人間になりつつある一種の動物

「人間になりつつある一種の動物」にとって、柔らかな有限の生と、結晶的形而上の世界の両方にまたがって生き続けることは、やっかいなことである。しかし、そのやっかいさを引き受けることでしか、言葉の宇宙の私たちにとってのリアリティは保てない。科学が明らかにしてきた統計的真実も、文学が扱ってきた生の個別性も、皆、私たちが生活者であり、同時に生活を超えた普遍者でもあるという事情の中に根差している。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/06/post_97d0.html