。
彼女は中空に浮きながら、「う〜〜ん」と伸びをすると、上半身のみ縦に起こした。
僕の方を見て「おはよう」と、さわやかな笑顔で言った。
呆然とする僕をよそに、寝ぼけ眼で「・・・あれ。ここ。どこ。」と言い出す。
その後、彼女は左手首の内側を返して見た。
穏やかな感じが一変して驚愕の表情になると
「げ!こんな時間! 遅刻だ〜〜〜!」と大声をあげた。
そういうと。
そういうと彼女は去っていった。
空へ。
凄い速度で上昇して、あっというまに見えなくなった。
それっきりだった。
世の中そんなもんさ。
カワイイ女の子とすれ違う事はたまにはあれど、
その先に進展するなんてことは更に滅多にないものさ。
その方が空から女の子が降ってくる事に比べれば、至極普通の展開さ。
そして多分、彼女と同じく、僕は遅刻した。
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