花嫁は~

屋根裏の仏さま (新潮クレスト・ブックス)

屋根裏の仏さま (新潮クレスト・ブックス)


雨がほしいと思うが、雨が降ると止めと思う。
目がかゆく、洟水も起き抜け、とめどなく出るので、
花粉症の市販薬を服用し出す。

『屋根裏の仏さま』ジュリー・オオツカ著を読む。
夫になる人のことを写真だけしか知らないで
アメリカに嫁に行った「写真花嫁」の話。
日系人である作者にとっては
ルーツというかアイデンティティにつながる。

日本人妻たちは、ひっくるめて「わたしたち」で語られる。
写真で見る夫に抱く幻想と現実のギャップ。
ま、これは普通に結婚生活をしていても感じるようなものだけど。

他の移民に比べて文句を言わず、飯も少なくてよく、
真面目に働くという日本人移民の評価は、
燃費が良くて故障しにくいなど日本車の評価にも似ている。

過酷な労働、カルチャーショックなどを
懸命に乗り越えようとする「わたしたち」。
子どもができて果樹園などの仕事も基盤に乗る矢先に、真珠湾攻撃
日本人への評価も一変する。
ナチスドイツがユダヤ人を片端から強制収容所に送り込んだように、
アメリカも日系人強制収容所に幽閉する。

日本人がいなくなった町の記述で終わる。
ここで。砂漠の強制収容所での「わたしたち」の暮らしも
読みたいけどね。

ノンフィクションでもいいのに小説にする。
画家志望だった作者ゆえ描写が絵画っぽい。
「写真花嫁」から見た戦争。
この世界の片隅に』にも通じるものがある。
確かに小説にした価値があると素直に思えた。

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