【野生を取り戻す学習】『STUDY HACKS!』(小山龍介)
小山さんの本は、内容だけではなく
考えかたに共感できる。
それはテーマについて、背景にあるメタな
ところに一歩下がって考えているから。
まえがきにある2つのフレーズから共鳴したことを。
1.勉強は、悪い熟成を回避するためにある
悪い熟成とは、奥田民生とスピッツの対談で、
自己流でバンドをつづけると、そこに固執すること。
二人の場合、悪い熟成を回避するために
名プロデューサーから厳しい指導を受けたという。
これが正しいと思った時に、そのまま進むことはあやうい。
バンドならプロデューサー、仕事や学びなら師匠という
フィードバックをもらえる存在がいる。
(ただし、本当に自己流、という人もいる)
では、未熟な時に、師を選ぶとはどういうことか、
という話は、内田樹さんの領域なのでまた改める。
(こういう保留が多いが、読み返した時のたのしみでもある)
・・・
勉強というよりは学習、という方が理解できる。
「学習にはフィードバックが含まれている」
これはボスの言。
「インプット→アウトプット+フィードバック」がそろって
はじめて、学習になる。
今の時代は、このブログを通じてフィードバックを
もらえやすくなっている。学びの仕組みは工夫次第で、
いくらでもつくれる。
2.眠れる野生を取りもどす
人に本来備わっている「眠れる野生」を勉強で取り戻そう
という提案。<<食べるように学ぶ>>とあるが、今は、学ぶ
ということは、栄養のひとつであり、生きていく資本のひとつ。
危機感から生まれる緊張感を、学ぶモードに切り替える、<<生きるために必要な新陳代謝を促す>>というコンセプトはいい。
野生という危機感と緊張感→たのしくなる勉強のモードづくり
勉強に限らず、生活と習慣のOSをつくる過程に必要な
しくみとしかけが本書にはある。が、なによりも、この2つの
考えかたにインスピレーションを受けた。
・・・
もうすぐ90になる祖父母をみていると、
知的欲求を持っている人は上手に生きられる、と思う。