幸田文 全輯 5卷


幸田文 全輯 5卷 流れる 新潮文庫版 を買つたつもりが。中央公論社の5卷が屆き、さざなみの日記他 だつた。中央公論社は6卷が流れるだつたやうだ。

つや消しの紺の箱に、朽ち葉色と、白茶か利休白茶の格子が美しい。手に取ればやさしい柔らかい布の感觸。思はぬ裝丁に大滿足で、なかなか讀めないのに持ち歩いてゐる。これは一昨年の「葛布帖」と同じくらいうれしかつた。

昭和34年に出された、私が生まれる前のものだ。舊假名遣ひつて、やはらかひ。

(舊假名遣ひ變換支援で変換済み。)