0136 老齢基礎年金4 支給額の計算

前回に述べた「受給資格期間」に問題がない場合、一般に65歳から年金の受取が可能、年金受給権が発生します。

さて、年金受給額の計算ですが、以下の式によって、ほぼ金額が算出できます。
※「788,900円」 × ( 「納付済月数」 + 「保険料免除月数」 ) ÷ 480
上記の計算式について、もう少し細かく解説してゆきます。

○※まず、最初の金額「788,900円」ですが、これは20歳から60歳までの40年間の納付を全て洩れなく行った場合の年間受取額、言わば最高額にあたります。そして、この788,900円という額は将来的に固定されているものではありません。平成23年度に適用されている金額で、毎年の物価等の変動に応じ(物価スライド制)「改定率」によって調整がなされます。改定率や物価スライド率については、次回もう少し詳しく説明します。(当ブログ0137へ)

○ 次の「納付済月数」はそのままです。納付が完了した合計月数です。

○そして「保険料免除月数」ですが、過去に免除申請し、認められた方が対象になります(免除の種類や納付特例等は、この当ブログ年金8を参考にして下さい)。おそらく転職された時に、申請された方が多いと思います。免除期間があっても、後に追納が完了されていれば、それは納付済月数で計算されます。

免除についての年金給付に反映される額は以下の通りです。
平成21年3月以前の期間は、「全額免除で3分の1」、「4分の3免除で2分の1」、
「半額免除で3分の2」、「4分の1免除で6分の5」
平成21年4月以降では、「全額免除で2分の1」、「4分の3免除で8分の5」
「半額免除で4分の3」、「4分の1免除で8分の7」となっています。

○最後の「 ÷ 480」は、納付済月数の最大月数で、実際に納付した月数の割合を算出するものです。

上記の計算方法を基にして、納付済月数が23年と2ヶ月、平成19年から平成20年にかけて1年半の半額免除、平成22年に8ヶ月の全額免除の条件で、年金受取額の算出を行うと、以下の通りになります。
まず、基礎年金の受給資格期間は25年、つまり25×12=300で、通算300ヶ月以上の納付期間があるか確認します。
23 × 12 + 2 + 18 + 8 = 304 で、OKです。
そして、納付済月数は「278」で、平成21年3月以前の半額免除の年金給付の反映は3分の2なので「18×3分の2」と、平成21年4月以降の全額免除の反映は「8×2分の1」で、合計すると「 278 + 12 + 4 」= 294 と、なります。
従って、年間の受給金額は、788,900 × ( 294 ÷ 480 )= 483,200円に、なります。

計算は以上のように、大凡の年金の受取額が算出できますが、実際に年間受取額が48万円であった場合、月4万円です。どうやって暮らすのでしょうか?こうならないように、私的年金にでも入って、老後の生活費を確保しておく、だれでも簡単に思いつく方法です。

しかし、現在の収入が少なくて、日常生活のやりくりそのものに余裕がない場合、将来の老後の資金を貯めるなんて、できるわけありません。
普通に暮して一生を終えるのも、たいへんなのです。

日本年金機構の受給資格や支給に関して→http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3222

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