予備校は不要

まるでヒエラルキー!搾取される体制が出来上がってる! フランス革命の前夜、フランスの全人口の三パーセントの限られた身分の人間国土の四十パーセントを所有し、免税などの特権を認められていたといいます。
これと似たような構図がまさしく大手予備校だと私は考えます。
成績のいい生徒は優遇され、無料で予備校に通えます。授業料を減額される特権が与えられています。そしていい講師やレベルの高い授業を優先的に選択する権利を得ることができます。
一方学費を払わなければならない生徒にはいい講師を選択する権利すら与えられずレベルの高い授業も受けることができません。

しかし、タダで通っている生徒に投資する経費は、学費を払っている生徒の分に上乗せされているのです。
つまり、予備校に学費を払っているということは、タダで通う権利を与えられた生徒の分まで払っていることとおなじことなのです。


ですから、予備校に通った方がいいのは、予備校から大幅な割引の通知が来た生徒のみだと考えています。
予備校はこれまでに膨大なデータを蓄積しており、その中から受かる確率の高そうな生徒に特待の通知を出しています。
つまり、特待に選ばれたということはその予備校に通えば受かりそうな生徒ということなのです。
ならば行かない手はありません。費用も安いし、自習室も確保される。条件はかなりいいと思います。



しかし、ほとんどの生徒はそういった割引を受けることはできません。少しでもお得感を出そうと「入会金無料」といった雀の涙ほどの割引をされることはあります。けれど、それは予備校によって選ばれた、特別な学生とは違います。街頭で配布しているクーポンマガジンと同じものなのです。



割引を受けることのできない生徒は、しかし、だからこそ予備校に通ってきます。なぜならば、成績がよくないからです。
成績がよくないのだから、当然何かにすがらなければならない。おぼれる者が掴んだ藁が、予備校なのです。
そういう生徒に予備校は支えられていると言っていいでしょう。
成績がよくないのだから「もっと成績を上げるために……」などと嘯いて授業を取らせることは、簡単です。授業というものを成績を上げることができる万能薬だと思っている生徒も、中にはいるほどなのです。たくさんの講座を取ったことで、もう合格したような気になっている生徒すら、世の中には存在しています。



授業を取らせれば取らせるほど、予備校は利益を得ることができる。
割引を受けている生徒の分の授業料をここでまかなうことは、非常に簡単なことなのです。
これら話から「もともとできる生徒を優遇して合格率を上げている「そうでない生徒」からは搾り取れるだけお金を搾り取ろうとしている」という様子がうかがえるのではないでしょうか。
とにかく予備校は「成績を上げる」ということよりも「売り上げを上げる」ということを最優先に考えて経営をしているのです。
もちろん、予備校も一つの企業ですから、売り上げを上げるということは大切なことではあります。そうしなければ、運営できないからです。

そのとおり。勉強ができないから予備校に行くが、基礎はやらないんで結局自分で何とかするしかないんだよね。

できる生徒はタダでさらに厚遇される!
また、次のような話もあります。
とある生徒がいます。彼の名前を仮にBくんとしましょう。
そのBくんは医学部を目指しており、予備校では三段階のレベルのある医学部コースのうち、真ん中のクラスに入会していました。
学習態度は極めてまじめで、受験の山場でもある夏期講習では何冊も参考書を出しているような有名な先生の授業を取ろうと、張り切って申し込み開始当日に受け付けへ行きました。
ところが、申し込み開始日であるにもかかわらず、その先生の授業は満席で受講できない、と言われてしまったのです。人気が高いから満席になってしまうかもしれないと、急いで申し込みに来たというのに、一体なぜでしょうか?
種明かしをすると、その予備校では、医学部コースの上位クラスの生徒は優先的に申し込みができるよう、数日早く申し込み開始となっていたのです。そのため、人気講師の授業はすべて満席となってしまっていたのでした。
仕方が無く彼は同じ内容の別の講座を受講しましたが、やはり内容はいまいちで満足度は低く、成績もあまり上がらなかったそうです。
そんな経験があったため彼は冬期講習では最初から講座の申し込みをしませんでした無駄な授業に時間を費やすくらいなら、自分一人で勉強した方がいいと思ったのです。
これは非常に賢い選択と言えます。後ほど詳しくご説明しますが、授業はたくさん取ればいいというものではないからです。量よりも質が重要なのです。予備校からも「冬期講習の申し込みがまだだけれど……」と何度も催促されましたが、彼はかたくなに講習の申し込みを拒否しました。
するとある日、Bくんの母親の元へ、予備校から直接電話がかかってきたのです。そして、予備校の先生はこう告げました。
「○○大学を狙っている生徒は、二〇個近く講座を取っています。最低でも一〇個は取らなければ、このままでは息子さんは、大学に落ちますよ」それを聞いて心配になった母親は、Bくんに「あなた、大学に落ちるの?」と聞いたそうです。

