新時代のソーサリアンを提案する

30周年を越えたソーサリアンの夢と妄想を語り続ける

キャラ入れ替え制の戦闘システム

[問題]
現在は、パーティ全員が団子状に連なる状態であるため、細かなアクションに対応できない。そのため、単に剣、魔法を乱射して進むのが基本となってしまう(ボス戦でも本質的に変わらない)。

  • パーティ内でのメンバ切替方式――画面上は1人だけが表示され、操作する方式とする
  • メンバの切り替えは自由に可
  • これによって、細かな操作も可能となり、より高度な戦闘が可能になる(=頑張れば敵の攻撃も防げるようになる)

代案

 可能であれば、Ys 7的なAIによる自動操作方式もありかもしれない。
 ただし、複雑なしかけを伴うようなシナリオで、横視点の状態で複数キャラが動くのは見た目的にも操作しにくいかもしれない*1

 また、汎用的なシナリオシステムで、ここまでの制御が矛盾なくできるかはよく解らない。とすると、あまり重視すべき代案でないかもしれない。

*1:斜め上視点にすれば解決するかもしれないが、ソーサリアンらしさのひとつは横視点ビューにあると思われ、原則として変更すべきではないだろう。

戦闘に緊張感を − HP/MPの消費/回復ルールを改変

[問題]
 現在、HP/MPともに自動回復が可能となっているため、シナリオ全体での戦闘の緊張感がない(=一つの戦闘で死にさえしなければあとから回復すればよい*1)。
 難易度をUpしようとすると状態異常に頼るしかないが、これも解消してしまえばよいだけなので、本質的な解決ではない。

以下のようにHP/MPの消費/回復ルールを改変する。

HPの低下原因を「疲労」「負傷」に分類

そもそも剣や魔法によるダメージが、単なる休息で回復するのは不自然。
そこでまず、HPの低下原因を以下の2種類に分類する。

  • 疲労:フィールド移動、状態異常によるダメージ
  • 負傷:敵/天然トラップによるダメージ

<疲労>とは、マップの移動量によって課せられるHPの低下原因で、その低下度合いはエリアごとに異なる。具体的には以下のとおり。

  • 平地では疲労度は限りなくゼロに近い
  • 砂漠や山地、氷原などでは疲労度は高い*2

<疲労>によるHP消費の間隔/量は、キャラのVIT(活力)によって変動。

シナリオ内におけるHP/MPの回復ポイントを限定

原則として、シナリオ内部ではHP/MPは自動回復しない。
代わりに、マップ内で以下のような回復イベントを設ける。

青水晶/緑水晶 水晶を破壊すると、一度だけHP/MPを全回復
セーブポイント 七惑星神の石像でシナリオ内セーブ可能(全回復。何度でも)
岩や燭台、樽など 破壊すると、ハート(HP)、魂(MP)を入手(小回復)
安全地帯 止まっていることでHP/MPをゆっくりと自動回復。ただし、村やダンジョン入口など、ごく限りられたエリアに限定する
その他特殊イベント 村の宿屋で一晩過ごすなど、シナリオ固有のイベント

ただし、以下のイベントでは<負傷>ダメージの回復を制限する。

  • 安全地帯:<疲労>のみ回復でき(回復スピードは年齢に反比例)、<負傷>ダメージは回復しない
  • 宿屋:<疲労>ダメージは全回復(Youngの場合。Adultは3/4、Oldは2/3まで回復)、<負傷>ダメージは1/3程度を回復

以上によって、以下のような効果が期待できる。

  • より自然なHP(体力)の消費/回復を表現
  • 残HP/MPを意識した、より緊張感ある戦闘を実現
  • フィールド条件に応じて戦略幅に拡がりを
    • 疲労の激しいエリアはなるべく戦闘を避けて、スピーディーに攻略
    • 険しいエリアの多いシナリオでは、VITの大きなキャラを選択*3

