新作発表

今日9月7日は村上春樹の新作、『アフターダーク』の発売日でした。そんなわけで朝一番で買ってきて今まさに読み進めているところ。


前作の『海辺のカフカ』は正直僕自身の中では期待はずれの感が強く、1回読んだだけでほったらかしにしてしまっていたのに対し、今作は今のところ面白く読むことができています。先が気になってどんどん進みたくなって、その気になればすぐに読めてしまうのに、早々とこの作品世から脱出してしまうのがもったいない気がするからなんとかはやる思いを抑えながら少しずつ読んでいる、といった状況です。


適当な印象批判をするのはどうかと思うのですが、あえて第一印象を言わせてもらうと、「昔の村上春樹の雰囲気にちょっと戻ったかな・・・」。といって基本的な文体や構造は決してかつての村上春樹のそれではなく、かなり斬新なものとなっているのですが、醸しだす雰囲気(かなり曖昧な表現だけど)はどこかなつかしく感じられる、ということです。


今の僕は決して「村上春樹バンザイ!」というわけではなくて、数多くいる作家の中の一人としてとらえて作品と向き合おうとしている一方で、そうはいってもこれまで少なくない影響を受けた人であることにはかわりはなく、どうしても新作には目を通さないわけにはいかない気持ちにさせる数少ない作家ではあるのです。


例えば、「たぶん」とか「おそらく」とか「例えば」といった言い回しを文章のなかで使うようになったのはたぶん彼の影響です、おそらく。