成績のいい生徒はタダで通っている!
ところで、いくら頭数を増やしたところで、有名大学に合格してくれなければ、意味はありません。もちろん、たくさんの授業を取ってもらうことで利益になるという意味ではとても重要なことではありますが、彼らが合格実績を残すということは、来年の利益に繋がります。
ですから、ただ闇雲に生徒を増やすのではなく、ある程度的を絞って生徒を増やしていく必要がありますね。
そのため、予備校ではこんなことが行われています。
これは、とある上位高校に通っている生徒の話です。
仮にAくんとしましょう。
彼は一年目の入試では、残念ながら第一志望に合格することができませんでした。そこで浪人することにしたのですが、予備校選びをしていたある日、ポストにダイレクトメールが届いていることに気づきました。とある予備校からのパンフレットです。どこから住所を手に入れるのかということはともかく、卒業したばかりの三月にはよくあることですね。
しかし、そのダイレクトメールに入っていたのは予備校のパンフレットだけではありませんでした。パンフレットと一緒に「特別優待券」というものが入っていたのです。
「特別優待券」とは上位校に通う生徒に対して配られるもので、割引率の低いもので三〇%前後、最も割引率の高いものは全額免除というものがあります。
先ほども申し上げた通り、予備校は来年の利益のために、レベルの高い、合格する確率の高い生徒を是非とも入会させたいと思っています。そして、当然ですが、成績のいい生徒は、少し勉強をするだけでいい学校へ合格する可能性がありますね。
できることなら、レベルの高い生徒を在籍させたい。手間をかけずに実績だけを伸ばしたい。
そのために存在するのが「優待制度」というものです。これによって、格安、時には無料で予備校に在籍させ、合格実績を伸ばそうと予備校は考えているのです。
一年間の浪人というのは精神的にももちろんですが金銭面でもたいへん圧迫されますそれでも、学習することに対するモチベーションの高い生徒であればあるほど、上の大学へ行こうとして浪人の道を選ぶことが多くなります。
そんな時にこういった優待制度があれば飛びついてしまうのは当然のことでしょう。優待制度には、当然ではありますが、ある程度制限があります。
また、予備校の自習室というのは、集中して勉強するためにはもってこいの場所です。
自分を惑わすものもなく、じっくりと勉強ができる。また、周りには自分と同じく大学への入学を目指して勉強をしている仲間がいるわけですから、自然とモチベーションも上がります。
ですが、自習室は予備校の学生証を持っていなければ使うことができません。その場所を確保するためだけに授業は受けずに学生証だけ手に入れる、という方法を選ぶ人もいるのです。

〜まとめ〜
1、できる生徒・進学校の生徒をタダで通わせ実績を維持している!
2、もとから成績のいいひとしかうからない!
3、通っていなくても籍だけ置いているひとが実績になっている!