*1:それどころか、ボス戦ですら、安全地帯で回復しながら戦えるものがある

*2:キャラ単位に暑さ苦手、暗闇苦手などの付加パラメータを設けても良いかもしれない

*3:VITの大きなキャラは、食料消費も激しいので、常にVIT大が良いわけではない

武器パラメータの細分化で得手不得手を明確に − リーチ&武器スキルの新設

[問題]
剣や斧、杖のリーチがすべて同じであり、しかも、動きのパターンも同様であるため、攻撃に変化がない。

 以下のような方策を採る。

  • 武器ごとに、(1)斬・突・打などの基本動作、(2)威力、(3)リーチ、(4)速度などの特長を設ける
  • 斬・突・打は魔物単位に防御補正を設ける(スケルトンは斬系の剣には強いが、打撃系のメイスには弱いなど)
  • 装備単位に両手持ちのものを設けることで、攻撃/防御重視を選択可能とする(剣、槍、斧、盾など)
  • 攻撃操作にも普通に斬る、スライディング、匍匐で攻撃、防御(盾ありのみ)を追加

 以下は、武器の特性をまとめたものである。

武器 基本動作 威力 リーチ 速度
普通 普通 普通
強い 普通 遅い
強い 長い 激遅
斧槍 強い 長い 激遅
モーニングスター 強い 普通 遅い
ナックル やや弱 短い 速い
やや強 普通 普通
やや弱 短い 速い
普通 短い 激遅
弓矢 普通 激長 普通
ブーメラン 普通 長い 普通
鉄砲 普通 激長 普通
爆薬 強い やや長 遅い
弱い 普通 普通
短剣 やや弱 短い 速い
メイス 普通 普通 遅い
十字架/聖書 普通 短い 速い
普通 やや長 速い
吹き矢 普通 やや長 速い

装備(種類+個別)単位に経験値を設ける

  • 上記に伴い、武器/防具に「経験値」を設ける
  • 経験値は「剣、斧、槍などの種類別」+「装備個別」の2種類から構成される
  • 種類7割+個別3割の割合で、武器/防具の効果が決定する
    • ザナドゥでは装備個別であったが、無限に存在する装備の経験値をすべて一から上げていくのは面倒である*1
    • そもそも(たとえば)剣が得意なキャラが、別な剣に乗り換えた途端に未経験状態になってしまうのは不自然
  • これによって、剣の得意なファイター、盾の扱いに長けたファイターなど、キャラの特徴を出しやすくなる
    • Ex. 剣に慣れたファイターが、斧を使おうとしてもすぐには思った攻撃力が出せない
  • 個別の経験値は、装備を修繕したり、魔法を新たにかけることで若干後退する
    • 後退幅はランダムに決まる
    • 修理などの手が加えられることで、「若干の違和感」を表現

武器単位のより細かなカスタマイズを可能に

  • 武器/防具個々により細かなパラメーター(以下例)を設置し、自由にカスタマイズ可能にすることで、よりピーキーな、あるいは、欠点を補うような武器を作成可能に。
刃の厚さ 厚くすることで攻撃力Up(重量Up。損耗率低下)
刃の長さ 攻撃範囲Up(重量Up)
刃の形状 攻撃力Up。経験値上がりにくく(使いにくい)
鍔の面積 防御力Up(重量Up)
鞭の長さ 攻撃力/攻撃範囲Up。経験値上がりにくく(使いにくい)
弓の強度 飛距離&攻撃力Up(スピード低下)
矢の形状 種類に応じて効果付与。矢の価格が上昇
  • たとえば極端に厚刃の一撃必殺の長刀を作成することもできるが、当たらないというケースもあるし、逆に、極端に短く、薄刃の剣で軽快に戦えるようにすることもできる(その代わり、武器の買い替えは頻繁に発生するかも)。
  • いずれの場合もなにかを強化したら、なにかが弱体化するようにすべき
    • カスタマイズの種類によっては、特殊な素材を必要とする場合も(たとえば軽くて丈夫な素材)。ただし、特殊素材を用いた武器は、修理にも特殊素材を要するものとし、メンテナンスが困難になるものとする(常にバーターを!)
  • カスタマイズした武器の仕様は保存しておいて、あとから同じスペックの武器を購入できるように。

