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2015-08-24 はじまりのゼロ SS「五稜郭炎上 - 転:宮古朱く」(デュエル編)

共同執筆作品(リオ担当)

2013年エイプリルフール企画「ソーサリアン Next」のあとの祭り企画として、ときのじさん、Salvadorさんと共に、書き下ろした作品です。全体ストーリーとSecond Stage(SS)をリオが担当させていただきました。

シナリオ No.1〜5 目次
シナリオ SPECIAL No.1〜6(みんなの応募作品)目次


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はじまりのゼロ SS「五稜郭炎上 - 転:宮古朱く」(デュエル編)

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[1]五稜郭会議室(朝)

室内には、榎本を筆頭に、その脇に大鳥、中島、伊庭、星、その他主要な将たちが顔を並べる。山口五郎も陰気な包帯姿で榎本、大鳥の背後に控えている。
デュエル(ブリュネ中尉)も、軍事顧問として大鳥の隣に列席。

解説「翌朝。
   五稜郭は、新政府軍による函館急襲の報に慌ただしい。
   函館を守護するわずかな警備隊が既に総崩れしている中、
   更に援軍を送るべきかどうか。
   デュエルたちは、決断を迫られていた」
エティス「(会議なんぞ、しとる場合かのぅ…)」
解説「デュエルの懐では、写真の中の少女が小声で囁いている。    老魔導士は、意外とそこが気に入ってしまったようだ。    まわりの人間に、聴かれはしないだろうか」
デュエル「………」
アイテムには、初期状態で<レーシャの写真>。 大鳥がおもむろに立ち上がる。
大鳥「……籠城が良かろう」
一同「………」
大鳥「江差木古内で、我が軍は大量の兵を失った。    彼我の差が開いている以上、    討って出るわけにもいかぬのは自明のこと」
エティス「(で、大量の兵を失ったのは誰のせいじゃったかのぅ)」
伊庭「……籠城、か」
星「函館の民は、どうされる?」
大鳥「米英仏との国際条約によって、函館の街は保護されている。    我われが心配してやる義理もあるまい」
エティス「(いっそ己の身も保護してほしいんじゃろが。       はっきり言えばよかろうに)」
星「だが……   薩長の者どもは、会津でも女子供容赦なく斬り捨てたと聞く。   国際条約などという得体の知れないものに、従うだろうか。   実際、物見の報告では、   住宅街からも火の手があがっているというではないか」
大鳥「それならば、それで良い」
星「――とは?」
大鳥「その時は、官軍の相手に米、仏が加わるだけのことではないか。    英も、官軍贔屓というだけではすむまい」
星「……なん、だと?」
星が、大鳥の方に一歩進み出る。
大鳥「大事がため。小さな犠牲はやむを得ぬ、ということだ」
エティス「(この男にとっての大事とはなんであろうなぁ)」
星「話になりませんな。   函館炎上が小事とは、俺には思えぬが?」
伊庭「……中島殿は、いかが思われる?」
中島「儂……儂か……?    ふむ……儂は……    …    ……    ………    どちらでも良い」
エティス「(ほぅ?)」
伊庭「……どちらでも良い、とは……?」
大鳥「中島殿、その発言はあまりに不見識ではないかね」
中島「何故でござる」
大鳥「我われは、蝦夷共和国の命運を賭して、方針を論じている。    それを、どちらでも良い、とは……」
中島「陸軍奉行、では、これは我らが勝つための軍議でござったか」
大鳥「今更なにを」
中島「勝てるおつもりなのかね」
大鳥「………」
エティス「(フォフォフォ……)」
中島「木古内、二股口を喪い、函館を包囲された時点で、機は逸した。    籠城も良い。    陸軍奉行殿にも、交渉の上での思惑はあられよう。
   なれど、勝つための籠城であれば、無駄なこと。    駆けつける味方なくして、城に籠ってなんとされるおつもりか。    軍議の結果に依らず、拙者は出陣する。    ゆえに、どちらでも良いと申した。
   共和国(レース・プーブリカ)とは、    すべての国民によって所有されている国である。    民というあるじなくして、なんの共和国か」
大鳥「……な、中島、中島……殿……」
エティス「(うむ……?)」
それまで黙っていた榎本武揚が立ち上がる。
榎本「同士・中島の言や良し。    なれど、我らが大義は、北の大地に点った微かな共和国の灯を    絶やさぬことにあるはずである。
   中島殿は、我らに味方はおらぬと申される。    だが、果たしてそうであろうか」
中島「………」
榎本「日の本はいまだ平定されておらぬ。    我らが灯を絶やさぬ限り、    国中の志ある者がいずれ必ず蜂起しよう。
   ひとつの蜂起は十の蜂起を生み、    十の蜂起は百の蜂起に発展するだろう。    その<時>を持しての、籠城である。
   諸君、我らは敗けてはおらぬ。    勝利のために、勝利に向けて戦っておるのだ!    我を……榎本武揚を信じよ、共和国の同士諸君!」
榎本の背後に、薄く蒼炎が棚引く。
解説「奇妙な風が、部屋を吹き抜けたように思え……」
榎本「……軍議は以上である。    各位、自室にて待機されたい」
山口五郎がまず会議室を去り、その後を他の人々も続く。
解説「軍議は終わったのだ。    唐突に。    不満げな顔をしていた星や伊庭も、ごく納得したように    退室していくのが、いかにも奇妙な光景であった」