授業を受けてない生徒が実績になる!
華々しい合格実績を誇る予備校があります。
例えば、東大、京大、医学部、歯学部、国公立大学に、早慶をはじめとした上位私立大学。
こうした大学に数百人、多いときは数千人という規模で合格者を出していたとしたら、どう思うでしょうか。
考えるまでもありません。
なんとすばらしい実績なんだ、この予備校は生徒を受からせてくれるに違いない!
そう感じるのではないでしょうか。
ところが、ここに不思議な話があります。
ほとんどの予備校で公表されている合格者数。例えば、東京大学の合格者数を各予備校から集めて、足し算をしてみてください。A予備校は、900人。B予備校は、700人……日本中にあるすべての予備校を集めなくてもかまいません。全国的に広がっている、いわゆる大手予備校だけで十分です。
すべての予備校の合格者数を足したわけではありません。ところが、なぜか大学が発表した合格者数よりも、予備校で発表した合格者数が上回ってしまうのです。
なぜそんなことが起こるのでしょうか?
これを私は「予備校版未履修問題」と名付けました。
皆さんは、予備校の「合格実績」が一体どのように決定されているか、ご存知ですか?
予備校に入学金や施設費、そして大事な授業料。それらのお金を納めて、予備校オリジナルの教材を配布され、毎週一回、一年間、授業を受ける。
この一連の流れを体験してはじめて「在籍者」となるのだと、そう考えるのではないでしょうか?
本来は、そうあってしかるべきだと思います。けれど、必ずしも「在籍者」が毎週決められた曜日と時間に行われる通常の授業を受けているとは限らないのです。
例えば、普段は予備校に行かない生徒がいたとします。
彼は決して怠けているから予備校に行かないわけではありません。予備校に行かなくても、もともと勉強ができる生徒なのです。
けれど、彼の同級生たちは、皆予備校に通っています。教室でも予備校の○○先生の授業がいいだとか××先生の授業はわかりにくいだとかそんな話題で持ちきりです。そうなってくると、どんなに成績のいい子でも、もしかしたら予備校に行った方がいいのかもしれない、と思うのは自然なことでしょう。
そこで彼は、試しに夏期講習に行ってみることにしました。その予備校には彼の志望している大学の対策講座があり、ちょうどいいと思ったのです。
けれど結局彼はその予備校へ本格的に通うことはありませんでした。やはり、自分の勉強スタイルとは少し異なっていたのです。夏期講習が終わってしまったら、それっきり、予備校へは一切通いませんでした。それからは自分の力だけで学習し、そして見事第一志望の大学へ合格することができました。
これでは、予備校に「在籍した」とみなすことはできませんね。ほんの数日間の講習で合格できるほどの実力をつけさせることができないことは、予備校や授業内容について知らなかったとしても、簡単に想像できることです。
しかし、ほんの数日間通っただけの学生であっても、予備校は「当校からの合格者」として、合格実績の中に入れてしまいます。彼のような普段予備校に通わないというケースはもちろん、基本的には別の予備校に通っているけれど夏期講習だけ受けに来た、というケースでも自分の予備校に在籍経験のある生徒として実績の中に入れてしまうのです。さらに極端な話、1回も予備校の授業にでていなくても在籍者となります。
つまり「合格実績の底上げ」が行われているのということなのです。
2006年に「未履修問題」が話題となりました。
本当は授業を行っていなかったにもかかわらず、教育委員会には授業を行ったと虚偽の報告をして単位を与えていた、という問題です。
内容こそ違いますが「授業を受けていないにもかかわらず在籍していたことにした」というこの話は、言わば予備校における「未履修問題」というべきことだと、私は考えています。ですから、華々しい合格実績を誇る大手予備校であったとしても、本当に「きちんと」在籍し、その予備校の力で合格した生徒がどれほどいるか、怪しいものがあるのです。
しかし、予備校を選ぶ時に、合格実績というものは判断材料の一つです。それも、重要度で言えばかなりの割合を占めるでしょう。何しろ、予備校へ行く学生はほぼ間違いなく「大学に合格したい」と思っているのですから。自分が受験したい大学への対策がどのように行われ、どれくらいの合格実績があるのかということは、大変重要なポイントとなり
ます。
講習のみ受講して合格した生徒。模試のみを受けた生徒。数ヶ月だけ在籍した生徒。
大学入試の段階ではその予備校の正規の学生でなかったとしても、少しでも予備校に関わりを持ったならば、全員「在籍者」としてしまう。
頭数が多ければ、その分合格者も多くなっていくのです。
本当は「在籍」していない学生がどれくらい存在しているのか。はっきりしないままでは、予備校の本当の実績を計ることはできないと、私は考えています。

〜まとめ〜
1、予備校の合格実績は虚像である!
合格実績は頭のいい人をタダで通わせてつくったものが大部分。予備校の実績は本来はもっともっと小さなものであるはずです。「難関大学に合格するなら予備校に行くしかない」というイメージを捨てましょう。
2、成績は上がりにくいところである!
みなさんのイメージよりも実績が出ていないことは間違いない。成績は思ったよりも上がらないところだということを知りましょう。

今自分が高校時代の私に会えるのなら、絶対に伝えたいことがあります。それは「早稲田・慶應もちゃんとしたやり方でやれば合格する。ましてやそれだけの進学校からなら東大だって狙えるんだ。」ということです。もちろん、これだけ伝えてもきっと高校時代の私は信じなかったと思います。今思い返すと、このくらいのことを言ってくれる人はまわりにいたとおもいます。しかし、どの人のアドバイスも「いかにして勉強するのか」「なにをどうやってやるのか」などを明確に示してくれた人はいなかったのです。
だから私は今、受験相談に来た生徒に、当時の自分が知りたかったことをできるだけ伝えようとしています。ちゃんとやればうかるんです。やり方は結構単純で、「一冊ずつ完璧にしていく」「簡単なレベルの参考書から順番にやる」ということなんです。そして段々とレベルを上げていけばいつか必ず早稲田レベルなり、東大レベルまでいくのです。「自分は日本大学の入試問題までしか解けるようにしかなれない・・・」なんてことがありえるでしょうか?順番にやっていけば必ず誰だって東大レベルまでいけるのです。当たり前のことなんですが、高校生、受験生にはわからない。自分も実際そう気付いてからは「たしかにそうだよな」とはおもいましたが、それに気付くまでが遅すぎました。
勝手に自分は受からないなんて決め付けなければよかったと、本当に今、後悔しています。その経験をばねに、受験生を一人でも多く救いたいと思っています。