[補足]
軌跡シリーズのオーブメントシステムに準じて、個々の武器/防具に対して、七惑星の欠片をはめこむための固有の枠を設ける方策もあるかもしれない。これによって、武器/防具の無制限な強化を防ぐと共に、実装できる欠片の種類を制限することで、武器/防具ごとの個性を出せるためである。

ただし、この案は他の案との整合は取れていないため、補足扱いとする。次以降のバージョンで整合をとれれば良いと考えている。

経験値に応じてアクションにバリエーションを

  • 武器/防具の経験値に応じて、動きのバリエーションが増えるものとする
  • 経験値が最大になったら、武器固有の大技が付与されても良いだろう。これによって、使えるスキル(魔法)の少ない戦士系のクラスへの救済ともなる
  • ただし、大技はいずれも自動発動とし、あまり操作が複雑にならないようにするのが望ましい
武器 Lv.1 Lv.2 Lv.Max
撃ちこみ、薙ぎ 突き、斬り上げ、二段切り すれ違いざまに敵の胴を薙ぐ
二段ヒット 回転斬り 斧投げ
二段突き 薙ぎ 大風車(前面で槍を回転)
斧槍 二段突き 薙ぎ 大風車(前面で槍を回転)
モーニングスター 前後振りぬき 回転アタック
ナックル 多段突き アッパーカット 衝撃波を伴う突き
突き、薙ぎ
斬り上げ 回転斬り
打撃 スパイク付の打撃
弓矢 矢の飛距離UP 矢の太さUP(攻撃力UP) 矢を放射状に何本も発射
ブーメラン 飛距離UP 前後に投擲可
鉄砲 飛距離UP・連射速度UP 着弾時に爆発 散弾
爆薬 攻撃範囲UP 飛距離UP
魔力を籠めた斬撃
短剣 急所突き 多段突き
メイス 多段ヒット
十字架・聖書 精神波の攻撃範囲UP 短剣・剣が飛び出す 槍・弓矢が飛び出す
攻撃範囲UP 衝撃波
吹き矢 矢の飛距離UP 矢の太さUP(攻撃力UP) 矢を放射状に何本も発射

*1:結果として、プレイヤーが装備を乗り換えないという消極的な選択肢を採るおそれもある

重量/損耗率/基本攻撃&防御力の新設で、より戦略的な戦闘システムを

[問題]
装備(武器/防具)については、以下のような問題がある。

  • いったん強い武器/防具を入手してしまえば、あとはなにも考えずに使い続けられるため、そこから先がない(強い装備を手に入れれば、それで終わり)。
  • (必ずしもソーサリアンに限った問題ではないが)装備の重量などが加味されておらず、鎧や盾など重量のあるものを複数持っていけるし、それがキャラの移動力には影響しない(=不自然)
  • どんなに弱い武器でも、七惑星魔法をかけてしまえば、強力な装備に成長できる(=武器/防具そのものの個性はない)
  • 武器/防具の指標は攻撃力と防御力だけであるため、際限なく強くできてしまう(強くしたことによるバーターがないので、リミットも際限がない)

 装備に関連して、以下のパラメータ&制約を持たせる。

(1)「損耗率」でより緊張感ある戦闘を可能に

  • 武器/防具に「損耗率」を持たせ、戦闘によって徐々に加算
  • この値が高まると、戦闘中に装備が破損する確率が高まる(破損した装備は消滅)
  • 損耗率の加算値は、以下のパラメータによって決まる
武器 斃した敵の数、敵PRT値、武器耐久度
防具 被ダメージ、防具耐久度
  • 損耗率は、<武器と防具の店>で「修理」することでリセットできる
    • 修理費用は、耐久度に反比例、損耗率&かかっている七惑星魔法の数に比例