[2]会議室を出ると……


エティス「なんとも……なんとも、気に食わぬことじゃの!
     よりにもよって、儂の目の前で、
     誑かしの呪文を使うとは、小賢しいにも程がある。
     誰の仕業か、じゃと!?      わからぬ、わからぬよ。      忌々しいことにな!      榎本……否、大鳥、      それとも、主が申しておった山口とやら言う浪人風情か。
     いずれでも良い、      あのような手妻を使う者が潜んでいるとは、      蝦夷共和国も益々以って胡散臭い。
     えい、何をしておるか!      奴らに憑いた<蟲>を除くのじゃよ。      奴らがいとも簡単に納得させられた気になったのは、      <蟲>のせいよ。      たわいもない。
     函館の運命などに興味はないが、      あんな手妻を放置しておいたとあっては、儂の名に瑕がつくわ。      えい、しゃらくさい!」
歩き出すと、もう一言。
エティス「もっとも……気を付けよ、ぬしよ。      儂の目の前で手妻を行使できる者など、そうはおらぬわ」

[3]五稜郭の人々


五稜郭第一区画

老兵士「佐幕の中心とも言える会津は、薩長にとっては怨嗟の的よ。
    死んだ者どもの埋葬すら未だ許されず、
    雨風に晒され、獣に喰われ、
    己の同士が、家族が、目の前で蛆のわくがままになっているそうな。
    なんとも惨いことじゃよ」
兵士I「慶喜公は、鳥羽伏見での幕軍の劣勢を知るや、     身ひとつで、江戸に逃げ帰ったんだ。     信じられるかい?     戦地でまだ戦っている何千、何万の家臣をおいて、     大将がわれ先に逃げ出したんだぜ……」
兵士II「誰のために戦っているのかって?     誰だろうなぁ……     少なくとも、腑抜けの将軍さまのためでないことは確かだが」
兵士III「蝦夷の奥地に逃げ込めば、薩長の奴らも追ってはこれねぇだろうぜ」
兵士IV「お、俺は見たんだ……     夜陰に紛れて、脱走しようとしてた奴らが……     誰かに斬り捨てられるところをな。
    誰かは……よくは見えなかったが、     あれはきっと、山口とかいう野郎に違ぇねぇ。     奴は敵を倒すためじゃない、     逃げ出す味方を斬るために雇われたんだ……」
兵士V「五稜郭は西欧の築城を参考にしたというが、     ホントかどうかは疑わしいねェ。     なに、五芒星は、古来から陰陽道の呪符と相場が決まってる。     いいかい、地下に何かが眠っているのさ。
    でなきゃ、榎本さんがわざわざ、こんな北の最果てまで     俺たちを運んできた理由がつかねぇ。     五稜郭の地下には、徳川の最終兵器があるに違いねェよ」
アイヌ兵士「江戸から来た兵たち、逃げた。   でも、俺たち、逃げない。   逃げるところない。   だから、戦う」
フランス兵士「五稜郭は、もともと   我らヨーロッパの築城様式を参考にしていた   と聞いていたのですが……   まさか、稜堡式のような旧式の城とは酷い。   これでは鉄砲ならいざしらず、砲撃には半刻と持ちますまい」

