『サブウェイ123 激突』(トニー・スコット)

吉祥寺プラザにて、2回目。
初っ端からなにか異様なテンションで描かれる現金輸送車の爆走シーン、最後は大型車による横からの衝突で橋の上から落下した輸送車がごろんと横転してさかさまになり、その動きを止めるに至るわけですが、『ドミノ』『デジャヴ』に引き続き、このようなかたちでまたしても「車の落下」を劇中に導入してみせるトニー・スコットの執着ぶりにはなにかしら異様なものが感じられます。
ラストの橋の場面では走ってくる電車の動きとその前を横切って線路を渡るデンゼル・ワシントンの動き、直角に交わるふたつの動きが明瞭に視覚化されており、これは最終的に警官隊の横方向のベクトルと直角に交差する銃弾の運動に結びつくわけで、ここにもトニー・スコットの空間演出力のすばらしさが明確にあらわれていると思います。傑作です。