(2)「耐久度」で装備にも寿命を

  • 耐久度とは、装備の丈夫さを表す。この値が高い程、損耗率の上昇は遅い。
  • 耐久度は、「損耗率が75%を超えた」、または「時間が1年経過」する度に徐々に低下していき、回復させることはできない(強い武器を永遠に使い続けることを避けるための措置*1)。
  • ある程度、耐久度の落ちた装備(=脆くなった装備)は、壊れてしまう前に、<魔法使いの家>で七惑星魔法を抽出してもらう必要がある(魔法を抽出された装備は消滅)。
    • 抽出した七惑星魔法は、その場で指定した別の装備に転換される。
    • 抽出の多寡は、以下の情報に応じて変化
      • 耐久力に比例(脆い装備からは魔法も取り出しにくい)
      • 武器同士、防具同士の方が転換しやすい(剣→斧>剣→盾)
      • 同じ種類の装備同士の方が転換しやすい(剣→剣>剣→斧)

(3)装備の基本能力「基本攻撃/防御力」

  • 基本攻撃/防御力とは、装備が本来持つ攻撃力と防御力のこと。
  • 装備に課せられた魔法とは相関関係のない、装備本来の個性

(4)冒険によりリアルな制約を課す「重量」

  • 武器/防具は、それぞれに重量を持つ
  • 所持している装備(装備中でないものも含む)の総重量は、敏捷性に影響を与える(=重い装備で動きが鈍くなる)
  • 「基本攻撃/防御力」&「耐久度」は、基本、「重量」比例とする
    • 基本攻撃/防御力や耐久度が上がれば、重量は比例して重くなる
    • ただし、重量は素材に依るので、ある一定度合いまでは、軽くて攻撃力のある(切れ味の良い)武器などがあっても良い

(5)武器/防具の「装備可能条件」

 パラメータ等によって、武器/防具を装備を制限する。
 具体的な制約条件は以下のとおり。

必要経験値 装備キャラの武器/防具経験値が必要経験値を超えていること
性別 男(女)のみ装備可能(Ex. 金色のピンヒール:男は不可)
種族 特定種族のみ装備可
  (Ex. 妖精の杖:妖精の加護を受ける種族のみ可)
職業 特定職業に就いている場合のみ装備可
  (Ex. アサシンナイフ:スパイ、泥棒のみ選択)

「損耗率」「耐久度」「基本攻撃/防御力」「重量」「装備可能条件」で期待される効果

 以上のパラメータ追加によって、プレイヤーは、装備選択にあたってより戦略的な判断を求められることになる。

  • 七惑星魔法を課す際に、対象装備の基本機能を加味する必要がある(=魔法だけで装備の強弱が決まるわけではない)
    • 装備を長持ちさせたいならば、耐久度が高い装備を選択しなければならない
    • 重量、基本攻撃/防御力、耐久度のいずれを優先するかを選択しなければならない
    • 場合によっては、基本機能を犠牲にして、純粋に七惑星魔法で補うという割り切りもあり
  • 冒険に応じて、適切な装備であるかをチェックしなければならない
    • 重量があるので、できるだけ装備は軽く、予備装備も少なくしなければならない
    • 装備を少なくする分、出発前に損耗率はリセットされているか(=装備が整備済みであるか)をチェックしなければならない
    • 装備を修理に出した場合に備えて、予備の装備も準備しておく必要がある
    • 敵属性に応じて、斬・突・打の武器属性、5元素対策も加味した選択が必要
    • アクション重視のマップであれば、より軽量な装備を選択、なども
  • 装備の入れ替えが頻繁に発生するので、より倉庫機能を利用するきっかけにも
  • 冒険中にも、装備の損耗率をチェックしながら戦闘しなければならない
    • なにも考えずに戦いまくるだけではダメ
    • 装備の状態を確認したり、時として魔法主体の戦闘に切り替えたり、なるべくダメージを受けないように闘ったり、という判断が必要
  • 装備可能条件によって、初級冒険者がいきなり英雄クラスの武器/防具で強くなることを避けられる(初心者がたとえばドラスレを装備できるのは不自然)
  • 装備可能条件によって、性別や種族/職業の選択により意味を持たせられる
    • 泥棒はパラメータ面での不利益が多いが、装備などは高機能のものを持てる
    • 女性キャラの装備は全体的に物理パラメータは低い分、軽装の装備が多い、など


