0464 交渉術2

「交渉術」と書けば、何やら特別なテクニックが必要と思われるかも知れませんが、そうではありません。これまでにブログで解説した「コミュニケーション・スキル」「意思決定」の組合せです。

交渉は平たく言えば「頼み事、頼まれ事」と言って良いでしょう。

仕事や政治的な場面のみが「交渉」となるのではありません。日常的なことでも当事者が意識することによって、それは「交渉」となります。

例えば、休日に夫が妻に「お茶入れてくれる?」。ありきたりな休日の一コマですが、これは交渉であると意識すれば交渉となります。妻は夫の頼み事を無条件に受け入れるのです。妻は日常的に最も協力的な関係者です。しかし、夫が他の女性と浮気をし、その浮気が妻にバレて散々揉めた直後に「お茶を入れてくれる?」となれば話は一変します。相手は感情的で、非協力的で、妻にとってお茶を入れる行為は何のメリットもない。

交渉は時として立場が相反する者、信頼関係がない者、感情的に受け入れがたい者、そう言った相手と交渉する場面があるかも知れません。また、交渉はその都度、たとえ過去に対応した相手であっても、まったく同じ環境や条件ではありません。つまり交渉は1回、1回別物なのです。

交渉術はたくさんの本が出版されていて、交渉術を学ぶ方は、本を読み、そして実践でその理論を試し、毎日へこたれず実践を続けることによって身に付いてゆきます。

多くの交渉に関するノウハウ本も、そのいっさつ一冊の内容がバラバラで、別の本を読む度にノウハウが異なるわけでもありません。むしろ基礎的な考え方の多くは共通しています。その共通と言える部分は、相手が「人」であることのリスクです。交渉での合意に達する方法はケースによって違ってきます。

共通する内容をまとめてみると以下のようになります。
(1)目的、着地点を考えている。
(2)合意に達するまでの障害、問題は相手の頭の中にある。
(3)多様性を受け入れる。
(4)相手の感情を刺激する言動は排除する。
(5)自分の感情もコントロールする。
主な共通内容は上記の5つ二なります。このことを次回にもう少し、深く考えて見ましょう。
 
さて、交渉学を勉強するには、やはり一度、有効かつ面白いテキストを読むことをオススメします。ビジネスていレベル研究所、ブックガイドを覗いて見てください。3つの交渉学のテキストを紹介しています。
●「ハーバード流交渉学」→http://d.hatena.ne.jp/sotton+book/20150309/1425924030
多くの交渉学に影響を与えた良書。交渉でのリスク、ソフト型、ハード型、原則立脚型など論理的に理解し易い内容です。

●「ウォートン流人生のすべてにおいてもっとトクをする新しい交渉術」→
http://d.hatena.ne.jp/sotton+book/20150310
新しい交渉学との位置づけ、実際にあった様々なケースの交渉を元二、合意に達する方法に何が必要であったのかを「ツール」として検証、紹介している。交渉の基礎的な共通部分ももちろんあります。

●「絶対に負けない交渉術」→http://d.hatena.ne.jp/sotton+book/20140222/1393036410
上記2冊は米国の有名大学の研究による者だが、この本は日本の弁護士、と言っても大学教授(名古屋商科大学)が書いたもので、交渉のポイントが分かりやすく整理され、初心者の方には無理なく読めて、かつ頭に入りやすい、時間のない方には一番良いかも。

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