榎本武揚の部屋

榎本「ブリュネ殿、別命あるまで待機だ」
デュエル「………」
エティス「(ふむ、<蟲>の気配はないようじゃの……)」

大鳥圭介の部屋

部屋の近くまで来ると、部屋の中から山口五郎が足早に出ていく。
部屋に入ると、血塗れの大鳥が斃れている。

デュエル「………!」
エティス「(なんの、脈をとるまでもあるまいよ。   とうに、死んでおる)」

榎本武揚の部屋(2)

(発生条件)大鳥の死を確認していること

榎本「同士・大鳥が山口に殺害された、と……?
   ブリュネ殿、
   それは、フランスの洒落(プレザントリー)だろうか。
   あまり愉快ではないな」

大鳥圭介の部屋(2)

(発生条件)榎本に大鳥の死を知らせた後

部屋からは、大鳥の死体がなくなっている。

エティス「(さて、生き返った……とも思えぬが。
  なんとも、不愉快なところじゃな、この五稜郭は!)」


榎本武揚の部屋(3)

(発生条件)大鳥の死体が消えたことを確認した後

部屋からは、榎本の姿がなくなっている。

エティス「(……――)」
解説「机の上には、読みかけの本が置かれている。    ダイダラボッチ……民間伝承に関する書物だろうか」

中島三郎助の部屋

中島三郎助「なにか用かね?」
エティス「(<蟲>も、老人には憑かなかった、   憑けなかったと言うが正しいかの。   伊達に年は食っておらぬ、芯の通った頑固な爺ではないか)」
中島三郎助「……榎本が降伏したらどうするか、と?    …    ……    ………    儂は、おおくの人々の屍を踏んで、北の最果てにまで至った。    ここで生き残れば、儂は……    ふむ、余計なことであったな。    忘れてくれ」
中島三郎助「榎本殿は、    江戸を出る時から奥州には関心がないように見えた。    <函館に至らば>が口癖であったが、どういう意味であったのか」
中島恒太郎「    榎本は聡明な男だが、肝心のところで及び腰となる。    先が見えすぎる所以と言えぬこともないが……」
中島英次郎「私は、ただ父上と兄上についてゆくだけです」

図書室

以前と同じく、巡礼カイネルが調べものをしている。

カイネル「世界には、多くの巨人伝承が語り継がれている。
   創世神話には、巨人の身体から世界が造られたという話も多く、
   それ自体は珍しいものではありません。
   しかし、この日本では、伝承の数があまりに多すぎる。
   小さな島国であるにも関わらず、    ダイダラボッチをはじめ、その亜種と思われる    デイラボー、大足(ダイダラ)、ダダ坊、ダイダラボウ……    さまざまな伝承が残っているのです。    タイタンボウに至っては、ギリシャ神話ローマ神話に登場する    古の神々タイタン(Titan)を思わせるではありませんか。
   あるいは、巨人たちは世界中を彷徨い、最終的な安らぎの地として    この日本の土地を選んだのではないでしょうか」
カイネル「特に、蝦夷――アイヌの大地には、    巨人を思わせる地名があまた残っています。
   オソルコチとは、巨人が尻餅をついた跡、という意味です。    そして、蝦夷の窪地の多くには、オソルコチ地名が沢山残っている。
   アイヌ神話に残された創造神コタンカルカムイもまた、    海に浸かっても膝まで、顔は雲を突き抜ける巨人であったと言います。    また、巨人です!
   飛躍しすぎかもしれませんが、    五稜郭とは古の巨神を封じた五芒星をなぞって、    建造されたのではないでしょうか」

[4]憑りついた<蟲>を駆除するためのイベント

以下の部屋では<蟲>が見つかる。

  • 星恂太郎の部屋
  • 伊庭八郎の部屋
  • 島田魁の部屋

以下、共通のイベント。

解説「目に生気がない。これが<蟲>の影響なのだろうか」
エティス「(ほれ、ウヨウヨと蠢きおるわ。    なんと、あれが見えぬとは、ただ人の不便なことよ。    ほれ、儂が照らしてくれように。    えい、気色の悪い。    さっさと叩き潰してしまわぬか)」
原生動物のような形状の<蟲>が画面の数か所に浮かび上がる。
解説「<蟲>を逃がすな!    <蟲>が画面の外に逃れる前に、画面をタップして叩き潰せ。    一匹でも逃がせば、また誰に憑りつくとも限らない」