 ひたすら攻撃/防御力が強いだけの装備は選択できないし、そもそも、ある程度、強い装備が揃ってきても、同じ装備を使い続ければそれで良いというわけではない、ということだ。

*1:回復できる損耗率とは異なる。

前面/背面防御力&弾かれ動作でよりリアルな戦闘を

[問題]
現在は、戦闘時の判定/アクションに一部不自然な箇所がある。

  • 前面/後背いずれから攻撃を受けても、受けるダメージは同じ(未確認)。
  • ダメージを受けても、一部の例外を除いては弾かれることがない(ダメージを受け続けて、結果、そのまま瞬殺されることも)

(1)自キャラ/魔物ともに、前面/後背で防御力に差を付ける

  • 自キャラは、前面防御力から盾防御力を差し引いたものに、一律の背面係数1.5を掛ける(=背面だとダメージが5割増し)
  • 魔物は、固体単位に背面係数を持つ。前面防御力×背面係数で背面防御力が決まる
  • 以上によって、より自然な戦闘行動のきっかけとなる
    • なるべく敵の攻撃は正面で受ける
    • 自分は敵の背後に回り込んで攻撃する、など

 詳しい判定計算式は、付録「パラメータについて」を参照。

(2)被ダメージ時に弾かれるように

  • 自キャラがダメージを受けた時に、弾かれるようにする
  • これによって被ダメージ時のアクションが自然になるだけでない。ダメージを連続して受けることがないため、理不尽に瞬殺されることはなくなる

ドロップアイテム&七惑星の欠片で雑魚キャラとの戦闘も楽しく

[問題]
現在のシステムではボスキャラ以外との戦闘は重視されていない。
雑魚キャラは完全に無視してしまっても、ゲーム全体の進行には影響せず、モンスターの存在意義が弱くなっている。

 以下の方策を設け、雑魚キャラとも戦う動機を与える。

  • モンスターごとにドロップアイテムを設定する
    • ドロップアイテムは物理攻撃/魔法攻撃いずれで斃したかによって変化する
    • ドロップアイテムにはドロップ率を設け、入手しやすいものしにくいものを設ける
  • モンスターごとに<七惑星の欠片>を得られるようにする
    • 得られる欠片は物理攻撃/魔法攻撃いずれで斃したかによって変化する
    • アイテムドロップ時は欠片は発生しない

 <冒険者の書>にアイテム収集率を設ければ、アイテム収集の動機づけともなるだろう。
 <七惑星の欠片>は、そもそも育成には必要なものである。

 なお、これはシナリオクリアに戦闘が必須であることを意味しない。従来通り、シナリオによっては戦闘一切不要、デカキャラすらも倒さなくて良い、というソーサリアンらしさは残して良いし、残すべきと考える。

[補足]
得られるドロップアイテムも、斃し方によって変動があって良いだろう。
具体的には、弱点を突いて斃した場合、アイテムも破損している可能性が高い。そこであえて弱点を突かないことで良質なドロップアイテムを得られるようにすることで、戦略にも幅が出るのではないだろうか。

HP/MP比例のステータス補正でよりリアルな戦闘を

[問題]
ほとんどのRPGで同様のことが言えるが、瀕死、あるいは気力の尽きかけた状態でも、HP/MP Maxの状態と同じ能力を発揮できるのは不自然である。

また、これによって、死亡ギリギリ、または死亡覚悟でキャラを酷使できてしまうため、ボス戦などでも無理押しの戦略が通用してしまう(体力の残っている仲間が瀕死の仲間を先頭に立てて戦っている図式)。これまた常識的な行動から考えれば不自然。

 HP/MPとステータス値とを(別々のものではなく)互いに関連させる。

HP/MPの割合に応じて、ステータス値をマイナス補正

  影響(HP) 影響(MP)
75%未満 AGL 5%低下 DEX 5%低下
50%未満 AGL 10%、STR 5%低下 DEX 10%、INT 5%低下
25%未満 AGL 25%、PRT/STR 20%低下 DEX 25%、INT/MGR 20%低下
10%未満 マイナス補正解除 マイナス補正解除

 これによって、以下のような効果が期待できる。

よりリアルな戦闘行動
HP/MPギリギリでの戦闘は攻撃効率が低下するので、いわゆる<キャラの酷使&競り勝ち>戦略は採りにくくなる
HP/MPのこまめなチェックを強制
弱った仲間は後方に移動して早めに回復しつつ、体力/気力の残っているものを中心に戦闘を展開しなければならない

 なお、10%未満でマイナス補正を解除しているのは、<瀕死>の死にもの狂い状態を表現している*1

<瀕死>による恒常的なマイナス補正の発生

 ただし、瀕死(HP10%未満)にもリスクを設け、瀕死状態でダメージを受けた時には低確率で回復不能なステータスが付与される。具体的には、以下のような内容。

隻眼 防御力(PRT)の低下補正
隻腕 両手武器、盾が持てなくなる
義足 敏捷性(AGL)の低下補正
顔の傷 交渉力(KRM)の低下補正

 死戦を潜り抜けてきた冒険者が、すべて五体満足というのは不自然と考え、回復不能なステータスを設けた*2

 グラフィックにも反映されるようにすれば、あえて「隻腕の勇者」などを醸し出す(やや悪趣味な)楽しみ方もできるかもしれない。

*1:そもそも、マイナス補正で一気に戦闘不能になってしまうことも回避

*2:ただし、全体としてマイナス補正が効きすぎるので、プラス補正の検討も必要かもしれない。

<特殊モンスター>で戦闘行動により幅を

[問題]
従来、モンスターとは即ち「無条件に倒すべき存在」であった。

この単純な図式ゆえに、モンスターに出会った時のプレイヤーの選択肢は、せいぜい「戦うか逃げるか」「どのように戦うか」を判断する程度であった。このため、(アクション性を高めたとしても)戦闘行動は自ずと単調になりがちである。

 従来の「無条件に倒すべき」モンスターに加えて、以下のような特性を持った<特殊モンスター>を設ける。

種別 概要
強敵 剣/魔法いずれでも攻撃を加えることのできない魔性。
  攻撃力も抜きん出ており、発見されないこと、逃亡を中心の対応が必要となる。
  発見された場合は、一定のエリア内を追跡される
カルマキャラ 冒険者に対して敵意のない精霊の類。
  害を与えることで、神の加護が失われる(成長ツリーの低下/装備の星が消失)
敵対種族 魔物同士が敵対しているケース。
  放っておくことで、魔物同士が戦いあってくれることも
中立部族 中立の立場にあり、自ら襲ってくることはない。しかし、
  一度攻撃を仕掛けると、部族一丸となって総攻撃を仕掛けてくる
希少種 ごく稀にダンジョン内部で現れる魔性(すぐ逃げてしまう)
  捕捉することで、ペンタウァで高額売却が可能*1
協力者 ダンジョンの重要な情報を与えてくれる存在。
  たとえば、隠し宝箱や隠し通路の存在など。協力条件は、
  パーティに特定種族が含まれる、決まったアイテムを渡す、など

 <特殊モンスター>の存在によって、戦略幅の広がりを期待できる。

  • モンスターはただ斃すだけではない
  • 敵の性質を見極め、時としてそっとしておいたり、協力したり、あるいは、逃亡を中心とした戦闘そのものを回避するなどの判断を迫られる
  • <特殊モンスター>をあえて斃すという選択肢もあり。
    • 特定の武器/アイテムを入手することで、<強敵>を斃すこともできる
    • <カルマキャラ>に貴重なアイテムを持たせる(ただし、倒した場合には成長ツリーは激減)など

*1:定量のHPを削ると、[捕捉]コマンドが現れるので盾アタックで捕捉できる