いわゆるモグラ叩きゲーム。
<蟲>によって、サイズ、形状、スピードは異なる。
<蟲>の駆除イベントは同じであるが、段々と難易度が上がっていく。

●Level 1
大きなサイズの<蟲>ばかりで、スピードも遅い。
中盤からはスピードも上がり、芋虫形状のものもあらわれる。
芋虫は一度潰しても小さい蟲に分裂するので、もう一度潰さなければならない。

●Level 2
小さなサイズの<蟲>が主体で、動きも敏速。
芋虫形状の<蟲>も増えてくる。
また、一度に現れる<蟲>の数も増える。

●Level 3
Level 2に、更に<方向>が加わる。
解説「エティスの指示で<ヴィイタ>の向きを左右に向けると、
   背景も90°回転するぞ」


以降、エティスから「左ぞ!」「右じゃ!」のような声がかけられるので、Vita端末の向きを変えると、背景も90°切り替わる(詳しい設定は「イース―銀の灯が消えた国」(http://bit.ly/GF8Bwa)のmap.ppt P13参照)。

それぞれの部屋をクリアすると、以下の台詞のいずれか。
エティスI「(やれ、面倒なことよ。
   なに、潰したのは自分じゃと!?)」
エティスII「(やれ、気色の悪い。もうおらぬじゃろな)」
エティスIII「(……まあまあじゃの。    何匹かは逃がしてしもうたようじゃが、    もはや大した悪さはできまいて)」
解説「●○の眼に生気が甦っていくようだ」


正気を取り戻した人々に話しかけると……(任意)
星恂太郎「英傑を気取るつもりはないがね。
  北の最果てまで落ち延びて、今さら延命に区々としてどうなるね。
  籠城は美しくない、ゆえに俺は老人に着いてゆく」
星恂太郎「会津の容保公は、年若いにも関わらず、立派な御方であったよ。   奥羽越列藩同盟が瓦解した後も、   会津一藩で押し寄せる新政府軍に一歩も退かなかったと言う。
  もっとも……そのまっすぐな気性が、   結果的には、家臣を死に追いやったと思えば、   なにが正しかったとも言えぬか。
  額兵隊を率いて脱藩した俺も、他人のことはいえぬが……」
伊庭八郎「既に腕の一本を戦地に差し出したのだ。   今さら、命のひとつやふたつ、   差し出すのを躊躇う理由もありますまい」
伊庭八郎「山口五郎……あの者は、おそらく人斬りだ。   無論、我らも幾人も人を斬ってきた。   しかし、それは戦でのこと。   我らは、それが日常でないことを知っている。
  奴の刃には、なんというか……   本性として拭いきれぬ、   血泥がこびりついているように思えてならぬのだ」
島田魁「この鉄之助はぁ、土方先生のお小姓であったのですよ……えぇ。     先日、日野の、土方先生のご実家に荷を届けるよう     命じられたのですが、まだ出立せずにおる。     <形見なんぞ運びたくない>と言い張りましてのぅ……」
島田魁新撰組は、私も含めて、ただの人斬り。     人斬りの時代も、     いよいよ終ろうとしているのかもしれませんなぁ」
市村鉄之助「……土方先生、早く帰ってこないかなぁ……」

[5]中島三郎助の部屋

(発生条件)すべての<蟲>の駆除イベントを実行済み&榎本が部屋からいなくなっていることを確認していること

中島三郎助「ゆきますか。
  榎本、大鳥ら大将を欠くこの戦、
  大軍を指揮できる者がおりませぬ。
  勝手ながら、
  軍事顧問たるブリュネ中尉に総指揮をお願いできますまいか。
  儂……?   なんの、いつまでも老人が出張っては、   星、伊庭など若いのがやりにくくもありましょう」
解説「了解しますか?」
▲[いいえ]を選択した場合
中島三郎助「外国籍のお手前が不本意に思われるのは承知。   ですが、何卒」
もう一度、選択。
▲[はい]を選択した場合
中島三郎助「かたじけない。   現在我が軍は、騎兵500、歩兵1000、槍兵500、鉄砲兵200。   それぞれ100単位に部隊指揮官を任命してありますので、   敵情に応じて配置していただきたい」


 利用できる兵士の数は、先ほどの<蟲>イベントの<蟲>討伐数によって変動する。
 ポーカーのようなボードが表示される(「時の封土」設定資料(http://bit.ly/GF8C36)のmap.ppt P2を参照)ので、自陣に兵士を配置した後、順次、規則に沿って兵を動かしていく。兵士を配置すべきボード(戦場)は3枚。いずれにどれだけ兵を配置するかは自由

 基本は、槍兵>騎兵>歩兵>槍兵という関係にある。1ターンでひとつの兵に指示を出すことができ、兵同士がぶつかると、力関係が優先する方が勝ちというルール。
 それぞれの戦場で敵将を斃すとクリア。デュエルが倒されるとGame Over。

[6]勝利すると……

それぞれの舞台に画面が移動して、将たちの台詞。

権現台場

伊庭八郎「生き残ったな、とりあえず今日のところは」
解説「遊撃隊隊長・歩兵頭並、伊庭八郎。通称<隻腕の伊庭八>。    箱根山崎の戦で左手を切断された後、    隻腕となりながらも、旧幕軍<遊撃隊>を率いて勇戦した」
星恂太郎「すべての今日、生き残れば良い。そうではないか」
解説「額兵隊隊長・歩兵頭並、星恂太郎。    会津戦争では、奥羽越列藩同盟降伏を潔しとせず、    仙台藩主・伊達慶邦の命に背き、額兵隊と共に脱藩した」

弁天台場

島田魁「せめて土方先生が戻られるまで、函館を守らねば、
    顔向けができませんでなぁ……」
解説「新選組・二番隊伍長、島田魁。    6尺にも及ぶ巨体と怪力で、鳥羽伏見から函館まで    副長・土方と共に戦い抜いた」

千代ヶ岡陣屋

中島三郎助「恒太郎、英次郎、まだ生きておるな」
解説「箱館奉行並・砲兵頭並、中島三郎助。    文政4年1月25日生まれ、当年48歳。    総裁榎本すら若干33歳の、若い函館政府の中で、    いささかの煩わしさと、多分な敬愛をこめて<老人>と呼ばれた」

[7]すべての戦場で勝利すると……

千代ヶ岡陣屋、本陣のデュエル。

兵士I「わあああああぁぁぁ!」
兵士II「我らの勝利だ!」
兵士III「見たか!野蛮な薩長どもめ、幕府こそが正義なのだ!」
エティス「(……浮かれてもおれぬようじゃぞ)」
デュエル「―――?」
中島老人が近づいてきて……
中島三郎助「五稜郭との連絡がとれぬ」
デュエル「………」
中島三郎助「榎本、大鳥が投降したか、あるいは……」
その時、更に兵士が走り寄ってくる。
兵士I「薩長軍の第2陣が押し寄せてくるようです!」
中島恒太郎「地の利は我らにあるのだ。押し戻せ!」
兵士II「それが……」
中島恒太郎「なんだ!?」
兵士I「奴ら、斬り伏せても斬り伏せても、死にませぬ…!」
中島英次郎「なん、だと……?」
兵士II「腕を……腸を引きずった者どもが、押し寄せてくるのです!」
兵士I「わ、わ、うわぁぁぁ……!」
兵士III「ギャッ!」


陣内に血塗れになった兵士たちが乱入し、味方の兵士が次々と斬り伏せらてゆく!
片腕がない者、足がなく這い寄ってくる者、果ては首のない兵士が混ざっている中で、戦闘開始。ただし、斃してもすぐに復活してくるので、防御中心の戦いとなる。

[8]乱戦にしばらく持ちこたえると……

空が次第と暗くなり、星々が瞬きはじめる。

中島英次郎「兄上、あれは!?」
中島恒太郎「神か、悪魔か――それとも、どちら、もか……!?」
中島三郎助「………」
夜空全体に、滲むように現れる巨大な貌。 厚く貪欲な唇、長い鉤鼻、 毒蛇のように曲がりくねった象形文字を刻んだ額、 そして、双眸の部分にはただ吸い込まれるような深闇だけが穿たれている。
兵士I、II、III「―――!」
その時、デュエルの近くを風が通り過ぎ、 瞬間、五稜郭の兵士たちの首や腕、足がなくなる。 鮮血が上がって、兵士たち、そのままどぅと倒れる!
エティス「(主よ、気を付けよ!   何ものかが兵士たちの身体を薙いでいきおった。   巨人の手か?   見えたか、じゃと!?   えい、言わせるでないわ。
  おぉおぉ、見えなんだよ、   この忌々しい北の大地は、どこまで儂を愚弄するのか!   忌々しい、まったく忌々しいことよ!!)」
続いて、風が二陣三陣と吹いて過ぎて、次々の兵士たちが「刈られて」いく。 逃れているうちに、他の将たちとは離散してしまう。
エティス「(えい、なにを呆けておるか!   飛ぶんじゃ!))」
ジャンプ。すると、風が足元をすり抜けていく。
エティス「(しゃがむんじゃ!)」
しゃがむ。すると、風が頭の上を抜けていく。
エティス「(見えぬ、見えんよ……!   じゃが、主を傷つけはさせぬ。   なに、主のためではないぞ。   これは、儂の魔導士の誇りを賭けての意地じゃよ!   生きよ!   決して――しぬでないぞ)」
以降、エティスの指示に合わせて、ジャンプ or しゃがむを繰り返す。 失敗すると、巨人の手(?)に身体をえぐられて大ダメージ。3回失敗で死亡。 しばらく避け続けると……
エティス「(なんじゃ!?)」
巨人の口がゆっくりと開き、ねっとりとした唾液が落ちてくる。 唾液の当たった地面からは濃い煙があがる。
デュエル「………酸か!」
唾液の雨に当たるとダメージ。ダメージ量そのものは小さいが、 ジャンプのタイミングをずらされるので要注意。 更にしばらく避け続けると……
巨人の鼻から息が吹かれ、汚らしい蟲がバラバラと落ちてくる。
エティス「(えい、次から次へと忌々しい……!)」


蟲たちはどんどん増えて、逃げ場がなくなっていくので、
適度に斃しつつ、適度に巨人の手を躱していくこと。
その間も、次々に周りの兵士たちは倒れていく。

[8]更に、一定時間持ちこたえると……


突如、毒蛇の波濤が押し寄せる!
画面スクロールし、やや離れた場所に山口五郎。包帯の中から溢れだすように、毒蛇の群れが湧きあがっている。

エティス「(えい、この忙しいというに、まだ現れおるか!)」


画面戻り、毒蛇の波濤はそのまま実体化し、中ボス<ピクティモス形態>に。
敵詳細は、「イース - 銀の灯が消えた国」設定資料(http://bit.ly/GF8Bwa
を参照のこと。

巨人の<手>や唾液、蟲をよけながら、ピクティモスとの戦闘開始!

[9]ピクティモスを倒すと……

瞬間、相変わらず姿は見えないながら、大地に突如、巨大な足跡が現れ、ピクティモスの残骸を粉砕。
山口五郎(本体)が咆哮し、地面が鳴動する!
二度、三度……瞬間、地面がそのまま陥没し。合わせて、周辺の岩々が尖峰となって鋭く突きあがる。デュエルのいる場所は、急斜面となって崩れ始める。

デュエル「―――!?」
尖峰の頂で、山口を見下ろす榎本&大鳥。 山口、更に咆哮。
榎本武揚「<魔>の空気を纏いながら、<魔>に仕えぬ愚か者よ、   かのような輩は目障り乍ら、放っておいても構わなかったのですが……」
榎本武揚「異世界からの訪問者よ、   あなたたちは、面白そうだ。   世界に捉われぬ、混沌を彷徨う者よ。   そして……そちらの剽げた輩は、世界の絆を結ぶ者か。   実に……   実に、面白い」
デュエル「……榎本!」
榎本武揚「申し遅れておりました。   ……私は、五元素を司りし五象の神が盟主、地象神<グリメルム>。   そして、ここに控える大鳥なるものは……、もうお会いしましたかな。   風象神、怒りの精霊<アレ・グリラ>   以後、お見知りおきを」


榎本、大鳥、踵を返して去っていく。

その時、巨人の双眸にあたる闇の部分が仄赤く光り……
エティス「(おぉ………!)」


巨人の双眸から雷が迸り、尖峰の一角を突き崩す!
地煙が立ち上り、榎本/大鳥の姿はフェードアウト。

デュエル、そのまま急斜面を滑って、谷底へと。崩れた尖峰はそのままスライドアップして画面外に。瓦礫が、兵士たちの死体が奈落へ降り注ぎながら、フェードアウト。
巨人、哄笑。

デュエル編(完)

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